米国アカデミー賞2011 外国語映画賞候補 9作品発表!

 米国アカデミー賞2011 外国語映画賞候補9作品が発表されました。(1月19日)

 ・アルジェリア代表:“Outside the Law(Hors La Loi)”(仏・アルジェリア・ベルギー) 監督:ラシッド・ブシャール
 出演:Jamel Debbouze、ロシュディー・ゼム、Sami Bouajila、Samir Guesmi
 物語:第二次世界大戦後、アルジェリア独立をめぐって、フランス国内でもデモが起こるようになる……。
 カンヌ国際映画祭2010 コンペティション部門出品。

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 ・カナダ代表:“Incendies”(カナダ・仏) 監督:デニ・ヴィルヌーヴ
 出演:ルブナ・アザバル(Lubna Azabal)、Mélissa Désormeaux-Poulin、Maxim Gaudette、レミー・ジラール(Rémy Girard)
 物語:母の最後の望みは、双子のジャンとシモンに、彼らのルーツであるレバノンに旅させることであった。
 Wajdi Mouawadの舞台劇の映画化。
 ベネチア国際映画祭2010 ベネチア・デイズ部門出品。European Cinema Award スペシャル・メンション受賞。
 トロント国際映画祭2010 最優秀カナダ映画賞受賞。

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 ・ギリシャ代表:“Dogtooh(Κυνόδοντας)” 監督:Yorgos Lanthimos
 物語:郊外にフェンスで囲まれた家があって、そこに両親と3人の子どもが暮らしている。家族は外界との交流を一切遮断していて、子どもたちは飛行機を見てもおもちゃとしか思っていなかった。家族と外界をつなぐ唯一のものは、父親の仕事のセキュリティーを担当するクリスティナのみ。父親は、彼女に長男の性的衝動の処理をもさせようとする。ある日、クリスティナは長女に石のついたヘッドバンドをプレゼントする……。
 カンヌ国際映画祭2009 ある視点部門出品。ある視点賞受賞。
 サラエボ映画祭2009 審査員特別賞&女優賞受賞。
 シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭2009 ファンタスティック部門ヤング審査員賞受賞。
 モンペリエ地中海映画祭2009 コンペティション部門出品。Young People's Award受賞。
 マル・デル・プラタ国際映画祭2009 コンペティション部門出品。
 ストックホルム国際映画祭2009 グランプリ受賞。

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 ・スウェーデン代表:“Simple Simon(I rymden finns inga känslor)” 監督:Andreas Öhman
 物語:サムがガールフレンドに振られて、意気消沈している。弟のシモンは、兄に新しい完璧なガールフレンドを見つけようと孤軍奮闘するが、彼はアスペルガー症候群を患っていることもあり、なかなかうまくいかない。
 ヨーテボリ映画祭2010 最優秀スウェーデン・ノヴェラ作品 観客賞受賞。
 スウェーデン・アカデミー賞2011 作品賞・主演男優賞・助演女優賞・脚本賞ノミネート。

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 ・スペイン代表:“Even the Rain(También la lluvia)” 監督:Icíar Bollaín
 出演:ガエル・ガルシア・ベルナル
 物語:映画監督のセバスチャンは、スペインのアメリカ征服に関する映画を撮ろうとしてボリビアに向かうが、ちょうどその時期はコチャバンバの水戦争の時期だった。物語が進むにつれ、現在と過去、フィクションと映画の境目が曖昧になってくる……。
 トロント国際映画祭2010 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。
 ゴヤ賞2011 13部門ノミネート(作品賞・監督賞・主演男優賞・助演男優賞・脚本賞・編集賞・衣裳賞・メイク賞・録音賞・作曲賞・特殊効果賞・新人男優賞・プロダクション賞)。

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 ・デンマーク代表:“In a Better World(Hævnen)”(デンマーク・スウェーデン) 監督:スザンネ・ビア
 出演:Ulrich Thomsen、Mikael Persbrandt
 物語:アフリカの難民キャンプからデンマークの平凡な地方都市の平凡な日常生活へ。2つのデンマーク人家族の生活が交わって、友情関係が芽生え、やがて命がけの追跡劇が始まる……。
 トロント国際映画祭2010 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 ゴールデン・グローブ賞2011外国語映画賞受賞。

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 ・日本代表:『告白』 監督:中島哲也
 プチョン国際映画祭2010 審査員賞受賞。
 シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭2010 コンペティション部門出品。

 ・南アフリカ共和国代表:“Life, Above All”(南ア・独) 監督:オリバー・シュミッツ(Oliver Schimitz)
 物語:12歳のチャンダは、異父妹の死に出会い、また、変わり果てた姿で帰ってきた養父の姿を見て、嫌な予感を抱く。この病気はもしかすると……。
 カナダの小説家アラン・ストラットン(Allan Stratton)の『沈黙の果てに』“Chanda’s Secrets”の映画化で、南アフリカでのエイズの大流行を描く。
 『パリ、ジュテーム』にも参加しているオリバー・シュミッツの最新長編。
 カンヌ国際映画祭2010 ある視点部門出品。

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 ・メキシコ代表:“Biutiful” 監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
 出演:ハヴィエル・バルデム、ブランカ・ポルティージョ、ルーベン・オカンディアノ、Félix Cubero
 物語:幼なじみで、今は警官をしている友人のせいで、主人公は違法な取引に巻き込まれてしまう。
 カンヌ国際映画祭2010 コンペティション部門出品。男優賞受賞。

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 『告白』がここまで進むとはちょっと意外でしたが、桃井かおりが主演しているラトヴィア代表や、清水圭が出演していて広島でロケも行なわれた韓国代表はここで落選していましまいました。

 また、ノミネーションまで進むと思われたフランス代表の『神々と男たち』や2010年のベルリン国際映画祭金熊賞受賞のトルコ代表作品、カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したタイ代表作品、3年連続で外国語映画賞(ノミネーション)に作品を送り込んでいたイスラエル、過去6年のうち5年間ノミネートされているドイツ作品も、ここで落選していましました。

 今年は66カ国からの出品があり、そのうち27カ国はこれまでノミネーションまで進んだことがありませんでしたが、その27カ国から「ノミネーションの壁」を破る国は出ませんでした。

 ざっと9作品を見渡した限りでは、家族の絆や家族のあり方を描いた作品が多いようです。

 9作品中、カンヌ国際映画祭のコンペティション部門出品作が2本あり、ある視点部門出品作が1本あります。

 これまで作品が外国映画賞ノミネーションまで進んだことがある監督が3人いますが、受賞すれば、いずれも初となります。
 アルジェリア:ラシッド・ブシャール 1996年 “Dust of Life”、2007年 『デイズ・オブ・グローリー』
 デンマーク:スザンネ・ビア 2007年 『アフター・ウェディング』
 メキシコ:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ 2001年 『アモーレス・ペロス』

 これまでの前哨戦では、『母なる証明』や『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』『アンプロフェット』など今回のエントリー作品に挙がっていない作品ばかり外国(語)映画賞を受賞しているので、この部門に関しては参考になるデータはほとんどありません。
 米国アカデミー賞外国語映画賞を占うポジションにあるパームスプリングス国際映画祭2011の外国映画賞は『神々と男たち』だったので、これも参考にはなりません。

 アカデミー会員が好む作品は―
  戦争や貧困など過酷な状況の中で、生き方を問われる主人公の物語
  死を見つめた作品(『おくりびと』『みなさん、さようなら』『海を飛ぶ夢』)
  個性的な生き方を描いた人間賛歌(『オール・アバウト・マイ・マザー』『アントニア』など)
  特定の個人や家族のドラマチックな生き方を描いた作品(『ファニーとアレクサンデル』『バベットの晩餐会』『インドシナ』)
  映画愛を描いた作品(『映画に愛をこめて アメリカの夜』『ニュー・シネマ・パラダイス』)
 ですが、今年の作品は、これらのパターンに当たらずといえども遠からずというか、少々パターンからズレた作品を選んでいるようにも思われます。

 下馬評では“Biutiful”が受賞するのではないかという声が大きいようでしたが、ゴールデン・グローブ賞で“In a Better World(Hævnen)”が受賞したことで、これも有力候補(対抗候補)に挙がってきたと考えられるでしょうか。

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 *当ブログ記事
 ・映画祭&映画賞カレンダー 2010年12月~2011年5月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_48.html

 ・米国アカデミー賞2011 外国語映画賞各国代表65作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201010/article_22.html
 ・米国アカデミー賞2011外国語映画賞各国代表 続々発表!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_2.html
 ・いろいろびっくり! 米国アカデミー賞2011外国語映画賞韓国代表発表!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_11.html
 ・えっ、『告白』なの? 米国アカデミー賞2011外国語映画賞日本代表決定!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_14.html
 ・凄いゾ!桃井かおり!主演作がアカデミー賞2011外国語映画賞エントリー!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_39.html

 ・米国アカデミー賞2010 外国語映画賞 各国代表65作品リスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200910/article_11.html
 ・米国アカデミー賞2010 外国語映画賞 ショートリスト9作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_36.html
 ・米国アカデミー賞2010 ノミネーション 詳細!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201002/article_6.html

 ・米国アカデミー賞2011 メイキャップ賞セミファイナリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_22.html
 ・米国アカデミー賞2011 視覚効果賞 セミファイナリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_9.html
 ・米国アカデミー賞2011 オリジナル歌曲賞候補41曲 発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_30.html
 ・米国アカデミー賞2011 短編映画賞候補 ショートリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_17.html
 ・米国アカデミー賞2011 短編アニメーション賞候補ショートリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_4.html
 ・米国アカデミー賞2011 長編ドキュメンタリー賞候補 ショートリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201011/article_29.html
 ・米国アカデミー賞2011 長編アニメーション賞候補 ロングリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201011/article_24.html
 ・米国アカデミー賞2011短編ドキュメンタリー候補ショートリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201010/article_25.html

 ※以前書いた記事では、米国アカデミー賞2011外国語映画賞各国代表作品を「65カ国」としていましたが(2010年10月13日公式発表)、いったんは規定により選外になったはずのアフガニスタン作品“The Black Tulip”が再審査か何かで資格ありと認められたらしく、正式エントリーされ、再び「66カ国」になっています。

 追記:
 ・第83回米国アカデミー賞 ノミネーション発表
http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_40.html

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