5人の日本人がノミネート! 第8回視覚効果協会(VES)賞

 第8回視覚効果協会(VES:The Visual Effects Society)賞のノミネーションが発表になりました。(1月19日)

 視覚効果協会は、ロサンゼルスを本拠地とする世界的な組織で、ノミネーションも、1月10日に、バーバンク、サンフランシスコ、ロンドン、シドニー、バンクーバーの各都市に選考委員が集まって、対象作品の上映会が行なわれ、各地の結果がまとめられたものが今回のノミネーション・リストになっています。

 世界的な組織ということもあって、ノミネーション対象作品は、必ずしもアメリカで公開/上映/放映されている必要がなく、エントリー制で、昨年度は日本から応募された『山のあなた~徳市の恋~』が模型・ミニチュア部門にノミネートされたりもしています。(だから、日本のVFXプロダクションや映画会社ももっと意欲的にエントリーしてみればいいと思うのですが)

 本年度のノミネーションは以下の通りです。

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 【映画部門】

 ◆視覚効果賞 視覚効果が作品に大きく寄与している長編映画部門(Outstanding Visual Effects In A Visual Effects Driven Motion Picture)

 ・『2012』
 ・『アバター』
 ・『第9地区』
 ・『スター・トレック』
 ・『トランスフォーマー/リベンジ』

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 ◆視覚効果賞 視覚効果が補助的に使われている長編映画部門(Outstanding Supporting Visual Effects In A Motion Picture)

 ・『天使と悪魔』
 ・“The Box”
 ・『インビクタス/負けざる者たち』
 ・“The Road”
 ・『シャーロック・ホームズ』

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 ◆視覚効果賞 長編アニメーション部門(Outstanding Animation In An Animated Motion Picture)

 ・“9”
 ・『くもりときどきミートボール』
 ・『コララインとボタンの魔女』
 ・『アイス・エイジ3/ティラノのおとしもの』
 ・『カールじいさんの空飛ぶ家』

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 ◆シングル視覚効果・オブ・ザ・イヤー(Best Single Visual Effect Of The Year)

 ・『2012』 ロサンゼルスからの脱出シーン(“Escape From L.A.”)
 ・『アバター』 クオリッチの脱出シーン(“Quarich’s Escape”)
 ・『アバター』
 ・『ノウイング』 飛行機がクラッシュするシーン(“Plane Crash”)
 ・『ターミネーター4』 VLA脱出シーン(“VLA Escape”)

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 ◆アニメーション・キャラクター賞 長編映画部門(Outstanding Animated Character In A Live Action Motion Picture)

 ・『アバター』 ネイティリ
 ・『第9地区』 Christopher Johnson
 ・『スパイアニマルGフォース』 Bucky
 ・『ウォッチメン』 ドクター・マンハッタン

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 ◆アニメーション・キャラクター賞 長編アニメーション部門(Outstanding Animated Character In An Animated Motion Picture)

 ・『コララインとボタンの魔女』 コラライン
 ・『アイス・エイジ3/ティラノのおとしもの』 バック
 ・『モンスターVSエイリアン』 ボブ
 ・『カールじいさんの空飛ぶ家』 カール “No Dad Scene”

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 ◆長編アニメーションにおけるアニメーション効果賞(Outstanding Effects Animation In An Animated Feature Motion Picture)

 ・『くもりときどきミートボール』
 ・『コララインとボタンの魔女』
 ・『モンスターVSエイリアン』
 ・『カールじいさんの空飛ぶ家』

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 ◆マット・ペインティング賞 長編映画部門(Outstanding Matte Paintings In A Feature Motion Picture)

 ・『アバター』 パンドラ
 ・“Franklyn” “Meanwhile City Scapes”
 ・『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
 ・『スター・トレック』

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 ◆模型・ミニチュア賞 長編映画部門(Outstanding Models And Miniatures In A Feature Motion Picture)

 ・『アバター』 航空輸送機サムソン(Samson)、生命の木(Home Tree)、空に浮かぶ山(Floating Mountains)、AMPスーツ
 ・『コララインとボタンの魔女』
 ・『ナイトミュージアム2』 国立航空宇宙博物館脱出(National Air And Space Museum Escape)
 ・『ターミネーター4』

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 ◆環境クリエーション賞 長編映画部門(Outstanding Created Environment In A Feature Motion Picture)

 ・『2012』 ロサンゼルスの壊滅(Los Angeles Destruction)
 ・『アバター』 空に浮かぶ山(Floating Mountains)
 ・『アバター』 ジャングル(Jungle)、Biolume
 ・『アバター』 柳の空き地(Willow Glade)

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 ◆合成賞 長編映画部門(Outstanding Compositing In A Feature Motion Picture)

 ・『アバター』
 ・『アバター』 最後のバトル(End Battle)
 ・『第9地区』
 ・『シャーロック・ホームズ』 埠頭の爆発シーン(Wharf Explosion Sequence)

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 【テレビ その他の部門】

 ◆視覚効果賞 テレビ ミニシリーズ/テレビ映画/特別番組部門(Outstanding Visual Effects In A Broadcast Miniseries, Movie Or Special)

 ・“Alice” - Night 2
 ・“Ben 10: Alien Swarm” - Montage
 ・“Disney Prep And Landing” - Gadgets, Globes, And Other Garish Gizmos
 ・『ビッグ・バグズ・パニック』“Infestation”
 ・“Skellig”

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 ◆視覚効果賞 テレビ シリーズ番組部門(Outstanding Visual Effects In A Broadcast Series)

 ・『バトルスター・ギャラクティカ シーズン4』“Battlestar Galactica Season 4” エピソード421 “Daybreak”
 ・“Defying Gravity” パイロット版
 ・『FRINGE/フリンジ』“Fringe” エピソード206 “Earthling”
 ・『スターゲイト ユニバース』“Stargate Universe” - Air
 ・“V” パイロット版

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 ◆視覚効果賞 視覚効果が作品に補助的に使われているテレビ番組部門(Outstanding Supporting Visual Effects In A Broadcast Program)

 ・『CSI 科学捜査班』“CSI Crime Scene Investigation” エピソード1001 “Opening Sequence”
 ・“Flash Forward” - No More Good Days
 ・“Kings” エピソード001 “Goliath”
 ・“Krupp-Eine Deutsche Familie” - Krupp
 ・『LOST』“LOST” - The Incident Part 1 & 2

 ◆視覚効果賞 CM部門(Outstanding Visual Effects In A Commercial)

 ・AMF - The Caterpillar
 ・アウディ - Intelligently Combined
 ・Kerry Lowlow - Mouse
 ・ペプシ - The Flight of The Penguin
 ・Plane Stupid - Polar Bears

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 ◆視覚効果賞 特別開催プロジェクト部門(Outstanding Visual Effects In A Special Venue Project)

 ・“Beyond All Boundaries” - Multi-Plane Visual Effects
 ・“Dance of The Dragons” - Eastern

 ◆視覚効果賞 ビデオゲーム リアル・タイム動画部門(Outstanding Real Time Visuals In A Video Game)

 ・“Call of Duty: Modern Warfare 2” - Gulag Extraction
 ・“Fight Night Round 4” - Gameplay
 ・“Need For Speed Shift” - World Sequence
 ・“Uncharted 2: Among Thieves”

 ◆視覚効果賞 ビデオゲーム 予告編部門(Outstanding Visual Effects In A Video Game Trailer)

 ・“DJ HERO”
 ・“Halo 3: Odst - The Life”
 ・“Mass Effect 2”
 ・“Star Wars: The Old Republi” c

 ◆アニメーション・キャラクター賞 実写テレビ番組/CM部門(Outstanding Animated Character In A Live Action Broadcast Program Or Commercial)

 ・AMF - The Caterpillar
 ・Disney Prep And Landing - Wayne
 ・エビアン - Skating Babies
 ・ペプシ - Penguin - “The Flight of The Penguin”

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 ◆マット・ペインティング賞 テレビ/CM部門(Outstanding Matte Paintings In A Broadcast Program Or Commercial)

 ・Kaiser Permanente - Emerald City

 ◆環境クリエーション賞 テレビ/CM部門(Outstanding Created Environment In A Broadcast Program Or Commercial)

 ・AMC Theaters / Coke - Magic Chairs
 ・“Assassins Creed: Lineage” エピソード 1 “Duke Of Milan Assassination”
 ・“Flash Forward” パイロット版 “Freeway Overpass”
 ・“V” パイロット版 “Atrium And Ship Interiors”

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 ◆合成賞 テレビ/CM部門(Outstanding Compositing In A Broadcast Program Or Commercial)

 ・『CSI 科学捜査班』“CSI Crime Scene Investigation” エピソード1001 Opening Sequence
 ・Kerry Lowlow 'Mouse' - Overall
 ・ペプシ - The Flight of The Penguin
 ・ポルシェ - Family Tree

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 ◆学生作品賞(Outstanding Effects In A Student Project)

 ・“The Full Moon Mystery - The Discovery”
 ・“Motherland”
 ・“They Will Come To Town”
 ・“URS - Cliff”

 ◎生涯貢献賞(Lifetime Achievement Award):ジェームズ・キャメロン

 ◎ジョルジュ・メリエス賞:エド・キャットマル(Dr.Ed Catmull)
 この賞は視覚効果部門のパイオニアに贈られます。
 エド・キャットマルは、ルーカスフィルムでCGで手がけ、そこから生まれたピクサーに移り、2006年にピクサーがディズニー傘下となってからは、ピクサーの社長として、ジョン・ラセターとともにバーバンクのディズニー・アニメーション・スタジオの運営に当たっています。視覚効果を手がけた作品としては、『スター・トレック2/カーンの逆襲』(1982)などがあります。

 ※昨年まであった
 「模型・ミニチュア賞 テレビ/CM部門(OUTSTANDING MODELS AND MINIATURES IN A BROADCAST PROGRAM OR COMMERCIAL)」
 「視覚効果賞 ビデオゲーム 近未来動画部門(OUTSTANDING PRE-RENDERED VISUALS IN A VIDEO GAME)」
 「特殊効果賞 映画部門(OUTSTANDING SPECIAL EFFECTS IN A MOTION PICTURE)」
 という3部門がなくなり、
 「視覚効果賞 ビデオゲーム 予告編部門(Outstanding Visual Effects In A Video Game Trailer)」
 が新設になっています。

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 ノミネーション作品としては、『アバター』が7部門で11のノミネーションを受け、『コララインとボタンの魔女』が4部門でノミネートされています。

 VFXプロダクションとしては、『アバター』や『第9地区』に関わったWeta Digitalが最多9つのノミネーションを受けています。


ノミネーションのコンプリート・リストには、ノミネート対象者が細かく明記されているんですが、そこには、日本人の名前もちらほら見られます――

 ◆視覚効果賞 長編アニメーション部門
 “9”
 Jinko Gotoh, 共同プロデューサー(Co-Producer)
  Jinko Gotohは、『ファインディング・ニモ』でアソシエイト・プロデューサーを務めています。

 ◆マット・ペインティング賞 長編映画部門
 『スター・トレック』
 Masahiko Tani, Digimatte

 ◆アニメーション・キャラクター賞 実写テレビ番組/CM部門
 Disney Prep And Landing - Wayne
 四角英孝(Hidetaka Yosumi), キャラクター・テクニカル・ディレクター(Character Technical Director)
 四角英孝は、『ベクシル-2077 日本鎖国-』でも視覚効果を手がけています。

 ◆環境クリエーション賞 長編映画部門
 『2012』
 坂口亮(Ryo Sakaguchi),CG効果アニメーション 主任(CG Effects Animation Lead)
 坂口亮は、ロサンゼルスの映像制作会社デジタルドメイン社に勤め、『父親たちの星条旗』、『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールドエンド』『ライラの冒険 黄金の羅針盤』、『スピード・レーサー』等の視覚効果を手がけています。彼の仕事は、2009年11月のNHK「クローズアップ現代」でも紹介されました。
 公式ブログ:http://thinkingabroadjp.blogspot.com/
 ↑「日本人が外国人と仕事をするには」といったようなテーマのエントリが多かったり……。

 ◆合成賞 テレビ/CM部門
 ペプシ - The Flight of The Penguin
 Miyuki Shimamoto, フレーム・オペレーター(Flame Operator)

 ノミネート数は、部門としては昨年と同じく5つで、顔ぶれはすべて変わっています。

 彼らは、VFX部門の技術スタッフなので、俳優や監督などのような華やかさはありませんが、おそらくは実力次第でどんどん前に出て行ける世界のはずで、こんなにも意欲的に日本人が海外で頑張っていると思うと、とても誇らしげに感じられます。

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 視覚効果協会賞が、他の映画賞と重なっている部分はあまり多くはありませんが、アカデミー賞視覚効果賞とは過去7年間で5回同じ結果となり、アカデミー賞長編アニメーション賞とも過去7年間で5回同じ結果となっています。

 本年度は、前者は『アバター』、後者は『カールじいさんの空飛ぶ家』で、確定的なので、記録はともに6回目となって更新されるのではないでしょうか。

 なお、CM作品は、そのほとんどがYou Tubeで視聴することができます。

 受賞結果の発表は、2月28日です。

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 *当ブログ記事
 ・視覚効果協会賞2009 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200901/article_23.html
 ・視覚効果協会賞2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200902/article_31.html

 ・2009年度映画賞レース スケジュール表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_32.html
 ・映画祭&映画賞カレンダー 2009年5月~2010年5月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200905/article_6.html
 ・2009年度映画賞の結果をまとめてみました! アメリカ編 前半戦:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_43.html

 追記:
 第8回視覚効果協会賞 発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201003/article_4.html

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