AFIフェスト2012 各賞発表!

 AFIフェスト2012(11月1日-8日)の各賞が発表になりました。(11月8日)

 AFI(American Film Institute:アメリカ・フィルム・インスティチュート)は、映像教育を目的とする非営利興行団体で、年間を通じて、さまざまな活動を行なっていて、AFIフェストは、その中に目玉行事の1つです。
 AFIフェストは、いわゆるポスト・トロント以降にアメリカ国内で開催されるいくつもの映画祭の1つであり、また、AFIが毎年6月に開催しているドキュメンタリーの祭典、シルバードックス・ドキュメンタリー映画祭に対応するもう1つの映画祭、と言っていいかもしれません。
 部門は、ガラ、特別上映、ワールド・シネマ、ミッドナイト、短編など11の部門で構成され、それぞれの部門はほぼ9作品ずつで編成されています。
 ラインナップは、この時期に開催される他の映画祭と似たりよったりですが、全米映画賞レース参戦作品のお披露目的な意味合いもあり、今年は『リンカーン』や『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』、“Hitchcock”などが上映されました。また、ワールド・シネマ部門とNew Auteurs部門で、米国アカデミー賞外国語映画賞の有力作品を上映する形にもなっています。

 今回の受賞結果は以下の通り。

 【審査員賞 短編部門】(Grand Jury Awards, Live Action And Animated Short)

 この部門の受賞作品は、米国アカデミー賞で短編映画賞部門、短編アニメーション部門の有資格作品と見なされます。

 ◆短編賞(Live Action Short)
 ◎“Introducing: Bobby”(米) 監督:Roger Hayn
 物語:借金苦に苦しむ元詐欺師が、再起を賭けて、TV番組“SUVIVOR”のオーディションに参加する。

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 ◆短編アニメーション賞
 ◎『オー、ウィリー』“Oh Willy...”(ベルギー・仏・オランダ) 監督:エマ・ドゥ・スワーフ(Emma De Swaef)、マーク・ジェイムス・ロエルズ(Marc James Roels)
 物語:ウィリーは、50代の、ふっくらした男性。彼は、母が死にかけているという連絡を受けて、不安で落ち着かず、久しぶりに帰郷する。故郷は裸体主義者のコミュニティーで、母がついに死んでしまった後、よい思い出のみならず、思い出したくもなかった思い出もよみがえってきて、彼は精神的危機に陥る。
 オランダ・アニメーション映画祭2012グランプリ受賞。
 ザグレブ国際アニメーションフェスティバル2012 グランプリ&観客賞受賞。
 カトゥーン・ドール2012受賞。
 シカゴ国際映画祭2012 最優秀短編アニメーション賞受賞。
 〈『グレートラビット』と世界のアニメーション傑作選〉(2012)にて上映。

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 【審査員賞 新人部門】(Grand Jury Award, New Auteurs)

 ◆審査員グランプリ
 ◎“Eat Sleep Die (Ata Sova Do)”(スウェーデン) 監督:Gabriela Pichler
 物語:Rašaは、バルカン半島出身のスウェーデン人だ。彼女は、高校も卒業しておらず、イスラム教徒ということも手伝って、そんな彼女が仕事を見つけるのは難しい。Rašaは、レタスのパック詰めをしている工場をクビになり、新しい仕事を探さなければならなくなる。父の面倒もみなければならない。厳しい状況の中、彼女はなぜ政府はすべての人に就職機会の均等を保証してくれないのかと考える。
 ベネチア国際映画祭2012 批評家週間出品。観客賞受賞。
 トロント国際映画祭2012 DISCOVERY部門。
 釜山国際映画祭2012 ワールド・シネマ部門出品。
 ワルシャワ国際映画祭2012 ディスカバリーズ部門出品。
 チューリヒ映画祭2012 インターナショナル長編コンペティション部門出品。スペシャル・メンション受賞。
 レイキャビク国際映画祭2012 New Visionコンペティション部門出品。

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 【観客賞】(Audience Awards)

 ◆ワールド・シネマ部門(World Cinema)
 ◎“A Royal Affair(En Kongelig Affære)”(デンマーク・スウェーデン・チェコ・独) 監督:ニコライ・アーセル(Nikolaj Arcel)
 出演:マッツ・ミケルセン、Alicia Vikander、トリーヌ・ディルホム、ディヴィッド・デンシック、Mikkel Boe Følsgaard
 物語:ヨハン・フリードリヒ・ストルーエンセは、デンマークのアルトナの町医者であった。しかし、1768年に精神的に不安定なデンマーク王クリスチャン7世に伴って、ヨーロッパ中を旅することになる。旅の間に、彼は、王の信頼を得、王個人のお抱え医師となった。ところが、彼は、それ以上のものを望んだ。ハンサムで自信に満ちた彼に恋した女王の寵愛の下、次第に国政に口出しするようになる。ヨーロッパを啓蒙するという一大計画にタッチし、出版と表現の自由を進めた。拷問と農奴制を廃止し、学校制度を整備した。そして、貴族の特権の制限にも着手した。怒ったのは貴族で、彼らは自らの富と権力が失われるのを恐れ、これら「冒涜的な活動」を拒絶。結局、これらの改革は試論に終わってしまった。
 町医者から事実上の「摂政」にまで上り詰めたヨハン・フリードリヒ・ストルーエンセの実話の映画化。
 ベルリン国際映画祭2012 コンペティション部門出品。男優賞、脚本賞受賞。
 トロント国際映画祭2012 GALA PRESENTATIONS部門出品。
 米国アカデミー賞2013 外国語映画賞 デンマーク代表。
 ヨーロッパ映画賞2012 美術監督賞・作曲家賞ノミネート。

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 そのほかの上映作品は、『愛、アムール』、『塀の中のジュリアス・シーザー』、『東ベルリンから来た女』、“Beyond the Hills”、“Berberian Sound Studio”、“The Angels’ Share”など。

 ◆New Auteurs部門
 ◎『シージャック』“A Hijacking(Kapringen)”(デンマーク) 監督:トビアス・リンホルム(Tobias Lindholm)
 物語:インド洋で、貨物船MV Rosen号が海賊に乗っ取られる。船員は人質にされ、海賊は船舶会社に身代金を要求する。そこから、海賊と船舶会社の経営者との生と死を賭けた心理戦が始まる。
 ベネチア国際映画祭2012 Orizzonti部門出品。
 トロント国際映画祭2012 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。
 チューリヒ映画祭2012 インターナショナル長編コンペティション部門出品。

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 そのほかの上映作品は、『ヒア・アンド・ゼア』、“After Lucia”、“Antiviral”、“Clip”など。

 ◆ヤング・アメリカ部門(Young Americans)
 ◎“Only The Young”(米) 監督:Jason Tippet、Elizabeth Mims
 物語:舞台は、ロサンゼルスの北にある町サンタ・クラリタ。かつては富裕者層が暮らしていたが、今では不況の打撃を受けて、空き家も増えている。ギャリソンとケヴィンは、親友で、そんな空き家に入り込んで、スケートボードをしている。2人は、パンクだが、乱暴者ではなく、スケートボードと同じくらい福音伝道に身を捧げている。この2人に、ギャリソンとくっついたり、別れたりしているガールフレンド、スカイ(敬虔なクリスチャンで、家が競売の危機にある)と、ギャリソンの新しい恋人クリステンを加えた4人で、物語が展開する。

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 そのほかの上映作品は、『エレクトリック・チルドレン』、“Kid-Thing”など。

 ◆ブレイクスルー部門(Breakthrough)
 ◎“Nairobi Half Life”(ケニア・独) 監督:David Tosh Gitonga
 物語:両親の反対にもかかわらず、Mwasは、俳優になるという夢を実現するために、ケニアの奥地からナイロビへ向かう。無知と失敗のせいで、彼は拘置所に入れられ、そこでギャングと知り合いになる。夢の実現とナイロビで生き抜くために、Mwasは、昼は俳優になるためのレッスンをし、夜はギャングとして活動をする。
 米国アカデミー賞2013外国語映画賞 ケニア代表。ケニアから出品された初めての作品。

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 あちこちで話題になったり、賞を受賞したりしている作品がほとんどですが、特に気になるのは、快進撃を続けている『オー、ウィリー』でしょうか。
 米国アカデミー賞短編アニメーション賞を受賞するような作品とは違うというか、ちょっとクセが強い作品のように見えますが、そんなこともないのでしょうか。

 ちなみに、日本からの出品作品は、『ライク・サムワン・イン・ラブ』のみでした。

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 *当ブログ記事
 ・映画賞&映画祭カレンダー 2012年6月~2013年1月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201206/article_9.html

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