モスクワ国際映画祭2009 受賞結果発表!

 第31回モスクワ国際映画祭の各賞の結果が発表され、映画祭が閉幕しました(6月28日)。

 各賞の結果は以下の通りです。

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 【コンペティション部門

 ◎グランプリ(Golden George):“Pete on the way to Heaven(Petva po doroge v tsarstvie nebesnoe)”(ロシア) 監督:Nikolay Dostal
 物語:ペーチャは小さな町の鉄道警察の係官に過ぎなかったが、自分では軍人のように振舞っていた。彼は軍人のかぶる帽子をかぶり、彼のホルスターには銃が納まっていたが、それは木製に過ぎず、町人は彼のことを無害な愚か者としてしかとらえていなかった。ところが、1953年にスターリンが死に、この小さな町にも変化が訪れる…。

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 ◎銀賞(Silver George)/審査員特別賞:“Miracle(Chudo)”(ロシア) 監督:アレクサンドル・プロシュキン
 物語:1956年のサミラで実際に起こった出来事に基づく作品。田舎の食事会で、映画女優が婚約者を待ちくたびれて、聖ニコラウスの像とダンスを踊ろうとする。ところが彼女が像に触れたとたんに彼女は石のように固まって動けなくなってしまう。このできごとはニュースなって伝わり、都会から新聞記者もやってくる…。

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 ◎銀賞(Silver George)/監督賞:Mariana Chenillo
 “Five Days without Nora(Cinco dias sin Nora)”(メキシコ)
 物語:ホセは、30年連れ添った元妻ノラが自殺したことを知る。ラビのアドバイスもあって、彼は、息子が戻ってくるまで、5日間葬儀を先送りすることにするが、ノラの冷蔵庫の中身を見て考えを変える。ノラの冷蔵庫には過ぎ越しの祭のための料理が準備してあったのだ…。

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 ◎銀賞(Silver George)/男優賞:Vladimir Ilyin
 “Ward No.6(Palata No.6 )”(ロシア) 監督:カレン・シャフナザーロフ+Aleksander Gornovsky
 物語:チェーホフの短編『六号室』の翻案。かつては医者としての使命感に燃えていたアンドレイ・ラーギン医師も、今ではすっかりやる気を失ってしまっていた。ある時、彼は、隔離病棟の患者と話すことによって、神学者になりたいと思っていた頃の情熱を取り戻すが、周囲はそんな彼を見て、狂ってしまったんじゃないかと疑い始めるのだった…。

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 ◎銀賞(Silver George)/女優賞:Lena Kostyuk
 “Melody for a Barrel Organ(Melodiya dlya sharmanki)”(ウクライナ) 監督:キラ・ムラートワ
 物語:母親の死後、残された子供たちは父親を捜さなくてはならなくなる。彼らは様々な人に遭う。親切な人もいれば、いじわるな人もいる。金持ちもいれば、貧乏人もいる。賢い人もいれば愚かな人もいる。しかし、彼らは皆彼らなりに問題を抱えているのだって…。

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 ◎国際批評家連盟賞:“Melody for a Barrel Organ(Melodiya dlya sharmanki)”(ウクライナ) 監督:キラ・ムラートワ

 ◎ロシア批評家審査員賞:“As God Commands(Come Dio comanda)”(伊) 監督:ガブリエーレ・サルヴァトレス
 出演:エリオ・ジェルマーノ、フィリッポ・ティミ、ファビオ・ディ・ルイジ
 物語:クリスティアーノの父リノは無職の飲んだくれであったが、クリスティアーノは父のことが大好きだった。ある時、リノは、一発逆転を狙って、悪友たちとある計画を実行に移すが失敗してしまう。クリスティアーノは、人生がもう取り返しのつかないことになったことに気づき、絶望してしまう…。
 ニコロ・アンマニーティ(『ぼくは怖くない』の原作者)の小説の映画化。

 ◎特別賞(Special Mention and Diploma):“The Missing Person”(米) 監督:Noah Buschel
 出演:マイケル・シャノン、エイミー・ライアン、フランク・ウッド、リンダ・エモンド
 物語:シカゴの探偵ジョン・ロソーは、メキシコ人の少年を連れてシカゴからロサンゼルスに向かったある中年男性の足取りを追ってくれと依頼される。ジョンは、依頼に従って、仕事を進めるが、この仕事が50万ドルを手に入れるチャンスであることに気づくのだった…。

 ◎国際映画クラブ連盟審査員賞(International Federation of Film Clubs Jury’s Prize) コンペティション部門:“Melody for a Barrel Organ(Melodiya dlya sharmanki)”(ウクライナ) 監督:キラ・ムラートワ

 【パースペクティブズ・コンペティション部門

 ◎パースペクティブズ部門グランプリ:“Conflict Zone(Konphliktis zona)”(グルジア) 監督:Vano Burduli
 物語:1990年代。ソ連の崩壊でコーカサス地方にある民族共和国グルジア、アゼルバイジャン、アルメニアは紛争地帯になっていた。紛争は立場も考えも全く異なる人間を出会わせることになる。1人はギャンブルで摩ってしまったお金を取り戻したいと考えているトビリシの少年で、もう一人は将軍からミッションを命じられているスフミのスナイパーであった……。

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 ◎ロシア批評家審査員賞 パースペクティヴ部門:“The Event(Sobytie)”(ロシア) 監督:Andrey Eshpaj
 出演:チュルパン・ハマートヴァ
 物語:ナボコフの戯曲に基づく。画家とその妻と妻の母と妹が小さな町で穏やかに暮らしていたが、そこにある男が帰ってきたことで、事態が一変してしまう。すべては5年前の出来事に遡る……。

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 ◎コメルサント新聞賞:『ファースト・スクワッド』“First Squad:The Moment of Truth”(カナダ・日・ロシア) 監督:芦野芳晴
 物語:1942年。ロシアの赤軍は、ドイツ軍の進軍を食い止めるのに必死だった。14歳の少女ナージャは空襲を受けるが、それがきっかけで、自分の中に眠っていた「未来を予見する能力」に気づく。一方、ナチス親衛隊は、死者の国から闇の王子バロン・フォン・ウォルフを蘇らせるという「聖遺物」を探していたが、ロシア軍情報部はそれを阻止するためにナージャの力を利用しようとする。ナージャは、バロンに対抗するために、古くからの友人―ファースト・スクワッド―の力を借りることに決める。

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 【その他の賞

 ◎国際映画クラブ連盟審査員賞(International Federation of Film Clubs Jury’s Prize) ロシア映画部門:“Help gone mad(Sumashedshaya Pomosch)”(2009) 監督:Boris Khlebnikov(ロシア映画プログラム上映作品)

 ◎ワールド・シネマへの大いなる貢献に対する特別賞:Rezo Chkheidze(グルジアの監督)

 ◎スタニスラフスキー特別賞(The Special Prize "I Believe. K.Stanislavsky"):オレグ・ヤンコフスキー その俳優人生とスタニスラフスキー演劇学校の精神への献身に対して

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 申し訳程度に他の国の映画も賞を受賞していますが、ロシア映画と旧ソ連圏の映画が大半の賞を受賞する結果になりました。

 事前の私の予想では、キラ・ムラートワ作品がいいところにいくのではないかというものでしたが、キラ・ムラートワ作品は3つも賞を受賞して、最多受賞作品にはなったものの、グランプリや監督賞は逃してします。

 日本人監督によるアニメーションが賞を獲りましたが、純粋な日本映画ではないし、大きな賞でもないしで、どうなのかなあという感じもしてしまいます。
 でも、元々、この作品は、日本での劇場公開が決まっていたのではないらしいので、これがきっかけとなって劇場公開も決まったりするのかもしれません。

 正確なところはデータがないのでわかりませんが、女優賞を受賞したLena Kostyukは、モスクワ国際映画祭女優賞の最年少記録、になるのかもしれません。(最年少でないにしてもそれに近い記録だと思われます。)

 遺作“Tsar(ツァー)”が上映されたオレグ・ヤンコフスキーには、やはりというか、特別賞が贈られました。

 観てみれば、どの作品もそれなりに面白いのかもしれませんが、全体的にはやはり地味という印象です。

 グランプリ作品の日本での劇場公開はなさそうで、その他の受賞作の日本での上映も、映画祭頼み、ということになるでしょうか。

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 *当ブログ記事
 ・モスクワ国際映画祭2009 ラインナップ その1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200906/article_18.html
 ・モスクワ国際映画祭2009 ラインナップ その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200906/article_19.html
 ・映画祭&映画賞カレンダー 2009年5月~2010年5月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200905/article_6.html

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