『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』 ウィズ・アート!

 『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』。

 期待していたようなものとは違うなあ、というか、これまでの3作とは全く違ったタイプの作品だったので、ちょっと面くらってしまいました。

 感想はいろんな人が書くだろうし、解題も高名な評論家の方がやってくれるだろうと思うので、ここでは、私なりのメモを少々……。

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 ◆映画の中に散りばめられた十字架
 ※以下のphotoは海外版の予告編(5分46秒版)からキャプシャーしたものです。

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 ◆ハスフォードの“作品”
 ※海外版の予告編には“作品”が映っていますが、日本版の予告編では巧妙に映らないように編集されていません。

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 これに似たようなものをどこかで見たことがあると思ったら(エド・ゲインじゃなくて)、フランシス・ベーコンでした。しかも、タイトルが「キリスト磔刑図のための3つの習作」!
 たぶん無関係ではないでしょう。

 ・フランシス・ベーコンの作品「キリスト磔刑図のための3つの習作」(1944)↓

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 検索してみたら、ハスフォードの“作品”とフランシス・ベーコン作品の類似性を指摘している人は既に何人もいるようです。監督本人もインタビューの中でベーコンの名前を出しているようです。

 ちなみに、映画の中の“作品”の作者もエンドロールでチェックしようと思っていたのですが、確認できませんでした。

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 ◆フォト・コラージュ

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 フォト・コラージュといえばもちろんデイヴィッド・ホックニー。

 ・デイヴィッド・ホックニー “Nude 17th June 1984”(映画『マリリンとアインシュタイン』(1985)よりテレサ・ラッセルをモデルとした作品)↓

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 ◆登場人物の名前

 「シタオ」などという名前は存在しないので、何らかの意味を込めて、名前をつけたのは明らかだろうと思われます。

 ・シタオ(Shitao)は、see+tao(道)で、道を見極める、すなわち、悟りを開く人、ということでしょうか。

 ・クライン(Kline)は、K+line、すなわち、Key(キー、手がかり)への線(line)をたどる人、ということでしょうか。あるいは、K=キリストの足取りを追う人、という可能性もありますが。

 ・リリ(Lili)は、当然ユリ(Lily)のはずで、キリスト教では「純潔」の象徴で、イースターでは「キリスト復活のしるし」として使われます。

 以下の3人に関しては、それっぽいネーミングの意図を見出すことだできませんでした。

 ・ス・ドンポ(Su Dongpo)は、そのまま「蘇東坡」(北宋時代の役人(度々左遷に遭った)であり詩人であり書家)のことですが、関係あるでしょうか。

 ・ハスフォード(Hashford) ashで灰、hashishでハッシシを意味しますが……。「Hash」はフランス語読みで「H」そのもの。とすると「H」はハンニバルの「H」?

 ・メンジー(Meng Zi) ?

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 ◆各国版ポスター
 ※ポスターに十字架が織り込まれているのは日本版だけです。

 ・アメリカ版3バージョン

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 ・ロシア版

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 それにしても、日本がワールド・プレミアだからか、海外のサイトを探してもほとんど情報がありませんね~。

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 蛇足:『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』を観た後で、『鈍獣』を観たら、けっこう似ていて驚かされました。ジョシュ・ハートネット=真木よう子で、木村拓哉=浅野忠信、です。観た順序が逆だったら、気づかなかったかもしれませんが。

この記事へのコメント

2009年06月10日 06:33
TB有難うございました。
説明が少なく、シーンもかなりぶち切り状態なので
自分でそのシーンを様々な断片を追いながら
構築していくため、非常に疲れました。
最後まで監督の意図が分からなかった(笑)

今度、訪れた際には、
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umikarahajimaru
2009年06月10日 21:02
シムウナさま
TB&コメントありがとうございました。
断片的な映像がところどころにはさまれているので、これはいったい何なのだろうと戸惑ったりもしますが、映画の終わったところから考えてみると物語自体はそんなに難しくはなかったですよね?
ただ、トラン・アン・ユンが本当にこれを撮りたかったのか、そして、これを撮ることで何を言いたかったのか、ということはよくわかりません。「意図」は、当て推量するしかないんですが、インタビューすることができたマスコミの方に訊いてもらいたかったですよね~。

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