まずは『ウィンターズ・ボーン』が1賞だっ! ゴッサム・アワード2010!

 全米映画賞レース2010の一発目、ゴッサム・アワードの結果が発表になりました。(11月29日)

 ゴッサム・アワードは、インディペンデント映画のみを対象とする映画賞であり、全米一発目に発表される映画賞として、1月以降に発表される映画賞とはノミネート対象作品も大分ズレるので、アカデミー賞などの結果を占うのにはさして役に立ちませんが、インディペンデント映画の祭典として、そして全米映画賞の一発目として、非常に意義があります。

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 ◆作品賞 プレゼンター:スティーヴ・ブシェーミ、メリッサ・レオ
 ・“Black Swan” 監督:ダーレン・アロノフスキー
 ・“Blue Valentine” 監督:Derek Cianfrance
 ・“The Kids Are All Right” 監督:リサ・チョロデンコ
 ・“Let Me In” 監督:マット・リーヴス
 ◎『ウィンターズ・ボーン』“Winter’s Bone” 監督:デブラ・グラニック

 ノミネート記事で、私は「一昨年は『レスラー』や『脳内ニューヨーク』よりも『フローズン・リバー』を選び、昨年は『シリアスマン』より『ハート・ロッカー』を選んでいるので、よりインディペンデントな佳作が受賞すると考えれば、『ウィンターズ・ボーン』が有力と言えるでしょうか。」と書いていますが、やっぱりその通りになりました。

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 ◆ドキュメンタリー賞 プレゼンター:バーバラ・コップル、サム・ロックウェル
 ・“12th & Delaware” 監督:Heidi Ewing、Rachel Grady
 ・“Inside Job” 監督:チャールズ・ファーガソン
 ◎“The Oath” 監督:Laura Poitras
 ・“Public Speaking” 監督:マーティン・スコセッシ
 ・“Sweetgrass” 監督:Lucien Castaing-Taylor、Ilisa Barbash

 “The Oath”は、1996年に運命的な出会いをし、アフガニスタン、オサマ・ビン・ラディン、9.11、グアンタナモ、米最高裁へと導かれた2人の男性の物語。
 サンダンス映画祭2010 撮影賞受賞。
 エジンバラ国際映画祭2010 長編ドキュメンタリー賞受賞。
 国際ドキュメンタリー協会賞(IDA)2010 長編ドキュメンタリー賞ノミネート。
 この作品は、米国アカデミー賞2010 長編ドキュメンタリー賞には既に選外となっています。

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 ◆ブレイクスルー監督賞(Breakthrough Director) プレゼンター:ジュリアナ・マルグリーズ、ポール・ラッド
 ・John Wells “The Company Men”
 ◎Kevin Asch “Holy Rollers”
 ・グレン・フィカーラ、ジョン・レクア 『フィリップ、きみを愛してる!』“I Love You Phillip Morris”
 ・Tanya Hamilton “Night Catches Us”
 ・Lena Dunham “Tiny Furniture”

 “Holy Rollers”も、サンダンス映画祭2010に出品されていた作品で、今をときめくジェシー・アイゼンバーグが出演しています。
 出演:ジェシー・アイゼンバーグ、ジャスティン・バーサ(Justin Bartha)、ダニー・A・アベッカサー(Danny A. Abeckaser)、アリ・グレイノール(Ari Graynor)、ジェイソン・フックス(Jason Fuchs)
 物語:エクスタシーの国際的な密輸に手を染めて、金と力とチャンスを手に入れた若いハシディズム信奉者の物語。

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 ◆ブレイクスルー俳優賞(Breakthrough Actor) プレゼンター:ウィノナ・ライダー、ジェシー・アイゼンバーグ
 ・Prince Adu “Prince of Broadway”(監督:Sean Baker)
 ◎Ronald Bronstein “Daddy Longlegs”(監督:Ben Safdie、Joshua Safdie)
 ・Greta Gerwig “Greenberg”(監督:ノア・バウムバック)
 ・ジェニファー・ローレンス 『ウィンターズ・ボーン』(監督:デブラ・グラニック)
 ・John Ortiz 『ジャック、舟に乗る』“Jack Goes Boating”(監督:フィリップ・シーモア・ホフマン)

 順当であれば、ジェニファー・ローレンスのはずだったんですが、他の賞との兼ね合いでしょうか。ここでの『ウィンターズ・ボーン』の受賞はなりませんでした。(それを知ってか知らずか、ジェニファー・ローレンスは会場入りしなかったようです。)

 “Daddy Longlegs”は、2009年のカンヌ国際映画祭 監督週間に“Go Get Some Rosemary”というタイトルで出品されていた作品で、監督のJoshua Safdieは、今年のロカルノ国際映画祭にインターナショナル・コンペティションの審査員として参加しています。
 内容は、離婚して、子供と離れて暮らすことになった34歳の主人公レニーが、年に2週間だけ会わせてもらえることになった子供たち9歳のセージと7歳のフレイとの、その2週間を描いたもの。
 Ronald Bronsteinは、主人公のレニー役を演じています。彼は、全くの新人ではなく、数年のキャリアがあり、いくつか監督作品も発表しています。

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 ◆アンサンブル・パフォーマンス賞(Best Ensemble Performance) プレゼンター:イーサン・ホーク
 ・“The Kids Are All Right” 監督:リサ・チョロデンコ
 アネット・ベニング、ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、ミア・ワシコウスカ、ジョシュ・ハッチンソン

 ・“Life During Wartime” 監督:トッド・ソロンズ
 シャーリー・ヘンダーソン、キアラン・ハインズ、アリソン・ジャニー、マイケル・ラーナー(Michael Lerner)、クリス・マークエット(Chris Marquette)、Rich Pecci、シャーロット・ランプリング、ポール・ルーベンス、アリー・シーディー、Dylan Riley Snyder、レニー・テイラー、マイケル・ケネス・ウィリアムズ

 ・“Please Give” 監督:Nicole Holofcener
 キャサリン・キーナー、アマンダ・ピート、オリバー・プラット、レベッカ・ホール、Ann Guilbert、ロイス・スミス、サラ・スティール、トーマス・イアン・ニコラス

 ・“Tiny Furniture” 監督:Lena Dunham
 Lena Dunham、ローリー・シモンズ、Grace Dunham、Rachel Howe、メリット・ウィーヴァー、Amy Seimetz、Alex Karpovsky、David Call、Jemima Kirke、Sarah Sophie Flicker、Garland Hunter、Isen Hunter

 ◎『ウィンターズ・ボーン』“Winter’s Bone” 監督:デブラ・グラニック
 ジェニファー・ローレンス、ジョン・ホークス、Dale Dickey、Lauren Sweetser、ギャレット・ディラハント、ケヴィン・ブレズナハン(Kevin Breznahan)

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 ◆映画館じゃ上映していないけれど、いい映画で賞(Best Film Not Playing at a Theater Near You) プレゼンター:ロージー・ペレス
 ・“Kati with an i” 監督:Robert Greene
 ◎“Littlerock” 監督:Mike Ott
 ・“On Coal River” 監督:Francine Cavanaugh、Adams Wood
 ・『夏の草原』“Summer Pasture”(中・米) 監督:リン・トゥルー、ネルソン・ウォーカー
 ・“The Wolf Knife” 監督:Laurel Nakadate

 まだ配給会社がついていなくて、劇場公開が未定の作品を集めた部門です。
 いろんな国際映画祭にひっぱりだこなのは“Littlerock”で、この作品は、(当ブログでは何度も書いていますが)主役が日本人ということもあり、要注目でした。

 “Littlerock”
 日本人旅行者を主人公にした物語。
 物語:アツコは、車のトラブルによって、カリフォルニア州のリトルロックに足止めされてしまう。しかし、リトルロックに暮らす人々のあくせくしない生き方に魅了されて、言葉も通じないながら、その地に腰を落ち着けることにする。
 主演はOkatsuka Atsukoという方で、監督のMike Ottは、これまでミュージック・ビデオを手がけている監督さんだそうです。
 レイキャビク国際映画祭2010 観客賞受賞。
 ワルシャワ国際映画祭2010 フリー・スピリット・コンペティション部門出品。

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 ◆観客賞(Festival Genius Audience Award)
 ◎“Waiting for ‘Superman’ ”(米) 監督:デイヴィス・グッゲンハイム プレゼンター:アンソニー・マッキー、レイトン・ミースター
 さまざまなエピソードを紡いで、アメリカの公共教育が抱える問題点を浮き彫りにする。
 『不都合な真実』“It Might Get Loud”のデイヴィス・グッゲンハイム監督最新作。
 サンダンス映画祭2010 観客賞受賞。

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 ◆生涯貢献賞(Award Tributes)
 ◎ダーレン・アロノフスキー プレゼンター:ナタリー・ポートマン

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 ◎ロバート・デュバル プレゼンター:ビル・マーレイ

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 ◎ジェームズ・シェイマス プレゼンター:アン・ハサウェイ

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 ◎ヒラリー・スワンク プレゼンター:トニー・ゴールドウィン

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 冒頭に、ゴッサム・アワードは、必ずしも今後の映画賞レースを占うわけでもない、というようなことを書きましたが、ここで2冠となった『ウィンターズ・ボーン』が、全米映画賞レースにどれだけ食い込んでいけるかは、2010年の映画賞レースの1つの見どころです。

 作品賞にノミネートされていた他の4作品“Black Swan”、“Blue Valentine”、“The Kids Are All Right”、“Let Me In”も、ここでは無冠でしたが、他の映画賞に必ずからんでするので、これも注目です。

 今年の司会は、スタンリー・トゥッチとパトリシア・クラークソンでした。
 プレゼンターは、過去の受賞者や、受賞者のゆかりの人物が務めることになっているようですが、受賞者より豪華な顔ぶれだったりもします(笑)。

 ゴッサム・アワードの受賞者も決まり、今年もいよいよ始まっちまったな、という気がします!

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 *当ブログ記事
 ・ゴッサム・アワード2010 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201010/article_31.html

 ・ゴッサム・アワード2009 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200910/article_13.html
 ・ゴッサム・アワード2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_2.html
 ・ゴッサム・アワード2008 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200810/article_4.html
 ・ゴッサム・アワード2008 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_7.html

 ・映画祭&映画賞カレンダー 2010年5月~2011年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_23.html

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