まずは“Frozen River”が2冠! ゴッサム・アワード2008結果発表!

 アメリカ国内の映画賞レースの、先陣を切って発表されるゴッサム・アワードの結果が発表になりました。ノミネーション発表(http://umikarahajimaru.at.webry.info/200810/article_4.html)から40日も経ち、その間、いろんな映画賞のノミネーションを見たりしたので、ちょっと懐かしいくらいの気もするんですが……。

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 【最優秀作品賞】
 ・ランス・ハマー Lance Hammer “Ballast”
 ◎コートニー・ハント “Frozen River”
 ・チャーリー・カウフマン “Synecdoche, New York”
 ・トマス・マッカーシー “The Visitor”
 ・ダーレン・アロノフスキー “The Wrestler”

 【新人監督賞】(Breakthrough Director)
 ・アントニオ・カンポス Antonio Campos(“Afterschool”)
 ・デニス・ドイチ Dennis Dortch(“A Good Day to Be Black & Sexy”)
 ◎ランス・ハマー Lance Hammer(“Ballast”)
 ・バリー・ジェンキンス Barry Jenkins (“Medicine for Melancholy”)
 ・アレックス・リヴェラ Alex Rivera(『スリープ・ディーラー』“Sleep Dealer”)

 【アンサンブル賞】(Best Ensemble Performance)
 ・“Ballast”(ランス・ハマー Lance Hammer)
 ・“Rachel Getting Married”(ジョナサン・デミ)
 ◎“Synecdoche, New York”(チャーリー・カウフマン)
 ◎“Vicky Cristina Barcelona”(ウディ・アレン)
 ・“The Visitor”(トマス・マッカーシー)

 【新人賞】(Breakthrough Actor)
 ・レドロ・カスタネーダ Pedro Castaneda(“August Evening”)
 ・ローズマリー・デウィット Rosemarie DeWitt(“Rachel Getting Married”)
 ・レベッカ・ホール Rebecca Hall(“Vicky Christina Barcelona”)
 ◎メリッサ・レオ Melissa Leo(“Frozen River”)
 ・マイケル・J・スミス,Sr. Micheal J. Smith, Sr.(“Ballast”)

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 【映画館じゃ上映してないけどいい映画で賞】(Best Film Not Playing at a Theater Near You)
 ・アントニオ・カンポス Antonio Campos “Afterschool”
 ・テイラー・グリーソン Taylor Greeson “Meadowlark”
 ・トム・クイン Tom Quinn “The New Year Parade”
 ◎ニーナ・パレイ Nina Paley “Sita Sings the Blues”
 ・ジェイク・マハフィー Jake Mahaffy “Wellness”

 【最優秀ドキュメンタリー賞】(Best Documentary)
 ・グイド・サンティ Guido Santi、ティナ・マスカラ Tina Mascara “Chris & Don: A Love Story”
 ・ヴェルナー・ヘルツォーク 『世界の果ての出会い』“Encounters at the End of the World”
 ・ジェームズ・マーシュ “Man on Wire”
 ・マリア・ゼノヴィッチ Maria Zenovich “Roman Polanski: Wanted and Desired”
 ◎ティア・レッシン Tia Lessin、カール・ディール Carl Deal “Trouble the Water”

 【トリビュート・アワード】
 フィルムメーカー部門:
 ◎ガス・ヴァン・サント

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 ◎メルヴィン・ヴァン・ピープルズ

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 ◎シェイラ・ネヴィンズ

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 俳優部門:◎ペネロペ・クルス

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 まずは、“Frozen River”が2冠獲得しました。

 “Frozen River”は、クリスマス前の数日間、カナダのモホーク族の居住区とそこに隣接するアメリカのニューヨーク州が舞台で、密輸で稼いだお金でギリギリの生活をしている白人女性と、モホーク族の女性(ともにシングル・マザー)が凍てつくセント・ローレンス川を越えて、カナダからアメリカに密入国しようとする物語。今年のサンダンス映画祭に出品されて、生活の厳しさに関するリアルな描写とスリリングなドラマ展開がタランティーノの喝采を浴び、ドラマ部門のグランプリを受賞した作品です。

 監督のコートニー・ハントは、テネシー州メンフィスの生まれで、現在43歳。ノースイースタン大学で法律を学んだ後、いったんは法律の世界で働こうとするが、自分には向いていないと思い、コロンビア映画学校(Columbia Film School (MFA).)に入り直す。
 コートニー・ハントの母親は、18歳で結婚して、彼女を生むが、彼女が3歳の時に離婚。母親は、避難所としてよく彼女を映画館に連れて行ったという。11歳の時に『アリスの恋』を観、「この映画で描かれていることはまさに自分の知ってることばかりだ」と感じ、深く感銘を覚える。「母親は、私のためにベストを尽くしてくれた。ボーイフレンドは何人もいた。その中にはいい人もいたけど、どうしようもないヤツもいた」と。
 短編“Althea Faught”は、南北戦争を描いた作品で、数々の映画祭で上映される。
 “Frozen River”には、同じキャストによる短編バージョン(2004年)があり、ニューヨーク映画祭、ロサンゼルス映画祭等で上映される。この長編版の脚本がゴッサム・アワードの運営母体でもあるIndependent Feature Project (IFP)のシナリオ審査(IFP New York’s emerging Narrative Feature Script Section in 2005)でファイナリスト6本のうちの1本に選ばれ、そこから長編版“Frozen River”の制作が進められた。
 “Frozen River”が初監督長編、初脚本作品(長編)となった。
 現在は2本の企画があり、そのうちの1本の制作に取り掛かっている。

 主演女優のメリッサ・レオは、1960年、ニューヨーク生まれの女優。ニューヨーク州立大学に学ぶが、中退。
 80年代半ばから女優として活躍し、テレビ・シリーズ"All My Children"では、ジュリア・ロバーツを抑えて、役をゲットしたこともある。
 俳優ジョン・ハードとの間に一児をもうけるが、別れる(その後、ジョン・ハードからハラスメントを受けたというのはよく知られたスキャンダルらしい)。
 映画『21グラム』では、前科者ジョーダン(ベニチオ・デル・トロ)の妻として2人の子供を養おうと奮闘する女性を演じて、ロサンゼルス映画批評家協会賞助演女優賞を受賞している。

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 ドキュメンタリー賞を受賞した“Trouble The Water”は、サンダンス映画祭2008でもドキュメンタリー部門グランプリを受賞した作品で、洪水で大きな被害を被ったニューオリンズで、生きるとはどういうことかを身を持って示そうとするラップ・アーティスト夫婦を追ったドキュメンタリー。
 監督のティア・レッシン(Tia Lessin)は、『ボウリング・フォー・コロンバイン』『華氏911』『ボブ・ディラン「ノー・ディレクション・ホーム」』『ザ・フー:アメージング・ジャーニー』などの作品の製作に関わっている人物で、監督作としてはこれが2作品目。共同監督のカール・ディール(Carl Deal)はarchivistとして『ボウリング・フォー・コロンバイン』や『マーダーボール』に関わった人物で、監督を手がけるのはこれが初めてです。

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 *当ブログ記事
 ・2008年度映画賞レース スケジュール表!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200811/article_10.html

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