詳細!米国アカデミー賞2012 短編アニメーション賞候補 ショート・リスト10作品!

 米国アカデミー賞2012短編アニメーション賞候補ショート・リスト10作品が発表になりました。(12月1日)

 ・“A Morning Stroll”(英) 監督:Grant Orchard
 物語:ニューヨーカーが朝の散歩をしていて、ニワトリを通り過ごす。ふと、真のニューヨーカーは誰なのだろうかと頭によぎる。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2011 短編コンペティション部門出品。ヤング審査員賞受賞。
 カトゥーン・ドール2011候補。

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 ・“Specky Four-Eyes(Cul de bouteille)”(仏) 監督:Jean-Claude Rozec
 物語:少年が、視力の矯正のために眼鏡をかけるように言われるが、自由にイマジネーションを働かせられなくなるからと拒む。
 ズリーン国際映画祭2011子供向けアニメーション映画 インターナショナル・コンペティション部門(The International Competition of Animated Films for Children section)出品。
 オタワ国際アニメーションフェスティバル2010 キッズ・コンペティション短編部門最優秀作品賞受賞。

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 ・“Paths of Hate”(ポーランド) 監督:Damian Nenow
 物語:2人の戦闘機パイロットによるサスペンスフルで、壮大な空中戦、または死のダンス。あるいは、人間の心の奥に眠る悪魔をモチーフにしたスリラー。
 クラクフ映画祭2011出品。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2011 短編コンペティション部門出品。特別賞(Special Distinction)受賞。
 カトゥーン・ドール2011ノミネート。

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 ・“Magic Piano”(ポーランド・ノルウェー・中) 監督:Martin Clapp
 物語:アンナといとこのチップチップは、ジャンク置き場で古いピアノを見つける。それは空を飛ぶことができる魔法のピアノで、2人は、ロンドンにいるアンナの父を捜してワルシャワからヨーロッパを旅する。途中、パリ上空で熱気球にぶつかりそうになったり、英国海峡で嵐に襲われたりする。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2011 World Of Flying Machine部門出品。
 監督のMartin Clappは、2008年に米国アカデミー賞短編アニメーション賞を受賞したスージー・テンプルトンの『ピーターと狼』“Peter & the Wolf”(2006)でアニメーターを務めています。

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 ・“Dimanche(Sunday)”(カナダ) 監督:Patrick Doyon
 物語:毎週日曜日、ミサの後、家族がおばあちゃんの家に集まって話をする。その町の工場が閉鎖されることが決まり、大人たちはとたんに収入源を失うことになる。ある日曜日、少年がコインを線路の上に置く、列車が通り過ぎた後、驚くべきことが起こる。
 Patrick Doyonの初監督作品。
 ベルリン国際映画祭2011 国際審査員賞 短編部門特別賞スペシャル・メンション受賞。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2011 短編コンペティション部門出品。
 オタワ国際アニメーションフェスティバル2011 カナダ映画ショーケース部門出品。最優秀カナダ映画賞オナラブル・メンション受賞。

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 ・『ワイルド ライフ』“Wild Life”(カナダ) 監督:アマンダ・フォービス、ウェンディ・ティルビー
 物語:1909年のアルバータ。イギリスから西部開拓を目指して男性がやってくる。まだ誰も手をつけていない大地に自分で農場を切り開くことが彼の役目だったが、彼は、農作業より、バドミントンやバード・ウォッチングやリキュールが好きで、ほとんど家畜の世話をしていなかった。夏が終わり、秋が来た時、彼の手には収穫と言えるほどの収穫はなく、厳しい季節がもうすぐそこに迫っていた。
 2000年に『ある一日のはじまり』(1999)で米国アカデミー賞短編アニメーション賞にノミネートされた監督コンビの12年ぶりの新作。
 オタワ国際アニメーションフェスティバル2011 カナダ映画ショーケース部門出品。最優秀カナダ映画賞受賞。

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 ・“The Fantastic Flying Books of Mr. Morris Lessmore”(米) 監督:William Joyce、Brandon Oldenburg
 物語:ハリケーンで家を失ってしまった(バスター・キートン風の)男が歩いていて、一軒の家を見つける――
 本に人生を捧げる人々と愛される本たちと本の持つ癒しの力についての物語。ハリケーン・カトリーナとバスター・キートンと『オズの魔法使い』と本に対する愛にインスパイアされて生み出された作品。
 オタワ国際アニメーションフェスティバル2010 キッズ・コンペティション短編部門オナラブル・メンション受賞。
 iTuneで購入することができるようです。↓
 ・公式サイト:http://morrislessmore.com/
 監督のWilliam Joyceは、『ロボッツ』(2005)でアニー賞2006のキャラクター・デザイン賞と美術(プロダクション・デザイン)賞にノミネートされています。
 Brandon Oldenburgは、視覚効果のスーパーバイザーとして『スパイキッズ2』ナドデキャリアを積んでいます。

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 [予告編]


 ・『ルーニー・テューンズ 見た見たネコたん』“I Tawt I Taw a Puddy Tat”(米) 監督:マシュー・オキャラハン(Matthew O'Callaghan)
 『ハッピーフィート2 踊るペンギンレスキュー隊』の併映作品。
 マシュー・オキャラハンは『おさるのジョージ』『オープン・シーズン2 ペットVS野生のどうぶつたち』、昨年の短編アニメーション賞候補にもなっていた(ただしノミネートはされなかった)『ルーニー・テューンズ ロード・ランナーとワイリー・コヨーテ』などを手がける監督。

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 ・“La Luna”(米) 監督:Enrico Casarosa
 物語:ある夜、少年が初めて父と祖父と一緒に仕事にでかける。舟に乗って、陸地が見えなくなるほど海の上を進む。父には父のやり方があり、祖父には祖父のやり方がある。少年はどちらに従うだろうか。
 ピクサー作品。
 監督のEnrico Casarosaは、2002年にピクサーに入社して、『カーズ』や『レミーのおいしいレストラン』『カールじいさんの空飛ぶ家』にストーリー・アーティストとして参加し、本作で監督デビュー。

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 ・“Luminaris”(アルゼンチン) 監督:Juan Pablo Zaramella
 物語:光のよって支配されている世界で、1人の普通の男が運命を変えてしまおうと計画する。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2011 短編コンペティション部門出品。観客賞受賞。国際批評家連盟賞受賞。
 Juan Pablo Zaramellaは、10年以上のキャリアを持ち、複数の作品で多くの賞を受賞しているブエノスアイレスのアニメーション作家。

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 この段階で、山村浩二、ディヴィッド・オライリー、ブラザーズ・クエイ、ジョルジュ・シュヴィツゲベルらの作品が落選してしまいました。

 これで本年度の米国アカデミー賞に日本人および日本作品がからんでくる可能性は、外国語映画賞くらいしかなくなりましたが、ノミネートの可能性は低そうです。

 候補作品としては“I Was the Child of Holocaust Survivors”あたりも有力視されていたのですが、落選しました。

 ブラザーズ・クエイなんかは、どう見てもアカデミー会員が好みそうなタイプではないので、落選も、まあ、仕方ないことでしょうか。

 注目は、何と言っても、アマンダ・フォービスとウェンディ・ティルビーの12年ぶりの新作『ワイルド ライフ』“Wild Life”で、これの存在を知ってから、2012年のアカデミー賞はこの作品で決まり!と観る前から決め込んでいたのですが、この作品は、都会人の孤独を描いた『ある一日のはじまり』のような作品とは違った趣向の作品であるようで、どういう感じに仕上がっているのか、とても楽しみです。

 今のところ、全編通して見られた作品はないのですが、予告編を見た限りでは“The Fantastic Flying Books of Mr. Morris Lessmore”がとてもよさそうです。
 大きな災害の後で癒しを求める気持ち、古きよきハリウッド映画へのオマージュ、そして本への愛。
 テーマもモチーフも素晴らしく、『ワイルド ライフ』を越えて、アカデミー賞最有力候補となってきました。

 ピクサー作品は、過去10年間で7回ノミネーションまで進んでいますが、受賞となると10年までの『フォー・ザ・バーズ』以降途切れてしまっています。短編アニメーション賞はピクサー作品の独壇場のような時期もあったのですが、現在のアカデミー会員の間では「もっと違ったタイプの作品にオスカーを」という気分があるようで、そうした気分を越えてピクサー作品が受賞するにはよほど意外性のある感動作でないと無理かもしれません。

 受賞の傾向性としては、2年前の『ロゴラマ』を別とすれば、アニメーションの技法とか方法論より、丁寧に作られた良心作や感動作が受賞することが多いようで、そういう意味でも“The Fantastic Flying Books of Mr. Morris Lessmore”が有望です。(『ロゴラマ』に関しては、アカデミー会員も単純に観て驚いたということなのでしょう。)

 ノミネーションとしては、“The Fantastic Flying Books of Mr. Morris Lessmore”と『ワイルド ライフ』、あとは、できるだけ違ったタイプの作品を加えようということになると、“Paths of Hate”か“Luminaris”、そのほか、“La Luna”か、評判のいい“Specky Four-Eyes(Cul de bouteille)”あたりでしょうか。

 これらの中ではどうも『ルーニー・テューンズ 見た見たネコたん』が真っ先に候補から落ちる感じがしますが、あとは可能性としては何が入っても何が落ちてもどれもあり得そうに思えます。

 “The Fantastic Flying Books of Mr. Morris Lessmore”が受賞すれば、“The Moon and the Son: An Imagined Conversation”以来、6年ぶりにアメリカ作品がこの部門を制することになります。

 ノミネーションの発表は、2012年1月24日です。

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 *当ブログ記事

 ・米国アカデミー賞2011 短編アニメーション賞候補 ショート・リスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_4.html
 ・米国アカデミー賞2010 短編アニメーション賞候補 ショート・リスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_34.html

 ・米国アカデミー賞2012 短編アニメーション賞候補45作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_21.html

 ・米国アカデミー賞2012 長編ドキュメンタリー賞候補 ショート・リスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_18.html
 ・米国アカデミー賞2012 短編ドキュメンタリー賞 セミ・ファイナリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_11.html
 ・米国アカデミー賞2012 長編アニメーション賞 エントリー作品リスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_12.html
 ・米国アカデミー賞2012 外国語映画賞 各国代表63作品リスト その1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_13.html
 ・米国アカデミー賞2012 外国語映画賞 各国代表63作品リスト その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_14.html

 ・映画祭&映画賞カレンダー 2011年6月~2012年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201106/article_3.html

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