満喫しました! オタワ国際アニメーションフェスティバル2012 受賞作品!

 オタワ国際アニメーションフェスティバル2012 の各賞が発表されました。

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 【長編コンペティション部門】

 ◆グランプリ(GRAND PRIZE for Best Animated Feature)
 ◎“Wrinkles(Arrugas/Rides)”(西) 監督:イグナシオ・フェレラス(Ignacio Ferreras)
 物語:エミリオは、息子によって老人ホームに送られ、そこでミゲルらと知り合いになる。家族たちは滅多に面会には来ない。ある日、エミリオにアルツハイマーの兆候が現れる。アルツハイマーとわかると今の階にはいられず、自由のない管理病棟送りにされてしまうため、ミゲルはそれを隠そうとする。これはちょっとしたチャレンジだったが、時の流れは過酷で、彼らにも容赦ないのだった……。
 スペイン人作家パコ・ロカが2008年にフランスで出版したコミック『皺』(文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞作”Arrugas”)の映画化。
 サンセバスチャン国際映画祭2011 New Directors コンペティション部門出品。
 ゴヤ賞2012長編アニメーション賞受賞。
 イグナシオ・フェレラスは、『東京オンリーピック』(2008)の監督の1人。TV作品“How to Cope with Death”(2002)でアヌシー国際アニメーションフェスティバル2003第1回作品賞を受賞。長編の劇場公開作品はこれが初めて。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2012 長編コンペティション部門出品。スペシャル・メンション受賞。

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 【短編アニメーション部門】

 [実験映画]

 ◆最優秀実験アニメーション(BEST Experimental/Abstract Animation)
 ◎“Rivière au Tonnerre (Thunder River)”(カナダ) 監督:Pierre Hébert
 ありふれた日々の生活における亀裂、匿名性の群衆の亀裂、忘れられたモニュメントの亀裂。あらゆるものについて、無限に続くと思われるものに間隙をもたらす「亀裂」について瞑想する。
 ザグレブ国際アニメーションフェスティバル2012 グランド・コンペティション部門出品。

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 [物語作品]

 ◆最優秀インディペンデント短編アニメーション(Nelvana GRAND PRIZE for Best Independent Short Animation)
 ◎“Junkyard”(オランダ・ベルギー) 監督:Hisko Hulsing、Luster Films
 物語:ひとりの男が、ジャンキーに泥棒に遭い、ナイフで刺されて死ぬ。彼は、死ぬ間際に、父と2人でジャンクヤードに暮らし、下層階級にいてドラッグと犯罪に染まっていった友人のことをフラッシュバックする。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2012 短編コンペティション部門出品。

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 ◆最優秀ナラティヴ作品(BEST Narrative Short)
 ◎『朝のお散歩』“A Morning Stroll”(英) 監督:Grant Orchard
 物語:ニューヨーカーが朝の散歩をしていて、ニワトリが通り過ぎるのを目撃する。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2011 短編コンペティション部門出品。ヤング審査員賞受賞。
 カトゥーン・ドール2011候補。
 サンダンス映画祭2012 審査員賞 短編アニメーション部門。
 BAFTA英国アカデミー賞2012 短編アニメーション賞受賞。
 米国アカデミー賞2012 短編アニメーション賞ノミネート。
 ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2012にて上映。

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 ◆最優秀カナダ・アニメーション(Canadian Film Institute Award for BEST Canadian Animation)
 ◎『ナイチンゲール イン ディッセンバー』“Rossignols en Décembre (Nightingales in December)”(カナダ) 監督:セオドア・ウシェフ
 物語:暗い家の中で少年が窓辺に腰かけ、外を眺めやる。窓は、走りゆく列車の窓に変わり、その窓は、苛烈な労働を強いられる人々の姿を映し出していく。人々は殺し合いを繰り広げ、それは、12月にはいないはずのナイリンゲールの姿にオーバーラップする。嘴でつつき合うナイチンゲール。そして、踊り子を踊り続けさせたあげくに射殺する男。列車は走り続け、そして……。
 シュツットガルト国際アニメーションフェスティバル2012 インターナショナル・コンペティション部門出品。
 ザグレブ国際アニメーションフェスティバル2012 パノラマ部門出品。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2012 短編コンペティション部門出品。

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 ◆観客賞(The National Film Board of Canada PUBLIC PRIZE)
 ◎『なんて素敵な日』“It's Such a Beautiful Day”(米) 監督:ドン・ハーツフェルト
 物語:病院の中で目覚めたビルは、自分が記憶生涯に陥っていることに気づく。
 「きっとすべて大丈夫」シリーズの第三部にして最終章。
 ザグレブ国際アニメーションフェスティバル2012 グランド・コンペティション部門出品。ゴールデン・ザグレブ賞(準グランプリ)受賞。
 エジンバラ国際映画祭2012 インターナショナル短編コンペティション部門出品。
 広島国際アニメーションフェスティバル2012出品。審査員特別賞受賞。
 三作あわせて、第5回爆音映画祭(2012)にて上映。

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 [大学卒業制作]

 ◆最優秀大学卒業制作(BEST Graduate Animation)
 ◎“Ballpit”(カナダ) 監督:Kyle Mowat(Sheridan College)
 カラフルな色と形が動き回り、様々に変容を繰り返す。シンプルから複雑へ。抽象的で、意味もないように見えたそれは、やがて、進化論を思わせる展開を始める。

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 ◆最優秀カナダ・アニメーション オナラブル・メンション
 ◎“Ballpit”(カナダ) 監督:Kyle Mowat(Sheridan College)

 ◆最優秀カナダ学生アニメーション賞 オナラブル・メンション
 ◎“Ballpit”(カナダ) 監督:Kyle Mowat(Sheridan College)

 [高校作品]

 ◆最優秀高校アニメーション(Adobe Prize for BEST High School Animation)
 ◎“The Bean”(韓) 監督:Hae Jin Jung(京畿高等芸術学校)
 物語:ヨンドゥは豆が嫌いだ。そんなヨンドゥが、ファンタジーの世界で、友だちの豆と冒険を繰り広げる。

 ◆オナルブル・メンション
 ◎“La Soif du Monde (Thristy Frog)”(ベルギー) 監督:選ばれた12人の生徒たち (Camera-etc)
 物語:喉が渇いたカエルが水を飲み干して、地球上に水がなくなってしまう。

 [大学生作品]

 ◆最優秀大学生アニメーション(BEST Undergraduate Animation)
 ◎“Reizwäsche (Reizwaesche)”(独) 監督:Jelena Walf & Viktor Stickel(バーデン・ヴュルテンベルク州立アカデミー / Institut für Animation, Visual Effects und digitale Postproduktion )
 物語:ペーチャとパーシャは、マーシャおばさんが洗濯ものを片付けるのが待ちきれない。2人は、おばさんの後ろをついてまわる。そして……ついに、彼女たちの前に大きなシーツが広げられる。待ちに待った映画の始まりだ。

 ◆最優秀カナダ学生アニメーション賞(BEST Canadian Student Animation Award)
 ◎“Gum”(カナダ) 監督:Noam Sussman (Sheridan College)
 物語:女性が、噛んでいたガムを飲み込んでしまう。彼女は妊娠し、生まれ出たのは、ガムの赤ん坊。医者は、縮こまっている赤ん坊を膨らまそうとして、破裂させてしまう。部屋中にガムの破片が飛び散る。医者は、その1つをつまんで……。

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 ◆最優秀学生アニメーション(Walt Disney GRAND PRIZE for Best Student Animation)
 ◎“I Am Tom Moody”(英) 監督:Ainslie Henderson(エジンバラ芸術学校)
 物語:ステージで歌おうとしていた歌手が息をつまらせて、その潜在意識はシュールな旅をする。
 エジンバラ国際映画祭2012 英国短編コンペティション部門出品。

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 ◆オタワ・メディア審査員賞(The Ottawa Media Jury Award)
 ◎“I Am Tom Moody”(英) 監督:Ainslie Henderson(エジンバラ芸術学校)
 ※審査員:Peter Simpson (オタワ市民)、Denis Armstrong (Ottawa Sun)、Sandra Abma (CBC)、Fateema Sayani (Ottawa Magazine)

 [ミュージック・ビデオ]

 ◆最優秀ミュージック・ビデオ(BEST Music Video)
 ◎“The First Time I Ran Away”(米) 監督:Joel Trussell

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 ◆最優秀依頼作品(GRAND PRIZE for Best Commissioned Animation)
 ◎Primus “Lee Van Cleef”(米) 監督:Chris Smith

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 [プロモーション作品]

 ◆最優秀プロモーショナル・アニメーション(BEST Promotional Animation)
 ◎Red Bull “Music Academy World Tour”(米) 監督:Pete Candeland

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 [大人向けTV作品]

 ◆最優秀大人向けTVアニメーション(BEST Television Animation for Adults)
 ◎“Portlandia 'Zero Rats'”(米) 監督:Rob Shaw
 物語:フレッドとキャリーが無包装の食料品店のことで話をしている。フレッドはねずみの被害は大丈夫なのかと心配する。一方、屋根裏のネズミたちは、ネズミの立場に立って、無包装の食料品店のことを議論する。

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 【キッズ・コンペティション 短編部門】

 ◆最優秀子ども向けアニメーション(BEST Short Animation Made for Children)
 ◎“Beethoven’s Wig”(カナダ) 監督:Alex Hawley & Denny Silverthorne
 物語:ベートーベンの髪の毛は、生き物のように動き、地球を征服しようとすらしている。
 グラミー賞にも4度ノミネートされた人気シリーズ“Beethoven’s Wig”のアニメーション化。

 ◆オナラブル・メンション(Honourable Mentions)
 ◎“Au Coeur de L'hiver”(スイス) 監督:Isabelle Favez
 物語:森に住む5匹の生き物が、冬に食べ物を探す。
 ザグレブ国際アニメーションフェスティバル2012 ファミリー・プログラム出品。

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 ◎“Why Do We Put Up With Them?”(米) 監督:David Chai
 物語:鼻持ちならないけど、愛さずにはいられない愛犬についてのポエム。
 “Fumi and the Bad Luck Foot”、“Flames of Passion”、“25 Ways to Die”のDavid Cha最新作。i

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 【キッズ・コンペティション TV作品部門】

 ◆最優秀子ども向けTVアニメーション(BEST Television Animation Made for Children)
 ◎“Regular Show 'Eggscellent'”(米) 監督:JG Quintel
 物語:モルデカイとリグビーがレストランに行く。その店は、12個のタマゴで作ったオムレツを完食できたら、かっこいい帽子をもらえるというチャレンジ企画をやっていて、リグビーはその帽子が欲しくて、そのオムレツに挑む。しかし、オムレツの中に、彼が苦手なものが入っていて、リグビーはアレルギーを起こして倒れ、救急車で運ばれていく。モルデカイは、リグビーのために、その帽子を手に入れてやると誓う。しかし、モルデカイは、大きなオムレツの前に敗退。それから、仲間たちとともにチャレンジ征服のための地獄の特訓が始まる……。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2012 TVシリーズ部門出品。

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 ◆オナラブル・メンション(Honourable Mention)
 ◎“Adventure Time 'Jake vs. Me-Mow'”(米) 監督:Pendleton Ward
 物語:フィンと犬のジェイクは、野イチゴ姫と友だちだ。ある日、野イチゴ姫に暗殺者からの殺人予告が届く。ジェイクがひとりでいるところに、毒入りの注射器を持った小さな猫の殺し屋ミューマウが現われ、彼の鼻の中に入り込む。ミューマウは、姫を殺さなければ、鼻の中からおまえに毒を注射して殺してやるとジェイクを脅す。

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 【スクール・コンペティション部門】

 ◆最優秀アニメーション・スクール ショーリール(Best Animation School Showreel)
 ◎Supinfocom (仏)

 ※最優秀アニメーション・スクール賞ではなく、最優秀アニメーション・スクール ショーリール賞ということのようです。

 【アウト・オブ・コンペティション部門】

 [カナダ・ショーケース]

 ◆最優秀カナダ・アニメーション オナラブル・メンション
 ◎“MacPherson”(カナダ) 監督:Martine Chartrand
 物語:1930年代初頭のケベック。若き詩人フェリックス・ルクレールは、パルプ工場に勤めるジャマイカ人の化学技師フランク・ルドルフ・マクファーソンと友だちになり、友情の証として、彼の名前をつけた歌を贈る。
 モントリオール世界映画祭2012 ワールド・コンペティション 短編部門第1席、最優秀カナダ短編映画賞受賞。

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 *予告編:http://www.nfb.ca/film/macpherson_en/trailer/macpherson_bande_annonce

 [カナダ学生ショーケース]

 ◆最優秀カナダ学生アニメーション賞 オナラブル・メンション
 ◎“Tengri”(カナダ) 監督:Alisi Telengut(Mel Hoppenheim School of Cinema, Concordia University)
 物語:シャーマニズムに基づいた、モンゴルでの伝統的な埋葬の儀式。死者は、荷車に載せられて、でこぼこ道を運ばれる。死体が落ちたところが墓となる。死体には、石がかけられるだけで、あとは、風にさらされ、動物に食べられて、自然へと帰っていく。

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 オタワ国際アニメーションフェスティバルの上映作品/受賞作品は、ネット上で、公式に全編が公開されているものが多数あります。

 なんでこれがそんなに高い評価を受けるの?というものもなくはありませんが、繰り返しみることで、映画祭で、1回観ただけでは把握しきれない作品の細部や魅力を知ることができるのは、実に素晴らしいし、そこが、長編に優るとも劣らないほどに作りこまれている短編作品の醍醐味でもあります。(ま、製作費を回収するためには、ネットでなくて、DVDでもいいわけですが。)

 満喫させていただきました。

 いつまでフリーで提供されているのかはわからないので、興味のある作品は早めにご覧ください。

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 *当ブログ記事

 ・オタワ国際アニメーションフェスティバル2012 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201209/article_21.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2012年6月~2013年1月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201206/article_9.html

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