くそっ、面白そうな映画がいっぱいだな! パームスプリングス国際映画祭2012 受賞結果!

 第23回パームスプリングス国際映画祭(1月5日~16日)の受賞結果より――

 【パームスプリングス国際映画祭】
 パームスプリングス国際映画祭は、日本ではさほど知られていないと思いますが、アメリカ国内で開催される映画祭としては、トップ・クラスの重要な映画祭の1つで、2009年はここで『おくりびと』が観客賞を受賞してもいて、それがアカデミー賞受賞へのはずみにもなったとも考えられます。

 この映画祭の面白いところは、新作映画を上映して優秀作品を表彰するいわゆる普通の映画祭の部分と、全米映画賞レースの真っ只中に開催される映画賞として、前年活躍した映画人を表彰する「映画賞」という部分を持っている、つまり、映画祭と映画賞の2つの側面を持っている映画祭だということです。

 「映画祭」の部分で上映される映画には、前年の国際映画祭サーキットをまわって受賞歴を重ねてきた話題作が多く、実質的に、「米国アカデミー賞外国語映画賞の前哨戦」(+ドキュメンタリー賞部門の前哨戦)になっています。

 一方、「映画賞」の部分は、Black Tie Awards Galaと呼ばれ、受賞内容は事前に発表されるのですが、この部門は、米国アカデミー賞のキャスト部門と監督賞部門、および、作曲賞部門などの前哨戦の1つになっています。
 Black Tie Awards Galaの授賞式は、映画祭の前半に行なわれます。
 賞はいくつもありますが、毎年すべての賞に受賞者があるわけではなく、ふさわしい受賞者にふさわしい賞を贈るというシステムになっているようです。

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 ◆デザート・パーム貢献賞男優賞(Desert Palm Achievement Award for Acting)
 ◎ブラッド・ピット
 ※この部門は、いわゆる主演男優賞にあたり、2009年はショーン・ペン(『ミルク』)、2010年はジェフ・ブリッジス(『クレイジー・ハート』)、2011年はコリン・ファースが受賞しています。

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 ◆デザート・パーム貢献賞女優賞(Desert Palm Achievement Award for Acting)
 ◎ミシェル・ウィリアムズ
 ※2009年はアン・ハサウェイ(『レイチェルの結婚』)、2010年はマリオン・コティヤール(『NINE』)、2011年はナタリー・ポートマンが受賞しています。

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 ◆インターナショナル・スター賞(International Star Award)
 ◎ゲイリー・オールドマン
 ※この部門は、2011年はハヴィエル・バルデムが受賞しています。

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 ◆ブレイクスルー・パフォーマンス賞
 ◎オクタヴィア・スペンサー

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 ◆スポットライト賞(Spotlight Award)
 ◎ジェシカ・チャスティン

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 ◆バラエティー賞(Variety to Honor)
 ◎シャーリーズ・セロン

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 ◆会長賞(Chairman’s Award)
 ◎ジョージ・クルーニー

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 ◆アンサンブル賞/ヴァンガード賞(Vangurd Award for Creative Ensemble)
 ◎『ヤング≒アダルト』:シャーリーズ・セロン、パットン・オズワルト、ジェイソン・ライトマン、ディアブロ・コーディー

 ◆生涯貢献賞
 ◎グレン・クローズ

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 ◆フレデリック・ロウ作曲賞(Frederick Loewe Award)
 ◎ハワード・ショア
 ※前回の受賞者はダイアン・ウォーレンでした。

 ◆ソニー・ボノ・ヴィジョナリー賞(Sonny Bono Visionary Award)
 ◎ミシェル・アザナヴィシウス
 ※ソニー・ボノはパームスプリングス国際映画祭の設立者の名前です。

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 ◆ディレクター・オブ・ザ・イヤー(Director of the Year Award)
 ◎スティーヴン・ダルドリー
 ※ヴィジョナリー賞とディレクターズ・オブ・ザ・イヤーは、監督賞に当たり、2009年のヴィジョナリー賞はガス・ヴァン・サント(『ミルク』)、2010年のヴィジョナリー賞はジェイソン・ライトマン(『マイレージ、マイライフ』)、2011年はダニー・ボイル、2010年のディレクターズ・オブ・ザ・イヤーはクエンティン・タランティーノ(『イングロリアス・バスターズ』)、2011年はデイヴィッド・O・ラッセルが受賞しています。

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 ◆観客賞 ナラティヴ部門(Mercedes-Benz Audience Award Best Narrative Feature)
 ◎“Starbuck”(カナダ) 監督:Ken Scott
 次点:“Come As You Are(Hasta la Vista!)”(ベルギー) 監督:Geoffrey Enthoven

 “Starbuck”(カナダ) 監督:Ken Scott
 出演:パトリック・ユアール、Julie LeBreton、アントワーヌ・ベルトラン
 物語:デイヴィッドは、42歳だが、最小限の努力のみで、なんとか生きられればいいというダメな大人の典型のような男だった。そんな彼が、なんとなく付き合い続けていた婦警のヴァレリーから妊娠したと告げられる。彼は、20年前を思い出す。彼は、精子バンクに登録していて、お金のためにせっせと精子を提供していたが、実に、533人の生物学的な父親になっていた。そのうち、142人が、生物学的父親として、Starbuckという名前でしか知らされていない彼を特定すべく訴訟を起こしていた。

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 “Come As You Are(Hasta la Vista!)”(ベルギー) 監督:Geoffrey Enthoven
 物語:20代の3人の男性が、ワインを求めてスペインに旅をする。彼らは無類のワイン好きだったが、いまだに女性経験がなかった。その旅の目的は、表向きはワインだったが、実は旅行中に童貞を卒業したいとも考えていた。しかし、3人のうちの1人は、目が不自由で、もう1人は車椅子で、残る1人は麻痺患者であった。

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 ◆観客賞 ドキュメンタリー部門
 ◎“The Girls in the Band”(米) 監督:Judy Chaikin
 ◎“Wish Me Away”(米) 監督:Bobbie Birleffi、Beverly Kopf

 “The Girls in the Band”(米) 監督:Judy Chaikin
 1958年にフリーランスのカメラマン、アート・ケインが撮った写真「A Great Day in Harlem」は、ニューヨーク市ハーレムの126ストリートに集まった57人のジャズ・ミュージシャンのモノクログループ写真で、アメリカのジャズ史上に残る伝説的な1枚の写真となった。本作は、その写真で、セロニアス・モンクの隣に立っている2人の女性にスポットライトを当てたもので、第二次世界大戦前から現在に至る彼らの知られざる歴史を探っていく。

 “Wish Me Away”(米) 監督:Bobbie Birleffi、Beverly Kopf
 1970年生まれのカントリー・シンガーであり、ゲイの人権活動のアクティヴィストでもあるチェリー・ライト(Chely Wright)に関するドキュメンタリー。カンザスのバイブル・ベルトに生まれ育ち、自らのキリスト教信仰の中でもがきながら、保守的なカントリー・ミュージックの世界でデビューし、スターになり、そしてカミングアウトする彼女のこれまでの人生を振り返っていく。

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 ◆ニュー・ボイス/ニュー・ヴィジョン賞(New Voices/New Visions Award)
 ◎“The House(Dom)”(スロヴァキア・チェコ) 監督:Zuzana Liová

 “The House(Dom)”(スロヴァキア・チェコ) 監督:Zuzana Liová
 物語:エヴァは、夢見るティーンエージャーで、高校を卒業したら、外の世界に飛び出したいと考えていた。一方、彼女の厳しい父親は、彼女を管理して、家に縛りつけておきたがっていた。というのも、エヴァの前に、彼女の姉が既にそういう選択をしていたからだ。しかし、エヴァがハンサムな隣人と出会い、彼女の夢は現実味を帯びていく。

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 ◆国際批評家連盟賞 年間最優秀外国語映画
 ◎『ニーチェの馬』(ハンガリー・独・仏・スイズ・米) 監督:タル・ベーラ

 『ニーチェの馬』(ハンガリー・独・仏・スイズ・米) 監督:タル・ベーラ
 出演:デルジ・ヤーノシ(János Derzsi)、ボーク・エリカ(Erika Bók)、Mihály Kormos
 物語:1889年、トリノにいたニーチェは、家から出ようとして、馬が動かなくて、馬車の御者が立ち往生しているところに出くわす。御者は、ついに我慢し切れなくなって、馬にムチを振るうが、それを見たニーチェは、馬にすがりついて、御者にそんなことはやめてくれと泣いて頼む。結局、ニーチェは、家主に連れ帰られることになるが、そのまま2日間ソファーに横になったまま身動きしなくなる。その後、最低限のことしか口にしなくなり、家族の介護を受けることになる。そんな生活が10年続き、ついに発狂してしまう。あの時、馬に何が起こったのかは誰も知らない……。
 ベルリン国際映画祭2011 コンペティション部門出品。銀熊賞(審査員グランプリ)、国際批評家連盟賞受賞。
 米国アカデミー賞2012外国語映画賞ハンガリー代表。

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 ◆国際批評家連盟賞 男優賞
 ◎マティアス・スーナールツ(Matthias Schoenaerts) 『闇を生きる男』(ベルギー)

 『闇を生きる男』“Rundskop (Bullhead)”(ベルギー・オランダ) 監督:ミヒャエル・ロスカム(Michael R. Roskam)
 出演:マティアス・スーナールツ、イェルーン・ペルスヴァール
 物語:「田舎で畜産業を営むジャッキーに精肉業者との怪しい仕事話が舞い込む。同じ頃、ホルモンマフィアを捜査する警官が殺された。予期せぬ事態、ジャッキーの過去の秘密と再会、人々の駆け引きが複雑に絡み合い、彼を混乱の渦へと招いていく。」(大阪ヨーロッパ映画祭)
 ベルリン国際映画祭2011 パノラマ部門出品。
 トランシルヴァニア国際映画祭2011 フォーカス・セレクション部門出品。
 米国アカデミー賞2012外国語映画賞ベルギー代表。

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 ◆国際批評家連盟賞 女優賞
 ◎『別離』のアンサンブル・キャスト(レイラ・ハタミ、サレー・バヤト、サリナ・ファルハディ)

 ◆境界の架け橋賞(HP Bridging the Borders Award)
 ◎“Terraferma”(伊・仏) 監督:エマヌエーレ・クリアレーゼ

 “Terraferma”(伊・仏) 監督:エマヌエーレ・クリアレーゼ
 出演:Filippo Pucillo、Donatella Finocchiaro、Giuseppe Fiorello、クラウディオ・サンタマリア
 物語:プチーロ一家は孤島で暮らしている。エルネストは漁師だが、70歳で、船ももうスクラップ同然だった。孫のフィリッポは、20歳で、父親を海で亡くし、エルネストと叔父のニノに育てられていた。フィリッポの母はまだ若く、自分のためにも、フィリッポのためにも、もうここを去らなければならないと考えていた。そんな時、島によそ者であるサラとその息子がやってくる。エルネストは、島のしきたりに従って、彼らを追い出そうとするがうまくいかない。彼らがやってきたことで、プチーロ一家は動揺し、新たな決断を余儀なくされる……。
 ベネチア国際映画祭2011コンペティション部門出品。審査員特別賞&ユニセフ賞受賞。
 米国アカデミー賞2012外国語映画賞イタリア代表。

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 ◆ジョン・シュレシンジャー賞/ドキュメンタリー賞(The John Schlessinger Award: Best Documentary)
 ◎“The Tiniest Place”(エルサルバドル・メキシコ) 監督:Tatiana Huezo

 “The Tiniest Place (El Lugar Más Pequeño)”(エルサルバドル・メキシコ) 監督:Tatiana Huezo
 1992年に内戦が終わるまでに、エルサルバドルでは75000人もの人々が殺され、いくつかの町や村は地図上から消え去った。田舎の小さな町Cinqueraも軍のターゲットにされた町で、内戦により過疎と化したが、生き残った人々が、戻り、自らの故郷で人生を再建しようとする。
 IDAアワード2011 長編ドキュメンタリー賞&ヒューマニタス賞ノミネート。

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 *当ブログ記事
 ・パームスプリングス国際映画祭2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200901/article_22.html
 ・パームスプリングス国際映画祭2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_32.html
 ・パームスプリングス国際映画祭2011 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201102/article_8.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2012年1月~6月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201201/article_1.html

 ・映画祭&映画賞カレンダー 2011年6月~12月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201106/article_3.html

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