アジア太平洋映画賞2012 ノミネーション発表!

 第6回アジア太平洋映画賞のノミネーションが発表されました。(10月12日)

 【アジア太平洋映画賞(Asia Pacific Screen Awards)】

 アジア太平洋映画賞といっても、世界各地で開催される様々な映画祭・映画賞の1つに過ぎませんが、スポンサーにユネスコとCNNと国際映画製作者連盟がついているというのがユニークで、そんな映画賞がなぜかオーストラリアのクイーンズランドを拠点として開催されています(音頭取りをしているのが、クイーンズランドだからなんですが)。

 アジア太平洋映画賞は、2007年ニスタートしていて、中東までを含めたアジア全域と、オセアニアの映画の振興を目的とする賞で、対象国は70カ国にも及んでいます。
 スケールや認知度・注目度は格段に違いますが、おそらくヨーロッパ映画賞を意識はしていて、アジア太平洋地域におけるヨーロッパ映画賞のような映画賞を目指しているのだろうと思われます。

 今年は、264本のエントリーがあり、その中から以下のようにノミネーションが決定されました。

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 ◆作品賞(Best Feature Film)
 ・“Bumchoiwaui Junjaeng (Nameless Gangster: Rules of the Time)”(韓) 監督:ユン・ジョンビン
 ・“Khers (Bear)”(イラン) 監督:Khosro Masoumi
 ・“Orda (The Horde)”(ロシア) 監督:Andrei Proshkin
 ・“Tepenin Ardi (Beyond the Hill)”(トルコ・ギリシャ) 監督:Emin Alper
 ・『捜査官X』“Wu Xia”(香港・中) 監督:ピーター・チャン

 ◆監督賞(Achievement In Directing)
 ・アヌラーグ・カシヤプ(Anurag Kashyap) “Gangs of Wasseypur”(インド)
 ・ブリランテ・メンドーサ “Sinapupunan (Thy Womb)”(フィリピン)
 ・程耳(Cheng Er) “Lethal Hostage(辺境風雲)”(中)
 ・Khosro Masoumi “Khers (Bear)”(イラン)
 ・レイス・チェリッキ(Reis Çelik) 『沈黙の夜』“Lal gece (Night of Silence)”(トルコ)

 ◆脚本賞(Best Screenplay)
 ・程耳(Cheng Er) “Lethal Hostage(辺境風雲)”(中)
 ・クリストファー・マルティネス(Chris Martinez) 『浄化槽の貴婦人』“Ang Babae sa Septic Tank (The Woman in the Septic Tank)”(フィリピン)(監督:マーロン・N・リベラ)
 ・Emin Alper “Tepenin Ardi (Beyond the Hill)”(トルコ・ギリシャ)
 ・レイス・チェリッキ(Reis Çelik) 『沈黙の夜』“Lal gece (Night of Silence)”(トルコ)
 ・Shoaib Mansoor “Bol”(パキスタン)(監督:Shoaib Mansoor)

 ◆撮影賞(Achievement In Cinematography)
 ・Charin Pengpanich “Bunohan (Bunohan: Return to Murder)”(マレーシア)(監督:Dain Said)
 ・チン・ディンチャン(Chin Ting-Chang) 『セデック・バレ』“Seediq Bale (Warriors of the Rainbow: Seediq Bale)”(台湾)(監督:ウェイ・ダーション)
 ・ジェイク・ポロック、ライ・イウファイ(Lai Yiu-fai) 『捜査官X』“Wu Xia”(香港・中)
 ・Touraj Aslani 『サイの季節』“Fasle Kargadan (Rhino Season)”(イラク(クルディスタン)・トルコ)(監督:バフマン・ゴバディー)
 ・Yury Raysky “Orda (The Horde)”(ロシア)

 ◆男優賞(Best Performance By An Actor)
 ・チェ・ミンシク “Bumchoiwaui Junjaeng (Nameless Gangster: Rules of the Time)”(韓)
 ・Lior Ashkenazi “Hearat shulayim (Footnote)”(イスラエル)(監督:ヨセフ・シダー)
 ・Manoj Bajpayee “Gangs of Wasseypur”(インド)
 ・Tamer Levent “Tepenin Ardi (Beyond the Hill)”(トルコ・ギリシャ)
 ・ウー・ティエンミン 『老人ホームを飛びだして』“Full Circle”(中)(監督:チャン・ヤン)

 ◆女優賞(Best Performance By An Actress)
 ・チョ・ミンス 『ピエタ』“Pieta”(韓)(監督:キム・ギドク)
 ・Darya Ekamasova “Zila bila odna baba (Once Upon a Time There Lived a Simple Woman)”(ロシア)(監督:Andrei Smirnov)
 ・Humaima Malick “Bol”(パキスタン)
 ・Nora Aunor “Sinapupunan (Thy Womb)”(フィリピン)
 ・Vidya Balan “The Dirty Picture”(インド)(監督:Milan Luthria)

 ◆長編ドキュメンタリー賞(Best Documentary Feature Film)
 ・『壊された5つのカメラ パレスチナ・ビリンの叫び』“Hams Caeraten Maksura(Hamesh Matzlemot Shvurot /Five Broken Cameras)”(イスラエル・パレスチナ・仏) 監督:イマード・ブルナート、ガイ・ダビディ
 ・“In My Mother’s Arms”(イラク・英・オランダ) 監督:モハメド・アルダラジー(Atea Al Daradji)、モハメド・アルダラジー(Mohamed Al Daradji)、
 ・“Negeri di Bawah Kabut (The Land Beneath the Fog)”(インドネシア・独) 監督:Shalahuddin Siregar
 ・“Planet of Snail”(韓・日・ポーランド) 監督:Yi Seung-jun
 ・“Shiton Hachok (The Law in These Parts)”(イスラエル・米・独) 監督:Ra'anan Alexandrowicz

 ◆長編アニメーション賞(Best Animated Feature Film)
 ・『ハッピーフィート2 踊るペンギンレスキュー隊』“Happy Feet Two”(オーストラリア・米) 監督:ジョージ・ミラー
 ・『コクリコ坂から』“Kokurikozaka Kara (From Up on Poppy Hill)”(日) 監督:宮崎吾朗
 ・『ももへの手紙』“Momo e no tegami (A Letter to Momo)”(日) 監督:沖浦啓之
 ・『虹色ほたる~永遠の夏休み~』“Nijiiro Hotaru (Rainbow Fireflies)”(日) 監督:宇田鋼之介
 ・『おおかみこどもの雨と雪』“Ookamikodomo no Ame to Yuki (Wolf Children)”(日) 監督:細田守

 ◆児童映画賞(Best Children’S Feature Film)
 ・“Australia Sheli (My Australia)”(ポーランド・イスラエル) 監督:Ami Drozd
 ・“Gattu”(インド) 監督:Rajan Khosa
 ・『奇跡』“Kiseki (I Wish)”(日) 監督:是枝裕和
 ・『鏡は嘘をつかない』“Laut Bercermin (The Mirror Never Lies)”(インドネシア) 監督:カミーラ・アンディニ
 ・“Orchim Lerega (Off White Lies)”(イスラエル) 監督:Maya Kenig

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 主な作品のノミネート状況は以下の通り。

 ・“Tepenin Ardi (Beyond the Hill)”(3):作品・脚本・男優
 ・“Bumchoiwaui Junjaeng (Nameless Gangster: Rules of the Time)”(2):作品・男優
 ・“Khers (Bear)”(2):作品・監督
 ・“Orda (The Horde)”(2):作品・監督
 ・『捜査官X』(2):作品・撮影
 ・“Gangs of Wasseypur”(2):監督・男優
 ・“Sinapupunan (Thy Womb)”(2):監督・女優
 ・“Lethal Hostage(辺境風雲)”(2):監督・脚本
 ・『沈黙の夜』(2):監督・脚本
 ・“Bol”(2):脚本・女優
 ・『浄化槽の貴婦人』(1):脚本
 ・“Bunohan (Bunohan: Return to Murder)”(1):撮影
 ・『セデック・バレ』(1):撮影
 ・『サイの季節』(1):撮影

 いろんなところで評価を受けてきた作品が並んでいるわけですが、部門の数が少ないこともあってか、ちょっと食い足りない感じがしますね。

 最多ノミネートは“Tepenin Ardi (Beyond the Hill)”の3部門でした。

 最終的にどういう作品がエントリーしていたのかはわかりませんが、日本からはほぼアニメーションだけというのもちょっと寂しい気がします。
 長編アニメーション賞のノミネーションは、5本中4本が日本からの出品作ですが、こういう状況でありながら、日本からの出品作でない作品が受賞したりもするので安心はできません。海外での評価がそのまま反映されるとしたら、『おおかみこどもの雨と雪』が受賞するはずですが、どうでしょうか。

 授賞式は、11月23日に、オーストラリアのブリスベーンで行われます。

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 主なノミネート作品を簡単に紹介しておきます。

 ・“Bumchoiwaui Junjaeng (Nameless Gangster: Rules of the Time)”(韓) 監督:ユン・ジョンビン
 出演:チェ・ミンシク、ハ・ジョンウ、チョ・ジヌン、マ・ドンソク、グァク・ドンウォン
 物語:1982年の釜山。解雇の危機に直面した税関員チェ・イクヒョンは、釜山の最大組織のボス、チェ・ヒョンベと組んで、摘発した覚せい剤を日本に密輸して、ひと儲けしようと企む。
 百想芸術大賞2012 8部門ノミネート、映画部門大賞、新人男優賞(キム・ソンギュン)受賞。

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 ・“Khers (Bear)”(イラン) 監督:Khosro Masoumi
 物語:Noureddinは8年間の捕虜生活の後、家に戻るが、妻は別の男と再婚して、子どもも2人いる。彼の望みはただ妻とともにシンプルな家族生活を送ることだけだったが、残酷な現実と格闘しなければならなくなる。
 上海国際映画祭2012 作品賞受賞。

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 ・“Orda (The Horde)”(ロシア) 監督:Andrei Proshkin
 出演:Maxim Sukhanov、Rosa Khairullina、Andrey Panin、Alexander Yatsenko、Innokenty Dаkayarov、Vitaly Khaev、Fedot Lvov、AlexeyYegorov、Moge Oorzhaк、Tulepbergen Baysakalov
 物語:13世紀。ユーラシア大陸の半分は、キプチャク・ハン国(The Golden Horde)の支配下にあった。ヨーロッパの人々は、モンゴル民族に侵略されて、キリスト教文化が壊滅するのではないかと恐れていた。一方、キプチャク・ハン国内部では、ジャーニー・ベクが、当主である兄を殺害する。母Taidulaは、首謀者であるジャーニー・ベクを罰するか、それとも治安維持のためには彼のやったことを肯定するか、判断を下さなければならなかった。
 モスクワ国際映画祭2012 監督賞受賞。

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 ・“Tepenin Ardi (Beyond the Hill)”(トルコ・ギリシャ) 監督:Emin Alper
 物語:晩夏。Nusretは、息子のCanerとZaferを連れて、田舎で暮らしている元林務官の父Faikの家を訪れる。Faikは、地元の遊牧民との間にトラブルを抱えていて、いつも警戒が必要だった。一方、孫のZaferは、兵役以来、メンタル的な問題を抱えていた。やがて残りの家族も集まり、一家が勢ぞろいする。それぞれ気質も違い、社会階級も違うが、衝突することはなかった。脅威なのは、見えざる敵の遊牧民たちだった。夏の終わりにしては、辺りはやけに静かだった……。
 ベルリン国際映画祭2012 フォーラム部門出品。スペシャル・メンション&カリガリ賞受賞。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2012 NETPAC賞受賞。
 台北電影節2012 審査員特別賞受賞。

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 ・“Gangs of Wasseypur”(インド) 監督:アヌラーグ・カシヤプ(Anurag Kashyap)
 出演:Manoj Bajpayee、Richa Chadda、Reema Sen
 物語:10年に及ぶギャングもののクロニクル。インド独立と工業化という激動の時代に、2つのライバルのギャング・ファミリーが、血で血を洗う争いを繰り広げる。争いは次第にエスカレートして、緊張感が高まっていき、決定的な対決は避けようもなく、運命の日に向かって突き進んでいく。
 トロント国際映画祭2012 CITY TO CITY部門出品。

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 ・“Sinapupunan (Thy Womb)”(フィリピン) 監督:ブリランテ・メンドーサ
 出演:Nora Aunor、ベンボル・ロッコ(Bembol Rocco)
 物語:主人公は、バジャオの助産婦で、彼女は、満足に生活できないTawi-Tawiのジプシー・コミュニティーの中で、自らの劣等感を皮肉たっぷりに交えつつ、日々の仕事をしている。そうして、邪悪な情熱と島国の伝統の間で、島の物語は積み重ねられていく。
 ベネチア国際映画祭2012 コンペティション部門出品。La Navicella-Venezia Cinema Award、 P. Nazareno Taddei賞スペシャル・メンション、インディペンデント批評家賞(Independent Critics Award Bisato d'Oro)最優秀女優賞(Nora Aunor)受賞。

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 ・“Bol”(パキスタン) 監督:Shoaib Mansoor
 物語:Zainub Khanは、パキスタンの裁判所で死刑の判決を受ける。彼女の最後の望みは、これまでの人生をメディアで語ることで、その願いは聞き届けられ、彼女は語り始める。1948年、彼女の父ハキムは、デリーから立ち退きに遭い、ラホールに移る。父はそこで結婚。長女としてZainubが生まれる。父は、家の働き手として、息子が欲しかったが、7人目まで娘だった。そして、8人目で、ヒジュラの子供が生まれる。父は、殺してしまおうとするが、母は反対し、Saifullahと名づけられる。Saifullahは、父以外の家族からは溺愛されるが……。

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 ・“Bunohan (Bunohan: Return to Murder)”(マレーシア) 監督:Dain Said
 物語:疎遠であった兄弟3人が集まる。アディルは、キックボクサーで、違法な試合をして、身を潜めていた。イルハムは、暗殺者で、次の獲物を待っている最中だった。彼らをそそのかしてこうした道に進ませたのは、日和見主義者の兄バカールであった。
 トロント国際映画祭2011 DISCOVERY部門出品。
 米国アカデミー賞2013 外国語映画賞 マレーシア代表。

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 *当ブログ記事

 *当ブログ記事
 ・アジア太平洋映画賞2008 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200811/article_7.html
 ・アジア太平洋映画賞2009 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_44.html
 ・アジア太平洋映画賞2010 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201010/article_32.html
 ・アジア太平洋映画賞2010 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_6.html
 ・アジア太平洋映画賞2011 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_23.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2012年6月~2013年1月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201206/article_9.html

 追記:
 ・アジア太平洋映画賞2012 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201211/article_22.html

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