シカゴ国際映画祭2010 受賞結果!

 第46回シカゴ国際映画祭(10月7日-21日)の受賞結果より―

 ◆メイン・コンペティション(Main Competition)

 ・“Nannerl, Mozart's Sister”(仏) 監督:ルネ・フェレ(René Féret)
 ・“The Princess of Montpensier”(仏・独) 監督:ベルトラン・タヴェルニエ
 ・『トスカーナの贋作』“Certified Copy”(仏・イラン・伊) 監督:アッバス・キアロスタミ
 ・“A Screaming Man”(ベルギー ・チャド・仏) 監督:マハマット=サレー・ハルーン 男優賞/Silver Hugo:Youssouf Djaoro、脚本賞/Silver Hugo
 ・“My Joy”(独) 監督:Sergei Loznitsa
 ・“Last Report on Anna”(ハンガリー) 監督:Márta Mészáros Gold Plaque(Márta Mészárosの長きにわたる優れたキャリアに対して)
 ・『強盗』“The Robber”(オーストリア・独) 監督:ベンヤミン・ハイゼンベルク
 ・“Mamas & Papas”(チェコ) 監督:Alice Nellis
 ・“Tuesday, After Christmas”(ルーマニア) 監督:Radu Muntean
 ・“A Somewhat Gentle Man”(ノルウェー) 監督:Hans Petter Moland 特別審査員賞/Silver Hugo
 ・“How I Ended the Summer”(ロシア) 監督:Aleksei Popogrebsky グランプリ/Gold Hugo
 ・“The Matchmaker”(イスラエル) 監督:Avi Nesher Silver Plaque(過去の記憶と未来への期待に引き裂かれるイスラエルの若い世代を、明るく、そして、感動的に描いたことに対して)
 ・『必死剣 鳥刺し』“Sword of Desperation”(日) 監督:平山秀幸
 ・“Drunkboat”(米) 監督:Bob Meyer
 ・“Trust”(米) 監督:デイヴィッド・シュワイマー 女優賞/Silver Hugo:Liana Liberato
 ・“We Are What We Are”(メキシコ) 監督:Jorge Michel Grau 特別審査員賞/Silver Hugo ・“Asleep in the Sun”(アルゼンチン) 監督:Alejandro Chomski
 ・“Brother & Sister”(アルゼンチン) 監督:ダニエル・ブルマン(Daniel Burman) アンサンブル・パフォーマンス賞/Silver Hugo、フェスティバル賞(Festival Favorite)

 ※審査員:ドゥニ・デルクール(フランスの女優)、John Russell Taylor (イギリスの脚本家)、Regina Taylor (アメリカの女優)、ヴァレリー・トドロフスキー(ロシアの監督)、Lucy Virgen (メキシコの映画批評家).

 ◆新人監督コンペティション(New Directors Competition)

 ・“Skeletons”(英) 監督:Nick Whitfield
 ・“Love Like Poison”(仏) 監督:Katell Quillevere
 ・“The Sentiment of the Flesh”(仏) 監督:Roberto Garzelli
 ・“All Good Children”(ベルギー・仏・アイルランド) 監督:Alicia Duffy
 ・“Happy Housewife”(オランダ) 監督:Antoinette Beumer
 ・“Shahada”(独) 監督:Burhan Qurbani グランプリ/Gold Hugo
 ・“Erratum”(ポーランド) 監督:Marek Lechki Gold Plaque
 ・“Black Field”(ギリシャ) 監督:Vardis Marinakis
 ・“The Tree”(オーストラリア) 監督:Julie Bertuccelli
 ・“Missing Man”(ロシア) 監督:Anna Fenchenko
 ・“Heartbeats”(カナダ) 監督:Xavier Dolan
 ・“Go For It!”(米) 監督:Carmen Marron
 ・“The Myth of the American Sleepover”(米) 監督:David Mitchell
 ・“Norman”(米) 監督:Jonathan Segal 準グランプリ賞/Silver Hugo

 ※審査員:Zbigniew Banas (ポーランド/米)、Ray Pride (米)、Lisa Nesselson (仏/米)、 Reiner Veit (独).

 ◆ドキュフェスト(Docufest)

 ・“Moving To Mars”(タイ・英) 監督:マット・ホワイトクロス Gold Plaque
 ・“Postcard to Daddy”(独) 監督:Michael Stock
 ・“Problema”(独) 監督:Ralf Schmerberg
 ・“Tony & Janina's American Wedding”(ポーランド・米) 監督:Ruth Leitman
 ・“Love Translated”(ウクライナ) 監督:Julia Ivanova
 ・“Circus Kids”(イスラエル・米) 監督:Alexandra Lipsitz
 ・“Beautiful Darling”(米) 監督:James Rasin グランプリ/Gold Hugo
 ・“Louder Than a Bomb”(米) 監督:Greg Jacobs、Jon Siskel
 ・“The Minutemen”(米) 監督:Corey Wascinski 準グランプリ賞/Silver Hugo
 ・“Sex Magic: Manifesting Maya”(米) 監督:Jonathan Schell、Eric Liebman Silver Plaque
 ・“Thunder Soul”(米) 監督:Mark Landsman
 ・『ヴィック・ムニーズ/ごみアートの奇跡』“Waste Land”(ブラジル・英) 監督:ルーシー・ウォーカー

 ※審査員:Tod Lending、Heather Ross、Matt Tyrnauer.

 ◆短編コンペティション

 ◎グランプリ(The Gold Hugo):“Deeper Than Yesterday”(オーストラリア) 監督:Ariel Kleiman

 ◎準グランプリ(The Silver Hugo):“The Swimmers”(キューバ) 監督:Carlos Lechuga

 ◎審査員賞/ Gold Plaque:“Grandmothers”(ブラジル) 監督:Michael Wahrmann

 ◎審査員賞/ Gold Plaque:“The Descent”(イスラエル) 監督:Shai Miedzinski

 ◎審査員賞最優秀アニメーション賞/ Silver Plaque for Best Animation:“Stanley Pickle”(英) 監督:Victoria Mather

 ※審査員:Mimi Brody、Jamie Ceasar、Patrick Frie、John Noble

 ◆シカゴ・アワード・コンペティション(Chicago Award Competition)

 ◎シカゴ・アワード:“Tony & Janina’S American Wedding” 監督:Ruth Leitman

 ◆ヒューマン・コンディション・60秒コンペティション(The Human Condition 60 Second Film Competition)

 ◎第1位(First Prize):“I.D.” 監督:Sam Firth

 ◎第2位(Second Prize):“Bubbie And Zaydie” 監督:Zev Frank

 ※審査員:John Russell Taylor (英)、Katleem Aftab (英)、ビル・プリンプトン(米)、Emily Munro(英)、Leonardo Garcia-Tsao(メキシコ)、Izza Genini (モロッコ)、Patrick Duynslaegher(ベルギー)、Bob Scarpelli(米)、Gunnar Almer (スウェーデン)、Wieland Speck (独)

 【その他の賞】

 ◎生涯功労賞(Career Achievement Award:Black Perspectives Tribute Honoring):フォレスト・ウィテカー

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 ◎ルネサンス賞(Renaissance Award):ポーラ・ワグナー(プロデューサー)

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 ◎OUTrageous賞:アラン・カミング

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 ◎ヴィジョナリー賞(Visionary Award):ギレルモ・デル・トロ

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 エントリー作品のほとんどは、先行するメジャーな映画祭のコンペティション部門に出品されていたものばかりですが、こうして集められて再度コンペティションにかけられることで、新しい視点で見つめ直されることにもなりますね。結果的に受賞結果ばかりが印象に残ることもあって、ワールド・プレミアから半年くらいしか経っていないのに、すっかり忘れていたような作品も多々ありました。

 主な受賞作品に関して、以下に簡単にまとめておきたいと思います。

 ・“How I Ended the Summer(Kak ya provel etim letom)”(ロシア) 監督:Aleksei Popogrebsky
 出演:Grigory Dobrygin、Sergei Puskepalis
 物語:北極海に浮かぶ孤島。気象学者のセルゲイと大学を卒業したばかりのパヴェルは、そこにある研究所で数ヶ月を過ごす。セルゲイは、本土に妻子がいて、次の船がやってくれば、ここでの任務も終了して、やっと妻子の元へ戻れると考えている。パヴェルは、セルゲイのいない間に重要な無線連絡を受けるが、その内容をなかなかセルゲイに伝えることができない……。
 ベルリン国際映画祭2010 コンペティション部門出品。銀熊賞/男優賞(Sergei Puskepalis)&銀熊賞/芸術貢献賞(撮影)受賞。
 アジア太平洋映画賞2010男優賞ノミネート(Sergei Puskepalis)。

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 ・“We Are What We Are(Somos lo que hay)”(メキシコ) 監督:Jorge Michel Grau
 出演:Adrián Aguirre、Miriam Balderas、Francisco Barreiro、Carmen Beato
 物語:舞台はメキシコシティー。生活苦に苦しむ家族の家長である父親が死に、残された妻と3人の子供は、食べ物を手に入れることすらままならなくなる。一方、警察は、死んだ家長の胃袋の中から女性の指を発見する……。
 カンヌ国際映画祭2010 監督週間出品。
 シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭2010 コンペティション部門出品。
 ワルシャワ国際映画祭2010 フリー・スピリット・コンペティション部門出品。

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 ・“A Somewhat Gentle Man (En ganske snill mann)”(ノルウェー) 監督:Hans Petter Moland
 出演:ステラン・スカルスゲルド、Jannike Kruse Jåtog、Jan Gunnar Røise
 物語:ウルリクは、殺人で服役していた刑務所から12年ぶりに釈放される。彼には、遣り残した仕事があり、彼の仲間は彼がそれをやり遂げるであろうことを知っていた。彼は、昔、一緒に計画を練っていた相棒のケニーを捜すが、ケニーが過去のことなど忘れたように幸せな家庭を築いていることを知る。ケニーの幸せな姿を見て、ウルリクも、別れた妻のことを思い出し、彼女に連絡を取るが、元妻は自分と息子を棄てた男を許してはおらず、息子にも絶対に連絡を取るなと約束させる。しかし、彼は、息子と連絡を取り、自分がもうすぐおじいちゃんになろうとしていることを知る。一方、ケニーがウルリクの恩も忘れてのうのうとしていることを知った昔の仲間は、ケニーに復讐に行こうとウルリクを誘う……。
 ベルリン国際映画祭2010 コンペティション部門出品。モルゲンポスト読者賞(Berliner Morgenpost Readers’ Prize)受賞。
 サラエボ国際映画祭2010 パノラマ部門出品。

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 ・ “A Screaming Man(Un Homme Qui Crie)”(ベルギー ・チャド・仏) 監督:マハマット=サレー・ハルーン
 出演:Youssouf Djaoro、Diouc Koma、Emile Abossolo M'Bo
 物語:現代のチャド。アダムは、60代の元水泳選手で、今は、高級ホテルのプールで指導をしている。そのホテルが中国人に買収されたのを機に、仕事を息子アブドゥルに譲ることになる。一方、国は内戦と反政府武装派のせいで不安定な状態が続き、政府は国民にお金か兵力としての人材を差し出すよう要求していた。彼も、政府に貢献するよう求められたが、彼にお金はなく、一人息子がいるだけだった……。
 カンヌ国際映画祭2010 コンペティション部門出品。審査員賞受賞。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2010 オープン・アイズ部門出品。
 ワルシャワ国際映画祭2010 ディスカバリー部門出品。

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 ・ “Trust”(米) 監督:デイヴィッド・シュワイマー
 出演:クライブ・オーウェン、キャスリン・キーナー、トマス・マッカーシー、ヴィオラ・デイヴィス、Liana Liberato
 物語:ウィルとリンは、郊外で、安全で落ち着いた生活を送っている。14歳の娘アニーがネットで、16歳のチャーリーと名乗る少年と知り合ったと聞いても、あまり気にはしなかった2人だが、そのチャーリーが40歳の小児愛者であることがわかって、世界がひっくり返ってしまうような驚きを味わう。
 トロント国際映画祭2010 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。

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 ・“Brother & Sister(Dos hermanos)”(アルゼンチン) 監督:ダニエル・ブルマン(Daniel Burman)
 物語:マルコスとスサーナは年老いた弟姉で、マルコスは、持ち前の諦念で、スサーナのきまぐれにつきあってきた。そんな彼は、生涯をかけてずっと母親の面倒を見てきたが、スサーナは、母の死後、独断で母のフラットを売ってしまう。そのためにマルコスは、ブエノスアイレスからウルグアイへ行かなければならなくなる……。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2010 コンペティション部門出品。
 ワルシャワ国際映画祭2010 ガラ・スクリーニング部門出品。

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 ・“The Matchmaker”(イスラエル) 監督:Avi Nesher
 物語:1968年夏のハイファ。10代の少年が、ホロコーストの生き残りと仕事をする。彼の仕事とは、結婚のブローカーと商品の密輸であった。
 トロント国際映画祭2010 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。

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 ・“Shahada”(独) 監督:Burhan Qurbani
 出演:Maryam Zaree、Carlo Ljubek、Jeremias Acheampong、セルゲイ・モヤ(Sergej Moya)、Vedat Erincin
 物語:主人公は、ベルリンに住む、マリアムとサミールとイスマイルという3人の若いイスラム教徒。マリアムは、西欧風の生活にすっかり馴染んでいて、楽しいことが大好き。そんな娘をシングルファーザーでイスラム教の導師でもあるヴェダットは心配していたが、ある日、マリアムが妊娠していることがわかる。ナイジェリア人のサミールはドイツ人のダニエルと仲がよく、一緒にコーランの授業も受けていた。やがて、ダニエルは、サミールのことを友達以上の存在として感じていることに気づく。イスマイルは、家族を持つ30代の警官で、3年前に彼の銃の暴発により瀕死の重傷を負わせた女性と偶然にめぐり逢い、すっかり動揺してしまう。マリアム、サミール、イスマイルの3人の物語は、ヴェダットが務めているモスクで交わる。
 タイトルの「シャハダ」とは、イスラム教信仰の核である「信仰の告白」のこと。 ベルリン国際映画祭2010 コンペティション部門出品。ドイツ・アートハウスシネマ組合賞(Prize of the Guild of German Art House Cinemas)受賞。
 ワルシャワ国際映画祭2010 ディスカバリー部門出品。

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 ・“Norman”(米) 監督:Jonathan Segal
 物語:高校生のノーマンは、胃がんで、余命3ヶ月だった。というのは、彼が、同級生たちに信じ込ませようとしているウソで、本当は、彼は肉体的にはいたって健康であった。しかし、彼は、母親が死んで、父親も末期症状にあることで、精神的には不安でたまらないのだった……。
 モントリオール世界映画祭2010 フォーカス・オン・ワールドシネマ部門出品。

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 ・“Beautiful Darling”(米) 監督:James Rasin
 60年代から70年代にかけて、多くのアーティストにインスピレーションを与えたトランスセクシャルのパフォーマー、キャンディー・ダーリン。ブルックリンの少年がどうしてそんな時代のアイコンになれたのかを探るドキュメンタリー。
 ベルリン国際映画祭2010 パノラマ部門出品。

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 ・“The Minutemen”(米) 監督:Corey Wascinski
 物語:自警団なのか、無法者なのか? 武装して、アメリカ/メキシコ国境に陣取り、不法移民が入り込んでこないかと見張っている人々を4年以上の長きにわたって追ったドキュメンタリー。

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 全体的に見て、病気や家族の死、失業、生活苦、といった日常生活における不幸や厳しい現実を扱った作品が多く、また、そうした中に佳作が多く見出だされるようです。

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 *当ブログ記事
 ・シカゴ国際映画祭2010 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201010/article_9.html
 ・シカゴ国際映画祭2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_29.html

 ・映画祭&映画賞カレンダー 2010年5月~2011年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_23.html

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