伊藤有壱 2冠! ズリーン国際映画祭2012 受賞結果!

 第52回ズリーン国際映画祭(5月27日-6月3日)の各賞が発表になりました。

 【子供向け長編映画 インターナショナル・コンペティション部門】(The International Competition of Feature Films for Children section)

 ◆金のスリッパ賞/国際審査員賞(Golden Slipper - for Best Feature Film for Children)
 ◎“Famous Five(Fünf Freunde)”(独) 監督:Mike Marzuk
 ユリアン、ディック、アンネ、ゲオルギーナ、そして犬のティミーが過ごす海辺の休日で起こった冒険の物語。彼らは、密輸業者が使う古い洞窟で、たまたまゲオルギーナの父親の誘拐計画に関する無線を耳にしてしまう。ゲオルギーナの父親は新しいエネルギー開発の研究をしていて、誰かがその成果に関心を持っているのだ。彼らは、大人たちに話すが大人は信じてくれない。彼らは自分たちだけでゲオルギーナの父親を救わなければならない。
 エニッド・ブライトン(1887-68)の児童小説の“Famous Five”シリーズからの映画化。

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 ◆子供審査員賞(Main Prize of the Children's Jury - for Best Feature Film for Children)
 ◎“Chubby Drums”(オランダ) 監督:Arne Toonen
 物語:チュビー・ドラムは、正直者で、ぽっちゃりした少年だ。彼は、父親がThinhavenで新しくレストランを開くというので、家族で引越しをする。Thinhavenには、太っている人はおらず、住人も外交的ではない。チュビーは、町で最もやせている少女リーヴェに恋をし、彼女にアタックして、人の真価は外見ではなく、内面の美しさであることを身を以って証明しようとする。

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 ◆ズリーン市賞(The City of Zlin Award - Special Recognition for a Feature Film for Children)
 ◎“The Blue Tiger”(チェコ) 監督:Petr Oukropec
 物語:ヨハンカとマチアスは、両親たちと一羽のオウムと一緒に市の真ん中にある植物園で暮らしている。ある日、市長が、植物園を取り壊して、新たなテーマパークを作ろうと言い出す。一方、街中に内気で迷子の青いトラが現れて、一攫千金を狙う人々によって追い回される。ヨハンカとマチアスは、トラと植物園を守るために立ち上がる。
 チェコの絵本作家テレザ・ホルヴァートヴァーの絵本『青いトラ』の映画化。

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 【青少年向け長編映画 インターナショナル・コンペティション部門】(The International Competition of Feature Films for Youth section)

 ◆金のスリッパ賞/国際審査員賞(Golden Slipper - for Best Feature Film for Youth)
 ◎“Death Of A Superhero”(独・アイルランド) 監督:イアン・フィッツギボン(Ian Fitzgibbon)
 出演:アンディ・サーキス、トーマス・ブロディ・サングスター(Thomas Brodie-Sangster)、Aisling Loftus、マイケル・マケルハットン(Michael McElhatton)、Sharon Horgan、Jessica Schwarz
 物語:ドナルドは、14歳で、白血病を患っていて、自らも死が近いことを薄々感じ取っていた。しかし、それとは裏腹に、頭の中では、コミックブックの世界、つまり、スーパーヒーローが悪を倒す世界に想像の翼を広げていた。両親は、内に籠もりがちな彼をセラピストであるキング医師の元へ連れて行く。最初は反抗していたドナルドだったが、彼を子供としてではなく、大人として扱う医師に次第に心を開いていく……。
 Anthony McCartenの同名小説の映画化
 トロント国際映画祭2011 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。

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 ◆子供審査員賞(Main Prize of the Children's Jury - for Best Feature Film for Youth)
 ◎“Death Of A Superhero”(独・アイルランド) 監督:イアン・フィッツギボン(Ian Fitzgibbon)

 ◆ミロシュ・マコーレク賞(The Miloš Macourek Award - Special Recognition for a Feature Film for Youth)
 ◎“Off White Lies”(イスラエル) 監督:Maya Kenig
 物語:リビーは内気だが、鋭い知性の持ち主の少女で、父親と離れて暮らしていた。数年ぶりにイスラエルに住む父親と一緒に暮らすことになるが、父親は子どもっぽく、エキセントリックな人間だった。彼は、自分の家を持たず、あちこちを転々としていたが、言い方を変えれば、ホームレスなのだった。ちょうど第二次レバノン戦争が始まり、2人は爆撃地であるイスラエル北部からの難民のふりをして、その場をしのごうとする。運良く、裕福な人に助けてもらうが、いつまでもウソをついていられるわけもない……。

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 ◆ECFA Award
 ◎“Death Of A Superhero”(独・アイルランド) 監督:イアン・フィッツギボン(Ian Fitzgibbon)

 ◆エキュメニカル審査員賞(Ecumenical Jury Award for Youth)
 ◎『ワンドゥギ』“완득이(Punch)”(韓) 監督:イ・ハン
 出演:キム・ユンソク、ユ・アイン、パク・スヨン、ジャスミン、キム・サンホ
 物語:18歳のワンドゥギは、勉強もできず、家庭環境にも恵まれていないが、ケンカには負けない自信があった。そんな彼にとって、目の上のたんこぶは、担任にトンジュだった。トンジュは、ことあるごとにワンドゥギに干渉し、ついには、隣の家の屋根裏に住んで、昼夜にわたって彼を監視するようになる……。
 百想芸術大賞2012 6部門ノミネート。

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 ◆金のリンゴ賞/観客賞(Audience community:The Golden Apple - for Most Successful Feature Film)
 ◎“Death Of A Superhero”(独・アイルランド) 監督:イアン・フィッツギボン(Ian Fitzgibbon)

 【子供向けアニメーション映画 インターナショナル・コンペティション部門】(The International Competition of Animated Films for Children section)

 ◆金のスリッパ賞/国際審査員賞(Golden Slipper - for Best Animated Film)
 ◎『HARBOR TALE』“Harbor Tale”(日) 監督:伊藤有壱
 「この物語の主人公は、一片の赤いレンガです。レンガ作りの洋館の一部として100年ものあいだ港街のうつろいをずっと眺め続けてきました。「あの四角いキラキラしたもの」が何なのか知りたくて、ある日ついにレンガは壁を抜け出します………。
 小さなレンガの視線を通して、私たちも古き時代から現在に至る港街の得体の知れない魅力を発見する旅に出かけませんか?
 日本を代表するクラフトアニメーションスタジオI.TOONが5年余の歳月をかけ、技術と情熱の全てを注ぎ込んだオリジナルストーリーの短編アニメーション映画、それが「HARBOR TALE」です。」
 *公式サイト:http://harbortale.com/index.html

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 ◆ヘルミーナ・ティールローヴァ賞(35歳までのヤング・アーティスト賞(The Hermína Týrlová Award - Award for Young Artists up to the Age of 35)
 ◎“Blecha(The Itch)”(オランダ) 監督:Patrick Schoenmaker
 物語:犬が、潔癖症の女主人の下で、抑えつけられた生活を送っている。ある日、彼は招かれざる客と出会って、仲良くなり、家のまわりで遊ぶ以上のことをしたいと考えるようになる。

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 ◆金のリンゴ賞/観客賞(The Golden Apple - for Most Successful Animated Film)
 ◎『HARBOR TALE』“Harbor Tale)”(日) 監督:伊藤有壱

 【ヨーロッパ初監督長編作品 インターナショナル・コンペティション部門】(The International Competition of Full-length European First Films section)

 ◆チェコ文化大臣賞(The Czech Minister of Culture prize)/ ヨーロッパ賞(The Europe Award)
 ◎『ワイルド・ビル』“Wild Bill”(英) 監督:デクスター・フレッチャー(Dexter Fletcher)
 出演:チャーリー・クリード=マイルズ(Charlie Creed-Miles)、ウィル・ポールター(Will Poulter)、Sammy Williams、リズ・ホワイト(Liz White)、レオ・グレゴリー(Leo Gregory)
 物語:ビル・ウォードは、8年間の刑務所暮らしを終えて出所する。彼は、2人の息子を捜すが、実は彼らのことはあまりよく知らなかった。裁判があって、下の息子が彼を彼の古い暴力的なギャング仲間と勘違いする。彼は、自分が本当の父親であり、父親としてあるべき姿を2人の息子に示さなくてはならない。
 ブリティッシュ・インディペンデント・フィルム・アワード2011 プロダクション賞ノミネート。
 SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2012にて上映。

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 ◆審査員特別賞(Special Jury Award)
 ◎“Anarchy In Zirmunai”(リトアニア) 監督:Saulius Drunga
 物語:若い娘Vileが進学のために田舎から都会に出てくる。彼女は、アパートを借りるが、そこには無政府主義者のシンボルのシールがベタベタと貼られていた。初めて会った家主はサンドラという名の娘で、無政府主義者のシンボルが描かれたTシャツを着ていた。サンドラのアナーキーな性格やライフスタイルを知ることで、Vileも都会に対する恐れから抜け出し、社交的になっていく。ある日、彼女は街のパンク仲間と出会い、サンドラのアナーキーさというのは、アングラ・カルチャーや政治とは全く関係がないことを知る。

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 【特別賞】

 ◆青少年映画への貢献賞(Recognition Of Creative Contribution In Filmmaking For Children And Youth)
 ◎Jiří Lábus

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 2部門で受賞した伊藤有壱の『HARBOR TALE』ももちろん素晴らしいのですが、何といっても注目されるのは “Death Of A Superhero”の4冠ということになると思います。
 与えられた賞は、すべて異なる審査員からのもので、いかにこの作品が他を圧倒して優れていたかが窺われます。
 監督のイアン・フィッツギボンは、アイルランドのテレビを中心に活躍している俳優出身の監督で、これまでにもいくつかの監督作品があり、いろんなテレビ・ドラマの演出を手がけています。これまで日本に紹介された監督作品はありませんが、これだけ評価の高い作品であれば、劇場公開はともかく、キンダーフィルムフェストでの上映とか、DVDリリースもしくはTVでの放映は期待していいいのではないでしょうか。

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 *当ブログ記事

 ・ズリーン国際映画祭2012 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201205/article_21.html

 ・ズリーン国際映画祭2010 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_28.html
 ・ズリーン国際映画祭2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201006/article_10.html
 ・ズリーン国際映画祭2011 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201105/article_27.html
 ・ズリーン国際映画祭2011 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201106/article_10.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2012年1月~6月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201201/article_1.html

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