なんと今年のルイ・デリュック賞は! ルイ・デリュック賞2011 発表!

 第69回ルイ・デリュック賞の結果が発表されました。(12月16日)

 ◆作品賞

 ・“Le Havre”(フィンランド・仏・独) 監督:アキ・カウリスマキ
 出演:アンドレ・ウィルム(André Wilms)、カティー・オウティネン、ジャン=ピエール・ダルッサン、Blondin Miguel、エリナ・サロ(Elina Salo)、イヴリーヌ・ディディ(Evelyne Didi)、Quoc Dung Nguyen、Laika
 物語:元人気作家だったボヘミアンのマルセル・マルクスは、港町ルアーブルで隠棲生活を送っていた。彼は、大切な仕事だけれど、ほとんど儲からない靴磨きという仕事をしながら、人と身近に接することのできる喜びを感じていた。作家として大成するという夢をあきらめ、馴染みのビストロと、靴磨きと、妻アレッティとの生活いうトライアングルの中で幸せに暮らしていた。そんなある日、アフリカ出身の黒人の移民の子供と出会う。同じ頃、妻が重病に冒されて寝たきりとなる。マルセルは、生来の楽観主義と近所の人々との堅い連帯感を味方に、人間の無関心という冷たい壁に立ち向かっていく。しかし、彼の前には、西側法治国家の無分別な仕組みが立ちはだかり、難民の少年は警察という万力によって次第に締め付けられていく。マルセルが自分の靴を磨いて立ち上がるときがやってきた。
 カンヌ国際映画祭2011 コンペティション部門出品。国際批評家連盟賞、エキュメニカル審査員賞スペシャル・メンション、パルム・ドッグ特別審査員賞受賞。

画像

 [その他のノミネート作品]

 ・『ある娼館の記憶』“L'Apollonide (Souvenirs de maison close) (House of Tolerance)”(仏) 監督:ベルトラン・ボネロ
 ・“L'Exercice de l'Etat (The Minister)”(仏・ベルギー) 監督:ピエール・ショレール(Pierre Schoeller)
 ・『宣戦布告』“La Guerre est déclarée (Declaration of War)”(仏) 監督:ヴァレリー・ドンゼッリ(Valérie Donzelli)

 ・『アウトサイド・サタン』“Hors Satan (Outside Satan)”(仏) 監督:ブリュノ・デュモン
 ・“Les Neiges by Kilimandjaro”(仏) 監督:ロベール・ゲディギャン
 ・『パテール』“Pater”(仏) 監督:アラン・カヴァリエ
 ・『アーティスト』”(仏) 監督:ミシェル・アザナヴィシウス
 ・『トムボーイ』“Tomboy”(仏) 監督:セリーヌ・シアマ

 ◆新人監督作品賞

 ・“Donoma”(仏) 監督:Djinn Carrénard
 出演:Salomé Blechmans、Sékouba Doucouré、Emilia Dérou-Bernal、Laura Kpegli、Matthieu Longuatte、Laetitia Lopez
 物語:3組のカップルの物語。パリに住む女教師が、自分の勤める郊外の学校の劣等生とあいまいな関係を結ぶ。恋に失望した若い女性が誰でもいいからデートしたいとでかけていく。キリスト教に疑問を持った不可知論者の娘が、キリスト教信者になった元スキンヘッドの青年と出会う。
 釜山国際映画祭2010 ワールド・シネマ部門出品。
 レインダンス映画祭2010 インターナショナル長編コンペティション部門&第1回作品コンペティション部門出品。

画像

 [その他のノミネート作品]

 ・“17 filles (17 Girls)”(仏) 監督:Muriel Coulin、Delphine Coulin
 ・“Jimmy Rivière”(仏) 監督:Teddy Lussi-Modeste
 ・“Mafrouza(マフローザ)”(仏) 監督:エマニュエル・ドゥモーリス(Emmanuelle Demoris)
 ・“Nous, Princesse de Clèves”(仏) 監督:Régis Sauder

--------------------------------

 まさか、フランスの映画賞が、フランスを拠点として活動しているわけではない監督にメインの賞をあげるとは思ってみませんでした。ちょっと驚きました。

 似たような例として、アンジェイ・ワイダが『ダントン』で1982年にルイ・デリュック賞を受賞していますが、あの時のアンジェイ・ワイダと今のアキ・カウリスマキでは製作状況が全然違うわけですし。

 現在、全米映画賞レースを席捲している『アーティスト』もノミネートに挙がっていたのに、それを押しのけてまで、“Le Havre”を選ぶとは!
 あるいは、アメリカ映画への憧れを隠そうとしない自国の監督の映画より、フランスへの関心を示してくれている外国人の映画を選んだということ、なのでしょうか。(まあ、フランス映画が、アメリカの映画賞を席捲しているというのは、フランス人にとってはとっても誇らしいことなんじゃないかと思いますが。)

 これで、米国アカデミー賞とその外国語映画賞、およびそれらを含む全米映画賞レース、さらには、これから発表されるフランスの映画賞の行方もますます気になってきましたね。
 カンヌでの対決(『アーティスト』が男優賞で、“Le Havre”は国際批評家連盟賞どまりでした)は、フランス国内、アメリカ国内と対決の舞台を変えて、来春まで続けられることになりそうです。

 新人監督賞の方もちょっと意外でした。“Mafrouza”なんか、いかにもル・デリュック賞が好きそうな作品じゃないかという気がしたんですが。

 この2本を見る限りでは、現在のフランスは(あるいはルイ・デリュック賞は)、人と人とのつながりを求めているように見えますが、果たしてそういうことなのでしょうか……。

 それにしても、ルイ・デリュック賞は、よっぽどブリュノ・デュモンに賞をあげたくないのかな、なんて、ヘンに勘繰ったりもしたくなりますね。

 *この記事が参考になった!と思ったら、人気ブログランキングにクリックをお願いします。
 ↓ ↓ ↓ ↓
 
 ↑ ↑ ↑ ↑
 クリックしてね!

 *当ブログ記事
 ・ルイ・デリュック賞2011 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_22.html
 ・ルイ・デリュック賞2010 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201011/article_31.html
 ・ルイ・デリュック賞2010 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_36.html
 ・ルイ・デリュック賞2009 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_39.html
 ・ルイ・デリュック賞2009 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_18.html
 ・ルイ・デリュック賞2008 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200811/article_5.html
 ・ルイ・デリュック賞2008 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_22.html

 ・映画祭&映画賞カレンダー 2011年6月~2012年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201106/article_3.html

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック