イタリア・ゴールデングローブ賞2012 ノミネーション発表!

 第52回イタリア・ゴールデングローブ賞(Globi d'Oro)のノミネーションが発表になりました。(6月13日)

 イタリアのゴールデン・グローブ賞は、アメリカのゴールデン・グローブ賞やフランスのリュミエール賞と同じく外国人記者が選ぶ映画賞で、外国人記者に自国の映画にもっと興味を持ってもらう(そして本国に紹介してもらう)という目的で設立されています。

 今年のノミネーションは以下の通りです。

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 ◆作品賞(Miglior Film)
 ・“Cesare Deve Morire” 監督:パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ
 ・“L'industriale” 監督:ジュリアーノ・モンタルド
 ・“Romanzo Di Una Strage” 監督:マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ

 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞は“Cesare Deve Morire”が受賞。

 ◆監督賞(Migliore Regista)
 ・エマヌエーレ・クリアレーゼ 『大陸』(“Terraferma”)
 ・フェルザン・オズペテク “Magnifica Presenza”
 ・パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ “Cesare Deve Morire”

 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞は“Cesare Deve Morire”が受賞。

 ◆男優賞(Migliore Attore)
 ・エリオ・ジェルマーノ “Magnifica Presenza”
 ・アドリアーノ・ジャンニーニ(Adriano Giannini) “Sandrine nella pioggia”(監督: トニーノ・ザンガルディ(Tonino Zangardi))
 ・ヴァレリオ・マスタンドレア “Romanzo Di Una Strage”

 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞はミシェル・ピコリ(『ローマ法王の休日』)が受賞。

 ◆女優賞(Migliore Attrice)
 ・アーシア・アルジェント “Isole”(監督:Stefano Chiantini)
 ・カロリーナ・クレセンティ(Carolina Crescentini) “L'industriale”
 ・ヴァレリオ・ゴリーノ 『バッグにはクリプトナイト』(“La Kryptonite Nella Borsa”)(監督:イヴァン・コトロネオ(Ivan Cotroneo))

 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞は、チャオ・タオ(『シュン・リーと詩人』)が受賞。

 ◆脚本賞(Migliore Sceneggiatura)
 ・アンドレア・プルガトーリ(Andrea Purgatori) “L'industriale”
 ・マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ、サンドロ・ペトラリア(Sandro Petraglia)、ステファノ・ルッリ(Stefano Rulli) “Romanzo di una strage”
 ・ロベルト・ファエンツァ(Roberto Faenza) “Un giorno questo dolore ti sara' utile”(監督:ロベルト・ファエンツァ)

 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞は、『きっと ここが帰る場所』が受賞。

 ◆撮影賞(Migliore Fotografia)
 ・ファビオ・チャンチェッティ(Fabio Cianchetti) 『大陸』
 ・マウリツィオ・カルヴェージ(Maurizio Calvesi) “Magnifica presenza”
 ・アルナルド・カティナーリ(Arnaldo Catinari) “L'industriale”

 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞は、『きっと ここが帰る場所』が受賞。

 ◆音楽賞(Migliore Musica)
 ・パスクァーレ・カタラーノ(Pasquale Catalano) “Magnifica presenza”
 ・I Mammooth “Sandrine nella pioggia”
 ・アンドレア・モリコーネ(Andrea Morricone) “L'industriale”

 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞は、『きっと ここが帰る場所』が受賞。

 ◆オリジナル歌曲賞(Canzone Originale (Interprete))
 ・“Tutta colpa della Musica”(監督:リッキー・トニヤッツィ)-‘Il tempo che verra’ Arisa
 ・“Un giorno questo dolore ti sarà utile”(監督:ロベルト・ファエンツァ(Roberto Faenza))-‘Love is required’ アンドレア・グエラ(Andrea Guerra)、Michele von Buren、Elisa
 ・“Com'e' bello far l'amore”(監督:ファウスト・ブリッツィ)-‘Com'e' bello fare l'amore’ パティ・ブラヴォ(Patty Pravo)

 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞は、『きっと ここが帰る場所』が受賞。

 ◆第1回作品賞(Migliore Opera Prima)
 ・“Appartamento ad Atene” 監督:Ruggero Dipaola
 ・“Ciliegine” 監督:ラウラ・モランテ
 ・『七つの慈しみ』“Sette opere di misericordia” 監督:ジャンルカ・デ・セリオ(Gianluca De Serio)、マッシミリアーノ・デ・セリオ(Massimiliano De Serio)

 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞は、フランチェスコ・ブルーニ 『シャッラ/いいから!』が受賞。

 ◆コメディー賞(Migliore Commedia)
 ・“Benvenuti Al Nord” 監督:Luca Miniero
 ・“Com'è bello far l'amore” 監督:ファウスト・ブリッツィ
 ・“Posti in Piedi in Paradiso” 監督:カルロ・ヴェルドーネ

 ◆ドキュメンタリー賞(Documentari)
 ・“Le coccinelle” 監督:Emanuele Pirelli
 ・“Le vere false teste di Modigliani” 監督:Giovanni Donfrancesco
 ・“Mare chiuso” 監督:Stefano Liberti、アンドレア・セグレ(Andrea Segre)

 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞は、“Tahrir Liberation Square”(監督:Stefano Savona)が受賞。

 ◆短編映画賞(Cortometraggi)
 ・“La casa di Esther” 監督:Diego Manfredini
 ・“Pollicino” 監督:Cristiano Anania
 ・“Tiger Boy” 監督:Gabriele Mainetti

 ◆ヨーロッパ映画賞(Miglior Film Europeo)
 ・“Aguasaltas.com”(ポルトガル・ブラジル) 監督:ルイス・ガレバオ・テレシュ(Luis Galvao Teles)
 ・『最強のふたり』(仏)  監督:エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ
 ・『アーティスト』(仏) 監督:ミシェル・アザナヴィシウス

 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞(EU映画賞)は、『最強のふたり』が受賞。

 ◆外国人記者グランプリ(Gran Premio Stampa Estera)
 ◎ジャンニ・アメリオ “Il primo uomo(The First Man)”

 ◆生涯貢献賞
 ◎ミケーレ・プラチド

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 主な作品のノミネート状況は以下の通りです。

 ・“L'industriale”(5):作品・女優・脚本・撮影・音楽
 ・“Magnifica Presenza”(4):監督・男優・撮影・音楽
 ・“Romanzo Di Una Strage”(3):作品・男優・脚本
 ・“Cesare Deve Morire”(2):作品・監督
 ・『大陸』(2):監督・撮影
 ・“Sandrine nella pioggia”(2):男優・音楽
 ・“Un giorno questo dolore ti sara' utile”(2):脚本・歌曲
 ・“Com'e' bello far l'amore”(2):歌曲・コメディー

 イタリア・ゴールデングローブ賞は、部門数も少なく、ノミネート枠も3つしかないので、ノミネーションは細かく分かれてしまいますが、最多ノミネーションは、ナストロ・ダルジェント賞では9番手だった“L'industriale”でした。

 ベルリン国際映画祭2012金熊賞を受賞し、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で最多受賞を果たした“Cesare Deve Morire”はわずか2部門のノミネートにとどまりました。

 『ローマ法王の休日』は前回の対象作品で、前回作品賞を受賞していて、『きっと ここが帰る場所』は単にノミネートされていないだけなのか、それともノミネート対象外なのかわかりませんが、前回も今回も全くノミネートされませんでした。

 受賞結果は、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞やナストロ・ダルジェント賞とはあまり重ならず(わざとずらしているようにも見えます)、とりたてて受賞の傾向性とかもないようで、何が受賞するかはちょっと予想もできません。

 受賞結果の発表は7月3日です。

 ちなみに、前回の作品賞は『ローマ法王の休日』、前々回の作品賞は『あしたのパスタはアルデンテ』、3年前の作品賞は『ゴモラ』です。

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 主なノミネート作品を簡単に紹介しておきます。

 ・“L'industriale”(2011/伊)
 監督:ジュリアーノ・モンタルド
 出演:ピエロフランチェスコ・ファヴィーノ、カロリーナ・クレセンティ(Carolina Crescentini)、Eduard Gabia、フランチェスコ・シャンア(Francesco Scianna)、Elena Di Cioccio、Elisabetta Piccolomini、アンドレア・ティドナ(Andrea Tidona)
 物語:40代のニコラは、トリノで工場を経営していたが、国を揺さぶるような不況の打撃を受けて倒産の危機にあった。だが、まだあきらめたくはなかった。また私生活でも、妻と疎遠になっていて、関係修復は不可能だった。工場の従業員からも突き上げを食らう。彼は、なんとかして状況を打開するが、それは汚い手段を使ったものだった。

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 ・“Magnifica Presenza(Magnificent Presence)”(2012/伊)
 監督:フェルザン・オズペテク
 出演:エリオ・ジェルマーノ、マルゲリータ・ブイ、ヴィットリア・プッチーニ(Vittoria Puccini)、Beppe Fiorello、アンドレア・ボスカ(Andrea Bosca)、Alessandro Roja、Paola Minaccioni、Cem Yilmaz、Ambrogio Maestri、Claudia Potenza
 物語:ピエトロは、28歳で、俳優を目指している。ローマにやってきて、最初はいとこと一緒に住んで、パン屋で働きながら、俳優になるための修行を続ける。のちに、自分で家を借りるが、その家では、家具が勝手に動いたり、奇妙なことが起こり始める。彼はこれをこの家に住み着いている幽霊のせいだと考えるが、それが彼の冒険の始まりだった……。

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 ・“Romanzo Di Una Strage(Story of a Massacre)”(2012/伊・仏)
 監督:マリオ・トゥリオ・ジョルダーナ
 出演:ヴァレリオ・マスタンドレア、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、ファブリツィオ・ジフーニ、ラウラ・キアッティ(Laura Chiatti)、ルイジ・ロ・カーショ、ミケーラ・チェスコン、ジョルジョ・コランジェリ(Giorgio Colangeli)、ジョルジョ・ティラバッシ(Giorgio Tirabassi)
 物語:1969年12月12日、ミラノのフォンターナ広場に面した全国農業銀行が爆破され(フォンターナ広場爆破事件)、17人の死者と88人の負傷者が出る。この事件は、無能な政府に対して、民衆を暴動に導こうとして、右翼団体が仕かけたものだと報じられるが、真相は現在に至るまで明らかになっていない。警察は、無政府主義者のピネッリ(ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ)を犯人として逮捕するが、ピネッリは4階から飛び降りて死ぬ。警察は「自殺」と発表するが、無政府主義者は「他殺」と考え、赤い旅団は、ミラノ警察分署長のルイジ・キャラブレシ(ヴァレリオ・マスタンドレア)を殺す。時代は、武装テロが頻発する70年代「鉛の時代」へと突入する……。以後、30年以上におよぶクロニクル。
 Paolo Cucchiarelli が、長い時間をかけて調べて、著した“Il segreto di Piazza Fontana”を自由に翻案して、映画化した作品。

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 ・“Cesare Deve Morire(Caesar Must Die)”(伊)
 監督:パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ
 出演:Cosimo Rega、Salvatore Striano、Giovanni Arcuri、Antonio Frasca
 物語:『ジュリアス・シーザー』の舞台が終わり、演者は盛大な拍手を受ける。その後、演者は、皆、ステージから去り、それぞれの監房に戻る。ここはローマで最高のセキュリティーを誇るRebibbia刑務所であり、演じていたのは皆受刑者たちなのであった。受刑者の1人は言う、「芸術というものを知って以来、ここが本当の監獄になった」と。
 タヴィアーニ兄弟が本物の刑務所で半年間のリハーサルを経て完成させた作品。
 ベルリン国際映画祭2012コンペティション部門出品。金熊賞&エキュメニカル審査員賞受賞。

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 ・『大陸』“Terraferma”(2011/伊・仏)
 監督:エマヌエーレ・クリアレーゼ(Emanuele Crialese)
 出演:Filippo Pucillo、Donatella Finocchiaro、Giuseppe Fiorello、クラウディオ・サンタマリア
 物語:プチーロ一家は孤島で暮らしている。エルネストは漁師だが、70歳で、船ももうスクラップ同然だった。孫のフィリッポは、20歳で、父親を海で亡くし、エルネストと叔父のニノに育てられていた。フィリッポの母はまだ若く、自分のためにも、フィリッポのためにも、もうここを去らなければならないと考えていた。そんな時、島によそ者であるサラとその息子がやってくる。エルネストは、島のしきたりに従って、彼らを追い出そうとするがうまくいかない。彼らがやってきたことで、プチーロ一家は動揺し、新たな決断を余儀なくされる……。
 ベネチア国際映画祭2011 コンペティション部門出品。審査員特別賞、ユニセフ賞(Cinema for UNICEF Commendation)、Francesco Pasinetti (SNGCI) Award受賞。
 米国アカデミー賞2012 外国語映画賞イタリア代表作品。
 イタリア映画祭2012にて上映。

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 ・『七つの慈しみ』“Sette opere di misericordia(Seven Acts of Mercy)”(2011/伊・ルーマニア/103分)
 監督:ジャンルカ&マッシミリアーノ・デ・セリオ(Gianluca e Massimiliano De Serio)
 出演:ステファノ・カセッティ(Stefano Cassetti)、Cosmin Corniciuc、ロベルト・ヘンリッカ(Roberto Herlitzka)、Olimpia Melinte、イグナチオ・オリヴァ(Ignazio Oliva)
 物語:ルミニツァは、ルーマニア出身の不法移民で、トリノのスラム街の片隅で暮らしていた。彼女は、スリをして生計を立てていたが、わずかな戦利品も、仲間に掠め取られてしまうため、早くこんな生活を抜け出したいと考えていた。そのためには、偽造の身分証が必要で、それを手に入れるために彼女は行動を起こすが、その過程で、ミステリアスで重い病にかかっている老人アントニオと出会う。2人の出会いは、2人を思いもよらぬ運命に導いていく……。
 タイトルは、「マタイ福音書」の「慈悲の七つのおこない」(もしくは、それを題材としたカラヴァッジオ作品)に由来しているようです。七つのおこないとは、「死者の埋葬」「囚人の慰問」「食物の施与」「衣服の施与」「病気の治癒」「巡礼者の歓待」「飲物の施与」のこと・
 ロカルノ国際映画祭2011 インターナショナル・コンペティション部門出品。
 マラケシュ国際映画祭2011 監督賞受賞。
 初監督作品。
 イタリア映画祭2012にて上映。

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 *当ブログ記事

 ・イタリア・ゴールデングローブ賞2011 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201106/article_12.html
 ・イタリア・ゴールデングローブ賞2011 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201107/article_16.html

 ・イタリア・ゴールデングローブ賞2010 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201006/article_14.html
 ・イタリア・ゴールデングローブ賞2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201007/article_2.html
 ・イタリア・ゴールデングローブ賞2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200907/article_8.html

 ・ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞2012 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201204/article_13.html
 ・ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201205/article_10.html

 ・イタリア・オンライン映画賞2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201205/article_11.html

 ・ナストロ・ダルジェント賞2012 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201206/article_11.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2012年6月~2013年1月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201206/article_9.html

 追記:
 ・イタリア・ゴールデングローブ賞2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201207/article_2.html

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