ボリスはカルパチア山脈の山羊飼いに密着する! #『LIFE IN A DAY』

 『LIFE IN A DAY』でサンダンス映画祭プレミア上映に招待された「共同監督」の14組目は、ウクライナのボリス・グリシェケヴィッチ(Boris Grishkevich/Борис Гришкевич)でした。

画像

 彼は、ウクライナの首都キエフで暮らしていますが、自分たちとは違う暮らしをしている人々の生活をドキュメンタリーに撮ってみたいと考えて、スロバキア国境に近い、カルパチア山脈の麓のザカルパッチャまで行き、そこの山羊飼いに密着して、『LIFE IN A DAY』のために3つの動画をアップロードしています。

 ・Ivanki ( 1 day in Carpathians ) part 1(9分40秒)



 ・Ivanki ( 1 day in Carpathians ) part 2(9分49秒)



 ・Ivanki ( 1 day in Carpathians ) part 3(6分26秒)



 サンダンス映画祭での公式インタビュー(Experience Sundance: Meet the Filmmakers #14)



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 監督ボリス・グリシェケヴィッチについて調べていて、英語サイトでは、ほとんど情報らしい情報が得られず、ロシア語サイトまで手を伸ばしたところ、ようやく彼のインタビューが見つかりました。

 『LIFE IN A DAY』の「共同監督」は、どの国でもさほど大きく取り上げられることはなくて、せいぜいで名前とどんな動画をアップロードしたのかを紹介される程度であり、サンダンスでの公式インタビュー以外のインタビューはほとんど見つけられないのですが、ウクライナは違って、ボリス・グリシェケヴィッチは比較的に大きく取り上げられていて、読者が投稿した3つの動画まで誘導するように、動画が貼りつけられていたりします。
 なので、投稿動画の再生回数も、他の「共同監督」たちよりは、遙かに多かったりします。さすがですね。

 znaki.fm:http://znaki.fm/magazine/cinema/boris-grishkievich

 『LIFE IN A DAY』のことは、ゾンビが出てくるようなくだらない映画を撮って帰ってきた後、家でネット・サーフィンしていて、КиноПоиск.Ru(http://www.kinopoisk.ru/)に、このプロジェクトが紹介されているのを見て知った。

 山羊飼いとは、車でカルパチア山脈まで足を伸ばした時にたまたま出会って、話をしたのが最初。
 撮影の前日になって会いに来た時、彼らは撮影クルーに慣れてはくれたけど、逆に、気にすることもなかった。でも、とまどっていたのは確かで、口に出しては言わなかったけど、たぶん「くそっくらえ」と思っていたんじゃないかと思う。

 山羊や羊は、彼らの所有物ではなくて、放牧するために、半年間、村人たちから彼らに預けられたもので、もし狼にでもやられようものなら、彼らが弁償しなければならない。

 動画の中にはスカーフをかぶった女性が出てくるけれど、彼女は5マイルも歩いて夫に会いにきたのだった。彼女がやってくるのは予定外で、撮影クルーは、彼女に、何度もカメラを見るな、カメラを見るなと繰り返し注意しなければならなかった。

 この映像を見て、辺境の山羊飼いたちの生活を見せてくれてありがとうと手紙をくれる人もいたし、ナンセンスだという人もいた。しかし、自分たちのやりかったのは、山羊や山羊飼いを撮ることではなくて、自分たちとは違う環境で暮らしている人たちがいるということを示すこと、それがテーマだった。

 この映画を観て、パラジャーノフの『火の馬』を思い出すと言ってくれる人がいて、ケヴィン・マクドナルドとも『火の馬』のことを話した(ケヴィンは『火の馬』は観ていなかったけれど、パラジャーノフのことも『火の馬』のことも知ってはいた)。
 故郷に帰ると地元の映画館で『火の馬』を上映していて、これは何かのサインではないかと思った。
 それで、現在、600万ユーロという予算で、故郷を代表する偉大な映画作家セルゲイ・パラジャーノフに関する映画を作るべく、プロジェクトを進めている。監督は、『スパイ・バウンド』などを撮ったフランスの監督セルジュ・アヴェディキアンで、彼が主演も兼ねることになっている。

 サンダンスでは、映画祭ディレクターのジョン・クーパーがBoris Grishkevichを発音できなかったこと、モスクワの2人組がスターになっていて、ジョン・クーパーに「本当にパンを万引きしたの?」と聞かれていたことを覚えている。
 リドリー・スコットは、サンダンスには来なかった。たぶんプロジェクトで忙しいんだと思うけど、本当のところはわからない。『エイリアン』の新しいプロジェクトについて質問してみたかったんだけど。
 ケヴィン・マクドナルドには、ウクライナで映画を撮ってほしいと言うつもりだったけど、彼はあの時、2本のプロジェクトを抱えていて、それどころではなかったみたいだ。
 サンダンスで観た映画でよかったのは、ジェームズ・マーシュの“Project Nim”。

 『LIFE IN A DAY』には、自分のほかに、たぶん、あと2つくらいウクライナから投稿されたものがあると思う(ひょっとするとロシアかもしれないけど)。
 ポケットの中身を見せるところで、タバコとライターと注射器を見せるヤツ、それから暗い感じの病院で、赤ん坊を取り上げるところ。
(注:タバコとライターと注射器を取り出している人は映画本編には登場していません。キーとケータイと注射器を取り出して見せていた人はいましたが、たぶん彼と記憶違いしてるのだろうと思われます。)

 ◆ボリス・グリシェケヴィッチについて

 サンダンスでの公式インタビューでは、キエフでドキュメンタリーのジャンルで仕事をしていると話していますが、それが監督としてなのか、プロデューサーとしてなのか、撮影監督としてなのかは明白にしていません。これまで『LIFE IN A DAY』以外にどんな作品を手がけているのか、具体的なタイトルは何も出てきていません。

 You Tubeに登録してあるプロフィールには、28歳とあります。

 *関連サイト
 ・You Tube:http://www.youtube.com/MrGrishkevich
 ・znaki.fm:http://znaki.fm/magazine/cinema/boris-grishkievich

 *当ブログ記事

 ・『LIFE IN A DAY』ファイナル・カットに採用された全監督リスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201107/article_7.html
 ・『LIFE IN A DAY』でサンダンス映画祭プレミア上映に招待された監督たちのリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201107/article_8.html

 
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