ヨーロッパ映画賞2009 受賞結果発表!

 第22回ヨーロッパ映画賞の結果が発表になりました。(12月12日@ドイツ・Ruhr Metropolis)

 ◆作品賞
 ・“Fish Tank”(英・オランダ) 監督:アンドレア・アーノルド
 ・“Låt Den Rätte Komma In (Let The Right One In)”(スウェーデン) 監督:Tomas Alfredson
 ・“Un Prophete (A Prophet)”(仏) 監督:ジャック・オーディアール
 ・『愛を読むひと』(独・英) 監督:スティーヴン・ダルドリー
 ・『スラムドッグ$ミリオネア』(英) 監督:ダニー・ボイル
 ◎“Das Weisse Band (The White Ribbon)”(独・オーストリア・仏・伊) 監督:ミヒャエル・ハネケ

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 ◆監督賞
 ・ペドロ・アルモドバル 『抱擁のかけら』(西)
 ・アンドレア・アーノルド “Fish Tank”(英・オランダ)
 ・ジャック・オーディアール “Un Prophete (A Prophet)”(仏)
 ・ダニー・ボイル 『スラムドッグ$ミリオネア』(英)
 ◎ミヒャエル・ハネケ “Das Weisse Band (The White Ribbon)”(独・オーストリア・仏・伊)
 ・ラース・フォン・トリアー “Antichrist”(デンマーク・スウェーデン・仏・伊)

 ◆男優賞
 ・モーリッツ・ブライプトロイ 『バーダー・マインホフ 理想の果てに』(独・仏・チェコ)
 ・スティーヴ・エヴェッツ 『エリックを探して』(英・仏・ベルギー・伊)
 ・デイヴィッド・クロス 『愛を読むひと』(独・英)
 ・デーヴ・パテル 『スラムドッグ$ミリオネア』(英)
 ◎Tahar Rahim “Un Prophete (A Prophet)”(仏)
 ・Filippo Timi “Vincere”(伊・仏)

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 ◆女優賞
 ・ペネロペ・クルス 『抱擁のかけら』(西)
 ・シャルロット・ゲンズブール “Antichrist”(デンマーク・スウェーデン・仏・伊)
 ・Katie Jarvis “Fish Tank”(英・オランダ)
 ・ヨランド・モロー 『セラフィーヌ』(仏・ベルギー)
 ・Noomi Rapace “Män Som Hatar Kvinnor (The Girl With The Dragon Tattoo)”(スウェーデン・デンマーク・独)
 ◎ケイト・ウィンスレット 『愛を読むひと』(独・英)

 ◆脚本賞
 ・ジャック・オーディアール “Un Prophete (A Prophet)”(仏)
 ・サイモン・ボーフォイ 『スラムドッグ$ミリオネア』(英)
 ・ジャンニ・ディ・グレゴリオ 『8月のランチ』(伊)
 ◎ミヒャエル・ハネケ “Das Weisse Band (The White Ribbon)”(独・オーストリア・仏・伊)

 ◆撮影賞(Carlo Di Palma European Cinematographer Award 2009)
 ・クリスティアン・ベルガー(Christian Berger) “Das Weisse Band (The White Ribbon)”
 ◎アンソニー・ドッド・マントル “Antichrist”(デンマーク・スウェーデン・仏・伊)&『スラムドッグ$ミリオネア』(英)
 ・Maxim Drozdov、Alisher Khamidkhodzhaev “Bumazhny Soldat (Paper Soldier)”(ロシア)
 ・ステファーヌ・フォンテーヌ “Un Prophete (A Prophet)”(仏)

 ◆技術部門賞(European Film Academy Prix D’Excellence 2009)
 ◎フランチェスカ・カルヴェッリ(編集) “Vincere”(伊・仏)
 ・カトリーヌ・ルテリエ (衣裳) 『ココ・アヴァン・シャネル』(仏)
 ・ヴァルデマール・ポクロムスキー(Waldemar Pokromski)(メイキャップ&ヘアメイク) 『バーダー・マインホフ 理想の果てに』(独・仏・チェコ)
 ・ブリジット・テイランディエ(Brigitte Taillandier)、Francis Wargnier、ジャン=ポール・ユリエ(Jean-Paul Hurier)、マルク・ドワーヌ(Marc Doisne)(サウンド・デザイン) “Un Prophete (A Prophet)”(仏)

 ◆作曲賞
 ・アレクサンドル・デプラ 『ココ・アヴァン・シャネル』(仏)
 ・Jakob Groth “Män Som Hatar Kvinnor (The Girl With The Dragon Tattoo)”(スウェーデン・デンマーク・独)
 ◎アルベルト・イングレシアス(Alberto Iglesias) 『抱擁のかけら』(西)
 ・Johan Söderqvist “Låt Den Rätte Komma In (Let The Right One In)”(スウェーデン)

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 ◆ディカバリー賞(第1回作品賞)
 ・“Ajami”(独・イスラエル) 監督:Scandar Copti、Yaron Shani
Produced By Mosh Danon, Thanassis Karathanos & Talia Kleinhendler
 ・“Gagma Napiri (The Other Bank)”(グルジア・カザフスタン) 監督:George Ovashvili
 ◎“Katalin Varga”(ルーマニア・英・ハンガリー) 監督:Peter Strickland
 ・“Sois Sage (Be Good)”(仏・デンマーク) 監督:Juliette Garcias
 ・“Sonbahar (Autumn)”(トルコ・独) 監督:Özcan Alper

 ◆ドキュメンタリー賞 ※これ以前に決定済み
 ・『アニエスの浜辺』“The Beaches of Agnes (Les Plages D’Agnès)”(仏) 監督:アニエス・ヴァルダ
 ・“Below Sea Level”(伊・米) 監督:Gianfranco Rosi
 ・『ビルマVJ』“Burma Vj”(デンマーク) 監督:アンダース・オステルガルド(Anders Østergaard)
 ・“Cooking History (Ako Sa Varia Dejiny)”(スロヴァキア・オーストリア・チェコ) 監督:Peter Kerekes
 ・“The Damned of The Sea (Les Damnés De La Mer)”(ベルギー) 監督:Jawad Rhalib
 ・“Defamation”(デンマーク・オーストリア・イスラエル・米) 監督:Yoav Shamir
 ・『ジェニンの心』“The Heart of Jenin (Das Herz Von Jenin)”(独) 監督:レオン・ゲラー(Leon Geller)、マーカス・ヴェッター(Marcus Vetter)
 ・“Pianomania”(独・オーストリア) 監督:Lilian Franck 、Robert Cibis
 ◎“The Sound of Insects - Record of A Mummy(Das Summen Der Insekten - Bericht Einer Mumie)”(スイス) 監督:Peter Liechti
 ・“The Woman With The 5 Elephants (Die Frau Mit Den 5 Elefanten)”(スイス・独) 監督:Vadim Jendreyko

 ◆長編アニメーション部門
 ◎“Mia And The Migoo (Mia Et Le Migou)” 監督:Jacques-Rémy Girerd
 ・“Niko & The Way To The Stars (Niko - Lentäjän Poika)” 監督:Kari Juusonen & Michael Hegner
 ・“The Secret Of Kells (Brendan Et Le Secret De Kells)” 監督:Tomm Moore

 ◆短編映画賞
 ・ゲント(ベルギー)代表:“Zwemles/Swimming Lesson”(ベルギー) 監督:Danny De Vent アニメーション
 ・コーク(アイルランド)代表:“14”(英) 監督:Asitha Ameresekere
 ・バリャドリド(スペイン)代表:“Lägg M För Mord/Tile M For Murder”(スウェーデン) 監督:Magnus Holmgren
 ・アンジェ(フランス)代表:“Was Bleibt”(独) 監督:David Nawrath
 ・ベルリン代表:“Die Leiden Des Herrn Karpf. Der Geburtstag”(独) 監督:Lola Randl
 ・タンペレ(フィンランド)代表:“Szklana Pulapka/The Glass Trap”(ポーランド) 監督:Pawel Ferdek ドキュメンタリー
 ◎クラクフ代表:“Poste Restante”(ポーランド) 監督:Marcel Łoziński ドキュメンタリー
 ・グリムスター(ノルウェー)代表:“Between Dreams”(仏・ロシア・フィンランド) 監督:Iris Olsson ドキュメンタリー
 ・ヴィラ・ド・コンデ(ポルトガル)代表:“Renovare”(独・ルーマニア) 監督:Paul Negoescu
 ・エジンバラ代表:“Peter In Radioland”(英) 監督:Johanna Wagner ドキュメンタリー
 ・サラエボ代表:“The Herd”(アイルランド) 監督:Ken Wardrop ドキュメンタリー
 ・ベネチア代表:“Sinner”(イスラエル) 監督:Meni Philip
 ・ドラマ(ギリシャ)代表:“Bonne Nuit/Good Night”(ベルギー・仏) 監督:Valéry Rosier

 ◆観客賞(People’s Choice Award)
 ・『バーダー・マインホフ 理想の果てに』(独・仏・チェコ) 監督:ウリ・エデル
 ・『抱擁のかけら』(西) 監督:ペドロ・アルモドバル
 ・『ココ・アヴァン・シャネル』(仏) 監督:アンヌ・フォンテーヌ
 ・『ある公爵夫人の生涯』(英) 監督:ソウル・ディプ
 ・『ナットのスペースアドベンチャー3D』“Fly Me To The Moon”(ベルギー) 監督:ベン・スタッセン
 ・“Män Som Hatar Kvinnor (The Girl With The Dragon Tattoo)”(スウェーデン・デンマーク・独) 監督:Niels Arden Oplev
 ・“Låt Den Rätte Komma In(Let The Right One In”(スウェーデン) 監督:Tomas Alfredson
 ・『8月のランチ』(伊) 監督:ジャンニ・ディ・グレゴリオ
 ◎『スラムドッグ$ミリオネア』(英) 監督:ダニー・ボイル
 ・『トランスポーター3アンリミテッド』(仏) 監督:オリヴィエ・メガトン

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 ◆Prix Eurimages(ヨーロッパ映画への貢献賞/An award acknowledging the decisive role of co-productions in the European film industry)
 ◎ディアナ・エルボール(Diana Elbaum):『やわらかい手』『トマ@トマ』などのプロデューサー
 ◎ヤーニ・ティルトジェ(Jani Thiltges):『やわらかい手』『elles エル』などのプロデューサー

 ◆ワールド・シネマへの貢献賞(European Achievement in World Cinema)
 ◎イザベル・ユペール

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 ◆生涯功労賞(Life Achievement Award)
 ◎ケン・ローチ

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 ◆国際批評家連盟賞大賞
 ◎アンジェイ・ワイダ “Tatarak/Sweet Rush”
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 長編作品部門のノミネーション&受賞状況は以下の通りです。

 ・“Un Prophete (A Prophet)”(1/6):作品・監督・男優・脚本・撮影・技術
 ・『スラムドッグ$ミリオネア』(1/5):作品・監督・男優・脚本・撮影 ※観客賞も受賞
 ・“Das Weisse Band (The White Ribbon)”(3/4):作品・監督・脚本・撮影
 ・“Fish Tank”(0/3):作品・監督・女優
 ・『愛を読むひと』(1/3):作品・男優・女優
 ・『抱擁のかけら』(1/3):監督・女優・作曲
 ・“Antichrist”(1/3):監督・女優・撮影
 ・“Låt Den Rätte Komma In (Let The Right One In)”(0/2):作品・作曲
 ・『バーダー・マインホフ 理想の果てに』(0/2):男優・技術
 ・“Vincere”(1/2):男優・技術
 ・『ココ・アヴァン・シャネル』(0/2):技術・作曲
 ・“Män Som Hatar Kvinnor (The Girl With The Dragon Tattoo)”(0/2):女優・作曲
 ・『エリックを探して』(0/1):男優
 ・『セラフィーヌ』(0/1):女優
 ・『8月のランチ』(0/1):脚本
 ・“Bumazhny Soldat (Paper Soldier)”(0/1):撮影

 受賞結果は、“Das Weisse Band (The White Ribbon)”が、ノミネートされていた4部門のうち3部門、作品賞・監督賞・脚本賞といういわゆる主要3部門を制覇して、完勝という形になりました。
 カンヌ国際映画祭2009 2回戦の様相を呈していた今回のヨーロッパ映画賞は、改めて、“Das Weisse Band (The White Ribbon)”の素晴らしさを讃え、ミヒャエル・ハネケ&イザベル・ユペールに賛辞を贈った、ということになります。イザベル・ユペールが審査員長として個人の好みを優先させたのではないかとか、いろいろ言われた今年のカンヌ国際映画祭パルムドール&受賞結果でしたが、これで、そうした中傷や疑惑は一掃(一蹴)され、名実ともに“Das Weisse Band (The White Ribbon)”が本年度のヨーロッパ映画ナンバーワンとなったわけです。

 そのほかは、「他の有力作品も忘れているわけではありませんよ」とでもいうように、バランスよく賞を配し、見事なくらいにヨーロッパ各国に賞を割り振った、という結果になりました。

 全体としては、今年の米国アカデミー賞とカンヌ国際映画祭の受賞結果をうまくミックスした受賞結果になった、と言えるかもしれません。面白みも意外性もありませんでしたが、まあ、これなら誰も文句は言えないというか……。

 データとしては、これら受賞結果に関し、以下のようなことが挙げられます―

 ヨーロッパ映画賞におけるドイツ映画の強さ(あるいは近年におけるドイツ映画パワー)を改めて証明したようなもので、これでドイツ映画はこの10年間で半数のヨーロッパ映画賞作品賞を受賞したことになります。(『ダンサー・イン・ザ・ダーク』『グッバイ、レーニン』『愛よりも強く』『善き人のためのソナタ』。共同製作作品も含む)

 ドイツからの監督賞受賞は、第1回大会のヴィム・ヴェンダース(『ベルリン・天使の詩』)以来2人目。

 フランスからの男優賞受賞は5人目で、前回2005年は『隠された記憶』でダニエル・オートゥイユが受賞。

 イギリスからの女優賞受賞は、3年連続(昨年は『ずっとあなたを愛してる』でクリスティン・スコット・トーマス、一昨年は『クィーン』でヘレン・ミレン)。

 ドイツからの脚本賞受賞は。この10年間で4度目(『グッバイ、レーニン』『善き人のためのソナタ』『そして、私たちは愛に帰る』)。

 アンソニー・ドッド・マントルの撮影賞は2003年に続き2度目で、前回も『ドッグヴィル』と『28日後…』という2作品での受賞。

 作曲賞のアルベルト・イグレシアスは、2006年の『ボルベール〈帰郷〉』に続いて2度目。

 こうしてみると、毎年、同じような顔ぶれが持ち回りで賞をぐるぐると回している、という風に見えなくもありませんが、そうでありつつも、一方で、人材の交流も映画製作も映画の物語自体も一国あるいは狭い地域にとどまらないものになってきている(しかもそれが近年より顕著になってきている)、ということもできるかと思います。ま、ヨーロッパ映画賞には特にそうした映画が選ばれやすいということもありますが……。

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 これらの結果を受けて、「さあ、次はアカデミー賞だ」という声が既に上がってきていますが、さて、アカデミー賞はどういう結果を出すでしょうか……。

 *当ブログ記事
 ・ヨーロッパ映画賞2009 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_11.html
 ・ヨーロッパ映画賞2009 ロング・リスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200909/article_6.html
 ・ヨーロッパ映画賞2008 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_12.html
 ・映画祭&映画賞カレンダー 2009年5月~2010年5月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200905/article_6.html

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