さて、今年の目玉は? SKIPシティDシネマ国際映画祭2010 ラインナップ発表!

 SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2010のラインナップが発表されましたね。

 この映画祭は、デジタルシネマに特化した映画祭ですが、これまで、のちのち国際的に高い評価を受けることになる作品や、のちに注目を浴びることになる監督の作品をいち早く上映していた、ということが度々あり、セレクションの確かさには定評があります。

 映画祭の公式HPにアーカイブがないので、過去の主だった上映作品を書き出しておくと以下のようになります。

 2009年
 ・『あなたなしでは生きていけない』“不能没有你”(2009/台湾) 監督:レオン・ダイ
 米国アカデミー賞2010 外国語映画賞台湾代表。台湾・金馬奨2009 8部門ノミネート4部門受賞(作品賞・監督賞・脚本賞・台湾映画賞)。華語電影傳媒大奨2010 4部門ノミネート3部門受賞(作品賞・監督賞・主演男優賞)。
 ・『ノラの遺言』“Nora’s Will”(2008/メキシコ) 監督:マリアナ・チェニッリョ
 アリエル賞11部門ノミネート7部門受賞(作品賞・監督賞・主演男優賞・助演女優賞・脚本賞・メイキャップ賞・作曲賞)。マル・デル・プラタ国際映画祭2009グランプリ受賞。マイアミ国際映画祭2009観客賞受賞。モスクワ国際映画祭2009 コンペティション部門出品。
 ・『それぞれの場所で』“Here and There”(2009/セルビア・独・米) 監督:ダルコ・ロングロヴ
 米国アカデミー賞2010 外国語映画賞セルビア代表。
 ・『ジョニー・マッド・ドッグ』“Johnny Mad Dog”(2008/仏・ベルギー・リベリア) 監督:ジャン=ステファヌ・ソヴェール

 2008年
 ・『戦禍の下で』“Sous les bombes”(2007/レバノン) 監督:フィリップ・アラクティンジ
 米国アカデミー賞2009 外国語映画賞レバノン代表。
 ・『キャプテン アブ・ラエド』“Captain Abu Raed”(2007/ヨルダン・米) 監督:アミン・マタルカ
 米国アカデミー賞2008 外国語映画賞ヨルダン代表。

 2007年
 ・『うつろいの季節』“Climates”(2006/トルコ) 監督:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
 カンヌ国際映画祭2006 コンペティション部門出品。国際批評家連盟賞受賞。
 ・『私に関する独逸でのこと』“My Own Private Deutschland / 我自己徳意志”(2006/中) 監督:チャオ・リャン
 『北京陳情村の人々』のチャオ・リャン監督の前作。

 2005年
 ・『ある愛の風景』(上映題:ブラザース)“Brødre”(2004/デンマーク) 監督:スザンネ・ビア
 ・『君とボクの虹色の世界』(上映題:ミー・アンド・ユー・エヴリワン・ウィ・ノウ)“Me and You Everyone We Know”(2005/米) 監督:ミランダ・ジュライ
 ・『世界』(2005/中・日・仏) 監督:ジャ・ジャンクー

 2004年
 ・『ウィルバー・ウォンツ・トゥ・キル・ヒムセルフ』(シネフィル・イマジカでの放映題:『ウィルバーの事情』)“Willbur Wants to Kill Himself”(2002/デンマーク) 監督:ロネ・シェルフィグ
 『幸せになるためのイタリア語講座』(2000)と『17歳の肖像』(2009)の間に製作されたロネ・シェルフィグ監督作品。

 のちに劇場公開された作品もありますが、高い評価を受けながら、ここ以外では上映されなかった作品も多々あります。

 今年もこのクラスの作品がエントリーされているのかどうかはわかりませんが、要注目のラインナップであることは間違いありません。

 SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2010:7月23日~8月1日@SKIPシティ(埼玉県川口市)

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 長編部門(国際コンペティション)】

 ◆海外作品

 ・『やがて来たる者』“The Man Who Will Come(L'Uomo Che Verrà)”(2009/伊) 監督:ジョルジョ・ディリッティ(Giorgio Diritti)
 出演:マヤ・サンサ、アルバ・ロルヴァケル、Greta Zuccheri Montanari、Claudio Casadio
 物語:1943年の冬。貧しい農家で育った8歳のマルティナは、母親が弟を生むのを楽しみにしていた。しかし、その弟が生後まもなく死んでしまい、彼女はショックのあまり口が利けなくなる。母親はまた妊娠するが、だんだんと戦争の足音が近づいてき、生活は、パルチザンとナチの間で、さらに厳しいものとなる。母親は、1944年の9月28日と29日の間に無事出産するが、その日は、のちに「マルツァボットの大虐殺」と呼ばれることになる事件の起こった日であった……。
 イタリア映画祭2010で上映。アルシネテラン配給で劇場公開予定。
 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞2010 16部門ノミネート3部門受賞(作品賞・録音賞・プロダクション賞)。ナストロ・ダルジェント賞2010 7部門ノミネート3部門受賞(美術賞・音響賞・プロデューサー賞)。イタリア・ゴールデングローブ賞2010 外国人記者グランプリ受賞。

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 ・『マジック・シルバー』“Magic Silver(Julenatt I Blåfjell)”(2009/ノルウェー) 監督:カタリーナ・ラウニング(Katarina Launing)、ローアル・ユートハウグ(Roar Uthaug)
 物語:「ノルウェーの雪で覆われた山中に青いノームという小人たちが住んでいた。父王の病を治すために初めて外界に出た臆病な姫君の冒険は、農園の納屋に住む赤いノームたちも巻き込んで思わぬ方向に。」
 カノン賞(ノルウェー・アカデミー賞)2010 美術賞受賞。ズリーン国際映画祭2010上映作品。

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 ・『闇への一歩』“A Step into the Darkness(Büyük Oyun)”(2009/イラク・トルコ) 監督:アトゥル・イナッチ(Atil Inac)
 物語:「イラクの戦闘で家族を殺された少女は、兄を捜しに厳しく長い旅に出る。途中ひどい目に遭いながらもイスラム武装軍の手でやっとトルコに着くが、そこで彼女を待っていたのは自爆テロへの道だった。」
 モントリオール世界映画祭2009 フォーカス・オン・ワールド・シネマ部門上映作品。イスタンブール国際映画祭2010 ナショナル・コンペティション出品。

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 ・『テヘラン』“Tehroun”(2009/イラン・仏) 監督:ナデール・T・ホマユン(Nader T. Homayoun)
 物語:「テヘランで運試しをしようとイブラヒムは家族を置いて村を出てきた。だが彼の夢はすぐに悪夢に変わる。新生児の人身売買ビジネスに巻き込まれたイブラヒムは友人たちと街の危険地帯へと向かう。」
 初監督作品。
 ベネチア国際映画祭2009 批評家週間 “Veneto Region for Quality Cinema” Award受賞。

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 ・『鉄屑と海と子どもたち』“Children Metal Divers(Bakal Boys)”(2009/フィリピン) 監督:ラルストン・ジョバー(Ralston G. Jover)
 物語:「海に潜って鉄屑を拾う“Bakal Boys”と呼ばれる子どもたち。ある日、力を合わせて海の中から錨を引き上げるが、気がつくとウトイの親友の姿が消えていた。捜し続けるウトイは人魚伝説を思い出す」
 釜山国際映画祭2009 アジア映画の窓部門上映作品。テッサロニキ映画祭2009 スペシャル・メンション(脚本と題材に対して)。バンクーバー国際映画祭 Dragons&Tigers部門上映作品。

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 ・『透析』“Judge”(2009/中) 監督:リウ・ジエ(Liu Jie)
 物語:「車を盗んだ罪だけで死刑判決を受けた男。判決を下した裁判長の娘は別の盗難車事故で死んでいた。腎臓を患う裕福な男は死刑囚に臓器提供を持ちかける。だが死刑執行直前に法律が改正された。」
 ベネチア国際映画祭2009 orizzonti部門上映作品。釜山国際映画祭2009 アジア映画の窓部門上映作品。マイアミ国際映画祭2010 ワールド・コンペティション出品、国際批評家連盟賞受賞。

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 ・『けがれなき愛』“The Fair Love”(2009/韓) 監督:シン・ヨンシク(Shin Yeon-Shin)
 物語:「ヒョンマン(アン・ソンギ)はがんで死んだ友人から大学生の娘の世話を頼まれていた。カメラ修理のことしか知らない彼は娘の示し始めた愛に戸惑うが、やがて自分の中に娘への愛が芽生えているのに気づき始める。」
 釜山国際映画祭2009 ガラ・プレゼンテーョン上映作品(ワールド・プレミア)。

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 ・『センタープレイス』“Centre Place”(2009/オーストラリア) 監督:ベン・シャックル・フォード(Ben Shackleford)
 物語:「「センタープレイス」のブティックに勤めるリジー。パリに二人で行くという前日にボーイフレンドと破局。悲嘆にくれる中、家を出た父や昔の恋人が現れたりと、にぎやかに彼女の人生は狂い始めた。」

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 ・『不毛の丘』“George Ryga's Hungry Hills”(2009/カナダ) 監督:ロブ・キング(Rob King)
 物語:「少年院を出て叔母のもとに戻ったスニットを受け入れてくれたのは、森の中で酒の密造をしている少年ジョニーだけだった。やがて警官ロイの追及や売人の裏切りで二人は徐々に追い詰められていく。」
 トロント国際映画祭2009 Canada First!部門上映作品。

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 ・『ニュースメーカーズ』“Newsmakers(Goryachie Novosti)”(2009/ロシア) 監督:アンダシュ・バンケ(Anders Banke)
 物語:「警察の威信を取り戻すために強盗団の逮捕劇をテレビのリアリティショーとして放映することを企画した警察の報道官カティア。だが追い詰められた強盗団は思わぬ手段で彼女の野望に対抗し始めた。」
 ※特別上映(審査対象外)
 釜山国際映画祭2009 ミッドナイト・パッション部門上映作品。トランシルヴァニア国際映画祭2010 Shadows部門上映作品。
 DVDリリース済み。

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 ◆国内作品

 ・『seesaw』“Seesaw”(2010/日) 監督:完山京洪
 ・『東京うんこ』“Tokyo Unko”(2009/日) 監督:村松英治
 ・『未来の記録』“Record Future”(2009/日) 監督:岸建太朗

 ※審査員:増田久雄(プロデューサー/監督)、冨永理生子(東映映画企画製作部プロデューサー)、ヴィッキー・シゲクニ・ウォン(『HACHI 約束の犬』などのプロデューサー)、ロジャー・ガルシア(プロデューサー/映画評論家/映画祭ディレクター)、シッセ・グラウム・ヨルゲンセン(デンマークの映画製作会社Zentropaのプロデューサー)

 【短編部門(国内コンペティション)】

 ・『家族デッキ』“Family Deck”(2009/日) 監督:村田朋泰
 ・『ゴリラの嘘』“Lie of the Gorilla”(2010/日) 監督:草苅勲
 ・『イチゴジャム』“Strawberry Jam”(2009/日) 監督:庭月野議啓
 ・『隣人ルサンチマン』“Ressentiment”(2009/日) 監督:檀拓磨
 ・『夏の移動図書館』“Summer Bookmobile”(2009/日) 監督:竹葉リサ
 ・『切符師~』“SEPPUSHI~”(2009/日) 監督:高嶋義明
 ・『不幸買います』“Unhappiness for Sale”(2009/) 監督:泊誠也
 ・『KARAKURI』“Karakuri”(2010/日) 監督:石田肇
 ・『濡れるのは恋人たちだけではない』“Dear Kumashiro”(2010/日) 監督:高野徹
 ・『Kingyo』“Kingyo”(2009/日・マレーシア) 監督:エドモンド楊

 ※審査員:桝井省志、佐野史郎、襟川クロ

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 【その他の上映作品】

 ◆Dシネマの潮流2010
 ・『幸福の黄色いハンカチ デジタルリマスター』(1977)(デジタルリマスター版2010年) 監督:山田洋次

 ◆招待作品
 ・『きな子~見習い警察犬の物語~』(2010/日) 監督:小林義則

 ◆SKIPシティ・セレクション
 ・『海の金魚』(2010/日) 監督:雑賀俊郎
 ・『E.YAZAWA ROCK』(2009/日) 監督:増田久雄
 ・『幸福の黄色いハンカチ デジタルリマスター』バリアフリー版(1977)(バリアフリー版/字幕・音声ガイド付き 2010年) 監督:山田洋次

 ◆シネマ歌舞伎
 ・『怪談 牡丹燈籠』(2007年10月の上演収録版) 演出:戌井市郎

 ◆Livespire
 ・『ミラノ・スカラ座オペラ「椿姫」』(2007年のイタリアでの上演収録版) 演出絵:リリアーナ・カヴァーニ

 ◆D-Cinema Now(3D上映)
 ・『くもりときどきミートボール』(2009/米) 監督:フィル・ロード、クリス・ミラー

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 長編コンペティション部門は、これまではもうちょっとプレミア度の高い作品が多かった気もしますが、デジタル映画も一般的になり、フィルム作品と比べてもほとんど見劣りしない作品も多くなってきたということもあってか、上映機会も増え、これ以前にどこかの映画祭で上映されている作品が多くなっています。

 その中では、『やがて来たる者』が、アタマ1つや2つ飛び抜けて評価が高い気がしますね。もう十分に高い評価を受けているのだから、何もここのコンペに出さなくてもいいんじゃないかと思ったりもしますが、日本語字幕入りのプリントを有効利用しようというような意図で出品しているのでしょうか。

 それ以外での注目作は、まず『テヘラン』と『透析』あたりでしょうか。ビジュアル的に気になる作品もあといくつかあります。

 会場までのアクセスがかなり大変ですが、行ってみる価値はありそうですね。

 公式HP:http://www.skipcity-dcf.jp/ja/

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 *当ブログ記事
 ・映画祭&映画賞カレンダー 2010年5月~2011年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_23.html

 ※追記
 受賞結果:
 [長編部門(国際コンペティション)]
 ・最優秀作品賞:『やがて来たる者』
 ・監督賞:リウ・ジエ( 『透析』)
 ・脚本賞: 『鉄屑と海と子どもたち』
 ・審査員特別賞:『テヘラン』

 [国内作品部門]
 ・SKIPシティアワード: 『seesaw』

 [短編部門(国内コンペティション)]
 ・最優秀作品賞:『隣人ルサンチマン』
 ・奨励賞:『家族デッキ』
 ・奨励賞:『ゴリラの嘘』

この記事へのコメント

あの~
2010年06月27日 18:42
「ニュースメーカーズ」の解説が「闇への一歩」になっています。

知ってられるかもしれませんが、「ニュースメーカーズ」はすでに日本版DVDも出ていますが、ジョニー・トー監督の香港映画「ブレイキング・ニュース」(大事件)をロシアでリメイクしたものです。
この時期になってまさか日本で映画祭上映されるとは思いませんでした。
スクリーンで見たら迫力があるでしょうね。
umikarahajimau
2010年06月27日 20:19
あの~さま
訂正させていただきました。どうもありがとうございました。

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