役所!崔!横浜聡子! トロント国際映画祭2009 ラインナップ発表 第4弾!

 トロント国際映画祭2009のラインナップ第4弾が発表になりました。

 今回の、4回目の発表で、ようやく全ラインナップの約半分が明らかになったことになります。

 実に小刻みな発表ですが、それだけ上映作品数が膨大で、一度に全部はラインナップが決まらないということもあるのでしょうが、こうやって小刻みに発表することで、観客(&全世界のバイヤー)の期待を煽るという目的もあるのでしょう。

 実際、今後、2009年後半から2010年にかけて、北米で上映される(もしくは北米での上映を目指す)あらゆるジャンルのインディペンデント系の作品が世界中からここに集まってくるわけですから、作品のセレクトにも時間がかかり、ちょっとずつの発表にも意味があるわけです。

 この中に、今後日本でも劇場公開されたり、映画祭で上映されたりする注目の作品が多数含まれているはずなので、当ブログでも、他の映画祭よりも蜜にラインナップを紹介していっているわけです。

 最初は『空気人形』1本だけだった日本からの出品作も続々決定しています!

 女優サマンサ・モートンやレイチェル・ウォードの初監督作品もあります!

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 【SPECIAL PRESENTATIONS】

 ・“Broken Embraces”(西) 監督:ペドロ・アルモドバル [北米プレミア]
 出演:ペネロペ・クルス、ルイス・オマール、ブランカ・ボルティージョ、ホセ・ルイス・ゴメス
 物語:ハリー・カイネは盲目の作家だが、以前はマテオ・ブランコという本名で映画監督をしていた。彼の内には、運命と嫉妬と背信と罪が複雑にからみあった愛の物語が心の傷となって残っていて、彼はそれを隠して生きてきたのだった……

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 ・“An Education”(英) 監督:ロネ・シェルフィグ [カナダ・プレミア]
 物語:1960年代初めのロンドン。オックスフォードを目指していたはずの16歳の少女が、倍以上の年齢のハンサムな男性に逢って、すっかり魅了され、彼女の両親ともども、運命を狂わされてしまう。
 出演:ピーター・サースガード、ケアリー・マリガン、アルフレッド・モリーナ、エマ・トンプソン
 『幸せになるためのイタリア語講座』のロネ・シェルフィグ最新作。
 サンダンス映画祭2009出品。観客賞・撮影賞受賞。

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 ・“The Front Line”(伊) 監督:Renato De Maria
 物語:舞台は70~80年代の激動のイタリア。セルジョとスサンナはプリマ・リネアの一員として逃亡生活を続けていたが、どんどん現実世界とずれていってしまう。スサンナがつかまって刑務所に入れられた時、セルシオはある計画を実行に移すことにする。

 ・“Glorious 39”(英) 監督:スティーヴン・ポリアコフ [ワールド・プレミア]
 物語:第二次世界大戦前夜のイギリス。アンは、ナチスの融和政策の証拠を知ってしまい、自分のまわりで友人が次々と不審死を迎えていっていることにも気づく。巨大な敵の前に彼女自身にも危険が迫っていた……。
 出演:ロモーラ・ガライ、ビル・ナイ、ジュリー・クリスティー

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 ・『カムイ外伝』“Kamui”(日) 監督:崔洋一 [ワールド・プレミア]

 ・“Life During Wartime”(米) 監督:トッド・ソロンズ [北米プレミア]
 物語:戦時中における、友人や家族、恋人同士での愛や寛容、生きる意味などをめぐるダークなセックス・コメディー。
 出演:アイソン・ジャニー、キアラン・ハインズ

 ・“A Prophet(Un prophète)”(仏) 監督:ジャック・オーディアール [北米プレミア]
 出演:ニエル・アレストラップ、Alaa Oumouzoune、アデル・ベンチェリフ、Tahar Rahim
 物語:アラブ系の青年がフランスの刑務所に入れられ、そこを牛耳っているコルシカ系マフィアのボスと出会い、次々に出されるミッションをクリアして、彼の信頼を勝ち得ていく。一方で、秘密の計画も着々と準備を整えていく。
 カンヌ国際映画祭2009 コンペティション部門出品。グランプリ受賞。

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 ・“The Secret of Their Eyes(El secreto de sus ojos)”(アルゼンチン・西) 監督:Juan José Campanella [インターナショナル・プレミア]
 物語:ベンジャミンは、ブエノスアイレスの法廷で長らく秘書を務めていたが、引退して、小説を書こうと思っていた。それは、激動の70年代に実際に起こった事件を基にしたものだった……。

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 【DISCOVERY】
 新しい才能を紹介するプログラム。

 ・“The Angel(Enkeli)”(ノルウェー・スウェーデン・フィンランド) 監督:Margreth Olin [ワールド・プレミア]
 ドラッグ中毒の過去を持つ若い母親の物語。ノルウェーでドキュメンタリー作家として知られるMargreth Oliの初めてのフィクション作品。

 ・“Applause”(デンマーク) 監督:Martin Pieter Zandvliet [北米プレミア]
 物語:主人公は、アルコールのためにすべてを失ってしまった女優で、リハビリ生活の後、彼女は、彼女にとって最も大切なもの、すなわち彼女の2人の息子を取り戻そうとする……。
 Martin Pieter Zandvliet監督デビュー作。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2009 インターナショナル・コンペティション出品。女優賞&ヨーロッパ映画賞受賞。

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 ・『ウルトラミラクルラブストーリー』“Bare Essence of Life”(日) 監督:横浜聡子 [インターナショナル・プレミア]

 ・“Beautiful Kate”(オーストラリア) 監督:レイチェル・ウォード [インターナショナル・プレミア]
 物語:いつもけんかばかりしていた父親が死の床にあると聞いて、作家である主人公は和解したくて久しぶりに帰郷するが、長らく忘れかけていた兄や双子の姉妹の謎めいた死のことを思い出すのだった……。
 女優レイチェル・ウォードの初監督作品。

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 ・“A Brand New Life”(韓・仏) 監督:Ounie Lecomte [北米プレミア]
 幼い頃に父に孤児院に棄てられたという、韓国生まれのフランス人Ounie Lecomte自身の経験に基づく物語で、共同製作にはイ・チャンドンも参加している。
 カンヌ国際映画祭2009 アウト・オブ・コンペティション部門出品。

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 ・“The Disappearance of Alice”(英) 監督:Creed J. Blakeson [ワールド・プレミア]
 物語:前科者の2人が女性を誘拐するが、事態は二転三転する。
 出演:エディー・マーサン、マーティン・コンプソン、ジェマ・アルターソン

 ・“Eamon”(アイルランド) 監督:Margaret Corkery [北米プレミア]
 物語:イーモンは、母グレースと同じベッドで眠るのが好きだったが、母の恋人ダニエルはそれを面白く思っていなかったし、グレースがそれを気に留めていないことにも不満を持っていた。彼らが海にバカンスに出かけた時、問題が表面化する……。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2009 インディペンデント・フォーラム出品。インディペンデント・カメラ賞受賞。

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 ・“Every Day Is a Holiday(Chaque jour est une fête)”(仏・独・レバノン) 監督:Dima El-Horr [北米プレミア]
 囚人に会うために出かけていった3人の女性の物語で、レバノンの現実をからめた不条理劇。監督は、中東の新鋭として注目されているDima El-Horr。
 出演:ヒアム・アッバス、Manal Khader、Raia Haidar

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 ・“Five Hours from Paris”(イスラエル) 監督:Leon Prudovsky [ワールド・プレミア]
 物語:テルアビブの郊外。イスラエル人のタクシー運転手は空を飛びたいと思っていて、ロシア人の音楽教師はもうすぐ飛行機で外国に行くことになっている。タクシーを降りたところから2人のロマンスが始まる……。

 ・“Heliopolis”(エジプト) 監督:Ahmad Abdalla [ワールド・プレミア]
 カイロを舞台にした群像劇。


 ・“The Day Will Come(Es kommt der Tag)”(独・仏) 監督:Susanne Schneider [インターナショナル・プレミア]
 物語:30年前にテロ組織に入るために娘を棄てたユディットだったが、娘に会いたくなり、大人になっているはずの娘の足跡をたどって、アルザスのブドウ園にたどりつく。そこで、娘は、新しい名前で、新しい家族とともに暮らしているのだった……。

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 ・“Le Jour où Dieu est parti en voyage”(ベルギー) 監督:フィリップ・ヴァン・レーブ [ワールド・プレミア]
 一人称で語られる、ルワンダの大虐殺を生き延びた女性の物語。ブリュノ・デュモン『ジーザスの日々』などで知られる撮影監督フィリップ・ヴァン・レーブの監督デビュー作。

 ・“Last Ride”(オーストラリア) 監督:Glendyn Ivin [インターナショナル・プレミア]
 物語:離婚した父親と10歳の息子が砂漠に放り出されて、互いの葛藤や過去と向き合うことになる。
 出演:ヒューゴ・ウィービング、トム・ラッセル

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 ・“My Dog Tulip”(米) 監督:Paul Fierlinger、Sandra Fierlinger [北米プレミア]
 声の出演:クリストファー・プラマー、イザベラ・ロッセリーニ
 物語:年配の独身男とそのジャーマン・シェパードの友情の物語(アニメーション)。

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 ・“My Tehran for Sale”(オーストラリア・イラン) 監督:Granaz Moussavi [インターナショナル・プレミア]
 物語:文化面での自由を求めて生きるイランの青年の姿を描く。
 テヘランでゲリラ的に撮影された作品。

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 ・“Northless”(メキシコ・西) 監督:Rigoberto Perezcano [ワールド・プレミア]
 物語:アンドレスは、メキシコからアメリカに入ろうとして、国境の町ティファナの複雑な事情を知る。

 ・“La Soga”(ドミニカ・米) 監督:Josh Crook [ワールド・プレミア]
 ドミニカを舞台にした、政治的陰謀と愛と死と権力の物語。

 ・“Shirley Adams”(南アフリカ・米) 監督:Oliver Hermanus [北米プレミア]
 銃で撃たれて身体障害者になってしまった息子を持つ、ケープタウンの女性の物語。

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 ・『ガマの油』“Toad's Oil”(日) 監督:役所広司 [インターナショナル・プレミア]

 ・“Together(Sammen)”(ノルウェー) 監督:Matias Armand Jordal [インターナショナル・プレミア]
 物語:母の死でバラバラになりかけた家族が、その喪失を乗り越えようとする物語。

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 ・“The Unloved”(英) 監督:サマンサ・モートン [インターナショナル・プレミア]
 サマンサ・モートンの初監督作品で、家庭内でDVに遭い、政府の手に委ねられることになったイギリス人少女の物語。
 出演:ロバート・カーライル、スーザン・リンチ、Laurel Socha

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 【VANGUARD】
 公式には「技術や文化、セクシュアリティ、あるいは映画それ自体の可能性を広げた作品のセレクション」ということになっていますが、基本的にはこれまでどこかの映画祭で高い評価を受けたことがある俊英の最新作を紹介するセクションになっています。

 ・“Accident”(香港・中) 監督:Soi Cheang [北米プレミア]
 物語:事故死を装った殺人が専門のプロの殺し屋が登場する型破りのスリラー。
 プロデューサーはジョニー・トー。

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 ・“The Ape”(スウェーデン) 監督:Jesper Ganslandt [ワールド・プレミア]
 見知らぬ場所で目覚めて、人生がすっかり変わってしまったことに気づく男性の物語。Jesper Ganslandtの監督第2作。

 ・“Bunny and the Bull”(英) 監督:Paul King [ワールド・プレミア]
 シャイなスティーヴンと大酒飲みの友人バニーは、部屋から一歩も外に出ることなしに、冒険に満ちた旅を経験させてくれる。

 ・“The Dirty Saints”(アルゼンチン) 監督:Luis Ortega [ワールド・プレミア]
 Fijman川を渡る羽目になった5人の旅行者の物語。Luis Ortegaの監督第3作。

 ・“Enter the Void”(仏・独・伊) 監督:ギャスパー・ノエ [北米プレミア]
 出演:ナサニエル・ブラウン、パ・ドゥ・ラ・ユエルタ、エミリー・アリー・リンド、丹野雅、フィリップ・ナオン
 物語:日本に暮らす若いアメリカ人ドラッグ・ディーラーの物語。 カンヌ国際映画祭2009 コンペティション部門出品。

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 ・“Hipsters(Stilyagi)”(ロシア) 監督:ヴァレリー・トドロフスキー [北米プレミア]
 物語:1950年代のモスクワ。堅物のメルスは共産主義者の制服を脱ぎ捨てて、しゃれた服を着、髪もポンパドールに結って、サックスをかき鳴らす。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2009 アウト・オブ・コンペティション部門出品作。

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 ・“The Misfortunates(De helaasheid der dingen)”(ベルギー・オランダ) 監督:Felix Van Groeningen [北米プレミア]
 13歳の少年と、その父親と3人のおじの物語。父とおじたちはいずれも大酒飲みで、手がつけられなかったが、みんな愉快で、ロイ・オービソンが大好きだった……。
 カンヌ国際映画祭2009 監督週間出品。

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 ・“My Queen Karo”(ベルギー) 監督:Dorothée van den Berghe [ワールド・プレミア]
 物語:1970年代のアムステルダム。少女が、両親が無断居住者のグループに加わって、自由に愛し合うのを目撃して、道徳的なジレンマに陥る。

 ・“Spring Fever”(中) 監督:ロウ・イエ [北米プレミア]
 1920年代に禁書となった小説の映画化で、ゲイの三角関係が描かれる。
 カンヌ国際映画祭2009 コンペティション部門出品。脚本賞受賞。

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 こうして見てくると、現在の、世界の映画のトレンドが、家族、新しい愛の形、テロリズム、という3つのキーワードで集約されるような気もしますね。

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 *当ブログ関連記事
 ・トロント国際映画祭2009 ラインナップ 第1弾発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200907/article_7.html
 ・トロント国際映画祭2009 ラインナップ 第2弾発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200907/article_14.html
 ・トロント国際映画祭2009 ラインナップ 第3弾発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200907/article_19.html
 ・トロント国際映画祭2009 ラインナップ 第5弾発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200907/article_28.html
 ・トロント国際映画祭2009 ラインナップ 第6弾発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200908/article_13.html
 ・トロント国際映画祭2009 ラインナップ 第7弾発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200908/article_14.html

 ・映画祭&映画賞カレンダー 2009年5月~2010年5月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200905/article_6.html

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