ルイ・デリュック賞2012 ノミネーション発表!

 第70回ルイ・デリュック賞のノミネーションが発表されました。(10月26日)

 今回発表されたのは、なぜかルイ・デリュック賞本賞(作品賞)のノミネーションのみで、新人監督部門は近日中に発表されるそうです。

 第70回ルイ・デリュック賞のノミネーションは以下の通り。

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 ・“Amour(Love)”(オーストリア) 監督:ミヒャエル・ハネケ
 出演:ジャン=ルイ・トランティニャン、エマニュエル・リヴァ、イザベル・ユペール、アレクサンドル・タロー
 物語:ゲオルグとアンネは、夫妻で、ともに音楽教師をしていたが、80代になった今は現役を退いている。彼らの娘もまた音楽家で、彼女は、家族とともに外国で暮らしている。ある日、アンネが事故に遭い、彼らの愛が試されることになる。
 カンヌ国際映画祭2012 コンペティション部門出品。パルムドール受賞。
 トロント国際映画祭2012 MASTERS部門出品。
 サンセバスチャン国際映画祭2012 国際批評家連盟賞グランプリ。
 ロングライド配給にて2013年公開予定。

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 ・“La désintégration”(仏) 監督:フィリップ・フォコン(Philippe Faucon)
 出演:Rachid Debbouze、Yassine Azzouz、Perset Ymanol、Mohamed Nachit
 物語:現在のリールのどこか。アリ、ナセル、ハムザの3人は、20歳前後で、10歳年上のデジャメルに憧れていた。デジャメルは、彼らの失望や弱さや社会に対する怒りを利用して、次第に彼らを操っていくようになる……。
 ベネチア国際映画祭2011 アウト・オブ・コンペティション部門出品。

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 ・“Holy Motors”(仏・独) 監督:レオス・カラックス
 出演:ドニ・ラヴァン、エディット・スコブ(Edith Scob)、エヴァ・メンデス、カイリー・ミノーグ、Cordelia Piccoli、Elise Lhommeau
 物語:夜明けから夕暮れまでの物語。オスカー氏は、大企業の経営者にもなれば、殺人者にもなり、浮浪者にもなれば、怪物にも、家庭人にもなる。彼はいくつもの役をこなすが、彼を撮るカメラはなく、彼は孤独だ。彼のそばには、ブロンドでスレンダーな女性セリーヌがいて、彼がパリ中を動き回るのを管理している。不思議な力が働いて、過去に出会った女性たちや過去の亡霊が登場する。彼には、安らげる家もなく、本当の家族もいない。
 カンヌ国際映画祭2012 コンペティション部門出品。
 シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭2012 最優秀作品賞受賞。
 シカゴ国際映画祭2012 グランプリ(ゴールド・ヒューゴ賞)受賞。
 ユーロスペース配給にて2013年公開決定。


 ・『5月の後』“Après mai(Something in the Air)”(仏) 監督:オリヴィエ・アサイヤス
 出演:クレモン・メタイェル(Clément Métayer)、ローラ・クレトン(Lola Créton)、フェリックス・アルマン(Félix Armand)、キャロル・コームス(Carol Combes)、インディア・サルボア・メネズ(India Salvor Menuez)、Léa Rougeron、Hugo Conzelmann、Mathias Renou、Nathan Rodrigue
 物語:1971年代のパリ近郊。高校生のジルたちは、政治的な熱狂の中にいて、集会をしたり、新聞を作ったり、デモをしたりしている。しかし、はっきりと何がやりたいかわかっているわけではない。ある活動によって、仲間の1人が訴えられたことから、仲間はバラバラになる。騒々しい時代の中で、芸術に目覚め、恋をし、ジルは、自分のいるべき場所を求めて、しかるべき選択をしようとしている。
 ベネチア国際映画祭2012 コンペティション部門出品。脚本賞(オゼッラ賞)、Fondazione Mimmo Rotella Award受賞。

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 ・“De rouille et d’os(Rust and Bone)”(仏・ベルギー) 監督:ジャック・オディアール
 出演:マリオン・コティヤール、マティアス・スーナールツ(Matthias Schoenaerts)、Armand Verdure、セリーヌ・サレット(Céline Sallette)、Corinne Masiero、ブーリ・ランネール、Jean-Michel Correia
 物語:アリは、5歳の息子サムを抱えて、家も金も友人もいない北フランスを離れ、妹の住むアンティーブへ向かう。妹は、夫と暮らしていて、貧しいながらも、彼ら2人をガレージに住まわせてくれる。アリは、ナイトクラブで働き始め、マリンランドでシャチの調教をしているステファニーと出会う。ある晩、彼は、電話で、ステファニーが足を失うような事故に遭ったことを知る。
 カンヌ国際映画祭2012 コンペティション部門出品。
 BFIロンドン映画祭2012 オフィシャル・コンペティション部門出品。最優秀作品賞受賞。

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 ・“38 témoins(One Night)”(仏) 監督:リュカ・ベルヴォー
 出演:ソフィー・カントン(Sophie Quinton)、イヴァン・アタル
 物語:ルイーズは、中国での仕事を終えて帰国し、家の近くで犯罪事件があったことを知る。あたりは寝静まっていて、目撃者はいない。夫のピエールは、仕事ででかけていた、たぶん、おそらく。
 ロッテルダム国際映画祭2012 オープニング作品。

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 ・“Camille redouble(Camille Rewinds)”(仏) 監督:ノエミ・ルヴォフスキー
 出演:ノエミ・ルヴォフスキー、Samir Guesmi、India Hair、Judith Chemla、ヨランド・モロー、ミシェル・ヴュイエルモーズ、ドゥニ・ポダリデス、ジャン=ピエール・レオ、マチュー・アマルリック、アンヌ・アルヴァロ、Vincent Lacoste、Anthony Sonigo
 物語:カミーユは16歳でエリックと出会って、情熱的な恋をし、娘をもうける。25年後、エリックは若い女を作って、カミーユの元を去る。大晦日、カミーユは突然自分が16歳に戻っていることに気づく。両親がいて、女友達がいて、彼女の子ども時代があり、そしてエリックとめぐり会う。彼女は再び同じ道を繰り返すのだろうか、それとも、新たに人生をやり直すことができるのだろうか。
 カンヌ国際映画祭2012 監督週間出品。SACD Prize 2012受賞。

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 ・『マリー・アントワネットに別れをつげて』“Les Adieux à la reine(Farewell,My Queen)”(仏・西) 監督:ブノワ・ジャコー
 出演:レア・セドゥー、ダイアン・クルーガー、グザヴィエ・ボーヴォワ、ノエミ・ルヴォフスキー
 物語:1989年のヴェルサイユ。国民は宮廷に対して反抗的で、革命の機運が高まりつつあり、宮廷の貴族たちの間では不安が高まりつつあった。王妃マリー・アントワネットの逃走計画が立てられ、王妃の朗読係であったシドニーにポリニャック夫人の身代わりになるという役割が与えられる。彼女は最初それを誇りに思っていたが、恋人からは関わらないほうがいいと注意される。
 シャンタル・トマの小説『王妃に別れをつげて』の映画化。
 ベルリン国際映画祭2012コンペティション部門出品。オープニング作品。
 ギャガ配給にて2012年12月公開。

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 今回のノミニーで、過去にルイ・デリュック賞を受賞しているのは―
 1986年:レオス・カラックス 『汚れた血』
 2003年:リュカ・ベルヴォー 3部作“Un couple épatant”(素敵な夫婦)、“Cavale”(逃亡)、“Après la vie”(その後)
 同年:ノエミ・ルヴォフスキー “Les Sentiments(Feelings)”
 2009年:ジャック・オディアール 『預言者』

 過去のノミニーに関しては、IMDbにもWikipediaにもデータベース化されていないので、すぐには調べ切れませんが、近年では、オリヴィエ・アサイヤスが2010年に『カルロス』で、2008年に『夏時間の庭』でノミネートされています。

 毎年、これはどうしてノミネートされていないかなという作品がありますが、今回は、パスカル・ボニゼールの“Cherchez Hortense”と、フランソワ・オゾンの、サンセバスチャン国際映画祭2012グランプリ(ゴールデン・シェル賞)受賞作“Dans la maison(In the House)”が抜け落ちていることが指摘されています。

 当ブログでは、昨年のルイ・デリュック賞で、ノミネートから抜け落ちた作品をリストアップしていましたが、その中で“La désintégration”が今回のノミネーションに選ばれています。

 受賞予想としては、国際的な評価から言えば、“Amour(Love)”が圧倒的ですが、ルイ・デリュック賞が作家主義的な作品を好むところから考えれば、『5月の後』や“De rouille et d’os(Rust and Bone)”が獲ってもおかしくはないかもしれません。

 ルイ・デリュック賞は、めぐり合わせの悪さというか、賞の数が少ないこともあってか、受賞していてもおかしくない監督が一度も受賞していないということがけっこうあって、ブリュノ・デュモンは何度もノミネートされながら受賞を逃していますし、今回のノミニーでは、オリヴィエ・アサイヤスもそういった監督の1人ということになります。そこら辺も今回の注目のポイントと言ってもいいかもしれません。(オリヴィエ・アサイヤスは、これまでにいろんなタイプの作品を作り、国際的にもそれなりの評価を得て、日本でもいくつも作品が劇場公開されていますが、映画祭や映画賞で「最高賞」といったものにはほとんど縁がありません。1992年に『パリ・セヴェイユ』でジャン・ヴィゴ賞を受賞しているくらいでしょうか。)

 映画賞シーズンを迎え、果たして“Amour(Love)”が受賞ラッシュとなるのかどうか。

 2年連続で外国人監督にルイ・デリュック賞を贈るのかどうか。

 ルイ・デリュック賞の発表は、12月14日です。

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 *当ブログ記事
 ・ルイ・デリュック賞2011 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_22.html
 ・ルイ・デリュック賞2011 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201112/article_36.html
 ・ルイ・デリュック賞2010 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201011/article_31.html
 ・ルイ・デリュック賞2010 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_36.html
 ・ルイ・デリュック賞2009 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_39.html
 ・ルイ・デリュック賞2009 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_18.html
 ・ルイ・デリュック賞2008 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200811/article_5.html
 ・ルイ・デリュック賞2008 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_22.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2012年6月~2013年1月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201206/article_9.html

 追記:
 ・ルイ・デリュック賞2012 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_29.html

この記事へのコメント

タラコフスキー
2012年10月30日 23:16
順当にハネケ監督のAmourが候補入りしましたが、先日この映画の邦題が「愛、アムール」に決定したみたいですね。
umikarahajimaru
2012年10月31日 05:32
タラコフスキーさま
『愛、アムール』は、昨日、初日まで出ちゃったみたいですね。東京都内は3館で封切りだそうで、ちょっとびっくりです。

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