モスクワ国際映画祭2012 受賞結果!

 第34回モスクワ国際映画祭(6月21日-30日)の受賞結果―

 【コンペティション部門】

 ・“Junkhearts”(英) 監督:Tinge Krishnan
 ・“O Apóstolo”(西) 監督:Fernando Cortizo
 ・“A.C.A.B.”(伊) 監督:Stefano Sollima
 ・“Magnificent Presence (Magnifica Presenza)”(伊) 監督:フェルザン・オズペテク
 ・“80 million (80 Millionow)”(ポーランド) 監督:Waldemar Krzystek
 ・“The Door (Az ajtó)”(ハンガリー・独) 監督:イシュトヴァン・サボー
 ・“Vegetarian Cannibal (Ljudozder Vegetarijanac)”(クロアチア) 監督:Branko Schmidt
 ・“July (Krapetz)”(ブルガリア) 監督:Kiril Stankov
 ・“Gulf Stream Under the Iceberg (Golfstrim pod aysbergom)”(ラトヴィア・ロシア) 監督:Yevgeny Pashkevich
 ・“Lonely Island (Üksik saar)”(エストニア・ベラルーシ・ラトヴィア) 監督:Peeter Simm
 ・“Naked Harbour (Vuosaari)”(ロシア・フィンランド) 監督:アク・ロウヒミエス(Aku Louhimies)
 ・“Rita's Last Fairy Tale (Poslednyaya skazka Rity)”(ロシア) 監督:Renata Litvinova
 ・“The Horde (Orda)”(ロシア) 監督:Andrei Proshkin
 ・“Growing in the Wind”(イラン) 監督:Rahbar Ghanbari
 ・“A Cherry on a Pomegranate Tree (石榴樹上結櫻桃)”(中) 監督:Chen Li(陳力)
 ・“Fire in hell (Jioghwa)”(韓・フィリピン) 監督:Lee Sang-Woo
 ・“Expiration Date (Fecha de caducidad)”(メキシコ) 監督:Kenya Márquez

 ※審査員:ヘクトール・バベンコ、Sergei Loban(ロシアの監督)、ジャン=マルク・バール、アドリアナ・チィエサ・ディ・パルマ(Adriana Chiesa Di Palma:イタリアのプロデューサー/配給)、Javor Gardev(ブルガリアの映画監督/舞台演出家)

 ◆グランプリ(The Main Prize “Golden George” For The Best Film)
 ◎“Junkhearts”(英) 監督:Tinge Krishnan

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 “Junkhearts”(英) 監督:Tinge Krishnan
 出演:エディー・マーサン、トム・スターリッジ、ロモーラ・ガライ、
 物語:フランク(エディー・マーサン)は元兵士で、過去の暴力に悩まされている。彼はいまも独り暮らしで、悪夢と酒の日々が続く。クリスティン(ロモーラ・ガライ)は、見かけは賢く、成功者のように見えるが、働くシングルマザーとして生活は落ち着きがなく、ドラッグとパーティーとセックスに明け暮れる。若いリネット(Candese Reid)は、眠りが浅く、クラブの外でクリスティンがけつまずくのを目撃する。彼女は、夜寒の中に座り、自分の運命が好転するのを待つ。そんな彼女がフランクに出会い、自分のいるべき場所を提供してくれた時、自分の運命が変わり始めるのを感じる。
 ロンドン映画祭2011 ニューカマー賞受賞。

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 ◆審査員特別賞(The Special Jury Prize “Silver George”)
 ◎“Expiration Date (Fecha de caducidad)”(メキシコ) 監督:Kenya Márquez

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 “Expiration Date (Fecha de caducidad)”(メキシコ) 監督:Kenya Márquez
 出演:ダミアン・アルカザール(Damián Alcázar)、Marisol Centeno、アナ・オフェリア・ムルギア(Ana Ofelia Murguía)、Marta Aura、Eduardo España、Jorge Zarate、カタリーナ・ロペス(Catalina López)
 物語:ラモーナのひとり息子が行方不明になり、心配してグアダラハラに捜しに行く。隣人たちは何か知っているらしいが、彼らはむしろラモーナ自身の問題に興味を持つ。ラモーナは、地元の検視官の事務所で、いつもぶらぶらしている奇妙な人物Genaroのところに行く。Genaroは科学捜査のための骨を手に入れていて、ラモーナの事件に特別な関心を示す。三者三様の見方が示され、事件は最初に見えていたのとは違った様相を示すことになる。
 マイアミ国際映画祭2012 Lexus Ibero-American Opera Prima コンペティション部門(2012年に新設されたイベロアメリカの新人監督作品のコンペティション)審査員グランプリ受賞。

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 ◆監督賞(The Prize “Silver George”For The Best Director)
 ◎Andrei Proshkin “The Horde (Orda)”(ロシア)

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 “The Horde (Orda)”(ロシア) 監督:Andrei Proshkin
 出演:Maxim Sukhanov、Rosa Khairullina、Andrey Panin、Alexander Yatsenko、Innokenty Dаkayarov、Vitaly Khaev、Fedot Lvov、AlexeyYegorov、Moge Oorzhaк、Tulepbergen Baysakalov
 物語:13世紀。ユーラシア大陸の半分は、キプチャク・ハン国(The Golden Horde)の支配下にあった。ヨーロッパの人々は、モンゴル民族に侵略されて、キリスト教文化が壊滅するのではないかと恐れていた。一方、キプチャク・ハン国内部では、ジャーニー・ベクが、当主である兄を殺害する。母Taidulaは、首謀者であるジャーニー・ベクを罰するか、それとも治安維持のためには彼のやったことを肯定するか、判断を下さなければならなかった。

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 ◆男優賞(The Prize “Silver George”For The Best Actor)
 ◎エディー・マーサン “Junkhearts”(英)

 ◆女優賞(The Prize “Silver George”For The Best Actress)
 ◎Roza Hairullina “The Horde (Orda)”(ロシア)

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 ◆国際批評家連盟賞
 ◎“A.C.A.B.”(伊) 監督:Stefano Sollima

 “A.C.A.B.”(伊) 監督:Stefano Sollima
 出演:ピエロフランチェスコ・ファヴィーノ、マルコ・ジャリーニ、フィリッポ・ネグロ、Domenico Diele、Andrea Sartoretti
 物語:コブラ(ピエロフランチェスコ・ファヴィーノ)、ネロ(フィリッポ・ネグロ)、マツィンガ(マルコ・ジャリーニ)は、対暴力が専門の警官のチームを組んでいる。彼らは、暴力を憎しみに支配された社会の混沌を映し出す鏡と考え、暴力を封じ込め、秩序を取り戻すことを任務としている。結果的に、それらの中には、2001年のG8ジェノバ・サミットでの抗議者の殺害や、2007年のサッカー・ファンの射殺も含まれていた。ある日、新人のアドリアノ(Domenico Diele)が入ってくるが、彼らは彼をチームの一員とするために、彼に彼らのルールや考えを教え込んでいく。
 「A.C.A.B.:All Cops Are Bastards」は、1970年代にイギリスでスキンヘッズによって使われ始めたスローガンで、都市派ゲリラを通じて、世界中に広まった。
 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞2012 6部門ノミネート。
 ナストロ・ダルジェント賞2012 主演男優賞受賞。

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 ◆NETPAC賞
 ◎“The Horde (Orda)”(ロシア) 監督:Andrei Proshkin

 ◆“Kommersant Weekend”Prize
 ◎“Rita's Last Fairy Tale (Poslednyaya skazka Rity)”(ロシア) 監督:Renata Litvinova

 “Rita's Last Fairy Tale (Poslednyaya skazka Rity)”(ロシア) 監督:Renata Litvinova
 物語:ターニャは、これまで恋愛の経験はないが、楽天的に考えて、恋を求めて続けている。しかし、見知らぬ男性とデートして危うく殺されそうになる。リタは、幸せの絶頂で、結婚に向けて着々と準備を進めている。しかし、定期健診で、健康に問題が見つかる。ナージャは不幸な結婚をして、夫とうまくいかず、アルコールに溺れている。3つの物語は、病院で交錯する。

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 ◆ロシア映画批評家審査員賞
 ◎“A.C.A.B.”(伊) 監督:Stefano Sollima

 ◆観客賞
 ◎“Magnificent Presence (Magnifica Presenza)”(伊) 監督:フェルザン・オズペテク

 ・“Magnifica Presenza(Magnificent Presence)”(2012/伊)
 監督:フェルザン・オズペテク
 出演:エリオ・ジェルマーノ、マルゲリータ・ブイ、ヴィットリア・プッチーニ(Vittoria Puccini)、Beppe Fiorello、アンドレア・ボスカ(Andrea Bosca)、Alessandro Roja、Paola Minaccioni、Cem Yilmaz、Ambrogio Maestri、Claudia Potenza
 物語:ピエトロは、28歳で、俳優を目指している。ローマにやってきて、最初はいとこと一緒に住んで、パン屋で働きながら、俳優になるための修行を続ける。のちに、自分で家を借りるが、その家では、家具が勝手に動いたり、奇妙なことが起こり始める。彼はこれをこの家に住み着いている幽霊のせいだと考えるが、それが彼の冒険の始まりだった……。
 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞2012 8部門ノミネート。
 ナストロ・ダルジェント賞2012 ストーリー賞・衣裳賞受賞。
 イタリア・ゴールデングローブ賞2012 監督賞・主演男優賞・助演男優賞・助演女優賞受賞。

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 ◆映画クラブ連盟賞(Film Club Federation Prizes)
 ◎“A.C.A.B.”(伊) 監督:Stefano Sollima
 ◎“Magnificent Presence (Magnifica Presenza)”(伊) 監督:フェルザン・オズペテク

 【パースペクティヴズ・コンペティション部門】

 ・“The wreckers”(英) 監督:D.R. Hood
 ・“170 Hz”(オランダ) 監督:Joost van Ginkel
 ・“Bebop”(オランダ) 監督:Thijs Gloger
 ・“Amaro Amore”(伊) 監督:Francesco Henderson Pepe
 ・“Dr.Ketel”(独) 監督:Linus de Paoli
 ・“City of Children (I poli ton paidion)”(ギリシャ) 監督:Yorgos Gkikapeppas
 ・“Fourth Dimension”(ロシア・米・ポーランド) 監督:Jan Kwiecinski、ハーモニー・コリン、アレクセイ・フェドルチェンコ(Aleksei Fedorchenko)
 ・“Ana-Bana”(ロシア) 監督:Eduard Oganesyan
 ・“Everybody’s gone”(ロシア・グルジア・チェコ) 監督:Georgy Paradzhanov
 ・“If only everyone… (Yet’ye bolory…)”(アルメニア) 監督:Natalya Belyauskene
 ・“Where is my mother tongue? (Ana Dilim Nerede)”(トルコ) 監督:Veli Kahraman
 ・“Horizon (Tian Bian”(中) 監督:Nuoming Huari
 ・“Garbage”(米) 監督:Phil Volken

 ※審査員:Marina Razbezhkina(ロシアの監督・脚本家・プロデューサー)、Sylvia Perel(キュレーター・教育者)、ダレンジャン・オミルバエフ(カザフスタンの監督)

 ◆グランプリ(The Prize “Silver George” For The Best Film Of The "Perspectives" Competition)
 ◎“The wreckers”(英) 監督:D.R. Hood

 “The wreckers”(英) 監督:D.R. Hood
 出演:クレア・フォイ、ベネディクト・カンバーバッチ、ショーン・エヴァンス、ミーター・マクドナルド、シネイド・マシューズ(Sinead Matthews)
 物語:新婚夫婦が夫の故郷で新生活を始める。ところがそこへ夫の弟が訪ねてきて不穏な空気が流れ始め、やがてウソが露見し、夫婦関係にひびが入る。

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 ◆映画クラブ連盟賞(Film Club Federation Prizes)
 ◎“Dr.Ketel”(独) 監督:Linus de Paoli
 出演:Ketel Weber、アマンダ・プラマー、Burak Yigit、Pit Bukowski
 物語:近未来。ベルリンの、悪名高きノイケルン地区。医療制度が崩壊している。「彼」は、免許なしで医者をしている。求められれば、どこでも診察している。路上であろうが、どこであろうが構いはしない。薬がいるなら、薬局から盗めばよい。誰も彼の名前など知らない。もとはといえば、彼はおんぼろアパートの管理人に過ぎなかった。「彼」は次第に自分でも本物の医者であるかのように思い始める……。

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 【ドキュメンタリー・コンペティション部門】

 ・“TT3D: Closer to the Edge”(英) 監督:Richard De Aragues
 ・“Colors of Math”(独・ロシア) 監督:Ekaterina Eremenko
 ・“Theatre Svoboda (Divadlo Svoboda)”(チェコ) 監督:Jakub Hejna
 ・“The Ambassador”(デンマーク) 監督:Mads Brügger
 ・“Searching for Sugarman”(スウェーデン・英) 監督:Malik Bendjelloul
 ・“Tomorrow (Zavtra)”(ロシア) 監督:Andrei Gryazev
 ・“The World before Her”(カナダ) 監督:Nisha Pahuja

 ◆グランプリ(“Silver George” for the best film of the documentary competition)
 ◎“Searching for Sugarman”(スウェーデン・英) 監督:Malik Bendjelloul

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 “Searching for Sugarman”(スウェーデン・英) 監督:Malik Bendjelloul
 ロドリゲスは、70年代のアメリカのロック界最大のイコンであった。彼は、同世代の偉大なるレコーディング・アートストとして歓迎され、全く異なる形でどん底から再起を果たそうとするが、忘却の彼方に消え去ってしまう。
 サンダンス映画祭2012審査員特別賞/アーティスティック・スピリット賞&観客賞受賞。

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 【その他の賞】

 ◆短編部門 最優秀作品
 ◎“The Centrifuge Brain Project”(独) 監督:Till Nowak

 “The Centrifuge Brain Project”(独) 監督:Till Nowak
 物語:ラスロヴィクス博士は、自らの開発したマシンをさらにレベルアップさせれば、これまで人類が解決できなかった問題を解決できるのではないかと考える。アニメーションによって、実際には存在しないスリル・ライドを次々に登場させ、遊園地の乗り物に乗る時のような少年時代のわくわく感を求めて作られた短編。
 サンセバスチャン・ホラー&ファンタジー映画祭2011審査員賞&観客賞受賞。
 オーバーハウゼン国際短編映画祭2012 オナラブル・メンション受賞。
 ハンブルク国際短編映画祭2012 観客賞受賞。
 ドレスデン映画祭2012 ヤング審査員賞オナラブル・メンション受賞。
 アスペン短編映画際2012審査員賞受賞。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2012 短編コンペティション部門出品。

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 ◆映画クラブ連盟賞(Film Club Federation Prizes)
 ◎“The Centrifuge Brain Project”(独) 監督:Till Nowak
 ◎“Kokoko”(ロシア) 監督:Avdotya Smirnova

 ◆ワールド・シネマに著しい貢献をしたことに対する特別賞(Special Prize for An Outstanding Contribution To The World Cinema:)
 ◎ティム・バートン

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 ◆演技のキャリアとスタニスラフ・スクールの原則への献身において著しい貢献をしてことに対する特別賞(Special Prize for The Outstanding Achievement In The Career Of Acting and Devotion To The Principles of K.Stanislavsky's school)
 ◎カトリーヌ・ドヌーヴ

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 上映本数は、世界最大級に多く、特集も充実しているモスクワ国際映画祭ですが、今年の受賞作は、ロシア映画を除けば、既にどこかの映画祭で上映されて何らかの賞を受賞した作品ばかりで、これがあのモスクワ国際映画祭かとちょっと残念に思いました。
 この時期、比較的大きな国際映画祭が多く、また、カンヌとベネチア/トロントの間に挟まれた期間にあって、プレミア作品を集めるのが難しくなっているということでしょうか。

 それはともかくとして、今回、モスクワ国際映画祭で組まれた特集は22あって、レギュラー企画以外には、以下のような特集が組まれました。

 ・Lubitch’ Touch:エルンスト・ルビッチとその関連作品の特集(11本)
 ・『一命』や『ジョーズ』を含む3D特集(9本)
 ・What do you know about estonian animation?:エストニア・アニメーション特集(12本)
 ・Universal Pictures Golden Collection:『グレン・ミラー物語』『アラバマ物語』『鳥』『引き裂かれたカーテン』『スパルタカス』『ジーザス・クライスト・スーパースター』などユニバーサル作品の特集(11本)
 ・Moving Pictures:『アンドレイ・ルブリョフ』『ピカソ-天才の秘密』『モンパルナスの灯』『カミーユ・クローデル』『ピロスマニ』『レンブラント』など実在の画家の半生をモチーフとした作品の特集(10本)
 ・10 Decades of German Cinema:『カリガリ博士』『花嫁人形』『M』『階級関係-カフカ「アメリカ」より-』などドイツ映画の100年を11本の映画で振り返る。

 日本からの出品は、ざっと調べたところでは、『ヒミズ』(Films Around The World部門)と『Nuclear Nation-ニュークリア・ネイション』(Free Thought部門)の2本でした。

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 *当ブログ記事

 ・モスクワ国際映画祭2009 ラインナップその1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200906/article_18.html
 ・モスクワ国際映画祭2009 ラインナップその2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200906/article_19.html
 ・モスクワ国際映画祭2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200906/article_30.html
 ・モスクワ国際映画祭2010 ラインナップその1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201006/article_20.html
 ・モスクワ国際映画祭2010 ラインナップその2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201006/article_21.html
 ・モスクワ国際映画祭2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201006/article_27.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2012年6月~2013年1月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201206/article_9.html

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