ポスト・トロントでのオスカー2011 詳細予想! 21部門!

 トロント国際映画祭も終わって、全米の映画界もいよいよ映画賞レースに突入というわけで、indieWIREがさっそくポスト・トロントにおける最初のオスカー予想を出しています。(9月23日)

 個人的には、MCNはかなり的中率が高いけれど、indieWIREはちょっと感覚がズレてるんだよなあ、と思ったりもするんですが、ポスト・トロントでは、最速の予想で、しかも部門ごとの予想なので、これも悪くはないか~とも思い、以下に書き出してみることにしました。

 ○印がノミネーション予想、◎印が受賞予想、△印が準ノミネーション予想です。

 ※オリジナルはこちら:http://www.indiewire.com/article/for_your_consideration_post-toronto_oscar_predictions/

画像

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 ◆作品賞
 ○“127 Hours” 監督:ダニー・ボイル
 ○“Another Year” 監督:マイク・リー
 ○“Black Swan” 監督:ダーレン・アロノフスキー
 ○“The Fighter” 監督:デイヴィッド・O・ラッセル
 ○『インセプション』 監督:クリストファー・ノーラン
 ○“The Kids Are All Right” 監督:リサ・チョロデンコ
 ○“The King’s Speech” 監督:トム・フーパー
 ◎『ソーシャル・ネットワーク』 監督:デイヴィッド・フィンチャー
 ○『トイ・ストーリー3』 監督:リー・アンクリッチ
 ○“True Grit” 監督:ジョエル&イーサン・コーエン

 △“Rabbit Hole” 監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル
 △“Made in Dagenham” 監督:ナイジェル・コール
 △『ザ・タウン』 監督:ベン・アフレック
 △『ウィンターズ・ボーン』 監督:Debra Granik
 △“Secretariat” 監督:ランダル・ウォレス
 △“Blue Valentine” 監督:Derek Cianfrance
 △“Get Low” 監督:Aaron Schneider

 イーストウッドの“Hereafter”は? ソフィア・コッポラの“Somewhere”は? 前評判の高かった“Miral”は?

 ノミネート枠10本の予想(○印)だと、9月以前の全米公開作が2本、サンダンス・プレミアの作品が1本、カンヌ・プレミアの作品が1本、ベネチア・プレミアの作品が1本、トロント/テルライド/ニューヨーク・プレミアの作品が3本、その他が2本ということになっています。例年より、若干、映画祭プレミアが多いという印象でしょうか。

 『ウィンターズ・ボーン』や“Blue Valentine”がノミネーション枠に入ると、さらにサンダンス率が高くなりますが、さすがにサンダンス・プレミアの作品が3本もノミネートされることはないでしょうか。(というか、ノミネーション枠が5本だった時代はサンダンス・プレミアの作品がここまで作品賞に食い込んでくることはありませんでしたが。)

 10本中、イギリス映画が2本(もしくは3本)あります。

 イギリス映画VSアメリカ映画という見方をしていいのかどうかはわかりませんが、イギリス勢が強いことは確かで、だとすると、2年前(アメリカの脚本家たちがストをした年)の再現ということにもなります。

 監督で言うと、2年前と同じカード、つまり、ダニー・ボイル×デイヴィッド・フィンチャー×クリストファー・ノーラン×ダーレン・アロノフスキーという対決が仕組まれています。(2年前の勝者はダニー・ボイルでした。ただし、作品賞での直接対決はボイルとフィンチャーだけでしたが。)
 なお、マイク・リー×コーエン兄弟の対決であれば、14年前と同じカードということになります。(この時は、双方ともに敗退。ただし、この年もイギリス映画が強い年でした)

 “127 Hours”と“Black Swan”がともにフォックス・サーチライト作品であることが、2010年の映画賞レースの1つのポイントとなる(どっちに力を注ぐのか)かもしれません。

 トロントでピープルズ・チョイス賞を受賞したことで俄然注目を浴びることになった“The King’s Speech”は、4年前の『クィーン』と立ち位置が似ているような気がします。(ということは、キャストの賞は獲っても、作品賞や監督賞は獲れない?)

 基本的には、この10本+7本の中から作品賞のノミニーが出ると考えていいと思われます。他に候補らしい候補も見当たりませんし、差し替えがあるとして、2本くらいという程度でしょうか。

 現時点で、デイヴィッド・フィンチャー、あるいは、『ソーシャル・ネットワーク』が、オスカーを受賞するというのは、感覚的にピンときませんが、あと3ヶ月もすると全米の映画界全体がそういう“流れ”になっているのでしょうか。近年(ここ10年、15年)のアカデミー賞は、作品の優劣というより、映画賞レースの“流れ”をつかんだ作品が作品賞を手にするという結果になっていますから。

 ◆監督賞
 ○ダニー・ボイル “127 Hours”
 ◎デイヴィッド・フィンチャー 『ソーシャル・ネットワーク』
 ○トム・フーパー “The King’s Speech”
 ○マイク・リー “Another Year”
 ○クリストファー・ノーラン 『インセプション』

 △デイヴィッド・O・ラッセル “The Fighter”
 △ダーレン・アロノフスキー “Black Swan”
 △リサ・チョロデンコ “The Kids Are All Right”
 △ジョエル&イーサン・コーエン “True Grit”
 △ベン・アフレック 『ザ・タウン』

 『シャッター・アイランド』のマーティン・スコセッシは? “Fair Game”のダグ・リーマンは? “Hereafter”のクリント・イーストウッドは? “Somewhere”で金獅子賞受賞のソフィア・コッポラは? “Miral”のジュリアン・シュナーベルは? “Love & Other Drugs”のエドワード・ズィックは?“Everything You’ve Got”のジェームズ・L・ブルックスは? 『ゴースト・ライター』のポランスキーは?

 作品賞予想が上記のようであれば、監督賞予想がこうなるのは、まあ、妥当なところだと思われます。

 ボイルやコーエン兄弟やポランスキーは受賞経験者、フィンチャーやリー、コッポラ、シュナーベルはノミネート経験者、ノーランやアロノフスキーはまだノミネートされたことがありません。

 ◆主演男優賞
 ○ジェフ・ブリッジス “True Grit”
 ○ロバート・デュヴァル “Get Low”
 ◎コリン・ファース “The King’s Speech”
 ○ジェームズ・フランコ “127 Hours”
 ○ライアン・ゴズリング “Blue Valentine”

 △マーク・ウォールバーグ “The Fighter”
 △ハヴィエル・バルデム “Biutiful”
 △ジェシー・アイゼンバーグ 『ソーシャル・ネットワーク』
 △ポール・ジアマッティ “Barney’s Version”
 △ジョニー・デップ “The Tourist”
 △レオナルド・ディカプリオ 『シャッター・アイランド』

 “Solitary Man”のマイケル・ダグラスは? “Fair Game”のショーン・ペンは?

 ジェフ・ブリッジスとコリン・ファースがノミネートされれば、ともに2年連続です。

 受賞経験者はブリッジスとデュヴァル(バルデムは助演で受賞)、ノミネート経験者はファースとゴズリングとデップとディカプリオ(ウォールバーグとジアマッティは助演でノミネート)、フランコやアイゼンバーグはまだノミネートされたことがありません。

 コリン・ファースが本命で、デュヴァルとフランコが対抗でしょうか。
 “The King’s Speech”への評価をどれかの賞に代表させるとしたら、主演男優賞あたりが順当なのではないでしょうか。

 受賞の確率が高い、「実在の人物を演じている」のは、ファース、フランコ、ウォールバーグ、アイゼンバーグの4人です。

 “True Grit”のオリジナル版(『勇気ある追跡』)では、ジョン・ウェインがオスカーを受賞しています。ちなみに、その時の、悪役はロバート・デュヴァルでした。

 ◆主演女優賞
 ◎アネット・ベニング “The Kids Are All Right”
 ○ニコール・キッドマン “Rabbit Hole”
 ○サリー・ホーキンス “Made in Dagenham”
 ○レスリー・マンヴィル “Another Year”
 ○ナタリー・ポートマン “Black Swan”

 △ジェニファー・ローレンス 『ウィンターズ・ボーン』
 △ミシェル・ウィリアムズ “Blue Valentine”
 △ダイアン・レイン “Love and Other Drugs”
 △ジュリアン・ムーア “The Kids Are All Right”
 △キャリー・マリガン “Never Let Me Go”

 “Fair Game”のナオミ・ワッツは? “Tempest”のヘレン・ミレンは? 『食べて、祈って、恋をして』のジュリア・ロバーツは?

 今年は、メリル・ストリープ不在の年です。

 ニコール・キッドマン×ダイアン・レイン×ジュリアン・ムーアは、2003年の対決の再現です。(2003年はキッドマンが受賞。)

 受賞経験者はキッドマンのみ、ノミネート経験者はベニング、レイン、ムーア、キャリガン(ポートマンとウィリアムズは助演でノミネート経験あり)、ホーキンスとマンヴィルはまだノミネートされたことがありません。ホーキンスは、2年前、米国アカデミー賞にだけ無視されたという苦い思い出があります。

 実在の人物を演じているのはホーキンスのみ。

 現時点では、本命がポートマンで、対抗がキッドマン、マンヴィルとホーキンは大穴という風に見えます。だとしたらベニングは?

 ◆助演男優賞
 ◎クリスチャン・ベール “The Fighter”
 ○アーロン・エッカート “Rabbit Hole”
 ○アンドリュー・ガーフィールド 『ソーシャル・ネットワーク』
 ○マーク・ラファロ “The Kids Are All Right”
 ○ジェフリー・ラッシュ “The King’s Speech”

 △ビル・マーレイ “Get Low”
 △ジェレミー・レナー 『ザ・タウン』
 △ジョン・マルコヴィッチ “Secretariat”
 △サム・ロックウェル “Conviction”
 △ダスティン・ホフマン “Barney’s Version”
 △ヴァンサン・カッセル “Black Swan”
 △ジョン・ホークス 『ウィンターズ・ボーン』

 『ソーシャル・ネットワーク』のジャスティン・ティンバーレイクは? “Another Year”のジム・ブロードベントは?

 受賞経験者はラッシュ(主演)とホフマン(主演で2度)、ノミネート経験者はエッカート(助演)、マーレイ(主演)、レナー(主演)、マルコヴィッチ(助演で2度)です。ベール、ガーフィールド、ラファロ、ロックウェル、カッセル、ホークスはまだノミネートされたことがありません。

 ベール、ガーフィールド、ラッシュが実話ものです。

 ◆助演女優賞
 ◎エイミー・アダムス “The Fighter”
 ○ヘレナ・ボナム・カーター “The King’s Speech”
 ○メリッサ・レオ “The Fighter”
 ○ミランダ・リチャードソン “Made in Dagenham”
 ○ダイアン・ウィースト “Rabbit Hole”

 △バーバラ・ハーシー “Black Swan”
 △ハイリー・ステインフェルド “True Grit”
 △ジャッキー・ウィーバー “Animal Kingdom”
 △シシー・スペイセク “Get Low”
 △ミラ・クニス “Black Swan”
 △クリスティン・スコット・トーマス 『ノーウェア・ボーイ ひとりぼっちのあいつ』
 △ルーシー・パンチ “You Will Meet a Tall Dark Stranger”
 △ルース・シーン “Another Year”

 『インセプション』のマリオン・コティヤールは?

 受賞経験者はウィースト(助演で2度)とスペイセク(主演)、ノミネート経験者はカーター(主演)、アダムス(助演で2度)、レオ(主演)、リチャードソン(助演で2度)、ハーシー(助演)、トーマス(助演)の6人です。

 アダムス、カーター、レオ、リチャードソン、トーマスが、実話ものです。

 ◆オリジナル脚本賞
 ○“Another Year” マイク・リー
 ○“The Fighter” ポール・アタナシオ、ルイス・コリック、エリック・ジョンソン、スコット・シルバー、ポール・タマジー
 ○『インセプション』 クリストファー・ノーラン
 ◎“The Kids Are All Right” スチュアート・ブルムバーグ、リサ・チョロデンコ
 ○“The King’s Speech” David Seidler

 △“Made in Dagenham” Billy Ivory
 △“Black Swan” マーク・ハイマン、Andres Heinz、John J. McLaughlin
 △“Blue Valentine” Derek Cianfrance、Joey Curtis、Cami Delavigne
 △“Somewhere” ソフィア・コッポラ
 △“Get Low” Chris Provenzano、C・ゲイビー・ミッチェル

 マイク・リーが4回ノミネート、ノーランとコッポラが1回ずつノミネート。

 監督以外の脚本家が手がけた脚本が受賞しやすいという傾向があります(過去10年で60%)。とすると、データ的には、“The Fighter”、“The Kids Are All Right”、“The King’s Speech”が優勢ということになるでしょうか。

 ◆脚色賞
 ○“127 Hours” ダニー・ボイル、サイモン・ボーフォイ
 ○“Rabbit Hole” David Lindsay-Abaire
 ◎『ソーシャル・ネットワーク』 アーロン・ソーキン
 ○『トイ・ストーリー3』 マイケル・アーント
 ○“True Grit” ジョエル&イーサン・コーエン

 △『ウィンターズ・ボーン』 Debra Granik、Anne Rosellini、ダニエル・ウッドレル
 △『ヒックとドラゴン』 ウィリアム・デイヴィス、ディーン・デュボア、クリス・サンダース
 △『ザ・タウン』 ベン・アフレック、ピーター・クレイグ 、アーロン・ストッカード
 △『ゴースト・ライター』 ロバート・ハリス、ロマン・ポランスキー
 △“Barney’s Version” マイケル・コニーヴェス

 “Never Let Me Go”は? ロブ・ライナーの“Flipped”は?

 受賞経験者はボーフォイ(脚色)とアーント(脚本)とコーエン兄弟(脚本)とアフレック(脚本)です。

 過去4年中3回、脚色賞受賞作が作品賞を受賞しています。

 ◆撮影賞
 ○“127 Hours” エンリケ・シャディアック
 ○“Black Swan” マシュー・リバティーク(Matthew Libatique)
 ◎『インセプション』 ウォーリー・フィルスター
 ○“The King’s Speech” ダニー・コーエン
 ○“True Grit” ロジャー・ディーキンス

 ボブ・リチャードソン(『シャッター・アイランド』『食べて、祈って、恋をして』)は? 『ソーシャル・ネットワーク』は?

 この部門の一番の見どころは、過去8作品でノミネートされながら無冠のロジャー・ディーキンスが悲願の受賞を果たすかどうかでしょうか。
 ウォーリー・フィスターもこれまでに3回ノミネートされて無冠です。

 ◆編集賞
 ○“127 Hours”
 ○“The Fighter”
 ○『インセプション』
 ○“The King’s Speech”
 ◎『ソーシャル・ネットワーク』

 『シャッター・アイランド』は?

 編集賞は、作品賞と同じになりやすいという傾向性があります。

 ◆美術賞
 ○『アリス・イン・ワンダーランド』
 ○『ハリー・ポッターと死の秘宝 パート1』
 ○『インセプション』
 ◎“The King’s Speech”
 ○“True Grit”

 『シャッター・アイランド』は?

 近年はSF・ファンタジー系の作品が受賞することが多い。

 『ハリー・ポッター』は最終話まで受賞をお預けにすると考えるなら、『アリス・イン・ワンダーランド』が有力でしょうか。

 ◆衣裳デザイン賞
 ○『アリス・イン・ワンダーランド』 コリーン・アトウッド
 ○“Get Low” ジュリー・ウェイス(Julie Weiss)
 ◎“The King’s Speech” ジョニー・ビーヴァン
 ○“Made in Dagenham” ?
 ○“True Grit” メアリー・ゾフレス(Mary Zophres)

 サンディー・パウエル(『シャッター・アイランド』)は? ジャンティ・イェーツ(『ロビン・フッド』)は?

 5年連続で、中世や近代の衣裳を再現した文芸的な作品が受賞しています。

 『シカゴ』や『ムーラン・ルージュ』のようなショーアップしたものか、『グラディエーター』や『ロード・オブ・ザ・リング』のような“コスプレ”ものか、『タイタニック』や『アビエイター』のような近現代ものか。

 ここでも“The King’s Speech”が有力。

 ◆視覚効果賞
 ○『アリス・イン・ワンダーランド』
 ○『ハリー・ポッターと死の秘宝 パート1』
 ○『インセプション』
 ○『アイアンマン2』
 ◎『トロン:レガシー』

 『ソルト』は?

 受賞するかどうかはともかく、リメイク作品、再シリーズ化作品はノミネートされやすいという傾向があります。(最新のSFXを使って作品を全く新しいものとして作り直そうという意欲や試みが評価されるから?)。たとえば、『宇宙戦争』、『ポセイドン』、『スーパーマン・リターンズ』、『ダークナイト』、『アイアンマン』、『スター・トレック』など。
 あとは、見た目で映像的にどれだけ突出した作品かどうかでしょうか。

 ◆メイキャップ賞
 ◎『アリス・イン・ワンダーランド』 ?
 ○“Black Swan” Marjorie Durand、Judy Chin
 ○“The Tempest” Judy Chin

 『シャッター・アイランド』は?

 ◆録音賞
 ○“127 Hours”
 ◎『インセプション』
 ○『アイアンマン2』
 ○『トロン:レガシー』
 ○『トイ・ストーリー3』

 『ソーシャル・ネットワーク』は? 『ソルト』は?

 ◆音響編集賞
 ○“127 Hours”
 ◎『インセプション』
 ○『トロン:レガシー』
 ○“True Grit”
 ○『トイ・ストーリー3』

 『ソーシャル・ネットワーク』は? 『ヒックとドラゴン』は?

 ◆オリジナル作曲賞
 ○『ヒックとドラゴン』 ジョン・パウエル
 ○『インセプション』 ハンス・ジマー
 ○“The King’s Speech” アレクサンドル・デプラ
 ◎“Never Let Me Go” レイチェル・ポートマン
 ○“The Tempest” エリオット・ゴールデンサル

 “127 Hours”(A・R・ラフマーン)は? 『トイ・ストーリー3』(ランディー・ニューマン)は?

 ◆オリジナル歌曲賞
 ○“If I Rise” from “127 Hours”(Dido)
 ○“Shine” from “Waiting For “Superman””(John Legend)
 ○“Sticks & Stones” from 『ヒックとドラゴン』(Jónsi Birgisson)
 ◎“You Haven’t Seen the Last of Me” from “Burlesque”(Dianne Warren; 歌唱:シェール)
 ○“We Belong Together” from 『トイ・ストーリー3』(ランディー・ニューマン)

 ◆長編アニメーション賞
 ○『怪盗グルーの月泥棒』 監督:ピエール・コフィン、クリス・ルノー
 ○『ヒックとドラゴン』 監督:クリス・サンダース、ディーン・デュボア
 ○“The Illusionist” 監督:シルヴァン・ショメ
 ○“Tangled” 監督:Nathan Greno、Byron Howard
 ◎『トイ・ストーリー3』 監督:リー・アンクリッチ

 『シュレック フォーエバー』は?

 全部門の中で、最も確実な予想はここでしょうか。入れ替わるとしてもどれかが『シュレック フォーエバー』に代わるくらいで、受賞も『トイ・ストーリー3』が当確です。今のところ、全部門で、当確が出ているのはここだけです。

 ◆長編ドキュメンタリー賞
 ○“A Film Unfinished” 監督:Yael Hersonski
 ◎“Inside Job” 監督:チャールズ・ファーガソン
 ○“Joan Rivers: A Piece of Work” 監督:Ricki Stern、Anne Sundberg
 ○“Restrepo” 監督:Tim Hetherington、Sebastian Junger
 ○“Waiting For “Superman” ” 監督:デイヴィス・グッゲンハイム

 “The Tillman Story”は? “Client 9: The Rise and Fall of Eliot Spitzer”は? “Tabloid”は? “Exit Through the Gift Shop”は? “Freakonomics”は? 『カウントダウンZERO』は? 『四つのいのち』は? 『ヴィック・ムニーズ/ごみアートの奇跡』は? 『スペース・ツーリスト』は?

 歴史、経済、芸能、戦争、教育と、バランスよく作品を揃えてはいますが、話題性というか、見ごたえというか、ややパンチに欠けるように思います。
 5本中4本がサンダンス・プレミア作品です。

 *サンダンス映画祭2010ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_7.html
 *今年注目のドキュメンタリーはこれだ!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201007/article_5.html

 ◆外国語映画賞
 ○“Biutiful”(メキシコ) 監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
 ○“The Edge”(ロシア) 監督:Aleksei Uchitel
 ◎“Incendies”(カナダ) 監督:デニ・ヴィルヌーヴ
 ○『神々と男たち』(仏) 監督:グサヴィエ・ボーヴォワ
 ○“Son of Babylon”(イラク) 監督:Mohamed Al Daradji

 “Biutiful”のみ、まだ代表作品決定の発表がなされていません。
 ベルギー代表、トルコ代表、南ア代表あたりも気になります。
 イスラエルは、現在のところ3年連続ノミネート中です。

 *外国語映画賞各国代表リスト その1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_29.html
 *外国語映画賞各国代表リスト その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_40.html

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 主な作品のノミネート&受賞予想は以下のようになっています。

 ・“The King’s Speech”(3/11):作品・監督・主演男優・助演男優・助演女優・脚本・撮影・編集・美術・衣裳・作曲
 ・『インセプション』(3/10):作品・監督・脚本・撮影・編集・美術・視覚効果・録音・音響・作曲
 ・“127 Hours”(0/9):作品・監督・主演男優・脚色・撮影・編集・録音・音響・歌曲
 ・“True Grit”(0/7):作品・主演男優・脚色・撮影・美術・衣裳・音響
 ・“The Fighter”(2/6):作品・助演男優・助演女優・助演女優・脚本・編集
 ・『トイ・ストーリー3』(1/6):作品・脚色・録音・音響・歌曲・アニメーション
 ・『ソーシャル・ネットワーク』(4/5):作品・監督・助演男優・脚色・編集
 ・“Another Year”(0/4):作品・監督・主演女優・脚本
 ・“Black Swan”(0/4):作品・主演女優・撮影・メイク
 ・“The Kids Are All Right”(2/4):作品・主演女優・助演男優・脚本
 ・“Rabbit Hole”(0/4):主演女優・助演男優・助演女優・脚色
 ・『アリス・イン・ワンダーランド』(1/4):美術・視覚効果・メイク
 ・“Made in Dagenham”(0/3):主演女優・助演女優・衣裳
 ・『トロン:レガシー』(1/3):視覚効果・録音・音響
 ・『ヒックとドラゴン』(0/3):作曲・歌曲・アニメーション
 ・“Get Low”(0/2):主演男優・衣裳
 ・『ハリー・ポッターと死の秘宝 パート1』(0/2):美術・視覚効果
 ・『アイアンマン2』(0/2):視覚効果・録音
 ・“The Tempest”(0/2):メイク・作曲
 ・“Waiting For “Superman””(0/2):歌曲・ドキュメンタリー

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 上記の予想の特徴は―

 ・近眼的。最近の話題作に引っ張られすぎ。

 ・サンダンスやトロントのプレミア作品を評価しずぎ(indieWIREだから仕方がないけど)。

 ・少数の作品に集中しすぎ。

 ・近年のノミニーや若い受賞者を評価して、ベテランを無視している。

 ・『インセプション』の評価が高すぎ。

 ・“The King’s Speech”の評価が高すぎ。

 ・“Miral”や“Somewhere”、『シャッター・アイランド』、イーストウッド、ポランスキーをほぼ無視している。

 ・男優賞・女優賞には、コメディー作品からのノミニーが入ってくることが多いが、この予想にはそれがない。

 ・男優賞・女優賞には、まだそれほど知られていないフレッシュなノミニーが加えられることが多いが、この予想にはそれがない。

 ・必ず外国作品からのノミニーが加えられるが、この予想にはそれがない。

 ・キャリアが長いのにこれまであまり評価されてこなかった映画人(主に俳優)が功労賞的にノミネートされたりすることがあるが、この予想にはそれがない。

 というようなことが挙げられます。

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 最初にこのリストを見た時は、ちょっとピンとこなかったのですが、準ノミネート予想まで含めて見ていくうち、なかなか悪くない予想なのではないかという気がしてきました。

 作品賞と、監督賞、脚本賞/脚色賞、編集賞の関係性だったり、イギリス映画やイギリス人キャストのからめ方、トロント国際映画・テルライド映画祭・ニューヨーク映画祭の上映作品のからめ方、『トイ・ストーリー3』の立ち位置、歌曲賞にドキュメンタリー作品を入れていること、などに、アカデミー賞の傾向性や過去のパターンをふまえた上で、じっくり考えて立てた予想であることが窺えます。

 実際のノミネーション発表は、2011年1月25日ですが、それまでに映画賞レースを通じてこの予想が正しかったかどうか、徐々に明らかになってくると思います。

 受賞予想は別にして、ノミネーションで60%~70%の的中率、準ノミネーション予想まで含めて75%~80%近い予想になっているのではないでしょうか。

 少なくともこれから立てる予想のベースとしてはいい叩き台になったのではないでしょうか。私はとても面白かったですね。

 なお、上記以外にまだいくつか予想の立てられていない部門があり、また、上記の予想が当たっているかどうかも定かではありませんが、この予想を信用するなら、本年度は、日本人は米国アカデミー賞に全くからまないことになるようです。

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 *当ブログ記事
 ・2010年前半期全米ムービー・チャート TOP35!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201007/article_9.html
 ・25週前のオスカー2011予想!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_1.html

 ・映画祭&映画賞カレンダー 2010年5月~2011年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_23.html

 追記:
 ・第83回米国アカデミー賞 ノミネーション発表
http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_40.html

この記事へのコメント

通りすがりK
2010年09月26日 16:20
Miralはベネチアでもトロントでも評判良くなかったようですよ。今は海外の予想サイトでもほとんど名前を見ません。

あと、ヘレナ・ボナム・カーターの過去のノミネートカテゴリーは主演だったと思います(ヘレン・ハントが受賞したシーズンだったような…)。
umikarahajimaru
2010年09月26日 16:46
Kさま
丁寧に見ていただき、ありがとうございました。
ヘレナ・ボナム・カーターは、『鳩の翼』でノミネートされたという認識はあったのですが……。ケアレス・ミスです。訂正しますね。
“Miral”の評判というのはよくわからなくて、ベネチア前は、アメリカの映画情報サイトは概ね好評価だったんですが、あれは期待値だったのでしょうか。ベネチアでの評価っていうのもよくわからなくて、特に今回はそうですが、地元の人と外国の人ではまるで違っていたりするみたいですよね。個人的には、ジュリアン・シュナーベルはあまり好みではないし、評価もしていないのですが、ヒアム・アッバスの出演作を選ぶ目を信用しているのです。
K
2010年09月27日 01:01
どんなに台本は良くても、演出・編集次第で台無しになってしまうのが映画ですからねえ。>ヒアム・アッバス

確かにMiralはヴェネチア前までは前評判も高く、各所で作品賞や主演・助演女優賞などの予想に上がっていまたし、アメリカでの公開日からしても当然賞レース狙いだと思っていました。それで、ヴェネチア上映後のレビュー(英語のみ)をランダムに目を通したのですが、どれも芳しいとは言い難い評価ばかりで、今では方々で見かけるオスカー予想からもすっかり名前を消してしまったように感じます。なので、今後どのように評価が変わっていくかは別にして、現時点でのこの予想は割と一般的ではないでしょうか。

上で書き忘れましたけど、Somewhereもヴェネチアでの受賞以降(なぜか)期待値が下がり始めましたね。と言っても、欄外候補にもなっていないのは私も驚きです。

ついでに、衣装デザインのサンディ・パウエルが候補に挙がるとしたらThe Tempestでは? どっちにせよ受賞はぜーったいないでしょうけど…。
T
2011年01月29日 02:57
ググったらたまたまこのページ引っかかったので管理人様のこと何も知らないで発言してます。あなたプロですか?!すごいぞ!

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