日本からは11作品! 第12回ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭!

 第12回ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭(BAFICI)の各賞が発表され、映画祭が閉幕しました(4月7日~18日)。

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 【インターナショナル・コンペティション】(International Official Selection)

 ・“Cuchillo de palo”(西・パラグアイ) 監督:Renate Costa
 ・“La mujer sin piano”(西・仏) 監督:Javier Rebollo
 ・“La quemadura”(仏・西) 監督:René Ballesteros
 ・“Les Beaux Gosses”(仏) 監督:Riad Sattouf
 ・“La bocca del lupo(The Mouth of the Wolf)”(伊) Pietro Marcello
 ・“The Robber”(オーストリア・独) 監督:Benjamin Heisenberg
 ・“Police, Adjective”(ルーマニア) 監督:Corneliu Porumboiu
 ・“Ajami”(イスラエル・独) /監督:Scandar Copti、Yaron Shani
 ・“Red Dragonflies”(シンガポール) 監督:Liao Jiekai
 ・『メアリーとマックス』“Mary and Max”(オーストラリア) 監督:アダム・エリオット
 ・“Bummer Summer”(米) 監督:Zach Weintraub
 ・“Go Get Some Rosemary (Daddy Longlegs)”(米) 監督:Joshua Safdie、Benny Safdie
 ・“Putty Hill”(米) 監督:Matt Porterfield
 ・“Alamar(To The Sea)”(メキシコ) 監督:Pedro González-Rubio
 ・“Os famosos e os duendes da morte”(ブラジル) 監督:Esmir Filho
 ・“Paraíso”(ペルー) 監督:Héctor Gálvez
 ・“Centro”(アルゼンチン) 監督:Sebastián Martínez
 ・“El ambulante”(アルゼンチン) 監督:Eduardo de la Serna、Lucas Marcheggiano 、Adriana Yurcovich
 ・“Lo que más quiero”(アルゼンチン) 監督:Delfina Castagnino

 ◆グランプリ
 ◎“Alamar(To The Sea)”(メキシコ) 監督:Pedro González-Rubio
 物語:若きメキシコ人の父親と、半分イタリア人の血が入った息子が、やむを得ない理由から離れ離れになることになって、2人は世界で2番目に大きなサンゴ礁へと旅をする。
 Pedro Gonzalez-Rubioの第2長編で、プロダクションは、カルロス・レイガダスとアマ・エスカランテが設立したMantarraya Producciones。
 トロント国際映画祭2009 VISIONS部門出品。
 ロッテルダム国際映画祭2010 タイガー・アワード受賞。
 ベルリン国際映画祭2010 ジェネレーション K plus長編部門出品。
 マイアミ国際映画祭2010 審査員グランプリ受賞。

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 ◆監督賞
 ◎Corneliu Poromboiu “Police, Adjective”(ルーマニア)
 出演:Dragoş Bucur、ブラド・イワノフ
 物語:クリスティは警察官だが、学校で大麻を売った若者を逮捕することをためらう。大麻を売ることは違法なのだが、法律にも問題があり、今、この若者を前科者にしてしまうことで彼の未来を奪ってしまうことにも疑問を感じたのだ……。
 カンヌ国際映画祭2009 ある視点部門出品。審査員賞&国際批評家連盟賞受賞。
 トランシルヴァニア国際映画祭2009 グランプリ。
 ハンブルグ・フィルム・フェスト 外国人記者協会賞。
 トロント国際映画祭2009 CONTEMPORARY WORLD CINEAMA部門出品。
 米国アカデミー賞2010 外国語映画賞ルーマニア代表。
 GOPO賞2010 作品賞・監督賞・主演男優賞・助演男優賞・脚本賞・撮影賞受賞。

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 ◆審査員特別賞
 ◎“La bocca del lupo(The Mouth of the Wolf)”(伊) 監督:Pietro Marcello
 物語:エンゾは、長い服役を終えて、ジェノバの街に帰ってくる。彼は、久しぶりに街を歩いてみるが、そこにはかつて彼が知っていたような場所はもうほとんど残されていない。しかし、ただ一人メアリーだけがずっと彼の帰りを待っていたのだった。
 トリノ映画祭2009 グランプリ&国際批評家連盟賞受賞。
 ベルリン国際映画祭2010 フォーラム部門 テディ賞 最優秀ドキュメンタリー作品、カリガリ賞受賞。
 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞2010 ドキュメンタリー賞ノミネート。

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 ◆最優秀アルゼンチン映画(Distinción a Mejor Película Argentina)
 ◎“Lo que más quiero(What I Love the Most)” Delfina Castagnino.
 出演:Pilar Gamboa、María Villar、Esteban Lamothe、Leonardo Castañeda
 物語:ブエノスアイレスの女の子と南部の女の子が、一緒に南部の女の子の方の家で過ごすことになる。一方は、数日前に父親を失ったばかり、もう一方は4年つきあったボーイフレンドとの仲が危機状態にある。互いの心の傷はそう簡単には癒されない。美しい森や湖といった風景は、つかの間、彼女たちの気持ちを鎮めてはくれるが、いつかは現実に戻らなければならないということはわかっている……。

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 ◆男優賞
 ◎Dragoş Bucur “Police, Adjective”(ルーマニア).

 ◆女優賞
 ◎Pilar Gamboa、María Villar “Lo que más quiero(What I Love the Most)”(アルゼンチン)

 ◆国際批評家連盟賞
 ◎“Lo que más quiero(What I Love the Most)”(アルゼンチン)

 ◆SIGNIS賞
 ◎“La bocca del lupo(The Mouth of the Wolf)”(伊)

 ◆SIGNIS賞メンション
 ◎“Alamar(To The Sea)”(メキシコ)

 ◆ADF賞(アルゼンチン撮影作家協会賞:Argentine Association of Cinematographic Photography Authors Asociación Argentina de Autores de Fotografía Cinematográfica)
 ◎Director:Mauro Pinheiro Jr. “Os famosos e os duendes da morte”

 【アルゼンチン・コンペティション】(Argentine Official Selection)

 ・“El pasante” 監督:Clara Picasso
 ・“El Rati Horror Show” 監督:Enrique Piñeyro
 ・“El recuento de los daños” 監督:Inés de Oliveira Cézar
 ・“Gorri” 監督:Carmen Guarini
 ・“Hacerme feriante” 監督:Julián d’Angiolillo
 ・“Invernadero” 監督:Gonzalo Castro
 ・“Las pistas - Lanhoyij - Nmitaxanaxac” 監督:Sebastián Lingiardi
 ・“Los actos cotidianos” 監督:Raúl Perrone
 ・“Los labios” 監督:Iván Fund、Santiago Loza
 ・“Ocio” 監督:Juan Villegas、Alejandro Lingenti
 ・“Rodríguez” 監督:Julián Borrell、 Demian Santander
 ・“Somos nosotros” 監督:Mariano Blanco
 ・“Torino” 監督:Agustín Rolandelli

 ◆グランプリ
 ◎“Invernadero(Winter-house)” 監督:Gonzalo Castro.
 出演:Mario Bellatin、Marcela Castañeda、Graciela Goldchluk、Laura Petrecca、Margo Glantz
 実際に小説家でもあるMario Bellatinが著名な小説家を演じた作品で、ある種、Mario Bellatinについてのドキュメンタリーにも見える、ノンフィクションとフィクションの境界線上にあるような作品だとか。

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 ◆監督賞
 ◎Iván Fund、Santiago Loza “Los labios”
 物語:3人の女性が、今は誰も住んでいないサンタフェの寂れた地区にやってくる。彼らは、そこにあった廃墟の病院を拠点に、この地区を調べ、生かせるところは生かし、直せるところは直し、最初からなかった、あるいはもう使いものにならなくなったところは補うなどして、町としての機能を再生させていく……。
 原題の“Los Labios(The Lips)”は、ハンセン氏病患者でも、最初から拒絶したのでは何の解決にもならない。まず受け入れてキスするところから始めようといった意味合いがこめられているようです。
 カンヌ国際映画祭2010 ある視点部門出品作品。

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 ◆審査員特別賞
 ◎“Somos nosotros” 監督:Mariano Blanco.

 ◆撮影賞
 ◎“Las pistas – Lanhoyij- Nmitaxanaxac” Sebastián Lingiardi.

 ◆アルゼンチン・シネマトグラフィック・ジャーナリスト協会賞(Association of ArgentineCinematographic Journalists Award / Asociación Cronistas Cinematográficos Argentinos)
 ◎“Los labios”(アルゼンチン) 監督:Santiago Loza、Iván Fund

 ◆FEISAL Award (イベロアメリカン映像&音響学校同盟賞/Iberoamerican Federation of Image and Sound Schools / Federación Iberoamericana de Escuelas de la Imagen y el Sonido).
 ◎優秀賞:“Los labios”(アルゼンチン) 監督:Santiago Loza、Iván Fund

 【短編コンペティション】(Short Films Official Competition)

 ◆最優秀短編賞
 ◎“Sábado uno”(アルゼンチン) 監督:Ignacio Rogers
 ◎“Mientras paseo en cisne”(アルゼンチン) 監督:Lara Arellano
 ◎“La mia casa”(アルゼンチン) 監督:Marcelo Scoccia

 ◆メンション
 ◎“Los árboles se mueven, Sergio. Sí, Christian”(アルゼンチン) 監督:Christian Nunclares、Sergio Subero

 【ヒューマン・ライツ・コンペティション】(Human Rights Competition)

 ◆作品賞
 ◎“Cuchillo de palo(108)”(西・パラグアイ) 監督:Renate Costa
 保守的なパラグアイ社会の中で、ホモセクシャルとして迫害され、失意のうちに死んだ、監督の叔父ロドルフォについてのドキュメンタリー。
 ベルリン国際映画祭2010 パノラマ部門出品作品。

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 ◆メンション
 ◎“Octubre Pilagá, relatos sobre el silencio”(アルゼンチン) 監督:Valeria Mapelman
 ◎『北京陳情村の人々』“Petition”(中・仏) 監督:チャン・リャン
 ◎“El Rati Horror Show”(アルゼンチン) 監督:Enrique Piñeyro

 【シネマ・オブ・ザ・フューチャー コンペティション】(Cinema of the Future)

 ◆最優秀作品賞
 ◎“Morrer como un homem”(仏・ポルトガル) 監督:João Pedro Rodriguez

 ◆メンション
 ◎“Sewer”(フィリピン) 監督:Sherad Anthony Sanchez

 ◆FEISAL Award (イベロアメリカン映像&音響学校同盟賞/Iberoamerican Federation of Image and Sound Schools / Federación Iberoamericana de Escuelas de la Imagen y el Sonido).
 ◎メンション:“El vuelco del Cangrejo”(コロンビア) 監督:Oscar Ruíz Navia

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 映画祭のプログラムとしては、上記部門のほかに、以下の部門があります。

 ・アルゼンチン短編コンペティション部門 16本
 ・アルゼンチン短編エキジビジョン部門 18本
 ・Focus & Retro:ベルリン国際映画祭の40年 13本
 ・Focus & Retro:Tizza CoviとRainer Frimmelのミニ特集 3本
 ・Little Bafici 18本
 ・パノラマ部門 43本
 ・パノラマ/キャリア部門 31本
 ・パノラマ/Cinema+Cinema部門 5本
 ・パノラマ/Dialogs部門 11本
 ・パノラマ/ Edgardo Cozarinsky: Private fictions 2本
 ・パノラマ/Flashback部門 9本
 ・パノラマ/Late Night部門 16本
 ・パノラマ/Latin American Maudits部門 6本
 ・パノラマ/Methods部門 9本
 ・パノラマ/Modern Classics部門 6本
 ・パノラマ/Music部門 17本
 ・パノラマ/People & Characters部門 14本
 ・パノラマ/Places部門 13本
 ・パノラマ/The Earth Trembles部門(ドキュメンタリー部門) 17本
 ・Retros & Focus:Marie Losier(アメリカ)特集 11本
 ・Retros & Focus:Chris Petit(イギリス)特集 10本
 ・Retros & Focus:発見された映画たち(Focus Found Footage)部門 37本
 ・Retros & Focus:Jean-Gabriel Périot(フランス)特集 9本
 ・Retros & Focus:中国映画のラディカルな視点(Focus Radical visions from China) 8本
 ・Retros & Focus:Reynold Reynolds(ドイツ)特集 5本
 ・Retros & Focus:アラン・ギロディー(フランス)特集 6本
 ・Retros & Focus:Bernhard Sallmann(ドイツ)特集 7本
 ・Retros & Focus:Rogério Sganzerla(ブラジル)特集 10本
 ・Retros & Focus:Peter Liechti(スイス)特集 5本
 ・スペシャル・ナイト部門 3本

 もう、上映本数が尋常ではありませんが、これらの作品を13の会場を使って上映しています。(この映画祭の名前を冠した会場もあるようです。)

 この映画祭のことは、日本ではほとんど全く知られていないと思いますが、10本あまりの日本映画が上映されています。

 ・岩名雅記 “A Summer Famiry” シネマ・オブ・ザ・フューチャー部門
 ・原一男 『極私的エロス 恋歌1974』(1974) Focus & Retro:ベルリン国際映画祭の40年
 ・原一男 『ゆきゆきて、神軍』(1987)  Focus & Retro:ベルリン国際映画祭の40年
 ・原一男 『全身小説家』(1994)  Focus & Retro:ベルリン国際映画祭の40年
 ・Jessica Oreck “Beetle Queen Conquers Tokyo”(米・日) Little Bafici部門
 ・石井裕也 『君と歩こう』 パノラマ部門
 ・真利子哲也 『イエローキッド』 パノラマ部門
 ・小林政弘 “Who Are You?” パノラマ/キャリア部門
 ・諏訪敦彦&イッポリト・ジラルド 『ユキとニナ』(日・仏) パノラマ/キャリア部門
 ・菅野将弘 “Second Moon”(日・米・韓) パノラマ/Late Night部門
 ・細田守 『サマーウォーズ』 パノラマ/Late Night部門

 日本からエントリーしているのか、それとも映画祭のディレクターが作品を探しに世界中を飛び回っているのかはわかりませんが、この映画祭は国際的にはけっこう有名であり、これだけ規模の大きいので、海外での上映を目指すならば、候補に考えておいていい映画祭の1つ、と言えるかもしれません。

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 上記受賞作品の中での注目は、今年もう既に国際映画祭4冠となっているメキシコ映画“Alamar”と、カンヌ国際映画祭2010 ある視点部門での上映も決定している“Los labios”、そして、3つも賞を受賞した“Lo que más quiero(What I Love the Most)”でしょうか。

 カンヌ国際映画祭までで、2010年度の重要作品の約半分は出た、ということになるはずですから、“Alamar”は、これで、2010年度アリエル賞や2010年度外国語映画賞候補の最有力候補となり、“Los labios”と“Lo que más quiero(What I Love the Most)”は、2010年のラテンアメリカ映画界を代表する作品の1つになっていくというように思われます。

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 *当ブログ記事
 ・映画祭&映画賞スケジュール表 2009年12月~2010年5月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_32.html

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