ローマ映画祭2010 受賞結果発表! ジブリ特集とか蜷川実花写真展とかも!

 ローマ国際映画祭(International Rome Film Festival/ Festival internationale del Film di Roma)は、トライベッカ映画祭に呼応する形で2002年に単発の映画祭として開催されたのが最初ですが、それが契機となって、2006年より毎年開催される映画祭として正式スタートしたまだ若い映画祭です。
 正式スタート以来まだ5回目ですが、ホストが首都ローマであり、イタリア経済のバックアップもあって、数多くの有名映画人が参加する映画祭となって、メディアの注目も集めています。
 今年はいろいろ騒動もあったようですが、これもそれだけ注目を集める映画祭だからということなのでしょう。

 部門は、インターナショナル・コンペティション部門(Competizione)のほか、ドキュメンタリーから短編、特定の俳優のレトロスペクティヴまでなんでもありのExtra部門(Extra/ L'Altro Cinema-Extra)、児童向け作品を上映する「都会のアリス部門」(Alice in the City/ Alice nella città)、特集上映を行なうフォーカス部門(Focus)があります。(昨年まであったプレミア部門(Première/Anteprime)はなくなった(もしくは、他部門との関係で発展的解消になった?)ようです。)

 今年のフォーカス部門の特集は、日本映画とスタジオジブリのレトロスペクティヴでした。

 第5回ローマ国際映画祭(10月28日-11月5日)の受賞結果は以下の通りです。

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 ◆インターナショナル・コンペティション
 ・“Five Day Shelter”(アイルランド) 監督:Ger Leonard
 ・“Last Night”(仏・米) 監督:Massy Tadjedin
 ・“Kill Me Please”(仏・ベルギー) 監督:Olias Barco
 ・“A Quiet Life(Una vita tranquilla)”(伊・独・仏) 監督:Claudio Cupellini
 ・“Gangor”(伊・インド) 監督:Italo Spinelli
 ・“I Am with You(Io sono con te)”(伊) 監督:Guido Chiesa
 ・“School Is Over(La scuola è finita)”(伊) 監督:Valerio Jalongo
 ・“The Poll Diaries(Poll)”(独・オーストリア・エストニア) 監督:Chris Kraus
 ・“In a Better World(Hævnen)”(デンマーク) 監督:スザンネ・ビア
 ・『ドッグ・スウェット』“Dog Sweat”(イラン・米) 監督:ホセイン・ケシャワルズ(Hossein Keshavarz)
 ・“The Back(Bei Mian)”(仏・香港) 監督:Liu Bingjian
 ・“Little Sparrows”(オーストラリア) 監督:Yu-Hsiu Camille Chen
 ・“Oranges and Sunshine”(オーストラリア・英) 監督:Jim Loach
 ・“Rabbit Hole”(米) 監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル
 ・“The Good Herbs(Las buenas hierbas)”(メキシコ) 監督:María Novaro
 ・“The Flowers of Kirkuk(Golakani Kirkuk - I Fiori di Kirkuk)”(stateless) 監督:Fariborz Kamkari

 ◇アウト・オブ・コンペティション
 ・“We Want Sex(Made in Dagenham)”(英) 監督:ナイジェル・コール
 ・“Little White Lies(Les Petits Mouchoirs)”(仏) 監督:ギヨーム・カネ
 ・“Love Crime(Crime d'amour)”(仏) 監督:アラン・コルノー
 ・“The Big Picture(L' Homme qui voulait vivre sa vie)”(仏) 監督:Eric Lartigau
 ・“The Father and the Foreigner(Il Padre e lo Straniero)”(伊) 監督:Ricky Tognazzi
 ・“Winx Club 3D - Magical Adventure”(伊) 監督:Iginio Straffi [都会のアリス部門]
 ・『借りぐらしのアリエッティ』“Arrietty”(日) 監督:米林宏昌 [フォーカス部門]
 ・『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』“The Incite Mill -7 Day Death Game”(日) 監督:中田秀夫 [フォーカス部門]
 ・“Animal Kingdom”(オーストラリア) 監督:David Michôd
 ・“Boardwalk Empire”(米) 監督:マーティン・スコセッシ
 ・“Let Me In”(米) 監督:マット・リーヴス
 ・“The Kids Are All Right”(米) 監督:リサ・チョロデンコ
 ・『トロン・レガシー』“Tron: Legacy”(米) 監督:ジョセフ・コジンスキー [都会のアリス部門]

 ◎作品賞/Marc’Aurelio Jury Award for Best Film:“Kill Me Please”(仏・ベルギー) 監督:Olias Barco

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 ◎審査員大賞/Marc’Aurelio Grand Jury Award:“In a Better World(Hævnen)”(デンマーク) 監督:スザンネ・ビア

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 ◎審査員特別賞/Marc’Aurelio Special Jury Award:“The Poll Diaries(Poll)”(独・オーストリア・エストニア) 監督:Chris Kraus

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 ◎最優秀男優賞/Marc’Aurelio Jury Award for Best Actor:トニ・セルヴィッロ “A Quiet Life(Una vita tranquilla)”(伊・独・仏)

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 ◎最優秀女優賞/Marc’Aurelio Jury Award for Best Actress:“The Good Herbs(Las buenas hierbas)”(メキシコ)の全女性キャスト

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 ◎特別賞/Special Plaque of the President of the Italian Republic for the film which best emphasizes human and social values(人間と特別な価値観を最もよく表現した作品に贈られるイタリア共和国大統領特別賞):『ドッグ・スウェット』“Dog Sweat”(イラン・米) 監督:ホセイン・ケシャワルズ

 ※審査員:セルジョ・カステリット(審査員長)、Natalia Aspesi(イタリアのジャーナリスト)、ウール・グロスバード、Edgar Reitz(ドイツの映画監督/作家)、Olga Sviblova(ロシアのドキュメンタリー作家)

 (注)マーティン・スコセッシの“Boardwalk Empire”とは、HBOの同名シリーズ、シーズン1の第1話のことのようです。

 ◆観客賞(Audience Award)

 ◎作品賞/Audience Award:“In a Better World(Hævnen)”(デンマーク) 監督:スザンネ・ビア

 ◆ドキュメンタリー・コンペティション
 ※ 対象作品は12本でした。

 ◎最優秀ドキュメンタリー賞/Marc’Aurelio Award for Best Documentary in the Extra section:“Rainmakers (De Renmakers)”(オランダ) 監督:Floris-Jan Van Luyn

 ◆新人賞

 ◎Marc’Aurelio Award for Emerging New Talents (given to best director or best actor/actress at his/her first film):Kaspar Munk監督 “Hold Me Tight (Hold Om Mig)”(デンマーク) [都会のアリス部門]

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 ◆都会のアリス/Alice nella città部門(児童映画コンペティション)

 ◎12歳以下部門賞(Marc’Aurelio Alice nella città Under 12 Award):“I Want To Be a Soldier(De Mayor Quiero Ser Soldado)”(西・伊) 監督:Christian Molina

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 ◎12歳以上部門賞(Marc’Aurelio Alice nella città Over 12 Award):“Oxygen(Adem)”(ベルギー・オランダ) 監督:Hans Van Nuffel

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 ◆演技賞(Acting Award)

 ◎Marc’Aurelio Acting Award:ジュリアン・ムーア

 ◆追悼賞/Marc’Aurelio Award In Memory Of Suso Cecchi D’Amico
 7月31日に亡くなった脚本家スーゾ・チェッキ・ダミーコの思い出に哀悼を込めて

 【並行部門賞】(Collateral Awards)

 ◎L.A.R.A.賞/最優秀イタリア俳優(LARA Award for Best Italian Actor):Francesco Di Leva “A Quiet Life(Una vita tranquilla)”(伊・独・仏)  [インターナショナル・コンペティション]

 ◎最優秀社会派ドキュメンタリー/Enel Cuore for Best Social Documentary (Extra Section):“Diol Kadd. Vita , diari e riprese in un villaggio del Senegal(Diol Kadd. Vita, diari e riprese in un villaggio del Senegal)”(伊) 監督:Gianni Celati [Extra部門]

 ◎Farfalla d’oro – Agiscuola Award:“Kill Me Please”(仏・ベルギー) 監督:Olias Barco [インターナショナル・コンペティション]

 ◎最優秀イタリア・ドキュメンタリー/[CINEMA.DOC] Award for the Best Italian Documentary:“Le Radici e le Ali”(伊) 監督:Claudio Camarca、Maria Rita Parsi [Extra部門]

 ◎最優秀音楽賞/Politeama Catanzaro Award for Great Music for Cinema:Annette Focks “The Poll Diaries(Poll)”(独・オーストリア・エストニア) [インターナショナル・コンペティション]

 ◎HAG Award - Pleasure Moments:“The Promise: The Making of Darkness on the Edge of Town” 監督:Thom Zimny [Extra部門]

 ◎WWF Award for Biodiversity:“Rainmakers (De Renmakers)”(オランダ) 監督:Floris-Jan Van Luyn [Extra部門]

 ◎ミューズ&ディーバ賞/Lancia Musa and Diva Award:ミカエラ・ラマゾッティ、 Cristiana Capotondi

 ◎3 Social Movie Star Award:Fabrizio Gifuni

 ◎最優秀ヨーロッパ・プロジェクト/Focus Europe Award for Best European Project:“Director's Cut” Nader Takmil Homayoun

 ◎EURIMAGES 共同製作賞/Eurimages Co-Production Development Award:“Chaika” Miguel Angel Jiménez

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 主な受賞作の内容は以下の通りです。

 ・“Kill Me Please”(仏・ベルギー) 監督:Olias Barco
 出演:Virgile Bramly、Aurélien Recoing、Benoit Poelvoorde、Bouli Lanners、Saul Rubinek、Zazie de Paris
 物語:クルーガー医師は、自殺はもはや悲劇ではなく、ある種の医学的な補助行為であるとする医学的なガイドラインを作りたいと考えている。そんな彼のまわりには、自殺願望を持った奇妙な人々が集まってくる。末期ガンに侵されているコメディアン、ある秘密を抱えた出張セールスマン、ルクセンブルクのリッチな相続人、破滅願望を持つ美少女、もはや歌うことができなくなったキャバレー歌手、ギャンブルですべてを失った男とその妻。クルーガー医師は、全員を診察し、彼らの動機を聞くが、最終的な判断は彼ら自身にゆだねている……。

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 ・“In a Better World(Hævnen)”(デンマーク) 監督:スザンネ・ビア
 出演:Ulrich Thomsen、Mikael Persbrandt
 物語:アフリカの難民キャンプからデンマークの平凡な地方都市の平凡な日常生活へ。2つのデンマーク人家族の生活が交わって、友情関係が芽生え、やがて命がけの追跡劇が始まる……。
 トロント国際映画祭2010 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 米国アカデミー賞2011 外国語映画賞 デンマーク代表。

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 ・“The Poll Diaries(Poll)”(独・オーストリア・エストニア) 監督:Chris Kraus
 物語:第一次大戦前夜。バルト海沿岸では、ドイツとロシアとエストニアが勢力を拮抗させている。科学者の父は、独善的に家族を支配し、14歳の娘はこっそりと傷ついたエストニア人のアナーキストの面倒を見ていた。しかし、好奇心と反抗心から始めた彼女の行動が予想もしていなかった一連の出来事を巻き起こしていくのだった……。
 トロント国際映画祭2010 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。

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 ・“A Quiet Life(Una vita tranquilla)”(伊・独・仏) 監督:Claudio Cupellini
 出演:トニ・セルヴィッロ、Marco D’Amore
 物語:ロサリオは、南イタリア出身だが、今はフランクフルト近くに家族とともに住んで、レストランとホテルを営んでいた。彼は流暢なドイツ語を話し、性格は控えめで、過去のことを自分から話すことはなかった。しかし、ある日、彼の家の玄関に、長らく忘れていた息子ディエゴが姿を現したことで、彼の過去が暴かれ、すべてが瓦解しそうになる……。

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 ・“The Good Herbs(Las buenas hierbas)”(メキシコ) 監督:María Novaro
 物語:ダリアは、息子のコシモと2人暮らしで、父から財政的支援を受けている。しかし、母がアルツハイマー病を発症したために、生活が根底から覆ってしまう。
 グアダラハラ国際映画祭2010 脚本賞・撮影賞・観客賞・ヤング審査員賞受賞。

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 ・“Rainmakers (De Renmakers)”(オランダ) 監督:Floris-Jan Van Luyn
 物語:中国の環境汚染とその改善のために活動している4人の中国人活動家に関するドキュメンタリー。取り上げられる環境汚染は、北京と長沙の大気汚染、銭塘江の水質汚濁、テンゲル砂漠の進行で、映画は、4人の活動家が、頑迷な地方の権威に対して、勇気を持って闘っていく姿をとらえている。

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 ・“I Want To Be a Soldier(De Mayor Quiero Ser Soldado)”(西・伊) 監督:Christian Molina
 出演:ダニー・グローバー、ロバート・イングランド、Cassandra Gava
 物語:アレックスは、平均的な8歳の少年だったが、ただちょっと普通の少年と違うのは、兵士に異常な憧れを持っていることだった。そのおかげで、彼は、両親とも話が噛み合わず、同級生の中でもすっかり浮いてしまっていた。すっかり独りぼっちの彼は、頭の中で作り出した2人の仲間、つまり、空想上の友人と遊ぶようになる……。
 シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭2010 パノラマ-スペシャルズ部門出品。

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 ・“Oxygen(Adem)”(ベルギー・オランダ) 監督:Hans Van Nuffel
 物語:トムとルーカスは、兄弟で、ともに遺伝性の肺の病を患っていた。トムは、短い人生を憂いて、刹那的に生きることしかできず、チンピラたちとつきあっていた。しかし、病院で、同じ病気のグサヴィエと出会い、考え方が変わる。グサヴィエは、とても楽天的な性格で、恋人に振られても前向きで元気でいられた。そんなグザヴィエの影響を受けて、トムも前向きになり、入院患者で、ちょっと風変わりな女の子エリーヌに恋をする。彼女は、感染を防ぐために外界から遮断された部屋に入れられていて、トムとは肌を触れ合うこともできず、ただ電話のみがコミュニケーション手段であった。そんな時、ルーカスが肺の移植手術の最中に死んでしまい、トムはまたふさぎ込んでしまう。
 モントリオール世界映画祭2010 ワールド・コンペティション部門出品。グランプリ受賞。
 チューリヒ映画祭2010 Variety ニュー・タレント賞(Variety's New Talent Award)受賞。

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 日本からの出品作は、以下の通りです。

 ◆フォーカス部門
 ・『不惑のアダージョ』“Autumn Adagio” 監督:井上都紀

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 ・『BOX 袴田事件 命とは』“Box – The Hakamada Case” 監督:高橋伴明

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 ・『さくらん』“Sakuran” 監督:蜷川実花

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 ・『トイレット』“Toilet” 監督:荻上直子

 ◆フォーカス部門 アウト・オブ・コンペティション 世界への視線(Out of Competition - Occhio sul mondo | Focus)
 ・『借りぐらしのアリエッティ』“Arrietty” 監督:米林宏昌

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 ・『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』“The Incite Mill -7 Day Death Game”(日) 監督:中田秀夫

 ◆フォーカス部門-レトロスペクティヴ スタジオジブリ(Focus - Retrospettiva Studio Ghibli)
 ・『風の谷のナウシカ』“Nausicaä of the Valley of the Wind”(1984) 監督:宮崎駿
 ・『柳川堀割物語』“The Story of Yanagawa's Canals”(1987) 監督:高畑勲
 ・『魔女の宅急便』“Kiki's Delivery Service”(1989) 監督:宮崎駿
 ・『おもひでぽろぽろ』“Only Yesterday”(1991) 監督:高畑勲
 ・『紅の豚』“Porco Rosso”(1992) 監督:宮崎駿
 ・『平成狸合戦ぽんぽこ』“Pom Poko”(1994) 監督:高畑勲
 ・『耳をすませば』“Whisper of the Heart”(1995) 監督:近藤喜文
 ・『もののけ姫』“Princess Mononoke”(1997) 監督:宮崎駿
 ・『千と千尋の神隠し』“Spirited Away”(2001) 監督:宮崎駿
 ・『大塚康生の動かす喜び』“Yasuo Otsuka's Joy of Animating”(2004) 監督:浦谷年良

 ◆Extra部門-コンペティション/フォーカス部門 世界への視線(Occhio sul mondo)
 ・『YOYOCHU SEX と代々木忠の世界』“Yoyochu-Sex to Yoyogi Tadashi no Sekai” 監督:石岡正人

 ◆Extra部門 アウト・オブ・コンペティション
 ・『-×-』“Minus by Minus” 監督:伊月肇

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 ◆オマージュ 今敏(Omaggio - a Satoshi Kon)
 ・『パーフェクト・ブルー』“Perfect Blue” 監督:今敏

 ◆オマージュ 黒澤明(Omaggio - ad Akira Kurosawa)
 ・『羅生門』“Rashomon” 監督:黒澤明

 このほかに、蜷川実花の写真展(Mika Ninagawa. Four exhibitions at the Macro, Rome's Museum of Contemporary Art, “Il Teatro alla Moda” (“Fashionable Theater”))も行なわれました。

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 *当ブログ記事
 ・ローマ国際映画祭2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_30.html

 ・映画祭&映画賞カレンダー 2010年5月~2011年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_23.html

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