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zoom RSS デイヴィッド・リンチ、ケルン映画賞受賞!

<<   作成日時 : 2010/10/03 02:41   >>

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 ケルン国際TV&映画フェスティバル(ケルン・カンファレンス)2010の授賞式が行なわれました。(10月1日)

 このフェスティバルは、ドイツのジャーナリスト/メディア・リサーチャーで、アドルフ・グリム・インスティチュートの会長でもあるLutz Hachmeisterで、1991年にスタートして、今年で20周年を迎えます。(今年の開催期間は9月26日〜10月1日)

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 このフェスティバルは、元々はTVの祭典として始まったものが、映画をも含む、「Top Ten」「Look」「Kino」という3部門制(コンペティション)になり、その後、TVや映画のジャンルで活躍する俳優や監督、脚本家、キャスティング・エージェントを対象としたインターナショナルなアワード部門を設けて、国際的にも注目されるようになり、現在に至っています。

 へえ〜と思ったのは、この中にケルン映画賞(Cologne Film Award)という賞があり、今年はそれにデイヴィッド・リンチが選ばれて、10月1日の授賞式にはリンチも出席していたことで、フェスティバル開催期間中には、リンチの過去の作品『イレイザーヘッド』『ツイン・ピークス』(TVシリーズ)『ブルーベルベット』『ワイルド・アット・ハート』『ロスト・ハイウェイ』『マルホランド・ドライブ』という6作品のレトロスペクテイヴも行なわれました。
 この賞は、今年で4回目で、過去には、ポール・ハギス、ダルデンヌ兄弟、ロマン・ポランスキーが選ばれています。

 と、ここまで、ちょっとした行数を費やして書いてきましたが、私もこのフェスティバルのことは知らなくて、たまたまケルン映画賞を受賞しているリンチのPhotoを見つけて、ちょっと調べてみた、というのが、この記事を書くきっかけになっています。

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 このフェスティバルは、ドイツのメディアの祭典ですが、コンペティション3部門にしろ、アワード部門にしろ、ドイツ作品中心には全然なっていなくて、インターナショナルな(というか、ほとんどアメリカやイギリスに顔を向けている)祭典となっています。
 コンペティション3部門は、ドイツで一般公開/放映されていない作品が対象となっているようで、『ツイン・ピークス』や『セックス・アンド・ザ・シティ』のドイツ・プレミアもここで行なわれたようです。

 映画祭として見ると、上映本数は全然多くありませんが、厳選の仕方が凄いというか、2010年を代表する作品ばかりが選ばれていて、1本もハズレがありません。

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 ケルン国際TV&映画フェスティバル Ein internationales Film- und Fernsehfestival in Köln /ケルン・カンファレンスDie Cologne Conference (CoCo) 2010

 【コンペティション部門】

 コンペティション部門と称していますが、ここで上映された作品の中からベストワンを決めるという催しではなく、約800作品もある候補の中から、「Top Ten」「Look」「Kino」の3部門で上映する作品を審査員が選んで上映するという意味でのコンペティションになっています。

 ◆Top Ten

 ・“Louis Theroux: America's Medicated Kids”(2010/英) [ドキュメンタリー]

 ・“Cities on Speed”(2010/デンマーク) [ドキュメンタリー・シリーズ]

 ・“Pigalle, la nuit”(2009/仏) [TVシリーズ]

 ・“Treme”(2010/米) [TVシリーズ]
 演出:Anthony Hemingway、アニエスカ・ホランド

 ・“Temple Grandin”(2010/米) [TVシリーズ]

 ・“Luther”(2010/英) [TVシリーズ]

 ・“Money”(2010/英) [ミニシリーズ]

 ・“The Fattest Man in Britain”(2009/英) [TVムービー]

 ・“The Walking Dead”(2010/米) [Trailer]
 フランク・ダラボンらが演出するホラーのTVシリーズで、上映されるのは“Trailer”と記されていますが、パイロット版ということでしょうか。

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 ・“The Execution of Gary Glitter”(2009/英) [TVムービー]

 ◆Look
 2007年に設立された部門。
 「Top Ten」部門との違いがよくわかりませんでしたが、「Top Ten」部門だけではとりこぼされてしまう作品をフォローするために設けられた部門なのか、「特に映像的に優れたTVまたは映画作品」“visually extraordinary film and television productions”が選ばれる、と紹介されています。
 実際には、映画作家の手がけるような、アート系、インディペンデント系の作品が選らばれているようです。

 ・“Ten Minute Tales”(2009/英) [TVシリーズ]
 監督:Tim Whitby
 出演:ビル・ナイ、ナターシャ・マクマホン、ティモシー・スポール
 台詞なし(音楽はあり)の、クリスマスを題材にした10分の短編、11本を上映。
 制作には、リチャード・エア、トニー・グリソーニ、ニール・ゲイマン、カティー・ジャーヴィスらも参加している。

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 ・“Internet / Mobile”
 Webシリーズなどを上映。

 ・“Requiem for Detroit?”(2010/英) [ドキュメンタリー]
 ジュリアン・テンプル監督によるデトロイトに関するドキュメンタリー。

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 ・“Tankograd”(2009/デンマーク) [ドキュメンタリー]
 監督:Boris B. Bertram
 西シベリアにある都市、チェリャビンスク(ロシアの軍事産業の一拠点であり(戦車町、「タンコグラード」と呼ばれる)、核兵器工場があって、1957年にチェルノブイリまでロシア史上最悪とされた被爆事故を起こしていて、現在も後遺症を残している)に暮らす、一級のダンサーたちをとらえたドキュメンタリー。

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 ・“Backstory”(2010/カナダ) [ドキュメンタリー]
 監督:Mark Lewis
 何十年にもわたってハリウッド・ビジネスに関わってきたHansardファミリーを追ったドキュメンタリー。

 ・“I'm Here, We Were Once a Fairytal, Drunk Girls”(2010/米) [短編映画]
 スパイク・ジョーンズ監督による3作品の上映プログラム。
 “I'm Here”:近未来のLAを舞台にした2つのロボットの悲しいラブ・ストーリー。Absolut Vodkaにために作られた作品でありながら、商品は出てこず、PRもされない。
 “We Were Once a Fairytale”:カニエ・ウェスト主演のダーク・ファンタジー。
 “Drunk Girls”:LCD Soundsystemのミュージック・ビデオ。

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 ・“Bunny and the Bull”(2010/英) [映画]
 監督:Paul King
 出演:Edward Hogg、Simon Farnaby、Verónica Echegui
 テリー・ジョーンズ、ミシェル・ゴンドリー、ヤン・シュヴァンクマイエルなどにインスパイアされたシュールレアル・ロード・ムービーだそうです。

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 ・“The Prisoner”(2009/英) [ミニシリーズ]
 出演:ジム・カヴィーゼル、ヘイリー・アトウェル、ルース・ウィルソン、イアン・マッケラン
 1969年に放映されたTVシリーズ『プリズナーNo.6』のリメイク作品。

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 ・“Clash(Engkwentro)”(2010/フィリピン) [映画]
 監督:Pepe Diokno
 1987年生まれのフィリピン映画の新鋭Pepe Dioknoの作品で、ベネチア国際映画祭2009 Orizzonti部門で上映されて、Orizzonti賞とルイジ・ディ・ラウエンティス賞(新人監督賞)を受賞した作品。

 ・“The People Speak”(2010/米) [ドキュメンタリー]
 監督:Chris Moore、Anthony Arnove、ハワード・ジン
 出演:マット・デイモン、ショーン・ペン、ケイシー・アフレック、ヴィゴ・モーテンセン、ジョシュ・ブローリン、ロザリオ・ドーソン、モーガン・フリーマン、マリサ・トメイ、サンドラ・オー、ボブ・ディラン、ブルース・スプリングスティーン
 今年1月に亡くなったハワード・ジン(Howord Zinn)の『民衆のアメリカ史』(“A People’s History of the United States”)を原作とした映画で、戦争、人種、階級、女性の権利など、200年にわたるアメリカの歴史が描かれる。
 俳優たちは、200年間の米国民衆史を彩る手紙やパンフレット、演説を朗読し、ミュージシャンは歌を唄うようです。

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 ◆Kino
 2009年に設立された部門。

 ・“Domaine”(2009/仏・オーストリア)
 監督:Patric Chiha

 ・『勝利を』“Vincere”(2009/伊)
 監督:マルコ・ベロッキオ

 ・“Blank City”(2010/米) [ドキュメンタリー]
 監督:Celine Danhier
 出演:ジム・ジャームッシュ、スティーブ・ブシェーミ、リディア・ランチ、リチャード・カーン、ニック・ゼッド、ジョン・ウォーターズ
 政治、カンフー、フェミニズム、ブレイクダンス、ドラァグクイーン、レーガン、バローズ&ギンズバーグ、オノ・ヨーコ……。今のようにおしゃれにはなっていない頃、70年代末のマンハッタン―ネズミが走り回り、犯罪が多発し、安っぽく、汚らしい―を活写した作品。

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 ・“Im Schatten”(2010/独)
 監督:Thomas Arslan

 ・“3 Backyards”(2010/米)
 監督:Eric Mendelsohn

 ・“Beyond This Place”(2009/スイス・米) [ドキュメンタリー]
 監督:Kaleo La Belle

 ・“La belle endormie(Sleeping Beauty)”(2010/仏)
 監督:カトリーヌ・ブレイヤ

 ・“Life During Wartime”(2010/米)
 監督:トッド・ソロンズ

 ・“Unter Dir die Stadt”(2010/独)
 監督:Christoph Hochhäusler

 ・“Restrepo”(2010/英) [ドキュメンタリー]
 監督:Sebastian Junger、Tim Hetherington

 ・“I am Love”(2010/伊)
 監督:ルカ・グァダニーノ

 ・“The Oath”(2010/米) [ドキュメンタリー]
 監督:Laura Poitras

 ・『心の棘』“L'épine dans le coeur”(2010/仏) [ドキュメンタリー]
 監督:ミシェル・ゴンドリー

 ・『ウィンターズ・ボーン』“Winter's Bone”(2010/仏)
 監督:デブラ・グラニック

 ・“Enemies of the People”(2010/英)
 監督:Rob Lemkin、Thet Sambath

 ・“One Hundred Mornings”(2009/アイルランド)
 監督:Cornor Horgan

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 【アワード部門】

 ・ケルン映画賞(Cologne Film Award):デイヴィッド・リンチ
 映画言語やメディアの発展に貢献した個人に贈られる名誉賞。25000ユーロが贈られる。2007年〜。

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 ・TV Spielfilm Award:David Simon “Treme”(HBO)
 3つの部門の中の最優秀作品に贈られる賞。

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 ・ハリウッド・リポーター賞(The Hollywood Reporter Award):ジョン・ハム、エリザベス・モス 『マッドメン』(AMC)
 「ハリウッド・リポーター」紙を発行しているニールセンがスポンサーになっている賞で、メディアで、若く、意欲的な活動をしている個人に贈られる。

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 ・キャスティング賞(Casting Award):Ulrike Müller “Die Fremde”、“Im Schatten” 、“Unter dir die Stadt”
 ドイツのキャスティング・エージェントに贈られる。

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 以前は。脚本家に贈られるWriter's Awardという賞もありましたが、2007年で廃止になっています。

 [過去の受賞結果]

 2007年
 ・ケルン映画賞:ポール・ハギス
 ・TV Spielfilm Award:アントン・コービン 『コントロール』
 ・Writer's Award:Hannah Hollinger これまでのすべての仕事に対して
 ・ハリウッド・リポーター賞:“Das perfekte Dinner”(TVシリーズ)

 2008年
 ・ケルン映画賞:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
 ・TV Spielfilm Award:Abi Morgan、Hettie Macdonald “White Girl”(BBC)
 ・キャスティング・アワード:Franziska Aigner-Kuhn “Die Welle”
 ・ハリウッド・リポーター賞:Christian Becker、 Rat Pack film production
 ・Future TV Award:Sex and Zaziki by Sascha Jenschewski and Alexander Perschel

 2009年
 ・ケルン映画賞:ロマン・ポランスキー(ただし拘束中にて出席できず)
 ・TV Spielfilm Award:Lynda La Plante “Above Suspicion”(ITV)
 ・ハリウッド・リポーター賞:Max Wiedemann and Quirin Berg、Wiedemann & Berg Filmproduktion
 ・キャスティング賞:Nina Haun

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 全体的には、同じような製作情報や同じようなマーケットを通して、作品がセレクトされてプログラムが組まれる各国の国際映画祭とは、ちょっとずらしたところでプログラムが組まれているようで、それが面白かったですね。

 ※参考サイト
 ・ケルン国際TV&映画フェスティバル 公式サイト(英語または独語):http://www.cologne-conference.de/en/welcome/
 ・ケルン国際TV&映画フェスティバルに関するWikipedia(英語):http://en.wikipedia.org/wiki/Cologne_Conference

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 *当ブログ記事
 ・映画祭&映画賞カレンダー 2010年5月〜2011年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_23.html

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