ロサンゼルスは一味も二味も違う! LA映画批評家協会賞2010 発表!

 ロサンゼルス映画批評家協会賞2010が発表になりました。(12月13日)

 【ロサンゼルス映画批評家協会賞】
 ロサンゼルス映画批評家協会賞は、ハリウッドのお膝元でありながら、ハリウッド映画に全く背を向けた映画賞で、インディーズ寄りのセレクションになるならまだしも、外国映画をやたらと選んでしまうという、アメリカの映画賞らしからぬ“個性的な”映画賞になっています(いったいアメリカ映画についてどう思ってるんだって感じですが)。
 設立は1975年で、歴史もあり、1980年前後には『クレーマー、クレーマー』とか『E.T.』とか『アマデウス』とか、アカデミー賞と変わらないような作品を選んでいたんですが、どうも1985年に『未来世紀ブラジル』を選んだあたりから、「己の道を行く」ようになり、依然としてアカデミー賞の重要な前哨戦の1つと見なされながら、結果としてはアカデミー賞とはあまり重ならない映画賞として、現在に至っています(それでも『許されざる者』や『シンドラーのリスト』など、どうしても外せない年もあるようです)。
 2001年以降に作品賞を受賞した作品を見てもそれは歴然で、それぞれ『イン・ザ・ベッドルーム』『アバウト・シュミット』『アメリカン・スプレンダー』『サイドウェイ』『ブロークバック・マウンテン』『硫黄島からの手紙』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』をベスト作品に選んで、「他の映画賞とは違う」というところを見せています(『サイドウェイ』なんか5部門受賞で最多賞受賞作品になってしまったりしています)。
 アカデミー賞でも、外国語映画賞部門以外の部門に、外国映画がノミネートされて、「なぜこれがここに?」と思ったりすることもありますが、ひょっとすると、こういうところに、逆に、ロサンゼルス映画批評家協会賞がアカデミー賞に与えている影響を見て取ることができる、ということもできるかもしれません。

 今年の受賞結果は以下の通りです。

画像

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 ◆作品賞
 ◎『ソーシャル・ネットワーク』
 次点:“Carlos”(仏・独)(監督:オリヴィエ・アサイヤス)

 ◆監督賞
 ◎オリヴィエ・アサイヤス “Carlos”
 ◎デイヴィッド・フィンチャー 『ソーシャル・ネットワーク』

 ◆主演男優賞
 ◎コリン・ファース 『英国王のスピーチ』
 次点:エドガー・ラミレス(Edgar Ramirez) “Carlos”

 ◆主演女優賞
 ◎キム・ヘジャ 『母なる証明』(韓)(監督:ポン・ジュノ)
 次点:ジェニファー・ローレンス 『ウィンターズ・ボーン』

 ◆助演男優賞
 ◎ニエル・アレストラップ 『アンプロフェット』(仏)(監督:ジャック・オディアール)
 次点:ジェフリー・ラッシュ 『英国王のスピーチ』

 ◆助演女優賞
 ◎ジャッキー・ウィーバー “Animal Kingdom”(オーストラリア)(監督:David Michôd)
 次点:オリヴィア・ウィリアムズ 『ゴースト・ライター』

 ◆脚本賞
 ◎アーロン・ソーキン 『ソーシャル・ネットワーク』
 次点:デイヴィッド・サイドラー 『英国王のスピーチ』

 ◆撮影賞
 ◎マシュー・リバティーク “Black Swan”
 次点:ロジャー・ディーキンス “True Grit”

 ◆作曲賞
 ◎アレクサンドル・デプラ 『ゴースト・ライター』
 ◎トレント・レズナー、アッティカス・ロス 『ソーシャル・ネットワーク』

 ◆美術賞
 ◎ガイ・ヘンドリックス・ディアス 『インセプション』
 次点:イヴ・スチュアート 『英国王のスピーチ』

 ◆ニュー・ジェネレーション賞
 ◎Lena Dunham “Tiny Furniture”
 “Tiny Furniture”は、SXSW映画祭2010でドラマ部門審査員賞を受賞しているほか、ゴッサム・アワード2010のアンサンブル賞、インディペンデント・スピリット・アワード2011の初監督賞・初脚本賞・撮影賞にもノミネートされています。

 ◆長編ドキュメンタリー賞
 ◎“Last Train Home”(カナダ・中・英)(監督:Lixin Fan)
 次点:“Exit Through the Gift Shop”(監督:Banksy)

 ◆長編アニメーション賞
 ◎『トイ・ストーリー3』
 次点:『イリュージョニスト』

 ◆外国語映画賞
 ◎“Carlos”
 次点:『母なる証明』

 ◆ダグラス・エドワード インディペンデント映画/実験映画&ビデオ賞(Douglas E. Edwards Independent/Experimental Film/Video)
 ◎“Film Socialism”(監督:ジャン=リュック・ゴダール)

 ◆レガシー・オブ・シネマ賞(Legacy Of Cinema Awards)
 ◎Serge Bromberg “Henri-Georges Clouzot’s Inferno”
 ◎F.W.ムルナウ ファウンデーション&Fernando Pena 『メトロポリス』の修復に対して(The F.W. Murnau Foundation and Fernando Pena for the restoration of “Metropolis”)

 ◆生涯貢献賞(Career Achievement)
 ◎ポール・マザスキー

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 いや~、凄い!
 やっぱり、ロサンゼルス映画批評家協会賞は違いますね!
 監督賞にオリヴィエ・アサイヤスを選び、主演女優賞にキム・ヘジャ、助演男優賞にニエル・アレストラップを選ぶなんて!

 ロサンゼルス映画批評家協会賞は、毎年こうなので、そんなに驚かなくてもいいはずなんですが、やっぱ、今年も意表を突かれてしまいました。筋金入りですね~!

 ちなみに、2009年のロサンゼルス映画批評家協会賞とアカデミー賞が重なった部門は、作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞(本命)、助演女優賞(本命)の5つでした。本命があった長編アニメーション賞や長編ドキュメンタリー賞をわざと外すところなどはさすがというほかありません(笑)。

 *当ブログ記事
 ・ロサンゼルス映画批評家協会賞2009:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_23.html
 ・ロサンゼルス映画批評家協会賞2008:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_16.html

 ・ゴッサム・アワード2010 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201011/article_33.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2011 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_1.html
 ・サテライト・アワード2010 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_3.html
 ・ナショナル・ボード・オブ・レビュー2010 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_5.html
 ・ワシントンDC映画批評家協会賞2010 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_11.html
 ・デトロイト映画批評家協会賞2010 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_16.html
 ・ニューヨーク映画批評家協会賞2010 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_19.html

 ・全米の映画賞についてまとめてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_45.html

 ・映画祭&映画賞カレンダー 2010年5月~2011年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_23.html

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 追記:
 ロサンゼルス映画批評家協会賞2010 授賞式:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_35.html

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