ヨーロッパ映画賞2009 ノミネーション!

 ヨーロッパ映画賞2009のノミネーションが発表になりました(11月7日)。

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 ◆作品賞
 ・“Fish Tank”(英・オランダ) 監督:アンドレア・アーノルド
 ・“Låt Den Rätte Komma In (Let The Right One In)”(スウェーデン) 監督:Tomas Alfredson
 ・“Un Prophete (A Prophet)”(仏) 監督:ジャック・オーディアール
 ・『愛を読むひと』(独・英) 監督:スティーヴン・ダルドリー
 ・『スラムドッグ$ミリオネア』(英) 監督:ダニー・ボイル
 ・“Das Weisse Band (The White Ribbon)”(独・オーストリア・仏・伊) 監督:ミヒャエル・ハネケ

 ◆監督賞
 ・ペドロ・アルモドバル 『抱擁のかけら』(西)
 ・アンドレア・アーノルド “Fish Tank”(英・オランダ)
 ・ジャック・オーディアール “Un Prophete (A Prophet)”(仏)
 ・ダニー・ボイル 『スラムドッグ$ミリオネア』(英)
 ・ミヒャエル・ハネケ “Das Weisse Band (The White Ribbon)”(独・オーストリア・仏・伊)
 ・ラース・フォン・トリアー “Antichrist”(デンマーク・スウェーデン・仏・伊)

 ◆男優賞
 ・モーリッツ・ブライプトロイ 『バーダー・マインホフ 理想の果てに』(独・仏・チェコ)
 ・スティーヴ・エヴェッツ 『エリックを探して』(英・仏・ベルギー・伊)
 ・デイヴィッド・クロス 『愛を読むひと』(独・英)
 ・デーヴ・パテル 『スラムドッグ$ミリオネア』(英)
 ・Tahar Rahim “Un Prophete (A Prophet)”(仏)
 ・Filippo Timi “Vincere”(伊・仏)

 ◆女優賞
 ・ペネロペ・クルス 『抱擁のかけら』(西)
 ・シャルロット・ゲンズブール “Antichrist”(デンマーク・スウェーデン・仏・伊)
 ・Katie Jarvis “Fish Tank”(英・オランダ)
 ・ヨランド・モロー 『セラフィーヌ』(仏・ベルギー)
 ・Noomi Rapace “Män Som Hatar Kvinnor (The Girl With The Dragon Tattoo)”(スウェーデン・デンマーク・独)
 ・ケイト・ウィンスレット 『愛を読むひと』(独・英)

 ◆脚本賞
 ・ジャック・オーディアール “Un Prophete (A Prophet)”(仏)
 ・サイモン・ボーフォイ 『スラムドッグ$ミリオネア』(英)
 ・ジャンニ・ディ・グレゴリオ 『8月のランチ』(伊)
 ・ミヒャエル・ハネケ “Das Weisse Band (The White Ribbon)”(独・オーストリア・仏・伊)

 ◆撮影賞(Carlo Di Palma European Cinematographer Award 2009)
 ・クリスティアン・ベルガー(Christian Berger) “Das Weisse Band (The White Ribbon)”
 ・アンソニー・ドッド・マントル “Antichrist”(デンマーク・スウェーデン・仏・伊)&『スラムドッグ$ミリオネア』(英)
 ・Maxim Drozdov、Alisher Khamidkhodzhaev “Bumazhny Soldat (Paper Soldier)”(ロシア)
 ・ステファーヌ・フォンテーヌ “Un Prophete (A Prophet)”(仏)

 ◆技術部門賞(European Film Academy Prix D’Excellence 2009)
 ・フランチェスカ・カルヴェッリ(編集) “Vincere”(伊・仏)
 ・カトリーヌ・ルテリエ (衣裳) 『ココ・アヴァン・シャネル』(仏)
 ・ヴァルデマール・ポクロムスキー(Waldemar Pokromski)(メイキャップ&ヘアメイク) 『バーダー・マインホフ 理想の果てに』(独・仏・チェコ)
 ・ブリジット・テイランディエ(Brigitte Taillandier)、Francis Wargnier、ジャン=ポール・ユリエ(Jean-Paul Hurier)、マルク・ドワーヌ(Marc Doisne)(サウンド・デザイン) “Un Prophete (A Prophet)”(仏)

 ◆作曲賞
 ・アレクサンドル・デプラ 『ココ・アヴァン・シャネル』(仏)
 ・Jakob Groth “Män Som Hatar Kvinnor (The Girl With The Dragon Tattoo)”(スウェーデン・デンマーク・独)
 ・アルベルト・イングレシアス(Alberto Iglesias) 『抱擁のかけら』(西)
 ・Johan Söderqvist “Låt Den Rätte Komma In (Let The Right One In)”(スウェーデン)

 ◆ディカバリー賞(第1回作品賞)
 ・“Ajami”(独・イスラエル) 監督:Scandar Copti、Yaron Shani
Produced By Mosh Danon, Thanassis Karathanos & Talia Kleinhendler
 ・“Gagma Napiri (The Other Bank)”(グルジア・カザフスタン) 監督:George Ovashvili
 ・“Katalin Varga”(ルーマニア・英・ハンガリー) 監督:Peter Strickland
 ・“Sois Sage (Be Good)”(仏・デンマーク) 監督:Juliette Garcias
 ・“Sonbahar (Autumn)”(トルコ・独) 監督:Özcan Alper

 ◆ドキュメンタリー賞 ※受賞作決定済み
 ・『アニエスの浜辺』“The Beaches of Agnes (Les Plages D’Agnès)”(仏) 監督:アニエス・ヴァルダ
 ・“Below Sea Level”(伊・米) 監督:Gianfranco Rosi
 ・『ビルマVJ』“Burma Vj”(デンマーク) 監督:アンダース・オステルガルド(Anders Østergaard)
 ・“Cooking History (Ako Sa Varia Dejiny)”(スロヴァキア・オーストリア・チェコ) 監督:Peter Kerekes
 ・“The Damned of The Sea (Les Damnés De La Mer)”(ベルギー) 監督:Jawad Rhalib
 ・“Defamation”(デンマーク・オーストリア・イスラエル・米) 監督:Yoav Shamir
 ・『ジェニンの心』“The Heart of Jenin (Das Herz Von Jenin)”(独) 監督:レオン・ゲラー(Leon Geller)、マーカス・ヴェッター(Marcus Vetter)
 ・“Pianomania”(独・オーストリア) 監督:Lilian Franck 、Robert Cibis
 ◎“The Sound of Insects - Record of A Mummy(Das Summen Der Insekten - Bericht Einer Mumie)”(スイス) 監督:Peter Liechti
 ・“The Woman With The 5 Elephants (Die Frau Mit Den 5 Elefanten)”(スイス・独) 監督:Vadim Jendreyko

 ◆長編アニメーション部門
 ・“Mia And The Migoo (Mia Et Le Migou)” 監督:Jacques-Rémy Girerd
 ・“Niko & The Way To The Stars (Niko - Lentäjän Poika)” 監督:Kari Juusonen & Michael Hegner
 ・“The Secret Of Kells (Brendan Et Le Secret De Kells)” 監督:Tomm Moore

 ◆短編映画賞
 ・ゲント(ベルギー)代表:“Zwemles/Swimming Lesson”(ベルギー) 監督:Danny De Vent アニメーション
 ・コーク(アイルランド)代表:“14”(英) 監督:Asitha Ameresekere
 ・バリャドリド(スペイン)代表:“Lägg M För Mord/Tile M For Murder”(スウェーデン) 監督:Magnus Holmgren
 ・アンジェ(フランス)代表:“Was Bleibt”(独) 監督:David Nawrath
 ・ベルリン代表:“Die Leiden Des Herrn Karpf. Der Geburtstag”(独) 監督:Lola Randl
 ・タンペレ(フィンランド)代表:“Szklana Pulapka/The Glass Trap”(ポーランド) 監督:Pawel Ferdek ドキュメンタリー
 ・クラクフ代表:“Poste Restante”(ポーランド) 監督:Marcel Łoziński ドキュメンタリー
 ・グリムスター(ノルウェー)代表:“Between Dreams”(仏・ロシア・フィンランド) 監督:Iris Olsson ドキュメンタリー
 ・ヴィラ・ド・コンデ(ポルトガル)代表:“Renovare”(独・ルーマニア) 監督:Paul Negoescu
 ・エジンバラ代表:“Peter In Radioland”(英) 監督:Johanna Wagner ドキュメンタリー
 ・サラエボ代表:“The Herd”(アイルランド) 監督:Ken Wardrop ドキュメンタリー
 ・ベネチア代表:“Sinner”(イスラエル) 監督:Meni Philip
 ・ドラマ(ギリシャ)代表:“Bonne Nuit/Good Night”(ベルギー・仏) 監督:Valéry Rosier

 ※今年はロッテルダムからの出品はないようです。

 ◆観客賞(People’s Choice Award)
 ・『バーダー・マインホフ 理想の果てに』(独・仏・チェコ) 監督:ウリ・エデル
 ・『抱擁のかけら』(西) 監督:ペドロ・アルモドバル
 ・『ココ・アヴァン・シャネル』(仏) 監督:アンヌ・フォンテーヌ
 ・『ある公爵夫人の生涯』(英) 監督:ソウル・ディプ
 ・『ナットのスペースアドベンチャー3D』“Fly Me To The Moon”(ベルギー) 監督:ベン・スタッセン
 ・“Män Som Hatar Kvinnor (The Girl With The Dragon Tattoo)”(スウェーデン・デンマーク・独) 監督:Niels Arden Oplev
 ・“Låt Den Rätte Komma In(Let The Right One In”(スウェーデン) 監督:Tomas Alfredson
 ・『8月のランチ』(伊) 監督:ジャンニ・ディ・グレゴリオ
 ・『スラムドッグ$ミリオネア』(英) 監督:ダニー・ボイル
 ・『トランスポーター3アンリミテッド』(仏) 監督:オリヴィエ・メガトン

 ◆Prix Eurimages(ヨーロッパ映画への貢献賞/An award acknowledging the decisive role of co-productions in the European film industry)
 ◎ディアナ・エルボール(Diana Elbaum):『やわらかい手』『トマ@トマ』などのプロデューサー
 ◎ヤーニ・ティルトジェ(Jani Thiltges):『やわらかい手』『elles エル』などのプロデューサー

 ◆ワールド・シネマへの貢献賞(European Achievement in World Cinema)
 ◎イザベル・ユペール

 ◆生涯功労賞(Life Achievement Award)
 ◎ケン・ローチ

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 長編作品部門のノミネーション状況は以下の通りです。

 ・“Un Prophete (A Prophet)”(6):作品・監督・男優・脚本・撮影・技術
 ・『スラムドッグ$ミリオネア』(5):作品・監督・男優・脚本・撮影
 ・“Das Weisse Band (The White Ribbon)”(4):作品・監督・脚本・撮影
 ・“Fish Tank”(3):作品・監督・女優
 ・『愛を読むひと』(3):作品・男優・女優
 ・『抱擁のかけら』(3):監督・女優・作曲
 ・“Antichrist”(3):監督・女優・撮影
 ・“Låt Den Rätte Komma In (Let The Right One In)”(2):作品・作曲
 ・『バーダー・マインホフ 理想の果てに』(2):男優・技術
 ・“Vincere”(2):男優・技術
 ・『ココ・アヴァン・シャネル』(2):技術・作曲
 ・“Män Som Hatar Kvinnor (The Girl With The Dragon Tattoo)”(2):女優・作曲
 ・『エリックを探して』(1):男優
 ・『セラフィーヌ』(1):女優
 ・『8月のランチ』(1):脚本
 ・“Bumazhny Soldat (Paper Soldier)”(1):撮影

 一瞥してわかることは、今年のカンヌ国際映画祭のコンペ部門に出品された作品がやたらとノミネートされているということです。数えてみると、実に7作品もあります(コンペ部門に出品されたヨーロッパ映画のほとんど)。

 あと、2008年度の映画賞レースを賑わわせた映画も5本もあります。

 これらは2008年度映画賞レースの正当性とカンヌのプログラミング・ディレクターの鑑識眼の正しさを証明しているようなものですが、これではあまり面白くありませんね。まるでカンヌ国際映画祭2009の2回戦(取り直し)みたいですから。

 まあ、この結果で今年のカンヌの審査員の作品を見る目が正しかったかどうか証明されるんじゃないかという考え方もありますが、当のカンヌで審査員長であったイザベル・ユペールに功労賞を与えるというのですから、やっぱりこれはカンヌの審査員にエクスキューズしつつの、「カンヌ国際映画祭2009の2回戦(取り直し)」なんじゃないか、という疑惑が強くなってきます。

 結局、どれが(誰が)受賞しても「いまさら…」と感じてしまうことは必至だと思うのですが、かといって、いまさら『スラムドッグ$ミリオネア』に作品賞や監督賞を与えたりするのでしょうか。

 個人的には、『バーダー・マインホフ』のメイキャップでの技術賞受賞などというのは面白いと思いますが……。

 9月9日に書いた記事で、私はヨーロッパ映画賞2009の作品賞と監督賞と女優賞のノミネーションを予想していましたが、まあ、当たらずといえども遠からず、という結果でした。
 私が、男優賞を予想しなかったのは、今年はそれらしい顔ぶれが揃わなかったからですが、実際にノミネートされた面子を見ても、いわゆる「主演男優賞」に該当するのではないようなキャストばかりで(モーリッツ・ブライプトロイにしてもデイヴィッド・クロスにしてもデーヴ・パテルにしても)、やっぱり今年のこの部門はちょっと弱かったのだなということがわかります。(個人的には、今年のヨーロッパ映画を代表する男優はマッツ・ミケルセン(『007/慰めの報酬』『誰がため』『シャネル&ストラヴィンスキー』)だったのではないかと思いますが。)

 受賞結果の発表は、12月12日です。

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 ドキュメンタリー賞を受賞した“The Sound of Insects - Record of A Mummy(Das Summen Der Insekten - Bericht Einer Mumie)”は、カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2009などにも出品されていた作品です (カルロヴィ・ヴァリでは無冠でした)。

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 内容は、森の中で、日記を残して、餓死しているのを発見された男性をめぐる物語で、彼は誰なのか、なぜそんな方法で死んだのかに、迫っていく作品だそうです。

 内容を聞くと、『イントゥ・ザ・ワイルド』やピーター・グリーナウェイの『ZOO』を想起したりしますが、監督は、現実に起こったそうした事件と、島田雅彦の『ミイラになるまで』を参考に映画化したそうで、クレジットにも島田雅彦の名前がクレジットされています。

 私は島田雅彦がそんな小説を書いていたことすら知りませんでしたが、それが英語か何かに訳されて海外でも読まれてるんですね。

 作品自体は、けっこうおぞましい、目を覆いたくなるものになっているかもしれませんが、怖いもの見たさでちょっと観てみたい気もします。

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 この作品に邦題をつけるなら―
 「昆虫たちの蠢き―私がミイラになるまで」
 なんかどうでしょうか。

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 *当ブログ記事
 ・ヨーロッパ映画賞2009 ロング・リスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200909/article_6.html
 ・ヨーロッパ映画賞2008:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_12.html
 ・映画祭&映画賞カレンダー 2009年5月~2010年5月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200905/article_6.html

 追記:
 ヨーロッパ映画賞2009受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_19.html

ミイラになるまで
アップリンク
島田 雅彦

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