ブリランテ・メンドーサがグランプリ! 第27回マイアミ国際映画祭 受賞結果発表!

 マイアミ国際映画祭(3月5日~14日)が閉幕し、各賞の結果が発表になりました。

 マイアミ国際映画祭は、1984年に始まった映画祭で、スペインやラテンアメリカの映画の紹介に積極的で、ペドロ・アルモドバルやフェルナンド・トルエバ、アントニオ・バンデラスなどをアメリカ国内でいち早く紹介した映画祭として知られ、現在も、上映作品の約20%がスペイン語およびラテンアメリカの諸言語の映画で占められています。

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 【ワールド・コンペティション】
 2004年に新設された部門。
 受賞者・受賞作品は以下の通りですが、コンペを争った作品には他に、アントニオ・カンポス“Afterschool”、Adrian Sitaru“Hooked”、カリム・ドリディ“Khamsa”、アレクセイ・ゲルマン Jr.“Paper Soldier”、ハイレ・ゲリマ“Teza”、ヌリ・ブルゲ・ジェイラン『スリー・モンキーズ』など、他の映画祭で話題になったり、賞を受賞したりした作品がいくつもありました。

 ◎審査員グランプリ:“Lola”(フィリピン・仏)  監督:ブリランテ・メンドーサ
 物語:孫の強盗殺人に巻き込まれてしまった2人のローラという老女の物語。一方の孫は被告であり、もう一方の孫は犠牲者である。ともに貧しく、一方は埋葬のための費用にも事欠き、もう一方は保釈金の工面もできない。
 ベネチア国際映画祭2009 コンペティション部門出品作品。
 ドバイ国際映画祭 Muhr AsiaAfrica Awards 長編部門 最優秀作品。
 第4回アジア映画賞 作品賞・監督賞・編集賞ノミネート。

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 ◎観客賞:『ペルシャ猫を誰も知らない』(イラン) 監督:バフマン・ゴバディ
 物語:ネガールとアシュカンは、刑務所を出た後、バンドを組んでいて、ロンドンでギグすることを夢見ていた。お金もパスポートもなく、国を出ることだけでも大変なのだが、彼らは、その前にまず、なんとかして、レコーディングか、法律で禁じられている公衆の面前での演奏をやりたいと考えていた……。
 カンヌ国際映画祭2009 ある視点部門出品。審査員特別賞受賞。
 サンセバスチャン国際映画祭2009上映作品。

 ☆国際批評家連盟賞:“Judge”(中)  監督:Liu Jie
 ベネチア国際映画祭2009 orizzonti部門上映作品。

 ☆CINEUROPA賞(CINEUROPA Prize for Best European Film):“Ordinary People”(仏・スイス・セルビア)  監督:Vladimir Perisic
 物語:早朝。7人の兵士を乗せたバスが、廃工場に到着する。彼らはここで何が行なわれるのか全く教えられないまま、炎天下を待たされる。兵士の1人ジョニーは、新米補充兵で、軍隊になじめずにいた。やがて、1台のバスが到着し、びくびく震えている人々を降ろす。部隊司令官は、彼らに、「この囚人たちはわれわれの敵である」と説明し、彼らに行動を促す……。
 カンヌ国際映画祭2009 批評家週間出品。
 サラエボ映画祭2009 グランプリ/ハート・オブ・サラエボ 作品賞(Heart of Sarajevo For Best Film)、男優賞(Relja Popović)

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 ☆CINEUROPA賞 スペシャル・メンション:“Medal of Honor (Medalia de onoare)”(独・ルーマニア) 監督:Calin Peter Netzer
 物語:イオンは、75歳の年金受給者であるが、今になって第二次世界大戦時の英雄行為に対して勲章を授けると連絡を受ける。彼は、この勲章が何に対してもらえるのか思い出そうとするが、全く心当たりがない。国防省は書面での申請を求めてくるが、頼りの在郷軍人会はこの件に係わり合いになろうとはない。そんな彼に対し、周囲の人間は、自分のやったことも思い出せないのかと、冷ややかな目で見るが、これがお役所仕事による手違いだとわかり、被害者であるはずの彼は、もらえるはずのない勲章をもらおうとした、とさらなる嘲笑を受けてしまう。
 トリノ映画祭2009 Invitation to the Scuola Holden Award/脚本賞、観客賞
 テッサロニキ映画祭2009 審査員特別賞(Silver Alexander)、脚本賞(Tudor Voican)、男優賞(Victor Rebengiuc)、国際批評家連盟賞第50回大会記念賞、技術賞(The ETEKT Technical Excellence award)

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 【イベロ・アメリカン・コンペティション】
 ラテンアメリカとスペイン、ポルトガルの第2作までの監督作品を対象とするコンペテティション部門

 ◎審査員グランプリ:“To the Sea(Alamar)”(メキシコ)  監督:Pedro González-Rubio
 物語:若きメキシコ人の父親と、半分イタリア人の血が入った息子が、やむを得ない理由から離れ離れになることになって、2人は世界で2番目に大きなサンゴ礁へと旅をする。
 Pedro Gonzalez-Rubioの第2長編で、プロダクションは、カルロス・レイガダスとアマ・エスカランテが設立したMantarraya Producciones。
 トロント国際映画祭2009 VISIONS部門出品。
 ロッテルダム国際映画祭2010 タイガー・アワード受賞。
 ベルリン国際映画祭2010 ジェネレーション K plus長編部門出品。

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 ◎観客賞:“Undertow(Contracorriente)”(コロンビア・ペルー・仏・独)  監督:Javier Fuentes-León
 物語:ミゲルは、漁師で、もうすぐ子どもも生まれることになっていたが、サンチアゴとも不倫関係にあった。サンチアゴが水死した時、ミゲルは村のしきたりに則って、サンチアゴの葬儀を行なうことになったが、その儀式の最中にサンチアゴの霊がふたりの情事のことをみんなにばらすのではないかと気が気ではなかった……。
 サンセバスチャン国際映画祭2009 セバスチャン2009賞(Sebastian 2009 Award)受賞。
 サンダンス映画祭2010観客賞受賞。

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 ◎脚本賞(Jordan Alexander Ressler Screenwriting Award):“The Last Summer of La Boyita”(アルゼンチン・西・仏) 監督:Julia Solomonoff
 ハバナ映画祭2009 SIGNIS賞メンション受賞。

 【ドキュメンタリー・コンペティション】

 ◎審査員グランプリ:“Sins of My Father(Pecados de mi padre)”(アルゼンチン・コロンビア) 監督:Nicolás Entel
 マル・デル・プラタ国際映画祭2009 ラテンアメリカ・コンペティション出品。

 ◎審査員スペシャル・メンション:“Kawase-San”(チリ) 監督:Cristián Leighton

 ◎観客賞:“Sins of My Father”(アルゼンチン・コロンビア)  監督:Nicolás Entel

 【カッティング・エッジ・コンペティション】(CUTTING THE EDGE & CUTTING THE EDGE VIDEO ART COMPETITION)
 前衛的な作品を対象とする部門で、昨年より新設。
 昨年はただ“CUTTING THE EDGE”でしたが、ビデオ・アートをも対象とすることを強調したいのか、今回からこのような名称に変わりました。
 今回のエントリー作品は長編が5本、ビデオ・アート作品が6本、短編が6本です。

 ◎審査員グランプリ:“Pepperminta”(スイス・オーストリア) 監督:Pipilotti Rist

 ◎スペシャル・メンション:“Nora”(米) 監督:Alla Kovgan、David Hinton

 【短編コンペティション】

 ◎審査員グランプリ:“Believe”(スコットランド・英) 監督:Paul Wright
 ロカルノ国際映画祭2009 レパード・オブ・トゥモロー部門 金豹賞受賞。

 【オンライン短編コンペティション】(DIESEL ONLINE SHORTS COMPETITION) 新設
 この部門は、ファッション&エンタテインメント・ブランドDieselとのコラボレーションによって、今回から新設された部門で、短編の実験映画(innovative short films)を対象とします。

 ◎審査員グランプリ:“Telegastrovision”(リトアニア) 監督:Antanas Janauskas

 ◎観客賞:“Zombies Vs. Vampires”(米) 監督:Franz Palomares

 【フロリダ・フォーカス・コンペティション】(FLORIDA FOCUS COMPETITION)
 フロリダの次世代のフィルムメーカーを育てるためのコンペティション部門で、フロリダの高校生と大学生の作品を対象とする。

 ◎最優秀高校生短編作品(Best Short Film by a High School Student):“Last Laugh” 監督:David Harrison (Design & Architecture High School)

 ◎審査員スペシャル・メンション高校生短編作品:“Agyrophobia” 監督:Clara Diez (Design & Architecture High School)

 ◎最優秀大学生短編作品(Best Short Film by a College Student):“Blooming Hope” 監督:Marcela Moyana-Rosero、Fernando Rosero (St. Thomas University)

 ◎最優秀マイアミ・ミニ作品(年齢不問/ Best Miami Mini Film (no age restrictions)):“Where It Stops” 監督:Kyle Shea

 【ホームレス・アワード】(MIAMI COALITION FOR THE HOMELESS AWARD WINNERS)
 ホームレスの苦境を訴えるための、オリジナル・ソング、公共広告、短編を対象とする部門。

 ◎オリジナル・ソング:Luis Martinez (Miami Senior High School)

 ◎公共広告(Best Public Service Announcement):Bailey Stasevich (Miami Beach Senior High School)

 ◎短編:“Last Laugh” 監督:David Harrison (Design & Architecture High School)

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 上映作品のラインナップとしては、国際的に見ると、半周遅れや1周遅れだったりもしますが、言い換えると、それぞれの作品の評価を改めて確認する機会、と言うことできそうです。

 ブリランテ・メンドーサ作品は、こう受賞が続くところを見ると、高度な(奇特な?)シネフィルでなくても評価できる作品であるようで、日本での早期紹介が望まれます。

 昨年はここで、想田和弘監督の『精神』がドキュメンタリー部門で審査員スペシャル・メンションを受賞しましたが、今年は、残念ながら、日本からの新作の出品は1本もなく、したがって受賞作品も出ませんでした。(日本からは、なぜか『愛のコリーダ』が出品され、カッティング・エッジ部門で上映されました(ヴィンテージ作品として)。)

 なお、昨年まであった、男優賞や女優賞はなくなってしまったようです。

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 *当ブログ記事
 ・第26回マイアミ国際映画祭 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200903/article_16.html

 ・2009年度映画賞レース スケジュール表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_32.html
 ・映画祭&映画賞カレンダー 2009年5月~2010年5月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200905/article_6.html

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