アジア映画の収穫2010! その3 中国映画・北朝鮮映画・韓国映画

 【中国】

 ・『透析』“Judge”(2009/中) 監督:リウ・ジエ(Liu Jie)
 物語:「車を盗んだ罪だけで死刑判決を受けた男。判決を下した裁判長の娘は別の盗難車事故で死んでいた。腎臓を患う裕福な男は死刑囚に臓器提供を持ちかける。だが死刑執行直前に法律が改正された。」
 ベネチア国際映画祭2009 orizzonti部門出品。
 釜山国際映画祭2009 アジア映画の窓部門出品。
 マイアミ国際映画祭2010 ワールド・コンペティション部門出品。国際批評家連盟賞受賞。
 SKIPシティDシネマ国際映画祭2010出品。監督賞受賞。
 アルシネテラン配給にて劇場公開予定。



 ・“Lan”(中/2009) 監督:チアン・ウエンリー(Jiang Wenli)
 物語:70年代後半。シャオランの両親は、文化大革命で新疆に送られ、3歳の彼女は、機関車の整備士であったという祖父の元に預けられる。彼女は、そこで体操を学び、隣人の愛や死を目撃したりしつつ、成長していく。そんな彼女も、やがて祖父との別れの時を迎える……。
 チャン・ウェンリー監督の自伝的作品。
 釜山国際映画祭2009 ニュー・カレント部門出品。KNN Movie Award (観客賞)受賞。
 上海国際映画祭2010 亜州新人奨(Asian New Talent Award)コンペティション部門出品。

 ・“A Woman、A Gun And A Noodle Shop (三槍拍案驚奇)” (中)
 監督:チャン・イーモウ
 出演:スン・ホンレイ、シャオ・シェンヤン、イェン・ニー
 物語:ワンは、万里の長城に近い小さな町でそば屋を営んでいる。彼は横柄な性格で、妻をこき使い、従業員に支払う給料を何ヶ月も滞らせたりする。一方、妻の方は、内気なコックのリーとの情事で自らを慰めていたが、自分たち2人が幸せになるためには夫を殺すしかないと思い始め、とうとうペルシャ絨毯の商人から銃を手に入れる。しかし、2人の企みはワンに知れることになり、ワンは、先手を打って、大金をやるから2人を殺してくれと警官のチャンに依頼する……。
 コーエン兄弟の『ブラッド・シンプル』のリメイク。
 ベルリン国際映画祭2010コンペティション部門出品。


 ・“Apart Together (團圓/ Tuan Yuan)” (中) 監督:ワン・チュアンアン
 出演:凌峰(Ling Feng)、リサ・ルー、モニカ・モク、Xu Caigen、Ma Xiaoqing
 オープニング作品
 物語:中国は、建国50年を記念して、家族を残して、台湾に去った国民党の元兵士と、彼らの家族とを上海で再会させるという機会を作る。リュウは、そのチャンスに恵まれた1人で、彼には、親族に再会することとはもう1つ別の目的があった。それは、当時、彼の子を身ごもっていたのに、さよならも言えずに別れることになってしまった女性を見つけ出すことだった。彼は、彼女のことが50年経った今も忘れられず、できるなら、彼女を連れて台湾に帰りたいとまで考えていた。しかし、彼女を見つけ出すことには成功したものの、彼女は人民解放軍の兵士と結婚し、家庭を築いていた。彼は、せめても罪の償いにと、自分の全財産を彼女の夫に贈ることを約束する……。
 ベルリン国際映画祭2010コンペティション部門出品。銀熊賞(脚本賞)受賞。
 ギャガ配給にて劇場公開予定。


 ・“Crossing The Mountain(翻山)”(中) 監督:Yang Rui
 物語:中国南西部、ミャンマー国境に近いワ族の村。軍隊がジャングルの中を進んでいるが、彼らは地面に横たわっている青年には気づかない。彼は、目隠しして運命の女性にたどりつこうとするが、それはなかなか達せられない。村でロシア製の手榴弾が発見される。それは、村のどこかに地雷が埋まっている徴のようにも思われ、村人は警察に調査を依頼する。老女は、自分の恋人が劇的な死を遂げたのを思い出す。地元の豚は食肉にするために飼われている……。
 ベルリン国際映画祭2010 フォーラム部門出品。
 上海国際映画祭2010 亜州新人奨(Asian New Talent Award)コンペティション部門出品。作品賞受賞。


 ・“The High Life(尋歓作楽)”(中) 監督:Zhao Dayong(趙大勇)
 物語:ジャン・ミンは、広州のスラム街で、田舎から出てきた者のカモにして、仕事の斡旋をしていた。彼には、夢も野心もなく、カモの写真を自分の部屋に貼り付けることぐらいが楽しみであった。金持ちの愛人アーファンと遊んだりしているが本気ではなく、彼女が自分を連れて逃げてくれと迫るようになると、この女ともそろそろ手を切った方がいいかなと考え始めていた。シャオ・ヤは、ジャン・ミンが美容院を紹介した娘で、彼もなんとなく彼女のことが気になっていたのだが、シャオ・ヤが街のチンピラにレイプされるに及び、ついに怒りを爆発させる……。
 香港国際映画祭2010 アジア・デジタル・コンペティション 銀賞受賞。国際批評家連盟賞受賞。

 ・“Tangle(夜郎)”(中) 監督:Liu Yonghong(劉勇宏)
 物語:主人公は、中国の田舎の町の警官。彼は、結婚して、すぐに父親になるが、クリスチャンである母親と仲違いしたままであることにずっと良心の痛みを感じていた。また、同じ警察に昔の恋人の弟が入署してきたことで、過去の過ちが彼を苦しませることになる。
 香港国際映画祭2010 国際批評家連盟賞スペシャル・メンション受賞。

 ・『重慶ブルース』“Rizhao Chongqing(Chongqing Blues)”(中) 監督:ワン・シャオシュアイ
 出演:ワン・シュエチー、ファン・ビンビン
 物語:主人公は船の船長で、洋上での生活が長く、全く家庭を省みず、子供の教育もなおざりにしてきた。そんな彼にある事件の知らせが届き、いかに自分がダメな夫であり、父親であったか思い知らされることになる。
 カンヌ国際映画祭2010 コンペティション部門出品。
 東京国際映画祭2010 アジアの風部門にて上映。

 ・『海上伝奇』“I Wish I Knew(上海伝奇)”(中) 監督:ジャ・ジャンクー
 上海万博のバックアップを受けて製作された上海についてのドキュメンタリー。上海の現在と、その歴史的背景(植民地化、戦争、革命、災害等)を描くべく、取材は、上海のみならず、香港や台北にも及び、インタビューした人は60人以上にのぼる。その中には、上海租界時代のマフィアのボス杜月笙の娘で、現在は台湾に暮らす杜美如なども含まれる。
 音楽監督は、林強。
 上海万博で上映。
 カンヌ国際映画祭2010 ある視点部門出品。
 トロント国際映画祭2010 MASTERS部門出品。
 東京フィルメックス2010にて上映。

 ・“Piercing 1”(中) 監督:Liu Jian
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2010 長編コンペティション部門出品。

 ・“Deep In The Clouds(碧罗雪山)”(中) 監督:Liu Jie(刘杰)
 物語:リス族の村の物語。ディアルは、ムパの妹ジニのことが好きだったが。リス族の伝統により自分から彼女に求愛することは禁じられていた。一方、ムパは、国が保護している木を伐採した罪で逮捕され、働き手を失った彼の父は、ジニをアダと結婚させようとする。結婚式の当日、ジニは、伝統の花嫁衣裳を着たまま、霧深い山の中に姿を消す。3ヵ月後、リス族の人々は、先祖代々住んできた山間の村を去ることに決める……。
 上海国際映画祭2010 金爵奨(Jin Jue Award/ Golden Goblet Award)コンペティション部門出品。審査員グランプリ&監督賞&音楽賞受賞。


 ・“Ocean Heaven(海洋天堂)”(中) 監督:Xue Xiaolu(薛晓路)
 出演:ジェット・リー、ウェン・ジャン、グイ・ルンメイ
 物語:自閉症のデイヴィッドは、いつも上の空で、やることといえば他人の言葉をマネするくらいで、数年前に母親が死んだことすら気づいていないのではないかと思われた。サム・ワンは、水族館で働きつつ、22歳になるそんな息子の面倒を熱心に見ていた。近所の人の手助けもあり、2人は幸せに暮らしていたが、サムに重い病が見つかり、彼は、息子を残したまま、死んでしまわなければならないことを知る……。
 上海国際映画祭2010 金爵奨(Jin Jue Award/ Golden Goblet Award)コンペティション部門出品。メディア賞(传媒大奖) 作品賞(最佳影片)受賞。


 ・“Diago(Ao ge)”(中) 監督:Chi Zhang
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2010 コンペティション部門出品。

 ・“Han Jia (Winter Vacation)”(中) 監督:Li Hongqi
 物語:中国北部。冬休みの最後の日。4人の若者がこれといった目的もなく、仲間の家に集まる。彼らの会話は、まるで10代の会話のようであり、会話のための会話のようでもある。1人が10代の恋愛について話せば、1人は学校教育の意味について語る……。
 ロカルノ国際映画祭2010 インターナショナル・コンペティション部門出品。金豹賞&国際批評家連盟賞&エキュメニカル審査員賞スペシャル・メンション受賞。

 ・“Karamay(克拉玛依)”(中) 監督:Xu Xin(徐辛)
 1994年12月にウルムチの劇場で起こった火災に関するドキュメンタリー。その事故では、323名の犠牲者を出したが、そのうち288名が児童だという悲惨なもので、これだけの犠牲者を出したのには、多分に人災の面があり、犠牲者の家族はしかるべき謝罪と補償を求めて、10年以上も闘っている。
 香港国際映画祭2010出品。
 ロカルノ国際映画祭2010 インターナショナル・コンペティション部門出品。国際批評家連盟賞スペシャル・メンション&エキュメニカル審査員賞スペシャル・メンション&FICC/IFFS&受賞、ヤング審査員賞1位。


 ・“Di Renjie Zhi Tongtian Diguo (Detective Dee And The Mystery Of Phantom Flame/狄仁杰之通天帝国)”(中) 監督:ツイ・ハーク
 出演:アンディ・ラウ、カリーナ・ラウ、トニー・レオン
 物語:女帝の戴冠式を遅らせるような怪死事件が相次ぎ、一度は追放された探偵が事件解決のために呼び戻される。
 ベネチア国際映画祭2010 コンペティション部門出品。Future Film Festival Digital Award受賞。
 トロント国際映画祭2010 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。

 ・“Showtime(用心跳/Yongxin Tiao)”(中) 監督:スタンリー・クワン
 出演:カリーナ・ラウ、レオン・カーファイ、フー・ジュン、ホアン・レイ
 上海を舞台にしたミュージカル・コメディー。
 ベネチア国際映画祭2010 アウト・オブ・コンペティション部門出品。

 ・“Reconstructing Faith(西方去此不远)”(中) 監督:ホァン・ウェンハイ(黄文海/Huang Wenhai)
 湖南岳陽市で活動する、身障者や独り暮らしの老人を支援するNGO団体に関するドキュメンタリー。
 ベネチア国際映画祭2010 Orizzonti部門出品。

 ・“Better Life(Ten Thousand Waves)”(英・中) 監督:アイザック・ジュリアン
 出演:マギー・チャン、チャオ・タオ、ヤン・フートン
 イギリスのモーカム湾の惨事に、媽祖が海から漁師たちを救う「湄洲島物語」を結びつけた物語で、マギー・チャンが媽祖を演じる。
 ベネチア国際映画祭2010 Orizzonti部門出品。

 ・“Aftershock(唐山大地震)”(中) 監督:フォン・シャオガン
 出演:シュイ・ファン、チャン・チンチュー、Li Chen、チェン・ダオミン
 物語:1976年、河北省唐山市で大地震が起こり、24万人の犠牲者を出す。トラック運転手の父親は瓦礫の下から2人の子供を救おうとして、命を落とす。母親は、2人ともを助け出すことは断念して、幼い弟だけを助け出し、その場を立ち去る。その後、残された姉も、助け出され、一命を取り留めるが、母親に見捨てられたことはずっと心の傷となって残る。そして、32年後、母と娘が再会する……。
 中国系カナダ人作家Zhang Lingの同名小説の映画化。
 トロント国際映画祭2010 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。

 ・『愛に関するすべてのこと』“All About Love(得閒炒飯)”(中) 監督:アン・ホイ
 出演:サンドラ・ン、ビビアン・チョウ、ウィリアム・チャン、エディー・チュン
 物語:メイシーは、バイセクシャルの弁護士で、仕事でストレスを抱え、別れたはずのガールフレンド、アニータの元へ向かう。アニータは、マイクとの一夜の情事で妊娠していたが、メイシーの方も隣人ロバートとの子を身ごもっていたのだった……。
 トロント国際映画祭2010 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。
 東京国際映画祭2010 アジアの風部門にて上映。

 ・『鋼のピアノ』“The Piano in a Factory”(中) 監督:Zhang Meng
 物語:鋳物工場で働く主人公は、ピアノを愛する愛娘のために、ガラクタを集めて、そこからピアノを作ろうとする。
 トロント国際映画祭2010 DOSCOVERY部門出品。
 東京国際映画祭2010 コンペティション部門出品。

 ・“Little Sister(妹妹)”(中・米) 監督:Richard Bowen
 出演:Xiao Min、Brenda Song、Yang Zhicheng Zhang Jie、Wang Caiping
 監督のRichard Bowenが博物館で見つけた、シンデレラの原型のような物語が書かれた脚本を映画化したもの。舞台は、何百年も前の中国南部の村。孤児のヒロインが、養母にいじめられ、舞踏会に行きたいのに行かせてもらえず、夜中に行動を起こして、舞踏会に行くも片方の靴を落として帰ってくる。後で、ハンサムな君主が靴を手に娘を捜しに来るというところまで同じ。
 トロント国際映画祭2010 SPROCKETS FAMILY ZONE部門出品。

 ・“Yong Sheng Yang”(中) 監督:Gao Feng
 モントリオール世界映画祭2010ファースト・フィルムズ・ワールド・コンペティション部門出品。

 ・“Addicted to Love(老那)”(中) 監督:Liu Hao(刘浩)
 物語:主人公は、北京の工場労働者だったが、今ではもう引退している。ある日、彼は、初恋の女性、リ・インに再会する。2人は、ひそかに逢瀬を重ねていくことになるが、彼は、彼女がアルツハイマー病を患っていることを知る。彼は、彼女の病の進行を遅らせようと、いろんな遊びを試みていく……。
 サンセバスチャン国際映画祭2010 コンペティション部門出品。

 ・『独身男』“Single Man”(中) 監督:ハオ・ジェ(Hao Jie)
 サンセバスチャン国際映画祭2010 New Directors部門出品。
 東京フィルメックス2010 コンペティション部門にて上映。

 ・“Under the Hawthorn Tree(山楂樹之戀)”(中・香港) 監督:チャン・イーモウ
 釜山国際映画祭2010 オープニング作品。

 ・“Driverless(無人駕駛)”(中) 監督:チャン・ヤン

 ・“The Old Donkey”(中) 監督:Li Rui Jun
 釜山国際映画祭2010 ニュー・カレント部門出品。

 ・“The Spectacular Theatre”(中) 監督:Lu Yang
 釜山国際映画祭2010 ニュー・カレント部門出品。

 ・『トーマス、マオ』“Thomas Mao(小東西)”(中) 監督:チュウ・ウェン(朱文/Zhu Wen)
 東京フィルメックス2010 コンペティション部門にて上映。

 ・『ホット・サマー・デイズ』“Hot Summer Days(全城熱戀熱辣辣)”(米・香港・中) 監督:ウィン・シャ、トニー・チャン
 東京国際映画祭2010 アジアの風部門にて上映。

 ・『夏の草原』“Summer Pasture”(中・米) 監督:リン・トゥルー、ネルソン・ウォーカー
 東京国際映画祭2010 Natural TIFF部門にて上映。

 【北朝鮮】

 ・“The Red Chapel”(赤いチャペル)(デンマーク) 監督:Mads Bruegger
 痙攣症に扮したジャーナリストが、文化交流を装って、北朝鮮を旅する。
 サンダンス映画祭2010出品。審査員グランプリ受賞。


 【韓国】

 ・『東京タクシー ディレクターズ・カット版』“Tokyo Taxi”(韓・日/2009) 監督:キム・テシク
 釜山国際映画祭2009 韓国映画トゥデイ パノラマ部門出品。
 大阪アジアン映画祭2010にて上映。

 ・『チャウ』“Chaw”(韓/2009) 監督:シン・ジョンウォン
 大鐘賞2009 音響賞ノミネート。
 青龍映画賞2009 技術部門賞ノミネート。
 大阪アジアン映画祭2010にて上映。
 カナザワ映画祭2010にて上映。


 ・『My Girl is an Agent』“My Girl is an Agent(7級公務員)”(韓/2009) 監督:シン・テラ
 大鐘賞2009 新人男優賞受賞。
 沖縄国際映画祭2010にて上映。

 ・『けがれなき愛』“The Fair Love”(韓/2009) 監督:シン・ヨンシク(Shin Yeon-Shin)
 物語:「ヒョンマン(アン・ソンギ)はがんで死んだ友人から大学生の娘の世話を頼まれていた。カメラ修理のことしか知らない彼は娘の示し始めた愛に戸惑うが、やがて自分の中に娘への愛が芽生えているのに気づき始める。」
 釜山国際映画祭2009 ガラ・プレゼンテーョン部門出品。
 SKIPシティDシネマ国際映画祭2010出品。

 ・『手の届くかぎり』“Elbowroom”(韓/2009) 監督:ハム・ギョンノク(함경록)
 ロッテルダム国際映画祭2010 World Premieres部門出品。
 アジアフォーカス・福岡国際映画祭2010にて上映。

 ・『Eighteen-旋風-』“Eighteen”(韓/2009) 監督:チャン・ゴンジェ
 バンクーバー国際映画祭2009 Dragons & Tigers部門出品。
 アジアフォーカス・福岡国際映画祭2010にて上映。

 ・『坡州(パジュ)』“Paju(坡州)”(韓/2009) 監督:パク・チャノク(Park Chan Ok)
 釜山国際映画祭2009 ニュー・カレント部門出品。NETPAC賞受賞。
 トライベッカ映画祭2010 ワールド・ナラティヴ・コンペティション部門出品。
 あいち国際女性映画祭2010にて上映。

 ・“Moscow”(韓/2009) 監督:Whang Cheol-Mean
 物語:生活環境の違いが明らかになるにつれ、仲のよかったはずの女の子2人の関係に、徐々に亀裂が生じてくる……。
 釜山国際映画祭2009 韓国映画新作ヴィジョン部門上映作品。
 ロッテルダム国際映画祭2010 NETPAC賞受賞。

 ・“I’m in Trouble! (Na-neun gon-kyeong-e cheo-haet-da!)”(韓/2009) 監督:So Sang-min
 物語:売れない詩人が主人公で、彼とくっついたり離れたりを繰り返しているガール・フレンドと、彼の友人、さらに友人が思いを寄せている出版社の編集者、という4人で展開するラブ・ストーリー。
 監督の経験に基づいた作品。どこかホン・サンス作品に近い雰囲気を感じさせつつも、ホン・サンス作品よりは明るい作品と紹介されています。
 釜山国際映画祭2009 グランプリ(New Currents Award)受賞。
 ベルリン国際映画祭2010 フォーラム部門出品。

 ・“Sona, the Other Myself (Sona, mō hitori no watashi)”(日・韓/2009) 監督:ヤン・ヨンヒ(梁英姫/Yang Yonghi)
 釜山国際映画祭2009ワイド・アングル部門出品作。
 ベルリン国際映画祭2010 フォーラム部門出品。

 ・“Enlightment film”(韓/2009) 監督:Park Dong-hoon
 物語:テスンの祖父は、植民地時代に親日派であった。テスンの父は、1980年代の軍事独裁政権時代に尊大な態度を取り続けていた。その娘テスンは、家族に関するあらゆることを否定したい気持ちでいっぱいであった。3世代を通して、植民地時代から現代までの韓国の歴史と家族関係を描いていく……。
 モスクワ国際映画祭2010 コンペティション部門出品。

 ・“Vegetarian”(ベジタリアン)(韓) 監督・脚本:Lim Woo-seong
 出演:Chea Min-seo、Kim Hyun-sung、Kim Yeo-jin、Kim Young-jae
 物語:奇妙な夢を見て、肉嫌いになって、夫とケンカし、芸術家である夫の弟に惹かれていく主婦の物語。
 サンダンス映画祭2010出品。

 ・“The Actresses (Yeobaewoodle)”(韓) 監督:イ・ジェヨン(E・J-Yong)
 出演:ユン・ヨジュン、イ・ミスク、コ・ヒョンジュン、チェ・ジウ、キム・オクビン、キム・ミンヒ
 物語:韓国版「ヴォーグ」のクリスマス号の表紙として、韓国のトップ女優ばかりを一堂に集めた写真を撮ろうという企画が出される。しかし、女優たちどうしのライバル心が邪魔をして、コトはなかなかうまく進まない。まず、撮影が始まる前からして、誰がいつごろスタジオ入りするのか、どんなかっこうで来るのか、誰が最後にやってくるのか、ということから、見栄とプライドの鍔迫り合いが始まってしまうのだった……。
 ベルリン国際映画祭2010 パノラマ部門出品。
 トランシルヴァニア国際映画祭2010 「女優という職業」特集にて上映。
 釜山国際映画祭2010 韓国映画トゥデイ パノラマ部門にて上映。


 ・『豆満江』“Dooman River” (韓・仏) 監督:Zhang Lu
 ベルリン国際映画祭2010 ジェネレーション部門出品。スペシャル・メンション受賞。
 シンガポール国際映画祭2010 コンペティション部門出品。
 パリ映画祭2010 コンペティション部門出品。審査員グランプリ&学生審査員賞受賞。
 アジアフォーカス・福岡映画祭2010にて上映。

 ・“Housemaid”(韓) 監督:イム・サンス
 出演:チョン・ドヨン、イ・ジョンジェ
 物語:上流階級の家庭に家政婦として入った女性が、その家の主人と不倫関係に陥ったことから悲劇が起こる……。
 キム・ギヨン監督の『下女』(1960)のリメイク。
 カンヌ国際映画祭2010 コンペティション部門出品。

 ・『詩』“Poetry”(韓) 監督:イ・チャンドン
 出演:ユン・ジョンヒ、イ・ダウィ
 物語:ミジャは、60代半ばで、生活補助を受けながら、古いアパートで暮らしている。そこに、離婚した娘が、自活するために息子を預かって欲しいと言ってきて、中学生の孫を預かることになる。ある日、町中で見かけた詩の市民講座に通ったことから、詩作に夢中になり、これまで普通に目にしていた風景がまるで違って見えるようになる。しかし、孫のせいで、思いもよらぬ事件に巻き込まれてしまう……。
 カンヌ国際映画祭2010 コンペティション部門出品。脚本賞&エキュメニカル審査員賞スペシャル・メンション受賞。
 トロント国際映画祭2010 MASTERS部門出品。
 ニューヨーク映画祭2010出品。
 東京フィルメックス2010にて上映。


 ・“Ha Ha Ha”(韓) 監督:ホン・サンス
 出演:ムン・ソリ、キム・サンギョン、ユ・ジュンサン、イェ・ジウォン、キム・ガンウ、キム・ミンソン、ユン・ヨジョン、キ・ジュボン、キム・ヨンホ
 物語:カナダへ移民する決心したムンギョンが、先輩チュンシクと清渓山のふもとのどぶろく屋で会って、酒を飲み、二人とも統営に旅行したことを知り、それぞれ旅行先での出来事を語っていく。
 カンヌ国際映画祭2010 ある視点部門出品。ある視点賞受賞。


 ・『ビーデビルド』“Bedevilled”(韓) 監督:Jang Cheol Soa
 物語:ヘウォンは、30代の独身女性で、銀行に勤めていた。しかし、殺人未遂事件を目撃してしまったことから、精神のバランスを失い、休暇を取ることになる。彼女は、その休暇を使って、以前、祖父母に会うために出かけたMoodoという孤島に向かう。以前、彼女は、そこで、ボクナムという女の子と友だちになっていたが、今ではすっかり様子が変わり、彼女は、ボクナムが全島民をかしずかせているのを目の当たりにする。島内には、ボクナム以外に若い女性がいなくなり、ボクナムは島で女王のように君臨していたのだった……。
 カンヌ国際映画祭2010批評家週間出品。
 プチョン国際ファンタスティック映画祭2010 長編コンペティション部門出品。グランプリ&女優賞(ソ・ヨンヒ)受賞。
 東京フィルメックス2010 コンペティション部門にて上映。
 キングレコード配給にて劇場公開予定。



 ・『虹』“Passerby #3”(韓) 監督:Shin Su-won
 物語:ジワンは、仕事を辞めて、映画監督になるために脚本に専念することにする。これまでも脚本を書き続けてきたが、モノになったものはなかった。ある日、彼女は、水たまりに映った虹を見て、新しいミュージカル映画を思いつく……。
 全州国際映画祭2010 韓国映画コンペティション部門出品。JJ-Star賞(グランプリ)受賞。
 なら国際映画祭2010にて上映。
 東京国際映画祭2010 アジアの風部門にて上映。

 ・“The Boy from Ipanema”(韓) 監督:Kim Kih-Hoon
 物語:サーファーの少年が、海辺で失恋したばかりの少女と出会う。2人はやがて恋に落ちるが、それぞれの過去が邪魔して、なかなか先に進めないのだった……。
 全州国際映画祭2010 韓国映画コンペティション部門出品。観客賞&CJ CGV ムービーコラージュ賞受賞。

 ・“Before the Full Moon”(韓) 監督:Seo Seh-chin
 2009年のサンヨン自動車のストを題材にしたドキュメンタリー。
 全州国際映画祭2010 韓国映画コンペティション部門出品。JIFF賞受賞。

 ・“Death Bell 2: Bloody Camp /고사 두 번째 이야기: 교생실습”(韓) 監督:Yoo Sun Dong
 高校を舞台にした韓国版『ソウ』とも言われた“Death Bell”(2008) (日本未公開)のシリーズ第2弾。
 プチョン国際ファンタスティック映画祭2010 クロージング作品。


 ・“Oki's Movie”(韓) 監督:ホン・サンス
 出演:イ・ソンヨン、チョン・ユミ、ムン・ソングン
 物語:4つの短編からなる作品で、最終話のタイトルが“Oki's Movie”。映画学校の学生であるユミは、これまでつきあった2人の男性についての映画を作っている。その2人の男性とは、1年おいて、それぞれとアチャ山に行っているのだった。
 ベネチア国際映画祭2010 Orizzonti部門出品。
 トロント国際映画祭2010 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。
 ニューヨーク映画祭2010出品。


 ・『アンチ・ガス・スキン』“Anti Gas Skin”(韓) 監督:キム・ゴク(Kim Gok) 、キム・スン(Kim Sun)
 ベネチア国際映画祭2010 Orizzonti部門出品。
 釜山国際映画祭2010 韓国映画トゥデイ ヴィジョン部門出品。
 東京フィルメックス2010 コンペティション部門にて上映。

 ・“Late Autumn”(韓) 監督:キム・テヨン
 出演:ヒョンビン、タン・ウェイ
 物語:アンナは、母親の葬儀に出席するために、特別許可をもらって、刑務所からシアトルに向かう。途中で、彼女は、孤独な中年女性のための「心の友」(companion for hire)をしているフーンと出会う。2人は意気投合し、一緒に一日を過ごす。
 トロント国際映画祭2010 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。

 ・“I Saw The Devil (Akma-Reul bo-at-da)”(韓) 監督:キム・ジウン
 出演:イ・ビョンホン、チェ・ミンシク
 物語:国家情報院の警護要員スヒョンは、殺人魔ギョンチョルに婚約者を殺され、血の復讐を誓う。しかし、スヒョンの復讐は、ギョンチョルをさっさと殺しておしまいというものではない。じわじわとヤツを痛めつけて、これまで彼の犠牲になった者たちの苦しみをたっぷり味わわせるというクールで冷酷なもので、初めて痛めつけられる側にまわったギョンチョルは、これがゲームであることを理解し、このゲームのルールを受け入れていく……。
 トロント国際映画祭2010 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 サンセバスチャン国際映画祭2010 コンペティション部門出品。


 ・『ハーモニー』“하모니/Harmony”(韓) 監督:カン・デギュ
 出演:キム・ユンジン、ナ・ムキ、カン・イェウォン、チョン・スヨン
 物語:家族に見捨てられた死刑囚、刑務所内で生んだ赤ん坊を手放さなければならない女囚など、さまざまな事情を抱える女囚たちが刑務所内で合唱団を結成する……。
 コリアン・シネマ・ウィーク2010にて上映。


 ・『裸足の夢』“맨발의 꿈/ A Barefoot Dream”
 監督:キム・テギュン
 出演:パク・ヒスン、清水圭
 物語:韓国のプロ・サッカー選手だった主人公が、引退後、一旗挙げようと考えて、独立後まもない東ティモールに向かうが、東ティモールの人々はまだ貧困に苦しんでいて、彼の思惑は外れてしまう。しかし、あきらめて韓国に帰ろうとしていた時、彼は、裸足でサッカーに興じる子どもたちを目撃し、彼らに本格的なサッカーを教えてあげたいと考え、監督として、無償で指導を行なうために東ティモールに残ることにする……。
 2010年6月24日韓国公開。
 米国アカデミー賞2011外国語映画賞韓国代表作品。
 ロケ地となった広島では、2010年8月に「ありがとう上映会」が行なわれています。


 ・『カメリア』“Camellia”(タイ・日・韓) 監督:ウィジット・サーサナティアン(Wisit Sasanatieng)、行定勲、Jang Joonhwan
 釜山国際映画祭2010 クロージング作品。
 東京国際映画祭2010 アジアの風部門にて上映。

 ・“Ashamed”(韓) 監督:Kim Soo Hyun
 釜山国際映画祭2010 ニュー・カレント部門出品。

 ・“Bleak Night”(韓) 監督:Yun Sung-hyun
 釜山国際映画祭2010 ニュー・カレント部門出品。

 ・“The Journals of Musan”(韓) 監督:Park Jung-Bum
 釜山国際映画祭2010 ニュー・カレント部門出品。

 ・『苔』“이끼/Moss”(韓) 監督:カン・ウソク
 出演:チョン・ジェヨン、パク・ヘイル、ユ・ジュンサン、ユ・ソン
 物語:ヘグクは、父の訃報を聞いて、もう何年も帰っていなかった田舎に帰る。都会生活に疲れを感じていた彼は、葬儀が終わってもソウルに戻ろうとはせず、このままずっとここに留まることを宣言する。そんな彼に、村民は、不快感を隠そうとしない。しかし、ある老人の一言で、村民たちはがらっと態度を変えるのだった……。
 利川春史大賞映画祭2010 作品賞・監督賞など7部門受賞。
 東京国際映画祭2010 アジアの風部門にて上映。

 ・『妖術』”Magic”(韓) 監督:ク・ヘソン
 東京国際映画祭2010 アジアの風部門にて上映。

 ・『男たちの挽歌』“A Better Tomorrow(무적자 )”(韓) 監督:ソン・ヘソン
 東京国際映画祭2010 特別招待作品。

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 「アジア映画2010の収穫」をチェックしてみての、全体的な印象を簡単にまとめておきたいと思います。

 ・少しずつ製作に「パレスチナ」がクレジットされている映画がふえてきている。(パレスチナでの映画制作もしくは出資が行なわれ始めている。)

 ・トルコ映画の勢いが激しい。めぼしい映画祭のコンペ部門には必ずトルコ映画がエントリーされている。
 トルコ映画は、近年、ヌリ・ビルゲ・ジェイランや、サンセバスチャン国際映画祭2008でグランプリを受賞したイエスィム・ウスタオウル、新作をベネチア、ベルリンのコンペ部門に連続して出品し、ベルリンでは金熊賞を受賞したSemih Kaplanogluらを輩出し、パリ映画祭2009やモンペリエ地中海映画祭2009、トロント国際映画祭2010などでも特集が組まれています。

 ・イラクでも少しずつ映画が製作されるようになり、それが国際映画祭にもお目見えし始めている。

 ・グルジアでは新しい監督たちが登場し始めている。

 ・チャン・イーモウ、ダンテ・ラム、パン・ホーチョン、ホン・サンスら、何人かの監督は立て続けに作品を発表している。

 ・“鳴り物入り”というような大げさなものではなく、小さな作品で、製作に「日本」がからむものがふえてきている。

 ・アジア各国で、アニメーションや3D作品の製作が進んでいる。

 ・2009年のベネチア国際映画祭から、2010年のベルリン国際映画祭、ベネチア国際映画祭まで、最高賞はすべてアジア映画。ロッテルダム国際映画祭、アイアミ国際映画祭、全州国際映画祭、トランシルヴァニア国際映画祭、プチョン国際ファンタスティック映画祭も最高賞はアジア映画。

 ・日本初上映が東京以外の地で行なわれることが多くなってきている。

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 *当ブログ記事
 ・アジア映画の収穫2010 その1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_26.html
 ・アジア映画の収穫2010 その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_27.html
 ・アジア映画の収穫2009 その1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200909/article_13.html
 ・アジア映画の収穫2009 その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200909/article_14.html
 ・映画祭&映画賞カレンダー 2010年5月~2011年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_23.html

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