『王になった男』が総なめ! 大鐘賞2012 受賞結果!

 第49回大鐘賞の授賞式が行なわれました。(10月30日)

 ◆最優秀作品賞
 ・『ピエタ』 監督:キム・ギドク
 ・“Eungyo /은교” 監督:チョン・ジウ
 ・『トガニ 幼き瞳の告発』 監督:ファン・ドンヒョク
 ◎『王になった男』“Masquerade(광해, 왕이 된 남자)” 監督:チュ・チャンミン(Chang-min Choo)
 ・『折れた矢』 監督:チョン・ジヨン

 百想芸術大賞2012では、『折れた矢』が受賞。

 ◆監督賞
 ・イ・ヨンジュ 『建築学概論』
 ・キム・ギドク 『ピエタ』
 ・チェ・ドンフン “The Thieves /도둑들(泥棒たち)”
 ◎チュ・チャンミン(Chang-min Choo)  『王になった男』“Masquerade(광해, 왕이 된 남자)”
 ・チョン・ジヨン 『折れた矢』

 チュ・ミャンミンは、これが監督第4長編で、初監督作品の『麻婆島』(2005)がアジア・フォーカス福岡国際映画祭で、監督第2作の『愛を逃す』(2006)が福岡アジア映画祭で上映されています。

画像

 ◆主演男優賞
 ・チェ・ミンシク “Nameless Gangster: Rules Of The Time/범죄와의 전쟁:나쁜놈들 전성시대(犯罪との戦争)”(監督:ユン・ジョンビン)
 ・キム・ミョンミン 『ペースメーカー』(監督:キム・ダルジュン)
 ・ファン・ジョンミン 『ダンシング・クイーン』(監督:イ・ソクン)
 ◎イ・ビョンホン 『王になった男』“Masquerade(광해, 왕이 된 남자)”
 ・アン・ソンギ 『折れた矢』

 百想芸術大賞2012では、アン・ソンギが受賞。

 イ・ビョンホンは、15年前に新人男優賞を受賞して以来の大鐘賞受賞です。

画像

 ◆主演女優賞
 ◎チョ・ミンス 『ピエタ』
 ・キム・コウン(김고은) “Eungyo /은교”
 ・オム・ジョンファ 『ダンシング・クイーン』
 ・ファン・ジョンミン “Jesus Hospital(밍크코트)”(監督:シン・アカ(신아가)、イ・サンチョル(이상철))
 ・イム・スジョン “내 아내의 모든 것(私の妻のすべて)”(監督:ミン・ギュドン)

 百想芸術大賞2012では、オム・ジョンファが受賞。

画像

 ◆助演男優賞
 ・チョ・ジョンソク(조정석) 『建築学概論』
 ・キム・ソンギュン “Nameless Gangster: Rules Of The Time/범죄와의 전쟁:나쁜놈들 전성시대(犯罪との戦争)”
 ・リュ・スンリョン “내 아내의 모든 것(私の妻のすべて)”
 ・ユ・ジュンサン 『3人のアンヌ』(監督:ホン・サンス)
 ◎リュ・スンリョン 『王になった男』“Masquerade(광해, 왕이 된 남자)”

画像

 ◆助演女優賞
 ・カン・ウンジン 『ピエタ』
 ・キム・ヒョンス 『トガニ 幼き瞳の告発』
 ・ラ・ミラン 『ダンシング・クイーン』
 ・ムン・ジョンヒ “Yeongasi(연가시)”(監督:Park Jung-Woo)
 ◎キム・ヘスク “The Thieves /도둑들(泥棒たち)”

画像

 ◆新人男優賞
 ・チョ・ジョンソク(조정석) 『建築学概論』
 ・キム・ソンギュン “Nameless Gangster: Rules Of The Time/범죄와의 전쟁:나쁜놈들 전성시대(犯罪との戦争)”
 ◎キム・ソンギュン “이웃사람(隣人)”(監督:キム・フィ(김휘))
 ・ウ・ギホン(우기홍) 『ピエタ』
 ・チェ・ダニエル “공모자들(共謀者たち)”(監督:キム・ホンソン(김홍선))

 百想芸術大賞2012では、キム・ソンギュンが“Nameless Gangster: Rules Of The Time”で受賞。

画像

 ◆新人女優賞
 ・スージー(수지) 『建築学概論』
 ・コ・アラ 『ペースメーカー』
 ・ユ・へジョン “Lovable(다슬이)”(監督:Park Chul Soon(박철순))
 ・カン・ウンジン 『ピエタ』
 ◎キム・コウン(김고은) “Eungyo /은교”

 百想芸術大賞2012では、スージーが受賞。

画像

 ◆新人監督賞
 ・キム・ダルジュン 『ペースメーカー』
 ・シン・アカ(신아가)、イ・サンチョル(이상철) “Jesus Hospital(밍크코트)”
 ・キム・ジュホ(김주호) “바람과 함께 사라지다(風と共に去りぬ)”
 ・キム・ホンソン(김홍선) “공모자들(共謀者たち)”
 ◎チェ・ジョンテ(최종태) “Hand in Hand(偕老/해로)”

画像

 ◆脚本賞
 ◎ファン・ジョユン(Hwang Jo-Yoon/황조윤) 『王になった男』“Masquerade(광해, 왕이 된 남자)”

 ◆撮影賞
 ◎イ・テユン 『王になった男』“Masquerade(광해, 왕이 된 남자)”

 イ・テユンは『アジョシ』などを手がける撮影監督。

 ◆編集賞
 ◎ナム・ナヨン(Nam Na-Young/남나영) 『王になった男』“Masquerade(광해, 왕이 된 남자)”

 ナム・ナヨンは、“가비(Gabi/珈琲)”、ホ・ジノ版の『危険な関係』、“늑대소년(Wolfboy/オオカミ少年)”などを手がける2012年大活躍の映画編集者です。前回、『サニー 永遠の仲間たち』で受賞し、2年連続受賞。

 ◆照明賞
 ◎オ・スンチョル 『王になった男』“Masquerade(광해, 왕이 된 남자)”

 オ・スンチョルは、『四月の雪』『悲しみよりもっと悲しい物語』『義兄弟』『悪魔を見た』などで照明を手がけています。『悪魔を見た』以来2年ぶりの受賞。

 ◆美術賞
 ◎オ・フンソク(Oh Heung-Suk/오흥석) 『王になった男』“Masquerade(광해, 왕이 된 남자)”

 ◆衣裳賞
 ◎クォン・ユジン(Kwon Yoo-Jin/권유진)、イム・スンヒ 『王になった男』“Masquerade(광해, 왕이 된 남자)”

 クォン・ユジンは、『朝鮮名探偵 トリカブトの秘密』『神弓-KAMIYUMI-』“Nameless Gangster: Rules Of The Time(犯罪との戦争)”などを手がける衣裳デザイナー。1994年、1997年にも受賞。
 イム・スンヒは、『サマリア』『7級公務員』『トガニ 幼き瞳の告発』などを手がける衣裳デザイナー。

 ◆映像技術賞
 ◎チョン・ジェフン(Jung Jae-Hoon/정재훈) 『王になった男』“Masquerade(광해, 왕이 된 남자)”

 チョン・ジェフンは、『哀しき獣』などを手がけています。

 ◆音響技術賞
 ◎イ・サンジュン(Lee Sang-Joon/이상준) 『王になった男』“Masquerade(광해, 왕이 된 남자)”

 イ・サンジュンは、『二階の悪党』“주유소 습격사건 2(アタック・ザ・ガスステーション2)”『アジョシ』などを手がける録音技師。

 ◆音楽賞
 ◎モグ、キム・ジュンソン(Kim Joon-Sung/김준성) 『王になった男』“Masquerade(광해, 왕이 된 남자)”

 モグは『悪魔を見た』などで知られる音楽家。
 キム・ジュンソンは『二階の悪党』『世界で最も美しい別れ』『痛み』“공모자들(共謀者たち)”などを手がける音楽家。2005年に『マラソン』で受賞して以来の受賞。

 ◆短編映画賞
 ◎チェ・ジェヨン(Choi Ji-Yeon/최지연) “Woman(여자/Yeoja)”

画像

 ◆企画賞
 ◎イム・サンジン(Im Sang-Jin/임상진)  『王になった男』“Masquerade(광해, 왕이 된 남자)”

 ◆人気賞
 ◎イ・ビョンホン 『王になった男』“Masquerade(광해, 왕이 된 남자)”

 ◆審査員特別賞
 ◎『ピエタ』

 ◆映画発展功労賞
 ◎クァク・ジョンファン(Kwak Jung-Hwan/곽정환)
 クァク・ジョンファンは、1930年生まれのベテラン男優。

画像

 ◎コ・ウナ(Ko Eun-Ah/고은아)
 コ・ウナは、1946年生まれのベテラン女優。

画像

 ※『ピエタ』は、東京フィルメックス2012で上映。
 『折れた矢』『ペースメーカー』は、福岡アジア映画祭2012で上映。
 『建築学概論』は、コリアンシネマウィーク2012で上映。
 『ダンシング・クイーン』は、アジアフォーカス福岡国際映画祭で上映。

--------------------------------

 主要9部門のノミネート&受賞状況は以下の通りです。

 ・『ピエタ』(1/6):作品・監督・主演女優・助演女優・新人男優・新人女優
 ・『王になった男』(4/4):作品・監督・主演男優・助演男優
 ・『建築学概論』(0/4):監督・助演男優・新人男優・新人女優
 ・“Eungyo /은교”(1/3):作品・主演女優・新人女優
 ・『折れた矢』(0/3):作品・監督・主演男優
 ・“Nameless Gangster: Rules Of The Time(犯罪との戦争)”(0/3):主演男優・助演男優・新人男優
 ・『ペースメーカー』(0/3):主演男優・新人女優・新人監督
 ・『ダンシング・クイーン』(0/3):主演男優・主演女優・助演女優
 ・『トガニ 幼き瞳の告発』(0/2):作品・助演女優
 ・“The Thieves /도둑들(泥棒たち)”(1/2):監督・助演女優
 ・“Jesus Hospital(밍크코트)”(0/2):主演女優・新人監督
 ・“내 아내의 모든 것(私の妻のすべて)”(0/2):主演女優・助演男優
 ・“공모자들(共謀者たち)”(0/2):新人男優・新人監督
 ・『3人のアンヌ』(0/1):助演男優
 ・“Yeongasi(연가시)”(0/1):助演女優
 ・“이웃사람(隣人)”(1/1):新人男優
 ・“Lovable(다슬이)”(0/1):新人女優
 ・“바람과 함께 사라지다(風と共に去りぬ)”(0/1):新人監督
 ・“Hand in Hand(偕老/해로)”(0/1):新人監督

 ※ 新人監督賞までの主要9部門以外の部門は、ノミネーションが事前に発表になったのか、そもそも受賞者以外のノミニーも発表されているのか、ネットで調べた限りではわかりませんでした。10月18日以降すっとチェックしていたのですが。

 主要9部門以外の部門以外のノミネーションが事前に発表されないことになったのだとしたら、また選考のプロセスが変わったということになりますが、ざっと調べた限りでは、これについての説明もどこにも見当たりませんでした。(これを書いている時点で、大鐘賞の公式サイトにはアクセスできない状態になっています。)

 さて、第49回大鐘賞の受賞結果は、『王になった男』が、主要部門9部門のうち、ノミネートされていた4部門すべてを制したほか、技術部門のすべての部門を制覇し、全15冠になりました。

 キム・ギドクの『ピエタ』は主演女優賞の1部門のみの受賞で、ホン・サンスの『3人のアンヌ』や百想芸術大賞で上位入賞を争った『折れた矢』や“Nameless Gangster: Rules Of The Time(犯罪との戦争)”は無冠に終わりました。

 全部で15冠というのは、たぶん大鐘賞始まって以来のことのはずで、日本に韓国映画が紹介されるようになってからだけでも―

 1993年:『風の丘を越えて』 6部門
 1995年:『永遠なる帝国』 8部門
 1999年:『シュリ』 6部門
 2004年:『オールド・ボーイ』 5部門
 2006年:『王の男』 10部門
 2008年:『チェイサー』 6部門

 という具合になっています。

 作品賞と監督賞と脚本賞の3部門を制している作品でも、2000年以降で、2000年の『ペパーミント・キャンディー』、2006年の『王の男』の2作品しかありません。

 『王になった男』が、韓国映画史上で最高傑作と言われるような作品なのかどうかはわかりませんが、9月13日の劇場公開以来、1000万人の観客動員を記録して、韓国映画史上7番目のヒットになっているということなので、一般観客に絶大な支持を受けている作品だということは確かなようです。

 ベネチア国際映画祭から米国アカデミー賞2013外国語映画賞 韓国代表作品決定の流れからすれば、韓国は、初の韓国映画の米国アカデミー賞外国語映画賞ノミネートに向けて、国を挙げて『ピエタ』を盛り上げていこうといているのかと思ったら、全然そんなことはないんですね。

 キム・ギドクは、2004年に『春夏秋冬そして春』で大鐘賞作品賞を受賞したくらいで、これまで大鐘賞で監督賞を受賞したことはなく、今回くらいは作品賞か監督賞のどちらか、あるいは両方を受賞できるのではないかと思っていたんですが、今回も見送られてしまいました。

 韓国の映画賞は、それぞれ性格が異なるので、大鐘賞の結果がそのまま他の映画賞にも引き継がれるということはなく、上記の受賞結果も、今後の発表される映画賞の結果によって検証されていくことになるのだろうと思います。

 直近では、11月7日に韓国映画評論家協会賞が発表されることになっています。

 15部門を1つの作品が独占させることに対しては、確実に反発や非難もあるはずで、そういった非難に応じて、これまで度々選考のプロセスを変えてきた大鐘賞であってみれば、来年以降、またそれに変更を加えてくるかもしれません。

--------------------------------

 『王になった男』“Masquerade(광해, 왕이 된 남자)”
 監督:チュ・チャンミン
 出演: イ・ビョンホン、リュ・スンリョン、ハン・ヒョジュ、キム・イングォン、シム・ウンギョン
 物語:17世紀初頭の李氏朝鮮。対外的には、東からは豊臣秀吉が朝鮮出兵を行ない、北からは女真族の後金が勢力を伸ばしてきている。一方、国内的には、14代国王宣祖が後継者を決めないまま亡くなり、先王の側室の次男である光海君が即位するが、政権は不安定で、権力闘争が続いていた。
 後継者争いを粛清によって決着をつけた光海君は、次第に暴君と化し、自らも命を狙われるのではないかと恐れて、都承旨のホ・ギュンに命じて、自分の身代わりとなる影武者を探させる。ホ・ギュンは、町中を歩き回って、姿形が王にそっくりで、酔客たちを相手に王の真似をしてみせているハソンを見つける。その後、突然、光海君が倒れたため、ホ・ギョンは、ハソンを宮中に呼び、急遽、彼に王の代役を務めさせることに決める。ホ・ギュンの指示のもと、口調や歩き方などの指導を受けて、ハソンは、極秘で王になり代わる。しかし、人格まではまねできない。王の突然の変化に王妃は戸惑い、家臣の中には王が偽者なのではないかと疑う者も現れる。そんな中、ハソンは、次第にホ・ギュンらの操り人形にとどまらず、民のことを考える真の王となっていく……。
 CJ Entertainment Japan配給にて、2013年2月公開予定。

画像

--------------------------------

 *この記事が参考になった!と思ったら、人気ブログランキングにクリックをお願いします。
 ↓ ↓ ↓ ↓
 
 ↑ ↑ ↑ ↑
 クリックしてね!

 *当ブログ記事

 ・大鐘賞2012 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201210/article_26.html
 ・大鐘賞2011発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201112/article_60.html
 ・大鐘賞2010 発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201011/article_3.html 
 ・大鐘賞2009 発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_10.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2012年6月~2013年1月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201206/article_9.html

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック