ヨーロッパ映画賞2010 ディスカバリー賞(第1回作品賞)ノミネーション発表!

 ヨーロッパ映画賞2010の第1回作品賞であるディカバリー賞のノミネーション5作品が発表になりました。(10月11日)

 ・『重なりあう時』“The Double Hour (La Doppia Ora)”(伊) 監督:ジュゼッペ・カポトンディ
 物語:「ホテルで清掃係として働くスロベニア移民のソニアと、元警察官で今はガードマンのグイド。カップリング・パーティーで知り合った二人は、すぐに恋に落ちる。ある日、グイドは仕事場の別荘にソニアを誘うが、そこで二人の人生を一転させる事件が起きてしまう。」
 出演:クセニア・ラポポルト、フィリッポ・ティーミ、ジョルジオ・コランジューリ
 ベネチア国際映画祭2009 コンペティション部門出品。最優秀女優賞(クセニア・ラパポルト)、Arca Cinemagiovani Award 最優秀イタリア映画賞、Francesco Pasinetti Award (SNGCI)最優秀男優賞(フィリッポ・ティーミ)受賞。
 ナストロ・ダルジェント賞2010 作曲賞・新人監督賞ノミネート。
 イタリア映画祭2010にて上映。

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 ・“If I Want to Whistle, I Whistle(Eu Cand Vreau sa Fluier, Fluier)”(ルーマニア・スウェーデン) 監督:Florin Serban
 出演:George Piştereanu、Ada Condeescu、Clara Vodă、Mihai Constantin
 物語:シルビウは、あと5日で少年院から釈放されることになっていた。そこに、長年、音信不通だった母親が突然現れて、これからは次男は自分が育てると宣言する。次男のことは、これまで自分の息子のように面倒を見てきていたので、シルビウは、突然現れた母親に彼を連れ去られてしまうことが我慢ならず、何もできない5日間が苦痛で耐えられないほどになる。一方で、シルビウは、少年院にインターンとしてやってきていたソーシャルワーカーのアナに恋してもいて、この機会に、アナをさらって、少年院を脱走してしまおうと考える。
 ベルリン国際映画祭2010コンペティション部門出品。銀熊賞(審査員グランプリ)&アルフレッド・バウアー賞受賞。
 トランシルヴァニア国際映画祭2010 ルーマニア・デー 最優秀長編賞受賞。
 米国アカデミー賞2011 外国語映画賞ルーマニア代表。

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 ・“When We Leave(Die Fremde)” 監督:Feo Aladag
 出演:シベル・ケキリ、Settar Tanriögen
 物語:ドイツ生まれのトルコ人女性ウマイは、イスタンブールでの抑圧的な結婚生活を逃れるようにして、息子と2人でベルリンに戻ってくる。それは、ベルリンに戻れば、家族が助けてくれるだろうと期待しての帰国だったが、現実はそんなに甘くはなく、伝統としきたりを重んじる家族は、彼女の思いとは裏腹に、息子を父親の元に返そうとするのだった……。
 ベルリン国際映画祭2010 パノラマ部門出品。Label Europa Cinemas受賞。
 ドイツ映画賞2010 ブロンズ賞受賞。
 トライベッカ映画祭2010 グランプリ受賞。
 第4回ラックス賞ノミネート。
 米国アカデミー賞2011 外国語映画賞ドイツ代表。

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 ・『レバノン』“Lebanon”(イスラエル) 監督:サミュエル・マオス(Samuel Maoz)
 1982年のイスラエル軍によるレバノン侵攻に関して、1982年6月6日午前3時から明朝までを描いた作品で、監督自身の経験に基づく。主な登場人物は、自己主張が強く、当局との間に問題を抱えているヘルツル、誰とでも友達になろうとするアッシ、世渡りのうまいイーガルという3人の戦車乗組員と、人を撃つことに臆病な狙撃主シュムリク。
 エルサレム映画祭2009 上映作品。
 ベネチア国際映画祭2009 コンペティション部門出品。金獅子賞、SIGNIS Prize スペシャル・メンション、Nazareno Taddei Award受賞。
 テッサロニキ映画祭2009 Human Value賞受賞。
 2010年12月11日よりシアターN渋谷にて公開。

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 ・“Nothing Personal”(オランダ・アイルランド) 監督:Urszula Antoniak

 物語:アンは、オランダのアパートを引き払って、アイルランドに向かう。かといって、そこに知人がいるわけでもなく、海に面した空地にテントを立て、独りきりの生活を始める。しかし、アイルランドでのテント暮らしは、雨に降られるとことのほか寒い。見かねた旅行者が彼女を車に乗せて、そこから連れ出してくれる。それから彼女は、独りで隠居暮らしのような生活をしている男性マーティン(スティーヴン・レイ)と出会い、マーティンの身の回りの世話をする代わりに彼の屋敷に置いてもらうことになる。孤独な2人は互いに相手のことに立ち入らなかったが、やがて少しずつ互いの距離が縮まってくる……。
 ロカルノ国際映画祭2009 女優賞&第一回監督賞&国際批評家連盟賞&CICAE Prize受賞。
 ワルシャワ国際映画祭2009 コンペティション部門出品。
 トランシルヴァニア国際映画祭2010 コンペティション部門出品。
 マル・デル・プラタ国際映画祭2009 コンペティション部門出品。
 オランダ映画祭2009 グランプリ&監督賞&撮影賞&音響賞受賞。
 マラケシュ国際映画祭2009 女優賞(Lotte Verbeek)受賞。


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 一見、ちょっと華がないなあと思ってしまいましたが、5作品の中にベネチアの金とベルリンの銀があるので、顔ぶれとしては、まあまあ悪くない年ということができるでしょうか。

 ちなみに、昨年のノミネーション&受賞結果は、以下のようになっています。

 ・『アジャミ』“Ajami”(独・イスラエル) 監督:Scandar Copti、Yaron Shani
 ・“Gagma Napiri (The Other Bank)”(グルジア・カザフスタン) 監督:George Ovashvili
 ◎“Katalin Varga”(ルーマニア・英・ハンガリー) 監督:Peter Strickland
 ・“Sois Sage (Be Good)”(仏・デンマーク) 監督:Juliette Garcias
 ・“Sonbahar (Autumn)”(トルコ・独) 監督:Özcan Alper

 国際的な評価の高さから言えば、やはり『アジャミ』か“Katalin Varga”か、というところだったと思いますが、群像劇の『アジャミ』より、よりストレートでドラマチックな(と思われる)“Katalin Varga”の方をヨーロッパ映画賞は選んだということになるでしょうか。

 今年の5作品では、まず、『重なりあう時』がちょっと弱くて、残りの4作品の中では、国際的な評価の高さでは、“If I Want to Whistle, I Whistle”か『レバノン』か、というところになるのではないかと思います。
 『レバノン』の衝撃度がどのくらいのものかはわかりませんが、最大公約数的に票を集めた作品が受賞するのだとすれば、受賞作は、“If I Want to Whistle, I Whistle”の方ではないか、というのが私の予想です。

 受賞結果は、他の部門と一緒に、12月4日の授賞式で発表になります。

 ま、本当は、どれが賞を獲るか、ということより、こういう形でクローズアップされることにより、優れた作品が世界各国で注目され、公開/上映されることこそが重要なのですが。

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 *当ブログ記事
 ・ヨーロッパ映画賞2010 ロングリスト発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_17.html
 ・ヨーロッパ映画賞2010 ピープルズ・チョイス賞 投票スタート:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_3.html
 ・ヨーロッパ映画賞2010 長編アニメーション賞 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_35.html

 追記:
 ・ヨーロッパ映画賞2010 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201011/article_9.html

 ・ヨーロッパ映画賞2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_8.html

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