サンセバスチャン国際映画祭2012 コンペティション部門 ラインナップ!

 第60回サンセバスチャン国際映画祭(9月21日-29日)のラインナップです。

 【サンセバスチャン国際映画祭】

 サンセバスチャン国際映画祭は、1953年にスタートした、世界で最も重要な映画祭の1つで、スペインのバスク地方にある、ドノスティア=サン・セバスティアンで毎年9月に開催されています。
 特に、スペイン語映画、ラテン・アメリカ映画にとって重要度は高く、スペイン映画やラテン・アメリカ映画、バスク映画のショーケースという役割も果たしています。

 近年では、ピーター・ミュランの“Neds”、ルー・チュアンの“南京!南京!”、イエスィム・ウスタオウルの『パンドラの箱』、ウェイン・ワンの『千年の祈り』、バフマン・ゴバディの『亀も空を飛ぶ』と『半月』などがグランプリに輝いています。

 日本作品では、是枝裕和が『奇跡』で脚本賞、『ワンダフルライフ』で国際批評家連盟賞を、河瀬直美が『玄牝』で国際批評家連盟賞を、高橋陽一郎が『水の中の八月』で新人監督賞を、吉田喜重が『人間の約束』で銀賞(Silver Seashell)を受賞しています。

 テーマや監督などで組まれる特集は、「国際映画祭」で組まれる特集上映のプログラムとしては、特に充実していて、質・量ともに、他の追随を許しません。

 ヨーロッパの映画祭は、ヨーロッパ映画アカデミーが中心となって、連携を取り合って、各種の催しを行なっていますが、サンセバスチャン国際映画祭では、1年間にいろいろな映画祭で、いろんな作品に国際批評家連盟賞が贈られてきた中で、そのベスト・オブ・ベストを、国際批評家連盟賞グランプリとして表彰する、という国際批評家連盟の表彰式が行なわれています。(国際批評家連盟賞グランプリは、国際批評家連盟が選ぶ最優秀作品ということであって、国際批評家連盟賞の中での年間最優秀作品ということではないようです。)
 今年の国際批評家連盟賞グランプリは、ミヒャエル・ハネケの“Amour (Love)”に決定しています。

 なお、今回、コンペティション部門に日本からのエントリー作品はありませんが、日本人も出演している日本がらみの作品が1本あります。

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 【オフィシャル・セレクション】

 メインのコンペティション部門。

 ・“El Artista Y La Modelo (The Artist And The Model)”(西) 監督:フェルナンド・トルエバ
 出演:ジャン・ロシュフォール、アイーダ・フォルチ(Aida Folch), クラウディア・カウルディナーレ、ゲッツ・オットー(Götz Otto)、チュス・ランプレアヴェ(Chus Lampreave), クリスチャン・シニジェ(Christian Sinniger)、Martin Gamet、Mateo Deluz
 物語:名高い老彫刻家がいて、人生と人間の愚かしさに飽き飽きしている。しかし、難民キャンプから逃げてきた若いスペイン人娘と出会い、制作欲が刺激され、人生で最後の作品を作ろうと決心する。


 ・“Blancanieves (Snow White)”(西・仏) 監督:Pablo Berger
 出演:マリベル・ベルドゥ、ダニエル・ヒメネス・カチョ
 物語:1920年代のスペイン南部。少女は実の母親を知らなかった。父親は有名闘牛士で、彼女は父親のやり方を見て育ったが、邪悪な継母のことは嫌いだった。ある日、彼女は、小人の一団とともに逃亡し、のちに伝説のスターになった。
 『白雪姫』の物語を、1920年代のスペイン南部を舞台に置き換えて、映画化した作品。
 サイレント映画へのオマージュ作品。
 トロント国際映画祭2012 DISCOVERY部門出品。


 ・“Le Capital (Capital)”(仏) 監督:コスタ=ガブラス
 出演:ガド・エルマレ、ガブリエル・バーン、ナターシャ・レニエ、イッポリト・ジラルド、ベルナール・ル・コック、セリーヌ・サレット、ヤン・サンベール
 物語:Marc Tourneuilは、ヨーロッパ・フェニックス銀行の頭取で、負債を抱える日本の銀行を乗っ取ろうとして、アメリカのヘッジファンド会社による敵意ある買収に直面する。
 Stéphane Osmontの小説“Le Capital”の映画化。
 トロント国際映画祭2012 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。


 ・“Dans La Maison (In The House)”(仏) 監督:フランソワ・オゾン
 出演:クリスティン・スコット・トーマス、エマニュエル・セニエ、ファブリス・ルキーニ、ドゥニ・メノーシュ
 物語:16歳の少年が、文学クラスから学生仲間の家に入り込み、それに関するエッセイを書き、フランス人教師に提出する。教師は、少年の才能を発見して、興奮するが、少年の侵入によって、手に負えない事件が立て続けに起こる。
 トロント国際映画祭2012 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。


 ・“Foxfire”(仏・カナダ) 監督:ローラン・カンテ
 出演:アリ・リーバート(Ali Liebert)、タマラ・ホープ(Tamara Hope).
 物語:1950年代。女子高に、謎の美少女がふらっと現れる。自由奔放な彼女の魅力に夢中になる優等生の主人公と、同級生3人の物語。
 ジョイス・キャロル・オーツの原作『フォックスファイア』の2度目の映画化で(1996/日本未公開)、前作にはアンジェリーナ・ジョリーが出演している。
 トロント国際映画祭2012 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。


 ・“Venuto Al Mondo (Twice Born)”(伊・西) 監督:セルジョ・カステリット
 出演:ペネロペ・クルス、エミール・ハーシュ
 物語:ジェマは、戦争を逃れるために16年前に離れたサラエボを、息子のピエトロとともに訪れる。ジェマの夫であり、ピエトロの父親は、サラエボに残り、そこで亡くなった。ジェマは、サラエボ再訪を通して、壊れかけたピエトロとの関係を修復しようとする。
 トロント国際映画祭2012 GALA PRESENTATIONS部門出品。

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 ・“Die Lebenden(The Dead And The Living)”(オーストリア) 監督:バーバラ・アルバート(Barbara Albert)
 物語:Sitaは、ベルリンから、ウィーン、ワルシャワを経由して、ルーマニアへと旅をする。それは、彼女の家族が第二次世界大戦中に背負った重荷を知る旅であると同時に、現代ヨーロッパ人が抱える深淵への旅でもあった。この旅を通して、彼女は自分自身を再発見し、希望と責任を見出す。
 『サラエボの花』や『サラエボ、希望の街角』のプロデューサー、バーバラ・アルバートの最新監督長編。

 ・“Hypnotisören(The Hypnotist)”(スウェーデン) 監督:ラッセ・ハルストレム
 出演:Tobias Zilliacus、ミカエル・パーシュブラント(Mikael Persbrandt)、レナ・オリン、Helena af Sandeberg、Jonatan Bökman、Oscar Pettersson
 物語:若い娘とその両親が惨殺されるという事件が起こる。リンナ警部は、精神科医に協力を求め、かろうじて助かった長男に催眠術を使って、事件解決の糸口を見つけ、いなくなってしまった長女を捜す手がかりを得ようとする。
 ラーシュ・ケプレル原作の『催眠』の映画化。
 米国アカデミー賞2013 外国語映画賞 スウェーデン代表作品。


 ・“The Attack”(レバノン・仏・カタール・ベルギー) 監督:ジアド・ドゥエイリ(Ziad Doueiri)
 物語:テルアビブに住むアラブ人外科医アーミルは、妻シヘムと幸せな生活を送っていた。しかし、19人の死者を出した自爆テロですべてが変わってしまう。警察から、その自爆テロの首謀者がシヘムだと聞かされて、衝撃を受けた彼は、なぜ妻がそんなことをすることになったのか、知られざる彼女の過去を探っていく……。
 アルジェリア出身のフランスの作家ヤスミナ・カドラのベストセラー小説『テロル』の映画化。
 トロント国際映画祭2012 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。

 ・“Fasle Kargadan(Rhino Season)”(イラク・クルディスタン・トルコ) 監督:バフマン・ゴバディ
 出演:Behrouz Vossoughi、モニカ・ベルッチ、Yilmaz Erdoğan
 物語:クルド系イラン人の詩人サヘルは、30年の刑務所暮らしを経て、釈放される。彼の頭にあるのは、妻のミナを捜すことだけで、彼女は夫が死んだと思い込んで、トルコに去ってしまったと聞かされる。サヘルは、イスタンブール中を、妻wo捜してまわる。
 トロント国際映画祭2012 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。


 ・“All Apologies”(中) 監督:Emily Tang
 物語:息子が交通事故で死んで、チェンは、車を運転していた男の妻に、俺の子どもを返してくれ、さもなくば俺に新しい子どもをよこせと迫る。彼女は、裁判所の命令と、かさんでいく医療費と、彼女を脅かすチェンの妻の行動とが積み重なって苦しみ、道徳的ジレンマに陥る。

 ・“Arbitrage”(米) 監督:ニコラス・ジャレッキー(Nicholas Jarecki)
 出演:リチャード・ギア、スーザン・サランドン、ティム・ロス、レティシア・カスタ、ブリット・マーリング
 物語:ロバート・ミラーは、ニューヨークのヘッジファンドの大物で、アメリカのビジネス界で大成功を収めた人物と見なされている。しかし、実際は、大失敗を犯し、もうにっちもさっちもいかないところまできている。彼は、すべてがバレてしまう前に売り逃げしてしまおうとするが、ここでも手酷いミスを犯し、思いもかけぬ人物に助けてもらう。ニューヨーク市警の刑事が彼のまわりを嗅ぎまわり始め、彼は、さらに追いつめられていく……。
 脚本家のニコラス・ジェレッキーの監督デビュー作。
 サンダンス映画祭2012 プレミア部門出品。
 オープニング作品。


 ・“Días De Pesca (Gone Fishing)”(アルゼンチン) 監督:カルロス・ソリン
 物語:マルコは、旅まわりのセールスマンだが、アル中になっていて、そんな自分を変えるために、デトックスを試みる。医者からは、趣味を持った方がいいと言われて、釣りでもしてみようかという気になり、疎遠になっている娘を連れて、シャーク・フィッシング・シーズンのプエルトデセアドに向う。
 トロント国際映画祭2012 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。

 ・“El Muerto Y Ser Feliz (The Dead Man And Being Happy)”(西・アルゼンチン・仏) 監督:Javier Rebollo
 出演:ホセ・サクリスタン(José Sacristán)、Roxana Blanco
 物語:サントスは、ヒットマンだが、癌にかかって、ブエノスアイレスの病院の世話になっている。彼は、最後の仕事を片付けようと、コルドバのリゾートからアルゼンチンの北部へ向って愛車であるビンテージのフォード・ファルコンを走らせる。ところが、ガソリンスタンドに寄ったところで、魅力的な中年女性アレクサンドラが勝手に彼の車に乗り込んでくる。彼も、彼女を無理やり降ろすというわけにもいかず、それから奇妙な2人旅が始まる。
 “La Mujer Sin Piano(Woman Without Piano)”でサンセバスチャン国際映画祭2009 銀賞を受賞したJavier Rebolloの最新作。

 [アウト・オブ・コンペティション部門]

 ・“Quartet”(英) 監督:ダスティン・ホフマン
 出演:マギー・スミス、トム・コートネイ(Tom Courtenay)、ビリー・コノリー、ポーリン・コリンズ(Pauline Collins)
 物語:レジーウィルフ、シシーは、引退したオペラ歌手たちが暮らすホームに住んでいる。彼らは、毎年、ベルディの誕生日に記念のステージを行なっているが、ある年、レジーの妻がやってきて、ディーバの役をもらうが、コンサートで歌うのは嫌だと言い出した時、みんなの間に緊張が走る。
 ダスティン・ホフマンの初監督作品。
 トロント国際映画祭2012 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 クロージング作品。

 ・“¡Atraco!”(西・アルゼンチン) 監督:Eduard Cortés
 物語:1955年。エビータの宝石が、スペイン人の質屋に質入れされる。それは、亡命中の元大統領ファン・ペロンの費用をまかなうためだったが、ことはそう簡単には進まない。というのも、ペロニスタのエージェントたちが即興の泥棒に扮して、質に入った宝石を盗み出し、元に戻そうとするからだ。

 ・“The Impossible”(西・米) 監督:フアン・アントニオ・バヨナ
 出演:ナオミ・ワッツ、トム・ホランド、Samuel Joslin、Oaklee Pendergast、ユアン・マクレガー
 物語:本当の恐怖は、期待していなかった思いやりや単純な親切心から引き起こされる。タイに旅行中に津波の被害に遭った家族の、実話に基づく物語。
 トロント国際映画祭2012 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。


 ・“Argo”(米) 監督:ベン・アフレック
 出演:ブライアン・クランストン、ベン・アフレック、ジョン・グッドマン、カイル・チャンドラー、アラン・アーキン
 物語:1979年、イランのアメリカ大使館人質事件に際し、CIAの救出チームが、6人のアメリカ人を救出するための計画(イーグルクロー作戦)を立案する。30年近く秘密にされていた実話の映画化。
 プロデューサーは、ジョージ・クルーニー、グラント・ヘスロヴ、ベン・アフレック。
 トロント国際映画祭2012 GALA PRESENTATIONS部門出品。


 【ニュー・ディレクターズ部門】 (New Directors)

 監督第1作か2作目の作品を集めたコンペティション部門。
 以前は、Zabaltegi部門の中の一部門でしたが、独立して、正式なコンペティション部門に昇格しました。

 ・“Shell”(英) 監督:Scott Graham
 出演:Chloe Pirrie、マイケル・スマイリー(Michael Smiley)、ジョゼフ・マウル(Joseph Mawle)、Iain de Caestecker、ポール・ヒッキー(Paul Hickey)、ケイト・ディッキー(Kate Dickie)
 物語:シェルは、スコットランドのハイラインドにあるガソリンスタンドで父親とふたりで暮らしている。ふたりは些細なことで喧嘩もするが、異常なくらい互いに愛し合ってもいる。しかし、彼女がそこで過ごすのもこの冬が最後かもしれない。近くを通りかかる車は少なく、彼らは別の仕事をして過ごすことが多くなっている。シェルは10代で、他人の生活に燃料を注ぐ仕事をしているが、では、彼女自身の生活はどうなのだろうか。ある夜、寒さと孤独が、彼らふたりを襲う。
 ロンドン短編映画祭で入賞した同名の短編を長編化した作品。
 [ワールド・プレミア]


 ・“Animals”(西) 監督:Marçal Forès
 出演:Oriol Pla、Augustus Prew、Dimitri Leonidas、Roser Tapias、Javier Beltrán、マティン・フリーマン
 物語:ポルは、高校に通うティーンエージャーで、穏やかな生活を送っている。彼には、秘密があった。それは、テディーベアのDeerhoofという親友がいて、Deerhoofは自由に動き、自分で考えることもできるということだった。ポルとDeerhoofは、みんなには内緒で2人で楽しい時間を共有していた。そんな日常が、ミステリアスな転校生イカリがやってきたことで、変わり始める。ポルは、イカリのことを気にかけているうち、彼には後ろ暗い秘密があることに気づく。やがて、思いがけない死と一連の奇妙な出来事が起こり、ポルの生活はすっかり変わってしまう。空想力は、現実の境界を曖昧にし、死は避けがたいほど魅力的なものに思えてくる。
 [ワールド・プレミア]

 ・“Los Increíbles (The Incredibles)”(西) 監督:David Valero
 出演:Juan Eulalio López、María Moreno、Joana Martín Savall
 物語:3人のヒーローについてのドキュメンタリー。ブロークン・ウィングこと、Juan Eulalio Lópezは、1996年、36歳の時に自転車でガードレールに突っ込み、右腕が動かなくなった。彼は、そのこと自体で精神的ショックを受けたが、さらにその結果として仕事と結婚生活をも失った。51歳の今、彼は再起を果たそうとしている。アイアン・レディーこと、María Morenoは、1916年にアルメニアに生まれた。戦争と戦後、そして2人の子どもと夫の死を経験した。69歳の時、彼女は角膜癌にかかり、医者は数ヶ月の命だと宣告した。しかし、94歳の今も彼女は元気で暮らしている。レディオアクティヴ・ウーマンこと、Joana Martín Savallは、2009年に皮膚癌にかかる。頬骨の裏に4cmの腫瘍があり、それが骨を侵食していく。32歳の今も彼女は病気と戦っている。
 [ワールド・プレミア]


 ・“Chaika (Seagull)”(西・グルジア・ロシア) 監督:Miguel Ángel Jiménez
 物語:永遠に続くともしれない冬のシベリアから、埃っぽい夏のカザフスタンのステップ地帯へと繰り広げられる、娼婦と負け犬の船乗りのラブ・ストーリー。若きTursynが、家族の残された家に帰ってくる。そこには年老いて、人生に希望を失った父が暮らしている。2人を結びつけるのは、母の思い出だけだ。そして記憶が手繰り寄せられる。世界の果てとも思える、南米の秘境、パラモで散り散りにされた人生の物語が……。
 [ワールド・プレミア]


 ・“Le Jour Des Corneilles (Day Of The Crows)”(仏・ベルギー) 監督:Jean-Christophe Dessaint
 声の出演:ジャン・レノ、イザベル・カレ、クロード・シャブロル
 物語:森の中で、鬼に育てられたパンプキン・ジュニアはまだ人間の世界を知らない。しかし、森で出て、人間界を知ることになる。
 ジョアン・スファールの“Le chat du rabbin”にも参加したアニメーター、Jean-Christophe Dessaintの初監督作品。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2012 出品。
 [インターナショナル・プレミア]


 ・“Silent City”(オランダ・ルクセンブルグ・ベルギー) 監督:Threes Anna
 出演:Laurence Roothooft
 物語:若いヨーロッパの女性ロサが、魚料理の極意を学ぶために、東京にやってくるが、激しい孤独感に苛まれる。メトロポリス東京は、まるで水の中にいるようで、彼女はその中を必死に泳ぎ渡ろうとするが、気持ちばかり空回りして、あえなく溺れてしまう。
 バーバラ・ハーシー主演の“The Bird Can't Fly”のThrees Anna監督第2作。Threes Annaは、小説家でもあって、本作は、同名の自著の映画化作品でもある。
 [ワールド・プレミア]


 ・“Draussen Ist Sommer(Summer Outside)”(独・スイス) 監督:Friederike Jehn
 出演:マリア・ドラグス(Maria Dragus)、ニコレッテ・クレビッツ(Nicolette Krebitz)、Wolfram Koch、Audrey von Scheele、Nalu Walder、Phillipe Graber
 物語:14歳のヴァンダは家族とともに、ドイツからスイスに引越しをする。40歳の父ヨアキムは、ベルリンで彼がやったことで、40歳の母アンナから信用を失っている。ヴァンダは、両親の間を取り持とうとするがうまく行かない。ヴァンダは、転校先の学校で、クラスの女王ミアに夢中になるが、彼女はヴァンダのことを振り向きもしない。またヴァンダは、プールの監視員テオに恋をする。10歳の妹ゾフィーは、学校でロウと友だちになろうとするが、彼は自分の家が貧しいことを隠そうとしている。4歳の弟ブビは自分の世界に閉じこもっている。隣人のハンネスはちょっと変わったところがあり、32歳になっても母親と一緒に暮らしている。みんな家族の亀裂に気づいているが、決定的な出来事が起こって大きな危機が襲いでもしない限りは、もう修復は無理なのかもしれない。
 [ワールド・プレミア]


 ・“Rocker”(ルーマニア・仏・独) 監督:Marian Crisan
 出演:Dan Chiorean、Alin State、Ofelia Popii
 物語:ヴィクターは、40代のロッカーで、ドラッグ中毒の息子の面倒を見ながら、来るべきライブのための準備を進めている。
 “Morgen”でロカルノ国際映画祭 審査員特別賞を受賞したMarian Crisanの監督第2作。
 完成前にLes Films du Losangeとの契約が成立し、フランスでの公開が決定している。
 [ワールド・プレミア]

 ・“Viceværten(A Caretaker's Tale)”(デンマーク) 監督:Katrine Wiedemann
 出演:ラールス・ミケルセン(Lars Mikkelsen)、Julie Zangenberg、ニコライ・コペルニクス(Nicolaj Kopernikus)、Tommy Kenter、ペーター・ブラウボー(Peter Plaugborg)
 物語:ペールは、刑務所から出てきたばかりの息子と、哀れな友人2人の面倒を見ている。ある日、彼は、空っぽのアパートに、カーテンを巻いただけの裸の美しい少女を見つける。まるでもらっていってくださいと言わんばかりの少女は、天からの授かり物のようで、彼は彼女を自分のアパートに連れて帰る。あまりにもイノセントな彼女を見ているうち、彼の中で新しい何かが生まれる。これが愛というものなのだろうか。
 [ワールド・プレミア]

 ・“Shesh Peamim(Six Acts)”(イスラエル) 監督:Jonathan Gurfinkel
 物語:Giliは、転校先の学校で早く自分の地位を確立するために、複数の男の子とつき合い始める。古典的なティーンの映画のようにスタートした物語は、現実味を増し、やがて性的虐待に関わる「グレーゾーン」に飛び込んでいく。
 [ワールド・プレミア]


 ・“Layali Bala Noom(Sleepless Nights)”(レバノン・ドバイ・カタール・仏) 監督:Eliane Raheb
 レバノン内戦で、大規模な殺戮を行なったキリスト教民兵組織のリーダー、Assaad Shaftariと、誘拐された兵士の母親Maryam Saiidについてのドキュメンタリー。内戦の傷痕を見つめ、癒しと許しの可能性を探る。
 [ワールド・プレミア]


 ・“Parviz”(イラン) 監督:Majid Barzegar
 物語:Parvizは、50代になっても、仕事をしたことがなく、ずっと父の家で暮らしている。しかし、父が再婚することになって、家を出て行かなければならなくなる。
 [ワールド・プレミア]


 ・“The Love Songs Of Tiedan”(中) 監督:ハオ・ジェ(郝杰)
 出演:Feng Si、Shi Weicheng、Ye Lan、Du Huanrong、Ge Xia、Feng Yun、Li Yuqin
 物語:貧しい山西省の村。6歳の少年Tiedanは、近所に住むMay姉さんのことが大好きだ。彼女は、伝統的な歌唱芸能「二人台」(Er-ren dai)を習っていて、彼女の歌も大好きだ。それから長い年月が過ぎるが、Tiedanの、Mayと彼女の娘たちに対する思いに変わりはない。
 『独身男』のハオ・ジェ監督の第2作。
 [ワールド・プレミア]

 ・“Cores (Colors)”(ブラジル) 監督:Francisco Garcia
 物語:経済成長が目覚しいサンパウロで繰り広げられる3人の若者の愛と裏切りの物語。ルカは、タトゥー・アーティストで、祖母とともに暮らしている。ルイスは、ドラッグストアで働いていて、バイクで薬の密売をしている、ルイスのガールフレンドのルアラは、熱帯魚のショップで働いている。彼らは、退屈な日常とブラジルの消費社会から逃れたいと感じているが、その一方で、よりよい未来が来ることを信じている。
 [ワールド・プレミア]


 ・“El Limpiador (The Cleaner)”(ペルー) 監督:Adrián Saba
 物語:エウセビオは、死人が出た建物の後始末を専門とする掃除人だ。リマに謎の伝染病が広まって、彼の仕事は忙しくなる。しかも、病気が収束する気配はない。ある日、彼は、掃除をしていた家のワードローブに8歳の子どもが隠れているのを見つける。両親は亡くなっている。彼は、その子を引き取ってくれる身内を捜すが見つからず、一時的に自分で預かることにする。彼は、これまで他人と深い関係を築いたことがなく、その子のこともどう接していいかわからない……。
 監督のAdrián Sabaは、長年オーディオヴィジュアルの仕事をしてきて、これが初監督長編。
 [ワールド・プレミア]


 ・“7 Cajas (7 Boxes)”(パラグアイ) 監督:Juan Carlos Maneglia、Tana Schémbori
 物語:金曜日のアスンシオン。夜になっても気温は40度から下がらない。ヴィクターは、17歳で、手押し車の仕事をしている。彼には有名になりたいという野心があったが、そんな彼にチャンスが飛び込んでくる。7つの箱を届ければ100ドルくれるというのだ。箱の中身は教えられない。最初は、簡単に思えた仕事だったが、次第にやっかいなことに巻き込まれたことに気づく。どうやらみんなこの箱を欲しがっているらしいのだ。
 トロント国際映画祭2012 DISCOVERY部門出品。
 [ヨーロッパ・プレミア]


 ・“Carne De Perro (Dog Flesh)”(チリ・仏・独) 監督:Fernando Guzizon
 物語:アレクサンダーは、55歳で、自分の過去に苦しめられ、孤独な生活を送っている。新しい一歩を踏み出したいと考えてはいるが、幻想と強迫観念のためになかなか先に進むことができない。自分の存在に意味を与え、再出発しようとしている、ピノチェト独裁政権の犠牲者の物語。
 デビュー作“La Colorina”(2008)が高い評価を受けたFernando Guzizon監督の第2作。
 [ワールド・プレミア]


 【ホライズンズ・ラティーノ部門】(Horizontes Latinos)

 ラテン・アメリカ映画のコンペティション部門。

 ・“La Playa”(コロンビア・ブラジル・仏) 監督:Juan Andrés Arango
 物語:トマスは、戦争のせいで、太平洋に面した海辺の村から都会へと押し出されるように出て、排他と人種差別を受けながら生きていかなければならなくなる。弟のジャイロが親友とともに行方不明になって、彼は2人を捜す旅に出る。彼は、兄チャコの助けを借りながら旅をしていたが、その旅を通じて、自分自身のアイデンティティーに気づかされる。活気がありながらも、不安定な都会について独自の視点を得、自分がまさに過去と未来の分水嶺にいることをはっきりと悟ったのだ。
 カンヌ国際映画祭2012 ある視点部門出品。

 ・“La Sirga”(コロンビア・仏・メキシコ) 監督:William Vega
 物語:アリシアは、彼女の最愛の家族を奪った暴力から逃げて、残された有一の身内であるオスカーのゲストハウスLa Sirgaにたどりつく。そこはアンデスの麓の大きな湖のほとりにあり、ここでなら安全に暮らせると考える。しかし、オスカーが長らく待ち望んでいた息子のフレディーが戻ってきて、交戦派ともつながっている彼のせいで、彼女が恐れていたものを呼び込むことになってしまう。
 初監督作品。
 カンヌ国際映画祭2012 監督週間出品。
 トロント国際映画祭2012 DISCOVERY部門出品。


 ・“El Bella Vista (The Bella Vista)”(ウルグアイ・独) 監督:Alicia Cano
 ウルグアイの保守的な町。サッカークラブとして始まった家が、服装倒錯者の巣窟になり、その後、キリスト教のチャペルになったという、一軒の家をめぐるドキュメンタリー。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2012 ドキュメンタリー・コンペティション部門出品。


 ・『マリアの選択』“La Demora (The Delay)”(ウルグアイ・メキシコ・仏) 監督:ロドリゴ・プラ(Rodrigo Plá)
 出演:Roxana Blanco、Carlos Vallarino
 物語:アグスティンは、年をとって、物忘れがひどく、自分でもそれを自覚している。一方、40代の娘マリアは、10代の娘と2人の男の子を抱え、裁縫師として低賃金で忙しく働いて、ほとんど眠る暇もない。2人は、相手のことを愛し、と同時に、相手からイライラさせられてもいる。アグスティンの物忘れは、アルツハイマーの初期症状なのか、それともただの老衰なのかはわからないが、今よりよくなる兆候は見られない。マリアには、妹がいるが、妹は老いた親の面倒を見る責任を負おうとはしない。マリアは、3人の子供たちの面倒をもっとちゃんと見るためには、老いた父親を老人ホームに入れるべきかもしれないと考える。そこで、彼女は、社会保障事務所にでかけていくが、そこで告げられたことは、彼女は、満足に父親の面倒を見るには貧しいが、公的保障を受けるには、稼ぎがありすぎるということだった……。
 メキシコで実際に起きたごとを、ウルグアイを舞台に変えて、映画化した作品。
 ベルリン国際映画祭2012 フォーラム部門出品。エキュメニカル審査員賞、Tagesspiegel Readers’ Prize受賞。
 トランシルヴァニア国際映画祭2012 Supernova部門出品。
 モトヴン映画祭2012 グランプリ受賞。
 第9回ラテンビート映画祭にて上映。


 ・“Infancia Clandestina (Clandestine Childhood)”(アルゼンチン・西・ブラジル) 監督:Benjamín Ávila
 出演:ナタリア・オレイロ(Natalia Oreiro)、Ernesto Alterio、César Troncoso、Cristina Banegas、Mayana Neiva
 物語:1979年のアルゼンチン。12歳のフアンは、家族とともに、偽の身分証を使って、数年ぶりにアルゼンチンに帰ってくる。彼の両親も叔父のベトも過激武装組織モントネーロスの一員で、国を支配している軍政に対して闘っていた。彼らがどんなに逃げても隠れても敵は執拗に追いかけてくる。フアンは、友達にも、彼が好きな少女マリアにもエルネストと名乗っていて、家族が生き抜くにはそれを忘れないようにしなくてはならなかった。
 監督の体験に基づく物語。初監督長編。
 カンヌ国際映画祭2012 監督週間出品。
 トロント国際映画祭2012 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。
 オープニング作品。

 ・“Salsipuedes”(アルゼンチン) 監督:Mariano Luque
 物語:30代後半か40代前半と思われるカルメンとラファの夫婦が、夏のバケーションで、都市部から森へとキャンプにやってくる。彼らにはまだ子どもはない。彼らの間には、ラファがカルメンに暴力を振るったことが原因と思われる緊張感が漂い、カルメンは目を腫れ上がらせている。やがてカルメンの母と妹が合流して、しばらくは歓迎のムードが漂うが、それも長くは続かない。
 ベルリン国際映画祭2012 フォーラム部門出品。


 ・“Joven & Alocada (Young & Wild)”(チリ) 監督:Marialy Rivas
 出演:Alicia Rodríguez、Aline Kuppenheim、María Gracia Omegna、Felipe Pinto
 物語:17歳のダニエラは、厳格な福音派の家族の中で育ち、婚前交渉を持ったことを驚いた両親によって暴露されてしまう。彼女は、自分の精神の調和を見出そうともがき苦しむ。
 サンダンス映画祭2012 脚本賞受賞。

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 ラインナップは、まだまだ続きますが、文字数が上限に達したので、これ以降は、次の記事に書くことにします。

 
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 *当ブログ記事
 ・サンセバスチャン国際映画祭2012 ラインナップ その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201209/article_19.html

 追記:
 ・サンセバスチャン国際映画祭2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201209/article_36.html

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