こう来たか! ニューヨーク映画批評家協会賞2011発表!

 ニューヨーク映画批評家協会賞2011が発表されました。(11月29日)

 【ニューヨーク映画批評家協会賞】
 ニューヨーク映画批評家協会賞は、映画批評家が選ぶ映画賞としては最も古い映画賞で1935年に設立されています。
 多数決で決められるような映画賞には得てして“多数決によるブレ”があったりするものですが、ニューヨーク映画批評家協会賞にはそれが少なくて、作品賞であればその時々の意欲作、野心作、映画作家の成熟を示す作品、男優賞・女優賞であれば俳優としての転機となるような作品を確実に選んできています。
 たとえば、作品賞として、『ディパーテッド』ではなく『ユナイテッド93』を選ぶとか、『グラディエーター』ではなく『トラフィック』を選ぶとか、『タイタニック』ではなく『LAコンフィデンシャル』を選ぶとか、主演男優賞であれば、『ブロークバック・マウンテン』でヒース・レジャーを選ぶとか(同年のアカデミー賞は『カポーティ』のフィリップ・シーモア・ホフマン)、『サイドウェイ』でポール・ジアマッティを選ぶとか(同年のアカデミー賞は『Ray/レイ』のジェイミー・フォックス)、『ロスト・イン・トランスレーション』でビル・マーレーを選ぶとか(同年のアカデミー賞は『ミスティック・リバー』のショーン・ペン)……。
 まあ、ある意味、アカデミー賞よりもわかりやすい映画賞だと言ってもいいかもしれません。

 今年の受賞結果は以下の通りです。

 ◆作品賞
 ◎“The Artist”(仏) 監督:ミシェル・アザナヴィシウス

画像

 ◆監督賞
 ◎ミシェル・アザナヴィシウス “The Artist”(仏)

 ◆主演男優賞
 ◎ブラッド・ピット 『マネーボール』『ツリー・オブ・ライフ』

 ◆主演女優賞
 ◎メリル・ストリープ “The Iron Lady”(監督:フィリダ・ロイド)

 メリル・ストリープはニューヨーク映画批評家協会賞とは相性がよくて、これで4度目の主演女優賞受賞となりました(過去3回は、『ソフィーの選択』『クライ・イン・ザ・ダーク』『ジュリー&ジュリア』)。助演女優賞も1回受賞しています。

 ◆助演男優賞
 ◎アルバート・ブルックス 『ドライヴ』(監督:ニコラス・ウィンディング・レフン)

 ◆助演女優賞
 ◎ジェシカ・チャスティン 『ツリー・オブ・ライフ』『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』“Take Shelter”

 ◆脚本賞
 ◎スティーヴン・ザイリアン、アーロン・ソーキン 『マネーボール』

 ◆撮影賞
 ◎エマヌエル・ルベツキ 『ツリー・オブ・ライフ』

 ◆ドキュメンタリー賞(Best Nonfiction Film)
 ◎『世界最古の洞窟壁画3D 忘れられた夢の記憶』“Cave of Forgotten Dreams”(カナダ・米・仏・独・英) 監督:ヴェルナー・ヘルツォーク

 ◆外国語映画賞
 ◎『別離』“A Separation”(イラン) 監督:アスガー・ファルハディ

 ◆第1回作品賞
 ◎『マージン・コール』“Margin Call”(監督:J・C・チャンダー)

 ◆特別賞
 ◎ラウル・ルイス

 ◆Correction
 ◎“The Iron Lady”

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 今年からツイッターで受賞結果が発表されるようになったようで、小出しに2時間くらいかけて受賞結果が発表されました。(日本時間11月30日午前1時くらいから午前3時くらいまで)

 最初にBest Feature:Margin Callと出て、えっ、オスカー予想のトップ10にも入っていない『マージン・コール』が作品賞なの? いくらニューヨーク映画批評家協会賞でも、それはないんじゃないかと思ったら、BestとFeatureの間のFirstを見落としていたことに気づきました。『マージン・コール』は、第1回作品賞だったんですね。

 それはともかく、オスカーの下馬評の最上位に挙がっている“The Descendants”はここでも受賞なりませんでした。“The Descendants”は、11月16日に封切になったばかりなので、ひょっとすると、選考対象になっていないのかもしれませんが、今後、どういう動きを見せていくのか、序盤戦は苦戦を強いられるのかもしれません。(序盤戦からオスカーまで1つの作品が一気に駆け抜けるということはなかなかないんですが)

 他の部門は、必ずしも下馬評最上位の候補が受賞したわけではありませんでしたが、おおむね上位の候補が受賞しています。

 昨年まであった長編アニメーション賞はなくなってしまったようです。あるいは、今年は候補作がパッとしないし、該当作なしということなのかもしれません。

 なお、授賞式は、2012年1月9日に行なわれます。

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 追記:

 モノクロで、ほとんど台詞のない“The Artist”が作品賞と監督賞を獲るなんて、ニューヨーク映画批評家協会賞の85年の歴史の中でも画期的なことなんじゃないか、と言われています。
 その結果というか、昨日まで、“The Artist”は有力ではあってもオスカーの本命視はされていなかったのが、このダブル受賞で、一躍、本命視されるようになったようです。

 2本の併せ技でブラッド・ピットが主演男優賞受賞というのなら、マイケル・ファスベンダーは4本も出てるじゃないか(“Shame”、“Jane Eyre”、“A Dangerous Method”、『X-Men:ファースト・ジェネレーション』)という声もあります。

 *当ブログ記事
 ・ニューヨーク映画批評家協会賞2010 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_23.html
 ・ニューヨーク映画批評家協会賞2009 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_23.html
 ・ニューヨーク映画批評家協会賞2008 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_18.html

 ・ゴッサム・アワード2011 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_25.html
 ・ゴッサム・アワード2011 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_3.html

 ・2011年11月時点でのオスカー2012予想:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_16.html

 ・映画祭&映画賞カレンダー 2011年6月~2012年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201106/article_3.html

この記事へのコメント

チャック
2011年11月30日 15:26
いつも楽しく拝見しています
かつ、大変、仕事に流用させていただき、感謝しております
さて、当社 スターサンズ配給作品“Cave of Forgotten Dream”が、ニューヨーク映画批評家協会賞を受賞とのことで大変、嬉しいニュースをありがとうございました
しかし、すでに邦題が
『世界最古の洞窟壁画3D 忘れられた夢の記憶』
と決めてございますので、間に合うところから表記いただくと大変うれしいです
今後も、拝見させていただきます
よろしくお願いします
umikarahajimaru
2011年11月30日 15:52
チャックさま
コメントありがとうございました。
邦題は追記させていただきます。
『世界最古の洞窟壁画3D 忘れられた夢の記憶』も楽しみにしています。
今後ともどうぞよろしくお願いします。

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