第81回米国アカデミー賞 ノミネーション発表!

 第81回米国アカデミー賞のノミネーションが発表になりました。

 いや~、びっくり! 今年は日本人は全くからまないんじゃないかと思ってたら、なんと2部門にノミネートされました!

 では、以下にノミネーション・リストとデータ、前哨戦の結果、傾向などを詳しくみていきます。

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 ◆作品賞
 ・『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
 ・『フロスト×ニクソン』
 ・『ミルク』
 ・『愛を読むひと』
 ・『スラムドッグ$ミリオネア』

 下馬評と前哨戦では『ダークナイト』が有力でしたが、代わりに『愛を読むひと』が入りました。
 米・映画製作者組合賞のノミネーションと4作品が同じになりました(受賞結果は1月24日)。
 『ウォーリー』で、アカデミー賞初のアニメーション作品の作品賞ノミネートが期待されましたが、今回は果たされませんでした。

 [データ]
 『ベンジャミン・バトン』 3人のプロデューサーのうち、キャサリン・ケネディーは6度目のノミネート(『E.T.』『カラーパープル』『シックス・センス』『シービスケット』『ミュンヘン』)、フランク・マーシャルは5度目のノミネート(『レイダース/失われたアーク』『カラーパープル』『シックス・センス』『シービスケット』)、シーアン・チャフィンは初ノミネート。
 『フロスト×ニクソン』 3人のプロデューサーのうち、ブライアン・グレイザーは、4度目のノミネーション(『アポロ13』、『ビューティフル・マインド』(受賞)、脚本賞で『スプラッシュ』)、ロン・ハワードは4つ目のノミネート(『ビューティフル・マインド』で作品賞と監督賞受賞)、エリック・フェルナーは3度目のノミネート(『エリザベス』『つぐない』)。
 『ミルク』 2人のプロデューサー、ダン・ジンクスとブルース・コーエンはともに2度目のノミネートで、1度目は『アメリカン・ビューティー』で受賞。
 『愛を読むひと』 4人のプロデューサーのうち、アンソニー・ミンゲラは、4度目のノミネートで『イングリッシュ・ペイシェント』で監督賞を受賞。シドニー・ポラックは7度目のノミネートで、『愛と哀しみの果て』で作品賞と監督賞を受賞。ドナ・ジグリオッティは『恋におちたシェイクスピア』(受賞)以来2度目のノミネート。レッドモンド・モリスは初ノミネート。
 『スラムドッグ$ミリオネア』 プロデューサーのクリスティアン・コルソンは初ノミネート。

 [前哨戦の結果]
 『スラムドッグ$ミリオネア』が圧勝で、『ミルク』を選んだのはニューヨーク、サンフランシスコ、サウス・イースタン、バンクーバーの各映画批評家協会賞のみ、『ベンジャミン・バトン』を選んだのはヒューストンとセントルイスのみ、『フロスト×ニクソン』を選んだのはラスベガスのみで、『愛を読むひと』を作品賞に選んだ映画批評家協会賞はありません。

 [傾向]
 『スラムドッグ$ミリオネア』が受賞しないとすれば、それは、『スラムドッグ$ミリオネア』にゴールデン・グローブ賞に対する反発以外に考えられません。過去4年、ゴールデン・グローブ賞とアカデミー賞は違った作品に作品賞を与えています。

 *参考 米・映画製作者組合賞2008ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200901/article_4.html
 アンソニー・ミンゲラについて:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200803/article_11.html

 ◆監督賞
 ・デイヴィッド・フィンチャー 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
 ・ロン・ハワード 『フロスト×ニクソン』
 ・ガス・ヴァン・サント 『ミルク』
 ・スティーヴン・ダルドリー 『愛を読むひと』
 ・ダニー・ボイル 『スラムドッグ$ミリオネア』

 作品賞と全く同じ顔ぶれになりました。
 米・監督組合賞のノミネーションとは4人が同じになりました。
 サム・メンデス(『レボリューショナリー・ロード』)がノミネートされれば、ケイト・ウィンスレットと夫婦でノミネートでしたが、それはなりませんでした。
 クリストファー・ノーランもノミネートを逃しました。

 [データ]
 デイヴィッド・フィンチャーとダニー・ボイルは初ノミネート。ガス・ヴァン・サントは『グッド・ウィル・ハンティング』に続き2度目のノミネート、スティーヴン・ダルドリーは『リトル・ダンサー』『めぐりあう時間たち』に続き3度目のノミネート。ロン・ハワードは4つ目のノミネートで、前回『ビューティフル・マインド』で作品賞と監督賞を受賞。

 [前哨戦の結果]
 ダニー・ボイルの圧勝です。デイヴィッド・フィンチャーが受賞したのは、ナショナル・ボード・オブ・レビューとバンクーバー、ロン・ハワードが受賞したのはラスベガスのみ、ガス・ヴァン・サントが受賞したのはボストンとサンフランシスコ、スティーヴン・ダルドリーが受賞した映画批評家協会賞はありません。

 [傾向]
 これまで作品賞と監督賞が違った作品に与えられるということは5回しかありません。
 その5回とは―
 2005年:作品賞『クラッシュ』(監督:ポール・ハギス)/監督賞 アン・リー(『ブロークバック・マウンテン』)
 2002年:作品賞『シカゴ』(監督:ロブ・マーシャル)/監督賞 ロマン・ポランスキー(『戦場のピアニスト』)
 2000年:作品賞『グラディエーター』(監督:リドリー・スコット)/監督賞 スティーブン・ソダーバーグ(『トラフィック』)
 1999年:作品賞『恋に落ちたシェイクスピア』(監督:ジョン・マッデン)/監督賞 スティーブン・スピルバーグ(『プライベート・ライアン』)
 1989年:作品賞『ドライビングMissデイジー』(監督:ブルース・ベレスフォード)/監督賞 オリバー・ストーン(『7月4日に生まれて』)

 米・監督組合賞とアカデミー賞監督賞との合致度は高く、米・監督組合賞が始まった1948年(度)以降、過去40回で、米・監督組合賞を受賞してアカデミー賞監督賞を受賞しなかったのは6回しかありません(最近では『グリーン・デスティニー』のアン・リーと『シカゴ』のロブ・マーシャル)。米・監督組合賞の受賞者(1月31日発表)は80%以上の確率でアカデミー賞も受賞するということになります。

 *参考 米・監督組合賞2008ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200901/article_10.html

 ◆主演男優賞
 ・リチャード・ジェンキンス “The Visitor”
 ・フランク・ランジェラ 『フロスト×ニクソン』
 ・ショーン・ペン 『ミルク』
 ・ブラッド・ピット 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
 ・ミッキー・ローク “The Wrestler”

 俳優組合賞のノミネーションと全く同じ顔ぶれになりました(受賞発表は1月25日)。

 [データ]
 リチャード・ジェンキンス、フランク・ランジェラ、ミッキー・ロークは3人とも初ノミネート。ブラッド・ピットは『12モンキーズ』に続いて2度目のノミネート。ショーン・ペンは5度目のノミネート(『デッドマン・ウォーキング』『ギター弾きの恋』『アイ・アム・サム』『ミスティック・リバー』(受賞))。

 [前哨戦の結果]
 ショーン・ペンとミッキー・ロークがほぼ互角です。フランク・ランジェラに男優賞を与えたのはラスベガスのみ、リチャード・ジェンキンスとブラッド・ピットはノミネートのみで受賞はしていません。

 *参考 米・俳優組合賞ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_29.html

 ◆主演女優賞
 ・アン・ハサウェイ 『レイチェルの結婚』
 ・アンジェリーナ・ジョリー 『チェンジリング』
 ・メリッサ・レオ “Frozen River”
 ・メリル・ストリープ 『ダウト あるカトリック学校で』
 ・ケイト・ウィンスレット 『愛を読むひと』

 ここも俳優組合賞のノミネーションと全く同じ顔ぶれになりました。
 昨年のように外国映画から外国人女優(フランス映画『愛の賛歌 エディット・ピアフ』からマリオン・コティヤール)がノミネート(受賞)されるというようなことはありませんでした。
 ケイト・ウィンスレットは『レボリューショナリー・ロード』ではなく、『愛を読むひと』でのノミネーションとなりました。
 前哨戦で最多受賞となっていた『ハッピー・ゴー・ラッキー』のサリー・ホーキンスはノミネートされませんでした。
 アンジェリーナ・ジョリーは、ブラッド・ピットと夫婦でノミネートになりました。
 ミシェル・ウィリアムズ(“Wendy and Lucy”)のノミネートがあれば、ヒース・レジャーと元パートナー同士のダブル・ノミネートでしたが、それはかないませんでした。
 アン・ハサウェイとメリル・ストリープは『プラダを着た悪魔』対決になります。

 [データ]
 アン・ハサウェイとメリッサ・レオは初ノミネート、アンジェリーナ・ジョリーは『17歳のカルテ』(受賞)に続いて2度目のノミネート、ケイト・ウィンスレットは6度目のノミネート(無冠)、メリル・ストリープは15度目のノミネート(史上最多)で『ソフィーの選択』で主演女優賞、『クレイマー、クレイマー』で助演女優賞受賞。

 [前哨戦の結果]
 『レボリューショナリー・ロード』まで含まれば、ケイト・ウィンスレットが多数受賞していますが、それを除けば、アン・ハサウェイがやや多く、メリル・ストリープとケイト・ウィンスレットがそれに続いています。メリッサ・レオもフロリダ、ユタ、オハイオで受賞しています。アンジェリーナ・ジョリーには受賞はありません。

 *参考 メリッサ・レオと“Frozen River”について:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_7.html

 ◆助演男優賞
 ・ジョシュ・ブローリン『ミルク』
 ・ロバート・ダウニー Jr. 『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』
 ・フィリップ・シーモア・ホフマン 『ダウト あるカトリック学校で』
 ・ヒース・レジャー 『ダークナイト』
 ・マイケル・シャノン 『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』

 俳優組合賞のノミネーションとは5人中4人が同じになりました(デヴ・パテルではなく、マイケル・シャノンがノミネート)。

 [データ]
 ジョシュ・ブローリンとマイケル・シャノンは初ノミネート。ロバート・ダウニーJr.は『チャップリン』に続いて2度目、ヒース・レジャーは『ブロークバック・マウンテン』に続いて2度目、フィリップ・シーモア・ホフマンは『カポーティ』(受賞)『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』に続いて3度目のノミネートです。

 [前哨戦の結果]
 ジョシュ・ブローリンもわずかに受賞していますが、ここは文句なくヒース・レジャーです。ロバート・ダウニー Jr.、フィリップ・シーモア・ホフマン、マイケル・シャノンのノミネートは(今年に限っては)単なる数合わせに過ぎません。

 ◆助演女優賞
 ・エイミー・アダムス 『ダウト あるカトリック学校で』
 ・ペネロペ・クルス 『それでも恋するバルセロナ』
 ・ヴィオラ・デイヴィス 『ダウト あるカトリック学校で』
 ・タラジ・P・ヘンソン 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
 ・マリサ・トメイ “The Wrestler”

 俳優組合賞のノミネーションとは5人中4人が同じになりました。俳優組合賞では『愛を読むひと』でケイト・ウィンスレットがノミネートされていましたが、代わりにマリサ・トメイが入りました。よって、ケイト・ウィンスレットのダブル・ノミネートもダブル受賞もなくなりました。
 『レイチェルの結婚』のローズマリー・デウィットはノミネートされませんでした。

 [データ]
 ヴィオラ・デイヴィス、タラジ・P・ヘンソンは初ノミネート、エイミー・アダムスは“Junebug”に続いて2度目のノミネート、ペネロペ・クルスは『ボルベール[帰郷]』に続いて2度目のノミネート、マリサ・トメイは『いとこのビニー』(受賞)『イン・ザ・ベッドルーム』に続いて3度目のノミネート。

 [前哨戦の結果]
 マリサ・トメイがやや優勢で、ペネロペ・クルスがこれに続いています。他の3人には残念ながら受賞の目はありません。

 ◆オリジナル脚本賞
 ・コートニー・ハント “Frozen River”
 ・マイク・リー 『ハッピー・ゴー・ラッキー』
 ・Martin McDonagh “In Bruges”
 ・ダスティン・ランス・ブラック 『ミルク』
 ・アンドリュー・スタントン、ジム・レアドン(原案:アンドリュー・スタントン、ピート・ドクター)、『ウォーリー』

 ここは『それでも恋するバルセロナ』や“The Wrestler”“The Visitor”『バーン・アフター・リーディング』『レイチェルの結婚』など前哨戦受賞作や下馬評の高かった候補をことごとく落としたノミネーションとなりました。
 脚本家組合賞のノミネーションとは『ミルク』しか重なっていません(受賞結果発表は2月7日)。
 アンドリュー・スタントンは長編アニメーション賞とでダブル・ノミネートになっています。

 [データ]
 コートニー・ハント、ダスティン・ランス・ブラックは初ノミネート。Martin McDonaghは脚本では初ノミネートですが、短編映画賞でノミネートされたことがあります。マイク・リーは脚本では4度目、あと監督賞で2度ノミネーションを受けています(無冠)。アンドリュー・スタントンは『トイ・ストーリー』と『ファインディング・ニモ』で2度脚本賞にノミネートされたことがあります。『ファインディング・ニモ』で長編アニメーション賞受賞。ジム・レアドンは初ノミネート。ピート・ドクターは『トイ・ストーリー』(脚本賞)、『モンスターズ・インク』(長編アニメーション賞)、『マイクとサリーの新車でGO!』(短編アニメーション賞)に続いて4度目のノミネートになります。

 [前哨戦の結果]
 『ミルク』がやや優勢で、『ウォーリー』がこれに続きます。

 *参考 脚本家組合賞2008ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200901/article_8.html

 ◆脚色賞
 ・エリック・ロス (原案:エリック・ロス、ロビン・スウィコード)『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
 ・ジョン・パトリック・シャンリー 『ダウト あるカトリック学校で』
 ・ピーター・モーガン 『フロスト×ニクソン』
 ・デイヴィッド・ヘア 『愛を読むひと』
 ・サイモン・ビューフォイ 『スラムドッグ$ミリオネア』

 脚本家組合賞のノミネーションとは5つ中4つが同じで、『ダークナイト』の代わりに『愛を読むひと』が入りました。

 [データ]
 ジョン・パトリック・シャンリーは『月の輝く夜に』(受賞)に続いて2度目、ピーター・モーガンは『クィーン』に続いて2度目、デイヴィッド・ヘアは『めぐりあう時間たち』に続いて2度目、サイモン・ビューフォイは『フル・モンティ』に続いて2度目のノミネーション、エリック・ロスは『フォレスト・ガンプ』(受賞)『インサイダー』『ミュンヘン』に続いて4度目のノミネーションになります。ロビン・スウィコードは初ノミネート。

 [前哨戦の結果]
 『スラムドッグ$ミリオネア』が優勢で、『フロスト×ニクソン』がこれに続いています。

 ◆撮影賞
 ・『チェンジリング』 トム・スターン
 ・『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』クラウディオ・ミランダ
 ・『ダークナイト』 ウォーリー・フィスター
 ・『愛を読むひと』 クリス・メンジス、ロジャー・ディーキンス
 ・『スラムドッグ$ミリオネア』アンソニー・ドッド・マントル

 米・撮影者協会賞のノミネーションとは、『チェンジリング』以外の4作品が同じになりました。(撮影者協会賞の受賞結果発表は2月15日)
 『レボリューショナリー・ロード』もノミネートされれば、ロジャー・ディーキンスのダブル・ノミネートになるところでしたが、叶いませんでした。

 [データ]
 トム・スターンとクラウディオ・ミランダとアンソニー・ドッド・マントルは初ノミネート。ウォーリー・フィスターは3度目のノミネート(『バットマン・ビギンズ』『プレステージ』)。ロジャー・ディーキンスは8度目のノミネートで無冠(『ショーシャンクの空に』『ファーゴ』『クンドゥン』『オー・ブラザー!』『バーバー』『ノーカントリー』『ジェシー・ジェームズの暗殺』)。クリス・メンジスは4度目のノミネートで『キリング・フィールド』と『ミッション』で受賞。

 [前哨戦の結果]
 前哨戦では、『ベンジャミン・バトン』と『ダークナイト』と『スラムドッグ$ミリオネア』の3つ巴になっています。

 *参考 米・撮影者協会賞2008ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200901/article_7.html

 ◆編集賞
 ・『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』 カーク・バクスター、アンガス・ウォール
 ・『ダークナイト』 リー・スミス
 ・『フロスト×ニクソン』 マイク・ヒル、ダン・ハンリー
 ・『ミルク』エリオット・グラハム
 ・『スラムドッグ$ミリオネア』 クリス・ディケンス

 アメリカ映画編集者賞のノミネーションと全く同じになりました(アメリカ映画編集者協会の結果発表は2月15日)。

 [データ]
 カーク・バクスターとアンガス・ウォールとエリオット・グラハムとクリス・ディケンスは初ノミネート。リー・スミスは『マスター・アンド・コマンダー』に続いて2度目のノミネート。マイク・ヒルとダン・ハンリーはともに『アポロ13』(受賞)『ビューティフル・マインド』『シンデレラマン』に続いて4度目のノミネート。

 [前哨戦の結果]
 編集賞のある映画賞は多くなく、混戦しています。

 [傾向]
 編集賞は、作品賞と同じになる傾向が強い。

 *参考 アメリカ映画編集者賞2008ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200901/article_17.html

 ◆美術賞
 ・『チェンジリング』 AD(アート・ディレクション):ジェームズ・J・ムラカミ、SD(セット・デコレーション):ゲイリー・フェティス
 ・『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』 AD:ドナルド・グラハム・バート、SD:ヴィクター・J・ゾルフォ
 ・『ダークナイト』AD:ネイサン・クロウリー、SD:ピーター・ランドー
 ・“The Duchess” AD:マイケル・カーリン、SD:レベッカ・アルウェイ
 ・『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』AD:クリスティ・ジー、SD:デブラ・シュット

 [データ]
 ノミネートされている10人のうち7人(ジェームズ・P・ムラカミ、ドナルド・グラハム・バート、ヴィクター・J・ゾルフォ、ピーター・ランドー、マイケル・カーリン、レベッカ・アルウェイ、デブラ・シュット)は初ノミネート。ゲイリー・フェティスは『ゴッドファーザー PART Ⅲ』に続いて2度目のノミネート。ネイサン・クロウリーは『プレステージ』に続いて2度目のノミネート。クリスティ・ジーは“As Good as It Gets”に続いて2度目のノミネート。

 [前哨戦の結果]
 美術賞を設けている映画賞は多くはありませんが、美術賞がある映画賞のいくつかでは『ベンジャミン・バトン』が受賞しています。

 ◆衣裳デザイン賞
 ・『オーストラリア』 キャサリン・マーティン
 ・『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』 ジャクリーン・ウェスト
 ・“The Duchess” マイケル・オコーナー
 ・『ミルク』 ダニー・グリッカー
 ・『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』 アルバート・ウォルスキー

 米・衣裳デザイナー組合賞のノミネーションとは、『オーストラリア』以外の4作品が重なっています(時代映画部門)。(衣裳デザイナー組合賞結果発表は2月14日)
 『セックス・アンド・ザ・シティ』や『マンマ・ミーア!』はノミネートされませんでした。

 [データ]
 キャサリン・マーティンは4つ目のノミネート(『ロミオ+ジュリエット』『ムーラン・ルージュ』(衣裳デザイン賞と美術賞をダブル受賞))、ジャクリーン・ウェストは『クイルズ』に続いて2度目のノミネート、マイケル・オコーナーとダニー・グリッカーは初ノミネート。アルバート・ウォルスキーは7度目のノミネートで、『オール・ザット・ジャズ』と『バグジー』で受賞。

 [前哨戦の結果]
 衣裳デザイン賞のある映画賞は多くはありませんが、サテライト・アワードとフェニックス映画批評家協会賞では“The Duchess”が受賞しています。

 *参考 米・衣裳デザイナー組合賞2008ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200901/article_15.html

 ◆メイキャップ賞
 ・『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』 グレッグ・キャノン
 ・『ダークナイト』 ジョン・キャグリオーネJr.、コナー・オサリヴァン
 ・『ヘルボーイ:ゴールデン・アーミー』 マイク・エリザルデ、ソーン・フラウツ

 メイキャップ賞候補7作品から『愛をよむひと』“Synecdoche, New York”『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』“The Wrestler”の4作品が脱落しました。

 [データ]
 グレッグ・キャノンは、9度目のノミネートで、『ドラキュラ』と『ミセス・ダウト』で受賞、さらに2004年度には技術貢献賞を受賞。ジョン・キャグリオーネ Jr.は『ディック・トレーシー』(受賞)に続いて2度目のノミネート、コナー・オサリヴァンは『プライベート・ライアン』に続いて2度目のノミネート。マイク・エリザルデとソーン・フラウツは初ノミネート。

 ◆作曲賞
 ・『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』 アレクサンドル・デプラ
 ・『ディファイアンス』 ジェームズ・ニュートン・ハワード
 ・『ミルク』ダニー・エルフマン
 ・『スラムドッグ$ミリオネア』 A・R・ラフマーン
 ・『ウォーリー』 トーマス・ニューマン

 米・映画音楽批評家協会賞のノミネーションとは『ベンジャミン・バトン』と『ウォーリー』が重なっています(米・映画音楽批評家協会賞の結果発表は2月18日)。

 [データ]
 ベテランも混じっていますが、受賞経験者はひとりもいません。アレクサンドル・デプラは『クィーン』に続いて2度目のノミネート、ジェームズ・ニュートン・ハワードは8度目のノミネーション(『サウス・キャロライナ』『逃亡者』『ジュニア』『素晴らしき日』『ベスト・フレンズ・ウェディング』『ヴィレッジ』『フィクサー』)、ダニー・エルフマンは『メン・イン・ブラック』『グッド・ウィル・ハンティング』『ビッグ・フィッシュ』に続くノミネート、A・R・ラフマーンは初ノミネート、トーマス・ニューマンは10度目(今回2つ)のノミネート(『ショーシャンクの空に』『若草物語』『想い出の微笑』『アメリカン・ビューティ』『ロード・トゥ・パーディション』『ファインディング・ニモ』『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』『グッド・ジャーマン』)。

 [前哨戦の結果]
 『スラムドッグ$ミリオネア』がロサンゼルス、ニューヨーク・オンライン、サンディエゴの各映画批評家協会賞とサテライト・アワード、ゴールデン・グローブ賞を受賞しています。

 *参考 米・映画音楽批評家協会賞2008ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200901/article_20.html

 ◆歌曲賞
 ・“Down to Earth”(『ウォーリー』) 作曲:ピーター・ガブリエル、トーマス・ニューマン、作詞:ピーター・ガブリエル
 ・“Jai Ho”(『スラムドッグ$ミリオネア』) 作曲:A・R・ラフマーン、作詞:Gulzar
 ・“O Saya”(『スラムドッグ$ミリオネア』) 作曲・作詞:A・R・ラフマーン、Maya Arulpragasam

 歌曲賞候補は事前に49曲が発表されていましたが、11曲もノミネートされた『ハイスクール・ミュージカル ザ・ムービー』は1曲もノミネートされませんでした。
 米・映画音楽批評家協会賞のノミネーションとは“Down to Earth”のみ重なっています。
 ゴールデン・グローブ賞を受賞した“The Wrestler”の‘The Wrestler’はノミネートすらされませんでした。
 今年はドキュメンタリー作品からのノミネートはありませんでした。

 [データ]
 ピーター・ガブリエル、A・R・ラフマーン、Maya Arulpragasam 、Gulzar は初ノミネート。トーマス・ニューマンは10度目(今回2つ)のノミネート(『ショーシャンクの空に』『若草物語』『想い出の微笑』『アメリカン・ビューティ』『ロード・トゥ・パーディション』『ファインディング・ニモ』『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』『グッド・ジャーマン』)で無冠。

 *参考 アカデミー賞歌曲賞候補49作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_28.html

 ◆録音賞(SOUND MIXING)
 ・『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』 デイヴィッド・パーカー、マイケル・セマニック、レン・クリース、マーク・ウェインガーテン
 ・『ダークナイト』 ローラ・ヒルシュバーグ、ゲイリー・リッゾ、エド・ノヴィック
 ・『スラムドッグ$ミリオネア』 イアン・タップ、リチャード・プライク、レスル・プカッティー
 ・『ウォーリー』トム・マイヤーズ、マイケル・セマニック、ベン・バート
 ・『ウォンテッド』 クリス・ジェンキンス、フランク・A・モンターニョ、Petr Forejt

 米・映画音響協会賞のノミネーションとは5作品中3作品(『ダークナイト』『スラムドッグ$ミリオネア』『ウォーリー』)が重なっています(受賞結果発表は2月14日)。

 [データ]
 デイヴィッド・パーカーは5度目のノミネートで『イングリッシュ・ペイシェント』『ボーン・アルティメイタム』で受賞、マイケル・セマニックは7つ目のノミネート(今回2つ)で『ロード・オブ・ザ・キング/王の帰還』『キング・コング』で受賞、レン・クリースは『ファイト・クラブ』に続いて2度目のノミネート、マーク・ウェインガーテンとローラ・ヒルシュバーグは初ノミネート、ゲイリー・リッゾは『Mr.インクレディブル』に続いて2度目のノミネート、エド・ノヴィックは『スパイダーマン』に続いて2度目のノミネート、『スラムドッグ$ミリオネア』の3人は初ノミネート、トム・マイヤーズは初ノミネート、ベン・バートは12個目のノミネート(今回2つ)で『スター・ウォーズ』『レイダース/失われたアーク』『E.T.』『インディー・ジョーンズ/最後の聖戦』で受賞、クリス・ジェンキンスは4度目のノミネートで『愛と哀しみの果て』と『ラスト・オブ・モヒカン』で受賞、フランク・A・モンターニョは5度目のノミネートで無冠(『沈黙の戦艦』『逃亡者』『今そこにある危機』『バットマン・フォーエヴァー』)、Petr Forejtは初ノミネート。

 *参考 米・映画音響協会賞2008ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200901/article_9.html

 ◆音響編集賞(SOUND EDITING)
 ・『ダークナイト』リチャード・キング
 ・『アイアンマン』 フランク・E・ユルナー、クリストファー・ボーイス
 ・『スラムドッグ$ミリオネア』トム・セイヤーズ
 ・『ウォーリー』ベン・バート、マシュー・ウッド
 ・『ウォンテッド』 ワイリー・ステイトマン

 [データ]
 リチャード・キングは『マスター・アンド・コマンダー』(受賞)『宇宙戦争』に続いて3度目のノミネート、フランク・E・ユルナーは初ノミネート、クリストファー・ボーイスは11度目のノミネートで『タイタニック』『パール・ハーバー』『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』『キング・コング』で受賞、トム・セイヤーズは初ノミネート、ベン・バートは12個目のノミネート(今回2つ)で『スター・ウォーズ』『レイダース/失われたアーク』『E.T.』『インディー・ジョーンズ/最後の聖戦』で受賞、マシュー・ウッドは『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』に続いて2度目のノミネート、ワイリー・ステイトマンは4度目のノミネート(『7月4日に生まれて』『クリフハンガー』『SAYURI』)。

 ◆視覚効果賞
 ・『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』 エリック・バーバ、スティーヴ・プリーグ、ベート・ダルトン、クレイグ・バロン
 ・『ダークナイト』 ニック・デイヴィス、クリス・コーボールド、ティム・ウェバー、ポール・フランクリン
 ・『アイアンマン』 ジョン・ネルソン、ベン・スノー、ダニエル・スディック、シェーン・メイハン

 視覚効果賞候補7作品から『オーストラリア』『ヘルボーイ:ゴールデン・アーミー』『センター・オブ・ジ・アース』『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝』が脱落しました。
 視覚効果協会賞の最多ノミネーション作品は、『アイアンマン』、続いて『ダークマン』となっています。同賞のメインの部門 視覚効果が作品に大きく寄与している作品部門(OUTSTANDING VISUAL EFFECTS IN A VISUAL EFFECTS DRIVEN MOTION PICTURE)とは、『ベンジャミン・バトン』と『アイアンマン』が重なっています(受賞結果発表は2月21日)。

 [データ]
 エリック・バーバ、スティーヴ・プリーグ、ベート・ダルトンは初ノミネート、クレイグ・バロンは『バットマン・リターンズ』に続いて2度目のノミネート、『ダークナイト』の4人は全員初ノミネート、ジョン・ネルソンは『グラディエーター』(受賞)『アイ、ロボット』に続いて3度目のノミネート、ベン・スノーは『パール・ハーバー』『スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃』に続いて3度目のノミネート、ダニエル・スディックは『マスター・アンド・コマンダー』『宇宙戦争』に続いて3度目のノミネート、シェーン・メイハンは初ノミネート。

 [前哨戦の結果]
 セントルイスとフェニックスでは『ダークナイト』が、ラスベガスでは『アイアンマン』が受賞しています。

 *参考 米・視覚効果協会賞2008 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200901/article_23.html

 ◆ドキュメンタリー賞
 ・エレン・クルス(Ellen Kuras)、Thavisouk Phrasavath “The Betrayal (Nerakhoon)”
 ・ヴェルナー・ヘルツォーク 『世界の果ての出会い』
 ・スコット・ハミルトン・ケネディー “The Garden”
 ・ジェームズ・マーシュ “Man on Wire”
 ・ティア・レッシン、カール・ディール“Trouble the Water”

 [傾向]
 ・歴史(的事件)に隠された真実に迫った作品(『フォッグ・オブ・ウォー』『ブラック・セプテンバー』等)
 ・アメリカの現在を鋭くえぐってみせるような作品(『不都合な真実』『エンロン:巨大企業はいかにして崩壊したのか?』『ダーウィンの悪夢』『ボウリング・フォー・コロンバイン』『チャレンジ・キッズ』等)
 ・知られざる国・地域の知られざる実情を描いた作品(『未来を写す子どもたち』『プロミス』等)
 ・題材のユニークさが光る作品(『マーダーボール』『スーパーサイズ・ミー』『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』等)
 ・個性的な人物をクローズ・アップした作品(『マイ・アーキテクト』『戦場のフォトグラファー』『モハメド・アリ かけがえのない日々』『クリントンを大統領にした男』等)
 ・誰も観たことがないような驚異の映像を収めた作品(『WATARIDORI』『皇帝ペンギン』等)
 などが選ばれる傾向にあります。

 [前哨戦の結果]
 “Man on Wire”のひとり勝ちです。

 *参考 ドキュメンタリーも面白いゾ 2008年度 米アカデミー賞:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200811/article_11.html

 ◆短編ドキュメンタリー賞
 ・スティーヴン・オカザキ “The Conscience of Nhem En”
 ・イレーネ・テイラー、トム・グラント “The Final Inch”
 ・ミーガン・マイラン “Smile Pinki”
 ・アダム・パートフスキ、マーガレット・ハイデ “The Witness: From the Balcony of Room 306”

 “The Conscience of Nhem En”はポル・ポト軍の写真を撮り続けた戦場写真家のニェム・エンに関するドキュメンタリー、“The Final Inch”はインドの疫病を扱った作品、“Smile Pinki”は顔に傷を負った少女ピンキとソーシャル・ワーカーの物語、“The Witness: From the Balcony of Room 306”はキング牧師暗殺の目撃者の証言。

 [データ]
 スティーヴン・オカザキは“Unfinished Business”で長編ドキュメンタリー賞、『収容所の長い日々/日本人と結婚した白人女性』(受賞)『ヒロシマナガサキ』で短編ドキュメンタリー賞にノミネートされ、今回が4度目のノミネートになります。他は初ノミネート。

 [傾向]
 これまでの受賞作の紹介文には、ホロコースト、脳性麻痺、同時多発テロ、チェルノブイリ、人種隔離、エイズといった言葉が散見されます。

 ◆長編アニメーション賞
 ・クリス・ウィリアムズ、バイロン・ハワード “Bolt”
 ・ジョン・スティーヴンソン、マーク・オズボーン 『カンフー・パンダ』
 ・アンドリュー・スタントン 『ウォーリー』

 3作品ともアニー賞2008作品賞ノミネーション作品と重なっています(アニー賞発表は1月30日)。
 長編アニメーション候補14作品には『スカイ・クロラ』や『ストレンジア 無皇刃譚』、『ホートン ふしぎな世界のダレダーレ』『戦場でワルツを』が含まれていましたが、脱落しました。

 [データ]
 クリス・ウィリアムズとバイロン・ハワード、ジョン・スティーヴンソンは初ノミネート、マーク・オズボーンは『モア』が短編アニメーション賞にノミネートされたことがあり、今回が2度目のノミネート、アンドリュー・スタントンは『トイ・ストーリー』と『ファインディング・ニモ』で脚本賞にノミネートされたことがあり、『ファインディング・ニモ』で作品賞受賞、今回は脚本賞とダブル・ノミネートになっています。

 [前哨戦の結果]
 『ウォーリー』が圧勝です。

 *参考 アニー賞2008ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_6.html
 アカデミー賞長編アニメーション賞候補14作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200811/article_6.html
 映画『ウォーリー』をもっと楽しむための約35のトリビア:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_35.html

 ◆短編アニメーション賞
 ・加藤久仁生 『つみきのいえ』(日)
 ・コンスタンティン・ブロンジット “Lavatory - Lovestory”(ロシア)
 ・エムド・モクベリ、ティエリー・マーカンド、他 “Oktapodi”(仏)
 ・ダグ・スウィートランド 『プレスト』(米)
 ・アラン・スミス、アダム・ファウルケス “This Way Up” (英)

 ピクサー作品(今年は『プレスト』)6年も短編アニメーション賞を獲っていません。
 2000年以降、アメリカ映画が受賞したのは3回だけ。
 日本人がこの部門でノミネートを受けるのは山村浩二(『頭山』)以来2人目。
 アニー賞の短編アニメーション部門と重なっているのは『プレスト』だけですが、このところアニー賞と同一作品の受賞はありません。

 *参考 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2008:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200806/article_20.html
 ◆短編映画賞
 ・Reto Caffi “Auf der Strecke (On the Line)”(スイス・独)
 ・Elizabeth Marre、Olivier Pont “Manon on the Asphalt”(仏)
 ・Steph Green、Tamara Anghie “New Boy”(アイルランド)
 ・Tivi Magnusson、Dorte Høgh “The Pig”(デンマーク)
 ・Jochen Alexander Freydank “Spielzeugland (Toyland)”(独)

 “Auf der Strecke (On the Line)”はクレモン・フェラン国際短編映画祭グランプリ受賞作品、“Manon on the Asphalt”はトロント世界短編映画祭最優秀実写短編賞受賞、“New Boy”はベルリン国際映画祭特別賞受賞、“The Pig”はマイアミ国際短編映画祭外国映画部門グランプリ。受賞数では“Auf der Strecke (On the Line)”がやや多く、“New Boy”がそれに続く。

 近年は、“Rabe”のフロリアン・ガレンバーガーや、“In Bruges”のMartin McDonagh、“Red Road”のアンドレア・アーノルドなど、のちに注目の映画作家となる人材を受賞者に選んでいます。

 ◆外国語映画賞
 ・ウリ・エデル “The Baader Meinhof Complex”(独)
 ・ローラン・カンテ “The Class”(仏)
 ・滝田洋二郎 『おくりびと』(日)
 ・Gotz Spielmann “Revanche”(オーストリア)
 ・アリ・フォルマン 『戦場でワルツを』(イスラエル)

 外国語映画賞は9作品まで絞り込まれた後で、“The Necessities of Life”(カナダ/ Benoit Pilon)、“Tear This Heart Out” (メキシコ/Roberto Sneider)、“Everlasting Moments” (スウェーデン/ヤン・トロエル)『スリー・モンキーズ』(トルコ/ヌリ・ビルゲ・ジェイラン)が落選しました。

 [データ]
 ドイツ映画が外国語映画賞にノミネートされるのは8回目、西ドイツとして8回、東ドイツで1回あります。受賞したのは『名もなきアフリカの地で』『善き人のためのソナタ』の2回と、西ドイツ時代の『ブリキの太鼓』。
 フランス映画が外国語映画賞にノミネートされるのは35回目(世界一)。うち受賞したのは9回。最後の受賞は『インドシナ』(1992)。
 日本映画が外国語映画賞にノミネートされるのは12回目(『ビルマの竪琴』『永遠の人』『古都』『砂の女』『怪談』『どですかでん』『デルス・ウザーラ』『サンダカン八番館・望郷』『影武者』『泥の河』『たそがれ清兵衛』)。まだ受賞したことはありません。ただし、外国語映画賞設立以前に名誉賞という形で『羅生門』『地獄門』『宮本武蔵』が受賞しています。
 オーストリア映画が外国語映画賞にノミネートされるのは3度目。昨年の『ヒトラーの贋札』(受賞)に続いて連続ノミネート!
 イスラエル映画が外国語映画賞にノミネートされるのは8度目。昨年の『ボーフォート-レバノンからの撤退-』に続いて連続ノミネート!

 [前哨戦の結果]
 前哨戦ではスウェーデン映画“Let the Right One In”の圧勝でしたが、この作品は外国語映画賞スウェーデン代表には選ばれませんでした。その次というと、長編アニメーション賞(ゴールデン・グローブ賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞、放送映画批評家協会賞)やドキュメンタリー賞(監督組合賞ノミネート、脚本家組合賞ノミネート)、作品賞(全米映画批評家協会賞)など、いろんな部門で全米の映画賞を席捲している『バシールとワルツを』になります。

 [傾向]
 米国アカデミー賞がパルムドール受賞作品を嫌っていることは明白で、パルムドール受賞作品がアカデミー賞を受賞したのは20年前の『ペレ』まで遡らないとありません。アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたことだって、15年前の『さらば、わが愛/覇王別姫』まで遡らないとありません。“The Class”は15年ぶりのパルムドール作品のノミネートになります。

 外国語映画賞は、このところ戦争や人種的対立など過酷な状況を描いた作品が獲りやすいという傾向性があります(今回のノミネート作品ではドイツ作品がドイツ赤軍を描いていて、イスラエル作品がレバノン紛争を舞台にしています)。もう1つの傾向性は、「死」をテーマにしたもので4年前の『海を飛ぶ夢』、5年前の『みなさん、さようなら』があります。

 *参考 2008年度アカデミー賞外国語映画賞各国代表67作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200809/article_6.html
 米国アカデミー賞に受賞&ノミネートを受けた日本人リスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200801/article_20.html
 ローラン・カンテについて調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200806/article_1.html
 “The Baader Meinhof Complex”について:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200901/article_26.html

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 ノミネーション・リスト、部門ごとのデータ、などは、以上ですが、長くなってしまったので、本年度アカデミー賞の見どころ、今回のノミネーションに関するトリビア、受賞予想などは次の記事(http://umikarahajimaru.at.webry.info/200901/article_29.html)に譲りたいと思います。

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