2010年度韓国映画賞レースはここから始まる! 利川春史映画大賞映画祭2010ラインナップ!

 9月14日~18日まで、利川春史映画大賞映画祭が開催されます。

 この映画祭は、映画祭という名前がついていますが、実は、映画祭形式の映画賞で、韓国の映画賞レースの先陣を切って発表される2010年度最初の映画賞、ということになります。

 今年の上映作品、つまり、今年のエントリー作品は、以下の15作品です。

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 ・『炎のように、蝶のように』“불꽃처럼 나비처럼/The Sword with No Name”(炎のように蝶のように)
 監督:キム・ヨンギュン
 出演:チョ・スンウ、スエ、チョン・ホジン、チェ・ジェウン
 物語:19世紀末。アジアに帝国主義列強の脅威が迫り、鎖国を守り続けていた朝鮮でも、宮廷内に保守派と革新派の対立が起こっていた。一方、刺客として生きてきたムミョンは、高宗に嫁ぐことになっている女性チャヨンに恋をする。彼は、チャヨンが王妃になるという運命が変えられないのなら、一生、側にいて、彼女を守り抜こうと決め、彼女の護衛官となる。そんな彼らは、やがて激動の歴史の渦の中に巻き込まれていく……。
 2009年9月24日韓国公開。
 青龍映画賞2009 新人男優賞ノミネート(チェ・ジェウン)、美術賞ノミネート(ミン・オンウク)。
 韓国映画評論家協会賞2009 新人男優賞(チェ・ジェウン)受賞。
 日本では、劇場未公開のまま、DVDリリース。

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 ・“내사랑 내곁에/Closer to Heaven”(私の愛 私のそばに)
 監督:パク・チンビョ
 出演:ハ・ジウォン、キム・ミョンミン、ナム・ヌンミン
 物語:ルー・ゲーリック病を患った主人公と彼を支える妻の物語。
 2009年9月24日韓国公開。
 百想芸術大賞2010 最優秀女性演技賞受賞(ハ・ジウォン)。
 青龍映画賞2009主演男優賞受賞(キム・ミョンミン)、主演女優賞受賞(ハ・ジウォン)。音楽賞ノミネート(パク・ギホン)。
 大鐘映画賞2009主演男優賞受賞(キム・ミョンミン)受賞、助演女優賞ノミネート(ナム・ヌンミ)。

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 ・『グッドモーニング・プレジデント』“굿모닝 프레지던트/Good Morning President”
 監督:チャン・ジン
 出演:チャン・ドンゴン、イ・スンジェ、コ・ドゥシム、イム・ハリョン、ハン・チェヨン、パク・ヘイル、イ・ムンス
 2009年10月22日韓国公開。
 青龍映画賞2009作品賞・監督賞(チャン・ジン)ノミネート。

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 ・“하늘과 바다/Sky and Sea”(ハヌルとパダ)
 監督:オ・ダルギュン
 出演:チャン・ナラ、ヒョン・ジュニ、ユ・アイン
 物語:パダは、新しく引っ越した家の前に、6歳児の心を持つ娘ハヌルが独りで暮らしていることを知る。彼女は、脳障害を患っているが、実は記憶力と音楽に隠れた才能を持っているということがわかってくる。一方、そんな彼女をだまして、小銭を稼ごうとするピザの配達員も現れるが、彼も彼女の純真さに惹かれていくようになる……。
 2009年10月28日韓国公開。
 大鐘賞2009 作品賞、主演女優賞(チャン・ナラ)、作曲賞(イ・ウンド)ノミネート。

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 ・“백야행/White Night”(白夜行)
 監督:パク・シヌ
 出演:ハン・ソッキュ、ソン・イェジン、コ・ス・イ・ミンジョン
 東野圭吾原作の同名小説の映画化。
 2009年11月19日韓国公開。

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 ・“시크릿/ Secret”(シークレット)
 監督:ユン・ジェグ
 出演:チャン・スンウォン、ソン・ユナ、リュ・スンニョン、パク・ウォンサン
 物語:暴力団のナンバー2が殺される。ソンヨル刑事が事件を担当するが、彼は、あらゆる証拠が自分の妻が犯人であると示していることに気づく。彼は、当日どこで何をしていたのか話そうとしない妻を守るために、証拠の隠滅を図り、時間稼ぎをする。しかし、刑事仲間による追及も厳しくなり、復讐心に燃える暴力団も犯人探しに乗り出してくる……。
 2009年12月3日韓国公開。

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 ・“용서는 없다/No Mercy”(許すことはできない)
 監督:キム・ヒョンジュン
 出演:ソル・ギョング、リュ・スンボム、ハン・ヘジン
 物語:検察解剖医カン・ミノの娘が行方不明になる。この事件に、バラバラ死体遺棄事件の容疑者として拘留中の環境運動家が関わっていると知ったカン・ミノは、彼に会いに行くが、彼は、自分が切り刻んだ死体に残したサインの意味がわかったら、娘を助けてやってもいいと話す……。
 2010年1月7日韓国公開。

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 ・“하모니/Harmony” (ハーモニー)
 監督:カン・デギュ
 出演:キム・ユンジン、ナ・ムキ、カン・イェウォン、チョン・スヨン
 物語:家族に見捨てられた死刑囚、刑務所内で生んだ赤ん坊を手放さなければならない女囚など、さまざまな事情を抱える女囚たちが刑務所内で合唱団を結成する……。
 2010年1月28日韓国公開。

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 ・“베스트셀러/Bestseller”(ベストセラー)
 監督:イム・ジョンホ
 出演:オム・ジョンファ、リュ・スンリョン
 物語:身に覚えのない盗作疑惑をかけられた女流作家ヘスは、それがきっかけで、スランプに陥り、結婚生活も維持できなくなる。それから2年。娘と2人で行った別荘で、娘が「姿の見えないお姉さん」と話しているのを知り、不気味に思いながらも、それを小説に書くと、それはベストセラーになる。しかし、既にそれとそっくりな小説が書かれていたことから再び盗作疑惑が浮上する。彼女は、「盗作」が生まれた原因があの別荘にあると考え、謎を探るために再び別荘に向かう。
 2010年4月15日韓国公開。

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 ・“친정엄마/A Long Visit”(実家のお母さん)
 監督:ユン・ソンヨプ
 出演:キム・ヘスク、パク・チニ。
 物語:ぎこちない関係だった母と娘が、初めての2人旅を通してそれぞれの思いを伝え合う。
 舞台劇の映画化作品。
 2010年4月22日韓国公開。

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 ・“하녀/The Housemaid”(メイド)
 監督:イム・サンス
 出演:チョン・ドヨン、イ・ジョンジェ
物語:上流階級の家庭に家政婦として入った女性が、その家の主人と不倫関係に陥ったことから悲劇が起こる……。
 キム・ギヨン監督の『下女』(1960)のリメイク。
 カンヌ国際映画祭2010 コンペティション部門出品。
 2010年5月13日韓国公開。

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 ・“내 깡패같은 애인/My Dear Desperado”(私のチンピラのような恋人)
 監督:キム・グァンシク
 出演:パク・チュンフン、チョン・ユミ
 物語:セジンは、キャリア・ウーマンになるために上京するが、選んだアパートの隣の住人はケチなチンピラのドンチョルであった。彼女は、粋がってばかりいるドンチョルと衝突を繰り返していたが、口は達者なくせにいつも殴られて帰ってくる彼を愛しく思うようになり、一方、ドンチョルの方も、どんなに脅しても怯まずに食ってかかってくるセジンを憎からず思うようになるのだった……。
 2010年5月20日韓国公開。

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 ・“포화속으로/71-Into the Fire”(砲火の中へ)
 監督:イ・ジェハン
 出演:チャ・スンウォン、クォン・サンウ、チェ・スンヒョン(T.O.P)
 物語:1950年8月。北朝鮮の圧倒的な兵力に太刀打ちできず、韓国軍はもうこれ以上は下がれないというくらいに後退を余儀なくされる。しかしながら、洛東江(ナクトガン)だけはなんとしても死守しなければならないと考えた軍部は、兵力.をそこに結集させることに決める。その結果、浦項(ボハン)は、まともに射撃訓練もしたことがない学徒兵71名に任されることになる。そこを北朝鮮の進撃隊が襲う……。
 2010年6月16日韓国公開。

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 ・『裸足の夢』“맨발의 꿈/ A Barefoot Dream”
 監督:キム・テギュン
 出演:パク・ヒスン、清水圭
 物語:韓国のプロ・サッカー選手だった主人公が、引退後、一旗挙げようと考えて、独立後まもない東ティモールに向かうが、東ティモールの人々はまだ貧困に苦しんでいて、彼の思惑は外れてしまう。しかし、あきらめて韓国に帰ろうとしていた時、彼は、裸足でサッカーに興じる子どもたちを目撃し、彼らに本格的なサッカーを教えてあげたいと考え、監督として、無償で指導を行なうために東ティモールに残ることにする……。
 2010年6月24日韓国公開。
 米国アカデミー賞2011外国語映画賞韓国代表作品。

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 ・“이끼/Moss”(苔)
 監督:カン・ウソク
 出演:チョン・ジェヨン、パク・ヘイル、ユ・ジュンサン、ユ・ソン
 物語:ヘグクは、父の訃報を聞いて、もう何年も帰っていなかった田舎に帰る。都会生活に疲れを感じていた彼は、葬儀が終わってもソウルに戻ろうとはせず、このままずっとここに留まることを宣言する。そんな彼に、村民は、不快感を隠そうとしない。しかし、ある老人の一言で、村民たちはがらっと態度を変えるのだった……。
 2010年7月14日韓国公開。

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 この後、10月の釜山国際映画祭期間中に、釜山映画評論家協会賞と韓国映画評論家協会賞が発表され、11月に大鐘賞、12月に青龍映画賞と大韓民国映画賞が発表される予定になっています(大韓民国映画賞は、2009年は中止されましたが、今年は開催されるのでしょうか)。

 それぞれにノミネート対象期間にズレがあるので、ノミネート作品にもズレが生じ、(それぞれの賞の性格的な違いは別として)受賞結果も微妙に変わってくることになります。

 なので、『グッドモーニング・プレジデント』あたりは釜山映画評論家協会賞や韓国映画評論家協会賞の対象になりますが、今年の青龍映画賞の対象にはならず、といったことが起こってくることになります。

 そういったこととは別に年間最優秀作品を決めるならここに入っていてもおかしくない作品が最初からはいっていないということもあって、例えば、今年で言うと、チョン・ヨンテク“Potato Symphony.”、イ・ジュニクの“Like the Moon Escaping from the Clouds”、イ・チャンドンの“Poetry”、などが入っていません。
 特に、イ・チャンドンの“Poetry”は、今年のカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した、2010年の韓国映画賞レースの大本命であるのに、なぜかここに入れられておらず、その理由がよくわかりません。主演女優のユン・ジョンヒも主演女優賞候補のはずなのですが。

 もっとも、昨年も、昨年の韓国映画賞レースの大本命であった『母なる証明』をエントリーさせていませんでしたから、“常習犯的に”こういうことをやる映画祭/映画賞なのかもしれません。

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 ということはともかく、上記のエントリー作品の中で何が賞を獲るか、今年の韓国映画賞レースを制するのは何かと言うこともちょっと考えてみたいと思います。

 参考にしたのは、韓国映画データベースDaumの星取表で、上記の15作品は、10点満点で以下のような点数をつけられています。

 ・“하녀/The Housemaid”(メイド):4.8
 ・“포화속으로/71-Into the Fire”(砲火の中へ):6.5
 ・“내사랑 내곁에/Closer to Heaven”(私の愛 私のそばに):6.7
 ・『炎のように、蝶のように』:6.8
 ・『グッドモーニング・プレジデント』:6.8
 ・“이끼/Moss”(苔):7.0
 ・“하늘과 바다/Sky and Sea”(ハヌルとパダ):7.1
 ・“용서는 없다/No Mercy”(許すことはできない):7.5
 ・“시크릿/ Secret”(シークレット):7.9
 ・“베스트셀러/Bestseller”(ベストセラー):7.9
 ・“백야행/White Night”(百夜行):8.2
 ・“내 깡패같은 애인/My Dear Desperado”(私のチンピラのような恋人):8.9
 ・“친정엄마/A Long Visit”(実家のお母さん):9.0
 ・“하모니/Harmony” (ハーモニー):9.2
 ・『裸足の夢』:9.5

 カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作である“하녀/The Housemaid”の点が低過ぎて笑ってしまいますが、シノプシスを読んで感じた印象と、これらの点数にはそんなにギャップはありませんから、まあまあ信用していい採点なのだろうと思われます。

 なので、今年の韓国映画界を代表する作品は、ここにエントリーされていない作品を除けば、この上位3作品ということになるでしょうか。(ちなみに、イ・チャンドンの“Poetry”はDaumでは9.1でした)

 トップの『裸足の夢』のことは、米国アカデミー賞2011 外国語映画賞韓国代表に選ばれるまで私は全然知らなかったのですが、ここでも最上位につけていますから、アカデミー賞韓国代表はダテではなく、2010年の韓国映画界を代表する作品の1つと見て間違いないと思われます。

 もっとも昨年の利川春史映画大賞映画祭では、Daumで4.8だった『渇き』に監督賞をあげたりしていますから、これらの点数通りに賞が与えられるとは限らないようです。

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 外国映画は日本ではなかなか公開されなくなったといいますが、韓国映画は、それでも、めぼしい作品はほとんど公開されているので、これらの作品も大半はなんらかの形で観ることができるのではないでしょうか。個人的に特に気になるのは、やっぱり上位3作品でしょうか。

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 *当ブログ記事
 ・米国アカデミー賞2011 外国語映画賞韓国代表作品決定:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_11.html
 ・利川春史映画大賞映画祭2009 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200910/article_6.html
 ・百想芸術大賞2010:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201004/article_4.html
 ・青龍映画賞2009:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_5.html
 ・大鐘賞2009:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_10.html
 ・釜山映画評論家協会賞2009:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200910/article_7.html
 ・韓国映画評論家協会賞2009:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200910/article_7.html
 ・映画祭&映画賞カレンダー 2010年5月~2011年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_23.html

 追記:
 利川春史大賞映画祭2010 各賞発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_30.html

この記事へのコメント

ペンちゃん
2010年09月11日 22:33
先日に引き続き、また、書き込みさせていただきます。
「裸足の夢」好評が大変うれしいです。
で、それに加えて、ブログきていただいたときに気づかれたと思いますが、本来のブログ主旨は、チョ・スンウさんの記事をメインで取り上げています。
今回、公開は少し前になるけれど、主演の「炎のように、蝶の様に」が入っていたのにビックリしました。
スンウ氏、入隊後の公開で本人がまったくPRに立てなかったのでスエさんが劇場回りをされました。
日本での上映は難しいように思いましたが、CS放送とDVDの発売があって、ほっとしています。
umikarahajimaru
2010年09月11日 22:49
ペンちゃんさま
またまたコメントありがとうございます。
『炎のように 蝶のように』は、2009年度の映画賞レースに度々顔を出していた作品なので、ずっと気になっていました。知らないうちにDVDになっていたんですよね。
寡黙な男の一途な愛をテーマにした作品らしくて、個人的にタイプの作品かもしれないと感じています。まだレンタルショップを探すことはしていませんが、機会があれば、観たいと思っています。

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