ストックホルム国際映画祭2012 受賞結果!

 第23回ストックホルム国際映画祭(11月7日-18日)の各賞が発表されました。

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 【コンペティション部門】

 ・“Broken”(英) 監督:Rufus Norris
 ・“My Brother the Devil”(英) 監督:Sally El Hosaini
 ・“Una Noche(One Night)”(英・キューバ・米) 監督:Lucy Mulloy
 ・“Tabu”(ポルトガル) 監督:ミゲル・ゴメス(Miguel Gomes)
 ・“Augustine”(仏) 監督:Alice Winocour
 ・“Beyond the Walls”(ベルギー) 監督:David Lambert
 ・『シスター』“Sister”(スイス) 監督:ウルスラ・メイヤー
 ・“Lore”(独・オーストラリア・英) 監督:ケイト・ショートランド(Cate Shortland)
 ・“The Color of Chameleon”(ブルガリア) 監督:Emil Christov
 ・“Call Girl”(スウェーデン・アイルランド・ノルウェー・フィンランド) 監督:Mikael Marcimain
 ・“Roland Hassel”(スウェーデン) 監督:Måns Månsson
 ・“Bekas”(スウェーデン・フィンランド・イラク) 監督:Karzan Kader
 ・“Love Me Not(不能愛)”(香港) 監督:Gilitte Leung
 ・“Lotus”(中) 監督:Liu Shu
 ・“Wish You Are Here”(オーストラリア) 監督:Kieran Darcy-Smith
 ・“Beasts of the Southern Wild”(米) 監督:Benh Zeitlin
 ・“Killing Them Softly”(米) 監督:アンドリュー・ドミニク
 ・“Compliance”(米) 監督:Craig Zobel
 ・“Middle of Nowhere”(米) 監督:Ava DuVernay
 ・“After Lucía”(メキシコ) 監督:Michael Franco

 ◆作品賞/Bronze Horse for Best Film
 ◎“Lore”(独・オーストラリア・英) 監督:ケイト・ショートランド(Cate Shortland)

 “Lore”(オーストラリア・英・独) 監督:ケイト・ショートランド(Cate Shortland)
 物語:ナチの両親が投獄されて、Loreは、妹ともに、戦争で破壊された1945年のドイツの地を進んでいく。カオスの中、彼女はミステリアスなユダヤ人の少年トマスと出会い、憎しみと欲望を浴びせかけられて、彼女のもろいリアリティーはバラバラにされる。生きるために、彼女は誰かの助けを借り、人を憎み、自分の中の闇と向き合うことを学ぶ。
 トロント国際映画祭2012 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 米国アカデミー賞2012 外国語映画賞 オーストラリア代表。
 ハンプトンズ国際映画祭2012 最優秀長編作品賞ナラティヴ部門&撮影賞受賞。
 バリャドリッド国際映画祭2012 新人監督賞受賞。

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 ◆新人監督賞(Best Directorial Debut)
 ◎Benh Zeitlin “Beasts of the Southern Wild”(米)

 “Beasts of the Southern Wild”(米) 監督:Benh Zeitlin
 出演:Quvenzhané Wallis、Dwight Henry
 物語:「不屈の心を持つ6歳の少女ハッシュパピーは、父のウィンクと共にルイジアナの臨海湿地帯バイユーに暮らしている。「バスタブ」と呼ばれるその小さなコミュニティは長い堤防で産業地帯や通常の文化生活と隔てられ、まるで世界の果てのよう。大きな嵐が来ると堤防でせき止められた水はどこにも行きようがなく、バスタブはすっかり水没してしまう。住人は水上共同避難所を作って暮らすことになるが、誰もバスタブを後にする者はいない。謎の病に冒されているウィンクの健康は日を追って悪化し、自分がいなくなった後の世界でハッシュパピーが強く生きていけるよう、父は娘を懸命に訓練する。ウィンクの心臓が痛むのと呼応するように、世界の鼓動が突然速く強く乱れる。南極では棚氷から巨大な氷塊が離れ、海上を漂い始めた。氷の中に眠っているのは前史時代の獣、オーロクたち。そんな中ハッシュパピーは、物心つく前にいなくなった母親を捜して海に泳ぎ出る。」
 南ルイジアナ沿岸が浸水危機に陥ったというエピソードにインスパイアされて作られた神話風の物語。
 短編“Glory at Sea”(2008)で数々の賞を受賞したBenh Zeitlinの初監督長編。
 NHK・サンダンス国際映像作家賞2010 アメリカ部門受賞。
 サンダンス映画祭2012 審査員グランプリ&撮影賞受賞。
 カンヌ国際映画祭2012 ある視点部門出品。カメラドール、国際批評家連盟賞、エキュメニカル審査員賞スペシャル・メンション、Prix Regards Jeunes受賞。
 ロサンゼルス映画祭2012 観客賞受賞。
 ドーヴィル・アメリカン映画祭2012 グランプリ&ニューカマー賞受賞。
 レイキャビク国際映画祭2012 グランプリ(Golden Puffin)受賞。
 BFIロンドン映画祭2012 第1回作品賞コンペティション部門 作品賞受賞。
 ゴッサム・アワード2012 ブレイクスルー監督賞&ブレイクスルー俳優賞(Quvenzhane Wallis)ノミネート。

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 ◆新人監督賞 スペシャル・メンション(Special Mention for Directorial Debut)
 ◎Karzan Kader  “Bekas”(スウェーデン・フィンランド・イラク)

 “Bekas”(スウェーデン・フィンランド・イラク)  監督:Karzan Kader
 物語:1990年代のクルディスタンの村。サダム・フセインの恐怖政治はこの村にまで及んでいた。ある日、ザナとダナの兄弟は、古びた映画館に開いた穴から『スーパーマン』を観て、クルディスタンのあらゆるトラブルを解決する方法はこれだと考える。スーパーマンに敵う独裁者はいない。そして、2人は、マイケル・ジャクソンと名づけたロバとともに、スーパーマンのいるアメリカの大都市を目指して出発する。

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 ◆男優賞
 ◎ティム・ロス “Broken”(英)

 “Broken”(英) 監督:Rufus Norris
 出演:ティム・ロス、Eloise Laurence、キリアン・マーフィー、Zana Marjanovic
 物語:スクンクは、11歳の少女で、父と弟のジェドとオペアのカーチャと一緒にロンドンで暮らしている。近くには奇妙な隣人リックが住んでいて、彼女はリックと特別な友情関係を築いていた。母は家を出て行き、彼女には糖尿病の気があったが、それでも彼女の目には世界はまだパーフェクトに見えた。ある日、近くにオズワルドという男性が引っ越してくる。彼は、妻が死んで以来、暴力を抑えきれなくなっていて、その矛先はリックに向かう。学校では、オズワルドの3人の娘たちが、彼女の学校生活を生き地獄に変える。そして、リックは病院送りになり、カーチャは、スクンクの大好きな先生と親しくなる。父は、こうしたまわりの変化に全く気づかない。スクンクの世界は、すっかり崩壊してしまうが、彼女はそれでもそれにしがみついて生きていこうと決める。
 カンヌ国際映画祭2012 批評家週間出品。
 チューリヒ映画祭2012 グランプリ/ゴールデン・アイ受賞。
 ヨーロッパ映画賞2012 ディスカバリー賞ノミネート。
 ブリティッシュ・インディペンデント・フィルム・アワード2012 最多9部門ノミネート。

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 ◆女優賞
 ◎Saskia Rosendahl “Lore”(独・オーストリア・英)

 ◆女優賞 スペシャル・メンション
 ◎Eloise Laurence “Broken”(英)

 ◆脚本賞
 ◎アンドリュー・ドミニク “Killing Them Softly”(米)

 “Killing Them Softly”(米) 監督:アンドリュー・ドミニク
 出演:ブラッド・ピット、スクート・マクネイリー(Scoot McNairy)、ベン・メンデルスゾーン、ジェームズ・ガンドルフィーニ、リチャード・ジェンキンス、ヴィンセント・カラトーラ(Vincent Curatola)、レイ・リオッタ
 物語:マフィアの用心棒ジャッキー・コーガンは、マフィアが仕切っているポーカー・ゲームの間に起こった強盗事件を調査する。
 ジョージ・V・ヒギンズの“Cogan's Trade”の映画化。
 カンヌ国際映画祭2012 コンペティション部門出品。

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 ◆撮影賞
 ◎アダム・アーカポー(Adam Arkapaw) “Lore”(独・オーストリア・英)

 ◆音楽賞
 ◎マックス・リヒター “Lore”(独・オーストリア・英)

 ◆Telia Film Award
 ◎“Una Noche(One Night)”(英・キューバ・米) 監督:Lucy Mulloy

 ◎“Una Noche(One Night)”(キューバ・米・英) 監督:Lucy Mulloy
 出演:Dariel Arrechaga、Anailín de la Rúa de la Torre、Javier Núñez Florián
 物語:10代のラウルとエリオは、貧しい生まれで、キューバにやってくるリッチな旅行者のためのケイタリングをして働いていたが、いつまでもこんなところでこうしてはいられないと歯がゆい思いを抱いていた。希望は、そんなに遠くはない。マイアミに行けば、きっと明るい未来が開ける。そう信じていた。ある日、ラウルは旅行客に暴力を振るったとクレームをつけられ、もうやっていられないと考える。国を出るなら今だ。しかし、エリオは、双子の妹を置いていっていいか、悩んでいた。そして人生を賭けた夜がやってくる……。
 ゴッサム・アワード2011 女性フィルムメーカー・スポットライト賞受賞。
 ベルリン国際映画祭2012 ジェネレーション 14plus部門出品。
 トライベッカ映画祭2012 監督賞・男優賞(Dariel Arrechaga、Javier Núñez Florián)・撮影賞受賞。
 ドーヴィル・アメリカン映画祭2012 審査員賞受賞。

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 ◆観客賞/Silver Audience Award
 ◎“Call Girl”(スウェーデン・アイルランド・ノルウェー・フィンランド) 監督:Mikael Marcimain

 “Call Girl”(スウェーデン・アイルランド・ノルウェー・フィンランド) 監督:Mikael Marcimain
 出演:ペルニラ・アウグスト、Sofia Karemyr、Simon J Berger、Sven Nordin、デイヴィッド・デンシック(David Dencik)、Ruth Vega Fernandez、ヨセフィン・アスプルンド(Josefin Asplund)、マグヌス・クレッペル(Magnus Krepper)、クリストッフェル・ヨーネル(Kristoffer Joner)
 物語:1970年代末のストックホルム。政府のビルと少年院から石を投げれば届く範囲に、セックス・クラブやディスコや民家がある歓楽街が広がっている。コールガールは、どうやって社会の底辺からイリスをスカウトして、力があれば何でも手に入る過酷な世界に飛び込ませたのかを話し始める。
 トロント国際映画祭2012 ディスカバリー部門出品。

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 【その他の賞】

 ◆最優秀短編賞(Best Short Film)
 ◎『リッチーとの一日』“Curfew”(米) 監督:Shawn Christesen

 『リッチーとの一日』“Curfew”(米) 監督:Shawn Christesen
 物語:麻薬常習者のリッチーは自殺しようとしていて、姉から、数時間、娘の面倒を見てくれないかという電話を受ける。彼は、風変わりな9歳の娘を預かって、彼女と関係を育み、友だちになる。
 ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2012 観客賞受賞。

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 ◆iFestival Winner
 ネットで視聴し、投票する短編映画のコンペティション。
 ◎“Bejamin's Flowers”(スウェーデン) 監督:Malin Erixon

 “Bejamin's Flowers”(スウェーデン) 監督:Malin Erixon
 物語:失恋したベンジャミンは、寂しさのあまり、現実と空想の区別がつかなくなる。

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 ◆国際批評家連盟賞
 ◎“Everyday”(英) 監督:マイケル・ウィンターボトム

 “Everyday”(英) 監督:マイケル・ウィンターボトム
 出演:ジョン・シム、シャーリー・ヘンダーソン
 物語:父親イアンが刑務所送りになって、母親カレンが4人の子どもを独りで育てなければならなくなる。
 5年以上の歳月をかけて撮影された作品。
 トロント国際映画祭2012 MASTERS部門出品。

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 ◆ライジング・スター賞(VIASAT Film Rising Star)
 ◎Nermina Lukac “Eat Sleep Die (Äta sova dö)(スウェーデン) 監督:Gabriela Pichler

 “Eat Sleep Die (Ata Sova Do)”(スウェーデン) 監督:Gabriela Pichler
 物語:Rašaは、バルカン半島出身のスウェーデン人だ。彼女は、高校も卒業しておらず、イスラム教徒ということも手伝って、そんな彼女が仕事を見つけるのは難しい。Rašaは、レタスのパック詰めをしている工場をクビになり、新しい仕事を探さなければならなくなる。父の面倒もみなければならない。厳しい状況の中、彼女はなぜ政府はすべての人に就職機会の均等を保証してくれないのかと考える。
 ベネチア国際映画祭2012 批評家週間出品。観客賞受賞。
 トロント国際映画祭2012 DISCOVERY部門。
 釜山国際映画祭2012 ワールド・シネマ部門出品。
 ワルシャワ国際映画祭2012 ディスカバリーズ部門出品。
 チューリヒ映画祭2012 インターナショナル長編コンペティション部門出品。スペシャル・メンション受賞。
 レイキャビク国際映画祭2012 New Visionコンペティション部門出品。
 AFIフェスト2012 審査員グランプリ受賞。
 セビリヤ・ヨーロッパ映画祭2012 最優秀作品賞&女優賞(Nermina Lukac)受賞。

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 ◆ストックホルム映画賞(Stockholm Feature Film Award)
 ◎映画プロジェクト“Unga Sophie Bell (Young Sophie Bell)” 監督:Amanda Adolfsson プロデューサー:Gila Bergqvist-Ulfung

 ◆1Km Film Scholarship
 ◎Johanna Paulsdotter “Århundradets Brott (Damaged Ones)”(スウェーデン)

 ◆ストックホルム貢献賞(Stockholm Achievement Award)
 ◎ウィレム・デフォー

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 ◆ストックホルム生涯貢献賞(Stockholm Lifetime Achievement Award)
 ◎ヤン・トロエル

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 ◆ストックホルム・ヴィジョナリー賞(Stockholm Visionary Award)
 ◎ジャック・オディアール

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 コンペティション部門にほとんどプレミア作品はありませんが(“Bekas”と“Roland Hassel”くらい?)、2012年で比較的に評価の高かった作品が集められていて、ラインナップとしては、なかなか悪くありません。

 有力な作品は、こうした秋から冬にかけての映画祭サーキットを通して、受賞歴を重ねていくわけですが、おなじみの作品が多い中で、特に評価の高かったのはオーストラリア映画の“Lore”ということになるでしょうか。

 初見の作品では、“Bekas”が面白そうですね。来年の「福岡」か、キンダーフィルム・フェストあたりで上映されるでしょうか。

 
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 *当ブログ記事
 ・映画賞&映画祭カレンダー 2012年6月~2013年1月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201206/article_9.html

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