釜山国際映画祭2010 ラインナップ! その2

 釜山国際映画祭のメイン・コンペティションであるニュー・カレント部門の今年の審査員長は、ワダエミだそうです。(審査員の他のメンバーに関しては文末参照)

 ニュー・カレント部門に日本からの出品がないのが寂しいところですが、出品作以外の部分でも日本の映画人が活躍しているのを見るのはうれしいことですね。審査員長クラスでは、今年2人目でしょうか。

 【2010年の国際映画祭で審査員を務めた日本人】

 ・香港国際映画祭2010 アジア・デジタル・コンペティション部門:林加奈子

 ・上海国際映画祭2010 金爵奨(Jin Jue Award/ Golden Goblet Award)コンペティション部門:滝田洋二郎

 ・アヌシー国際アニメーションフェスティバル2010 短編コンペティション部門:木下小夜子(ここは審査員長は設けず、各審査員は同列であるようです)

 ・ベネチア国際映画祭2010 3Dアワード(Persol 3-D Award For The Most Creative 3-D Film Of The Year):清水崇(審査員長)

 ・釜山国際映画祭2010 ニュー・カレント部門:ワダエミ(審査員長)

画像

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 ラインナップの続きです。

 ◆ワイド・アングル部門(Wide Angle)
 短編映画とドキュメンタリー映画のセレクション。

 ◇韓国短編コンペティション

 ◇アジア短編コンペティション

 ◇短編映画ショーケース

 ◇ドキュメンタリー・コンペティション

 ・“Amin”(イラン・韓) 監督:Shahin Parhami [ワールド・プレミア]

 ・“Inshallah, Football”(インド) 監督:Ashvin Kumar [ワールド・プレミア]

 ・“Passion”(モンゴル) 監督:Byamba Sakhya [ワールド・プレミア]

 ・『風に吹かれて~キャメラマン李屏賓(リー・ピンビン)の肖像』“Let the Wind Carry Me/乘著光影旅行”(台湾/2009) 監督:クワン・プンリョン(關本良)、チアン・シウチュン(姜秀瓊)  [インターナショナル・プレミア]

 ・“New Castle”(中) 監督:Guo Hengqi [ワールド・プレミア]

 ・“Cheonggyecheon Medley”(韓) 監督:Kelvin K. Park [ワールド・プレミア]

 ・“Dream Factory”(韓) 監督:Kim Sung-kyun [ワールド・プレミア]

 ・“Miracle on Jongno Street”(韓) 監督:Lee Hyuk-sang [ワールド・プレミア]

 ・“No Name Stars”(韓) 監督:Kim Taeil [ワールド・プレミア]

 ・“Sweet Nuke”(韓) 監督:Lee Kang-gil

 ◇ドキュメンタリー・ショーケース

 ・“María and I”(西) 監督:Félix Fernández de Castro [ワールド・プレミア]

 ・“Johnnie Got His Gun!”(仏・香港) 監督:Yves Montmayeur [中編][ワールド・プレミア]

 ・“Return to Manila : Filipino Cinema”(仏・フィリピン) 監督:Hubert Niogret [中編][ワールド・プレミア]

 ・“Through Korean Cinema”(伊) 監督:Leonardo Cinieri Lombroso [ワールド・プレミア]

 ・“Daniel Schmid - Le chat qui pense”(スイス) 監督:Pascal Hofmann、Benny Jaberg

 ・“Dancing Dreams”(独) 監督:Rainer Hoffmann、Anne Linsel

 ・“Twinkle Twinkle Little Star”(台湾) 監督:Lin Cheng-Sheng [インターナショナル・プレミア]

 ・“I Wish I Knew(上海伝奇)”(中) 監督:ジャ・ジャンクー

 ・“Cruel Season”(韓) 監督:Park Bae-il [中編][ワールド・プレミア]

 ・“First Love - 1989, Memory of Sumida”(韓) 監督:Park Jeongsuk [ワールド・プレミア]

 ・“Masquerade”(韓) 監督:Mun Jeong-hyun [ワールド・プレミア]

 ・“My Sweet Baby”(韓) 監督:Ryu Mi Rye [ワールド・プレミア]

 ・『わが心の歌舞伎座』“Kabuki-za: Final Curtain”(日) 監督:十河壮吉 [ワールド・プレミア]

 ・“Anna May Wong: In Her Own Words”(米・韓) 監督:Hong Yunah [中編][ワールド・プレミア]

 ・“My Perestroika”(米・英) 監督:Robin Hessman

 ・“One Day Less”(メキシコ) 監督:Dariela Ludlow

 ◇アニメーション・ショーケース

 ・“Green Days”(韓) 監督:Han Hye Jin、An Jae Hoon [ワールド・プレミア]

 ・“The House”(韓) 監督:Lee Na-Bi、Park Mi-sun、Lee Jae-ho、Park Eun Young、Ban Jooyoung [ワールド・プレミア]

 ・『チェブラーシカ』“Cheburashka”(日) 監督:中村誠

 ・『イヴの時間 劇場版』“Time of Eve”(日) 監督:吉浦康裕 [インターナショナル・プレミア]

 ◆オープン・シネマ部門(Open Cinema)
 芸術性とポピュラリティーを兼ね備えた作品をセレクトしたプログラム。

 ・“The Passion”(伊) 監督:カルロ・マッツァクラーティ [インターナショナル・プレミア]

 ・“Here Comes the Bride”(フィリピン) 監督:Chris Martinez [インターナショナル・プレミア]

 ・“The Butcher, the Chef and the Swordman(刀見笑)”(中・米・香港) 監督:Er Shan Wuershan

 ・『雷桜』“The Lightning Tree”(日) 監督:廣木隆一 [ワールド・プレミア]

 ・『ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』“Zebraman 2: Attack on Zebra City”(日) 監督:三池崇史

 ・“The Bang Bang Club”(カナダ・南ア) 監督:Steven Silver [インターナショナル・プレミア]

 ・“Skyline”(米) 監督:Colin Strause、Greg Strause [ワールド・プレミア]

 ◆フラッシュ・フォワード部門(Flash Forward)
 初監督か2本目の、非アジア圏の監督の作品を集めたコンペティション・プログラム。

 ・“Ollie Kepler’s Expanding Purple World”(英) 監督:Viv Fongenie

 ・“Crebinsky”(西) 監督:Enrique Otero

 ・“Rondo”(ベルギー・仏) 監督:Olivier Van Malderghem

 ・“Afraid of the Dark(Bruises)”(伊) 監督:Massimo Coppola

 ・“Disenchantments”(独) 監督:Andreas Pieper

 ・“Children of the Green Dragon”(ハンガリー) 監督:Bence Miklauzic

 ・“Erratum”(ポーランド) 監督:Marek Lechki

 ・“Juan”(デンマーク) 監督:Kasper Holten

 ・“Pure”(スウェーデン) 監督:Lisa Langseth

 ・“Lou”(オーストラリア) 監督:Belinda Chayko

 ・“Lullaby for Pi”(カナダ・仏) 監督:Benoît Philippon

 ◆スペシャル・プログラム・イン・フォーカス(Special Programs in Focus)

 ◇クルディスタン映画:征服せられざる精神
 Kurdish Cinema,The Unconquered Sprit

 ・“Yol”(1982/トルコ・スイス・仏) 監督:Yilmaz Güney、Şerif Gören

 ・“Vodka Lemon”(2003/仏・伊・スイス・アルメニア) 監督:Hiner Saleem

 ・“Fratricide”(2005/独・仏・ルクセンブルグ) 監督:Yilmaz Arslan

 ・“Crossing the Dust”(2006/イラク) 監督:Shawkat Amin Korki

 ・『半月』“Half Moon”(2006/イラン) 監督:バフマン・ゴバディ

 ・“David the Tolhidan”(2007/スイス) 監督:Mano Khalil [中編]

 ・“All My Mothers”(2009/イラン) 監督:Ebrahim Saeedi、Zahavi Sanjavi [中編]

 ・“The Children of Diyarbakir”(2009/トルコ) 監督:Miraz Bezar

 ◇破壊的想像力:フランコ時代の傑作スペイン映画
 Subversive Imagination:The Spanish Masterpiece from Franco Regime
 スペインと韓国の修好60周年記念だそうです。(そうした国はほかにもありそうですが)

 ・『恐怖の逢びき』“Death of a Cyclist”(1955/西) 監督:フアン・アントニオ・バルデム(Juan Antonio Bardem)

 ・“The Delinquents”(1960/西) 監督:カルロス・サウラ

 ・『ビリディアナ』“Viridiana”(1961/メキシコ・仏) 監督:ルイス・ブニュエル

 ・“The Executioner”(1963/西・伊) 監督:ルイス・ガルシア・ベルランガ(Luis García Berlanga)

 ・“The Strange Trip”(1964/西) 監督:フェルナンド・フェルナン・ゴメス(Fernando Fernán Gómez)

 ・『狩り』“The Hunt”(1966/西) 監督:カルロス・サウラ

 ・『カラスの飼育』“Cria!”(1976/西) 監督:カルロス・サウラ

 ◇チェコ映画ナウ:リベラリズムの映画(Czech Films Now: Cinema of Liberalism)
 韓国とチェコは今年修好20周年だそうです。

 ・“3 Seasons in Hell”(2009/チェコ・独・スロヴァキア) 監督:Tomáš Mašín

 ・“An Earthy Paradise for the Eyes”(2009/チェコ) 監督:Irena Pavlásková

 ・“Dreamers”(2009/チェコ) 監督:Jitka Rudolfová

 ・“Katka”(2010/チェコ) 監督:Helena Třeštíková

 ・“Kawasaki’s Rose”(2009/チェコ) 監督:ヤン・フジェベイク

 ・“Walking Too Fast”(2009/チェコ) 監督:Radim Spacek

 ◇クァク・チギュン トリビュート:メロドラマの肖像
 A Tribute to Kwak Ji-kyun:Portrait of Melodrama
 2010年5月25日に亡くなったクァク・チギュン監督の追悼プログラム。

 ・『冬の旅人』“Winter Wanderer”(1986/韓) 監督:クァク・チギュン

 ・“Shock Continues Long”(傷跡)(1989/韓) 監督:クァク・チギュン

 ・“Portrait of the Days of Youth”(若き日の肖像)(1990/韓) 監督:クァク・チギュン

 ・『プライベート・レッスン 青い体験』“Plum Blossom”(2000/韓) 監督:クァク・チギュン

 ◆ミッドナイト・パッション部門(Midnight Passion)

 ・“Stalker”(英) 監督:マーティン・ケンプ

 ・“Vanishing on 7th Street”(英) 監督:ブラッド・アンダーソン

 ・“Julia’s Eyes”(西) 監督:Guillem Morales

 ・“22 Bullets”(仏) 監督:リシャール・ベリ

 ・“The Last Employee”(独) 監督:Alexander Adolph

 ・“Easy Money”(スウェーデン・デンマーク・独) 監督:Daniél Espinosa

 ・“Dream Home(維多利亞壹號)”(香港) 監督:パン・ホーチョン

 ・“I Saw the Devil”(韓) 監督:キム・ジウン

 ・“Red Hill”(オーストラリア) 監督:Patrick Hughes

 ・“The Reef”(オーストラリア) 監督:Andrew Traucki

 ・“Altitude”(カナダ) 監督:Kaare Andrews

 ・“Husk”(米) 監督:Brett Simmons

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 ◆ニュー・カレント部門 審査員
 ワダエミ(審査員長)、キム・ユンジン、ムラリ・ナイール、Christoph Terhechte(ベルリン国際映画祭パノラマ部門ディレクター)、ヤン・クイメイ

 ◆フラッシュ・フォワード部門 審査員
 John Cooper(サンダンス映画祭ディレクター/審査員長)、Thomas Elsaesser(ドイツの映画研究者)、Lee Kwangmo(韓国のプロデューサー)、Alexei Popogrebskiy(ロシアの監督)、ヤスミラ・ジュバニッチ

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 日本からの出品は、共同製作作品を含めて、以下の通りです。全部で21本あります。

 ◆アジア映画の窓
 ・“Magic and Loss”(日・マレーシア・韓・仏) 監督:Lim Kahwai [ワールド・プレミア]
 ・『タイガー・ファクトリー』“The Tiger Factory”(マレーシア・日) 監督:ウー・ミンジン
 ・『アブラクサスの祭』“Abraxas”(日) 監督:加藤直輝 [ワールド・プレミア]
 ・『冷たい熱帯魚』“Cold Fish”(日) 監督:園子温
 ・『ダンシング・チャップリン』“Dancing Chaplin”(日) 監督:周防正行
 ・『春との旅』“Haru’s Journey”(日) 監督:小林政広
 ・『オカンの嫁入り』“Here Comes the Bride, My Mom”(日) 監督:呉美保 [インターナショナル・プレミア]
 ・『アウトレイジ』“Outrage”(日) 監督:北野武
 ・『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』“Railways”(日) 監督:錦織良成
 ・『行きずりの街』“Strangers in the City”(日) 監督:阪本順治 [インターナショナル・プレミア]
 ・『十三人の刺客』“Thirteen Assasins”(日) 監督:三池崇史
 ・『トイレット』“Toilet”(日・カナダ) 監督:荻上直子 [インターナショナル・プレミア]
 ・『悪人』“Villain”(日) 監督:李相日
 ・『ワラライフ!!』“Wararaifu!!”(日) 監督:木村祐一 [インターナショナル・プレミア]

 ◆ワイド・アングル部門 アジア短編コンペティション
 ・“Inhalation”(マレーシア・日) 監督:Edmund Yeo [ワールド・プレミア]

 ◆ワイド・アングル部門 短編ショーケース
 ・『少年と娼婦』“The Boy and the Whore”(日) 監督:松井雅也 [ワールド・プレミア]

 ◆ワイド・アングル部門 ドキュメンタリー・ショーケース
 ・『わが心の歌舞伎座』“Kabuki-za: Final Curtain”(日) 監督:十河壮吉 [ワールド・プレミア]

 ◆ワイド・アングル部門 アニメーション・ショーケース
 ・『チェブラーシカ』“Cheburashka”(日) 監督:中村誠
 ・『イヴの時間 劇場版』“Time of Eve”(日) 監督:吉浦康裕 [インターナショナル・プレミア]

 ◆オープン・シネマ部門
 ・『雷桜』“The Lightning Tree”(日) 監督:廣木隆一 [ワールド・プレミア]
 ・『ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』“Zebraman 2: Attack on Zebra City”(日) 監督:三池崇史

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 こうしたラインナップの読みどころはいろいろあると思うんですが(例年、ここから東京国際映画祭に流れてくるラインナップが多いので、ここから今年の東京国際映画祭のラインナップを予想してみるとか)、今回、ラインナップを書き出していて、気づいたことの1つは、製作国にフィリピンや南アフリカがクレジットされている作品が多い、ということでした。

 最近のフィリピン映画のニュー・スターと言えば、ブリランテ・メンドーサですが、今年の釜山国際映画祭には、ブリランテ・メンドーサ作品ぬきで、フィリピン映画が9本もありました。
 国際的にも注目されるようなフィリピン映画が増えてきているらしいというのは、近年、少しずつ伝えられてきていますが、それがこんなところにも現れてきている、ということになります。

 一方、南アフリカ映画は、国際映画祭のラインナップをチェックしていると、このごろちょくちょく目にするのですが、今回の釜山国際映画祭でも5本ありました(共同製作作品ばかりですが)。

 国の経済成長期に、注目すべき映画や映画作家が出てくるというのはよく知られていることですが、ワールドカップを終えた南アフリカも、今、そういう時期にさしかかっているということなのでしょうか。
 一足早く国際的な知名度を獲得した南アフリカの監督に、『ツォツィ』のギャビン・フッドがいますが、今年の国際映画祭で引っ張りだこの“Life, Above All”のオリバー・シュミッツなど、後に続く者がどんどん出てくれば、今後、新しい映画新興国として、南アフリカが大きくクローズ・アップされることになるかもしれません。(ちなみに、“Life, Above All”は米国アカデミー賞2011 外国語映画賞南アフリカ代表作品でもあります。)

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 *当ブログ記事
 ・釜山国際映画祭2010 ラインナップその1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_24.html
 ・釜山国際映画祭2009 ラインナップその1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200909/article_11.html
 ・釜山国際映画祭2009 ラインナップその2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200909/article_12.html
 ・釜山国際映画祭2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_6.html

 ・映画祭&映画賞カレンダー 2010年5月~2011年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_23.html

この記事へのコメント

2010年09月25日 05:07
Hello, I'm Edmund Yeo, director of INHALATION and producer of THE TIGER FACTORY. I just want to point out that 『水辺の物語』 is not THE TIGER FACTORY, it is an earlier film by director Woo Ming Jin and me called WOMAN ON FIRE LOOKS FOR WATER (2009), which was just shown at Fukuoka Film Festival last month.

I think THE TIGER FACTORY's Japanese title is 虎の工場... or something like that. I'm not sure. Tokyo Film Festival will translate the title to English.
umikarahajimaru
2010年09月25日 05:49
Mr.Edmund Yeo
Thank you for your message.
どうもありがとうございました。
I correct my mistakes.
すみやかに訂正させていただきます。
I am looking forward to watch the film in TIFF.
映画、楽しみにしています。

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