映画賞2008! サンフランシスコ、セントルイス、サンディエゴ、フェニックス、トロント、ダラス……

 2008年度のアメリカの映画賞レースをずっと追いかけてきましたが、ここからは毎日たくさんの映画賞が発表されるので、ここらでちょっと整理をしておきたいと思います。

 まず、これまでに結果の発表されたアメリカの映画賞に、発表された順に番号を振ることにしました(以下の通り)。

 1.ゴッサム・アワード:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_7.html
 2.ナショナル・ボード・オブ・レビュー:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_10.html
 3.ワシントンDC映画批評家協会賞:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_15.html
 4.ロサンゼルス映画批評家協会賞:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_16.html
 5.ニューヨーク映画批評家協会賞:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_18.html
 6.ニューヨーク・オンライン映画批評家協会賞:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_24.html
 7.ボストン映画批評家協会賞:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_24.html
 8.サテライト・アワード:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_25.html
 9. 女性映画ジャーナリスト同盟映画賞(Alliance of Women Film Journalists Awards):http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_26.html
 10. 女性映画批評家協会賞(Women Film Critics Circle):http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_26.html

 主要6部門の受賞結果は―
 ◆作品賞
 ・“Slumdog Millionaire”:2、3、6、7、8、9
 ・“Milk”:5
 ・“Frozen River”:1、10
 ・『ウォーリー』:4、7
 ・『ハッピー・ゴー・ラッキー』:8
 ・『チェンジリング』:10

 ◆監督賞
 ・ダニー・ボイル:3、4、6、8、9
 ・デイヴィッド・フィンチャー(『ダークナイト』):2
 ・マイク・リー(『ハッピー・ゴー・ラッキー』):5
 ・ガス・ヴァン・サント(“Milk”):7

 ◆主演男優賞
 ・ショーン・ペン(“Milk”):4、5、6、7、9
 ・ミッキー・ローク(The Wrestler):3、7、10
 ・クリント・イーストウッド(『グラン・トリノ』):2
 ・リチャード・ジェンキンス(“The Visitor”):8
 ・リッキー・ジャーヴェイス(“Ghost Town”):8

 ◆主演女優賞
 ・サリー・ホーキンス(『ハッピー・ゴー・ラッキー』):4、5、6、7、8、9
 ・メリル・ストリープ(“Doubt”):3
 ・アン・ハサウェイ(“Rachel Getting Married”):2
 ・アンジェリーナ・ジョリー(『チェンジリング』):8
 ・ケイト・ウィンスレット(『レボリューショナリー・ロード』『愛をよむひと』):9
 ・メリッサ・レオ(“Frozen River”):10

 ◆助演男優賞
 ・ヒース・レジャー(『ダークナイト』):3、4、6、7、9
 ・ジョシュ・ブローリン(“Milk”):2、5
 ・マイケル・シャノン(『レボリューショナリー・ロード』):8

 ◆助演女優賞
 ・ペネロペ・クルス(Vicky Christina Barcelona):2、4、5、6、7
 ・ローズマリー・デウィット(“Rachel Getting Married”):3、8
 ・ヴィオラ・デイヴィス(“Doubt”):9

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 以上の結果を踏まえて、本日は、11.セントルイス、12.サウス・イースタン、13.サンフランシスコ、15.フェニックス、16.オースティン、17.ヒューストン、18.トロント、19.ダラス、の各映画批評家協会賞の結果になります。

 映画賞レースをずっと見ていって面白いと思うのは、結果的に後に発表される映画批評家協会賞ほど、(一番最後に発表される)アカデミー賞との合致度が高くなる傾向があるということです。たとえば2007年度の場合、最初期に発表されたロサンゼルスの結果がアカデミー賞と2部門しか重ならなかったのに対して、後に
発表されたオースティンは6つ、サウス・イースタンは7つ、フェニックスは10も同じ結果を出しています。
 そういう風に見ると、下記の結果もなおさら興味深いものがありますね。

画像

 ◆作品賞
 11.セントルイス:『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
 12.サウス・イースタン:“Milk”
 13.サンフランシスコ:“Milk”
 14.サンディエゴ:“Slumdog Millionaire”
 15.フェニックス:“Slumdog Millionaire”
 16.オースティン:『ダークナイト』
 17.トロント:“Wendy and Lucy”(Kelly Reichardt)
 18.ヒューストン:『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
 19.ダラス:“Slumdog Millionaire”

 ◆監督賞
 11.セントルイス:ダニー・ボイル
 12.サウス・イースタン:ダニー・ボイル 次点:ガス・ヴァン・サント
 13.サンフランシスコ:ガス・ヴァン・サント
 14.サンディエゴ:ダニー・ボイル
 15.フェニックス:ダニー・ボイル
 16.オースティン:クリストファー・ノーラン 『ダークナイト』
 17.トロント:ジョナサン・デミ “Rachel Getting Married”
 18.ヒューストン:ダニー・ボイル
 19.ダラス:ダニー・ボイル

 ◆主演男優賞
 11.セントルイス:ショーン・ペン
 12.サウス・イースタン:ショーン・ペン 次点:ミッキー・ローク
 13.サンフランシスコ:ショーン・ペン
 14.サンディエゴ:ミッキー・ローク
 15.フェニックス:ショーン・ペン
 16.オースティン:ショーン・ペン
 17.トロント:ミッキー・ローク
 18.ヒューストン:ショーン・ペン
 19.ダラス:ショーン・ペン

 ◆主演女優賞
 11.セントルイス:ケイト・ウィンスレット
 12.サウス・イースタン:アン・ハサウェイ 次点:ケイト・ウィンスレット
 13.サンフランシスコ:サリー・ホーキンス
 14.サンディエゴ:ケイト・ウィンスレット
 15.フェニックス:メリル・ストリープ
 16.オースティン:アン・ハサウェイ
 17.トロント:ミシェル・ウィリアムズ(“Wendy and Lucy”)
 18.ヒューストン:アン・ハサウェイ
 19.ダラス:アン・ハサウェイ

 ◆助演男優賞
 11.セントルイス:ヒース・レジャー
 12.サウス・イースタン:ヒース・レジャー 次点:ロバート・ダウニー Jr.
 13.サンフランシスコ:ヒース・レジャー
 14.サンディエゴ:ヒース・レジャー
 15.フェニックス:ヒース・レジャー
 16.オースティン:ヒース・レジャー
 17.トロント:ヒース・レジャー
 18.ヒューストン:ヒース・レジャー
 19.ダラス:ヒース・レジャー

 ◆助演女優賞
 11.セントルイス:ヴィオラ・デイヴィス
 12.サウス・イースタン:ペネロペ・クルス 次点:ヴィオラ・デイヴィス
 13.サンフランシスコ:マリサ・トメイ(“The Wrestler”)
 14.サンディエゴ:マリサ・トメイ
 15.フェニックス:マリサ・トメイ
 16.オースティン:タラジ・P・ヘンソン (『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』)
 17.トロント:ローズマリー・デウィット
 18.ヒューストン:ヴィオラ・デイヴィス
 19.ダラス:ヴィオラ・デイヴィス

 ◆脚本賞/脚色賞
 11.セントルイス:『フロスト×ニクソン』
 12.サウス・イースタン 脚本:“Milk”、脚色:“Slumdog Millionaire”
 次点 脚本:“The Wrestler”、脚色:『ベンジャミン・バトン』
 13.サンフランシスコ 脚本:“Milk”、脚色:『フロスト×ニクソン』
 14.サンディエゴ 脚本:“The Visitor”、脚色:“Slumdog Millionaire”
 15.フェニックス 脚本:“In Bruges”、脚色:“Slumdog Millionaire”
 16.オースティン 脚本:“Synecdoche,New York”、脚色:『ダークナイト』
 17.トロント:“Rachel Getting Married”
 18.ヒューストン:“Slumdog Millionaire”
 19.ダラス:“Milk”

 ◆撮影賞
 11.セントルイス:マンディー・ウォーカー 『オーストラリア』
 12.サウス・イースタン:
 13.サンフランシスコ:ウォーリー・フィスター 『ダークナイト』
 14.サンディエゴ:アンソニー・ダッド・マントル “Slumdog Millionaire”
 15.フェニックス:クラウディア・ミランダ『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
 16.オースティン:コリン・ワトキンソン “The Fall”
 17.トロント:
 18.ヒューストン:クラウディア・ミランダ『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
 19.ダラス:ウォーリー・フィスター 『ダークナイト』

 ◆編集賞
 14.サンディエゴ:クリス・ディケンス “Slumdog Millionaire”
 15.フェニックス:クリス・ディケンス “Slumdog Millionaire”

 ◆美術賞
 14.サンディエゴ:ドナルド・グラハム・バート 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
 15.フェニックス:『ダークナイト』

 ◆衣裳賞
 15.フェニックス:“The Duchess”

 ◆作曲賞
 14.サンディエゴ:A・R・ラフマーン “Slumdog Millionaire”
 15.フェニックス:『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
 16.オースティン:ジェームズ・ニュートン・ハワード、ハンス・ジマー『ダークナイト』

 ◆音楽賞
 11.セントルイス:“The Visitor”

 ◆歌曲賞
 15.フェニックス:‘The Wresler’(“The Wrstler”)
 18.ヒューストン:‘Down to Earth’(『ウォーリー』)

 ◆視覚効果賞
 11.セントルイス:『ダークナイト』
 15.フェニックス:『ダークナイト』

 ◆スタント賞
 15.フェニックス:『ダークナイト』

 ◆コメディー賞
 11.セントルイス:“Burn After Reading”(ジョエル&イーサン・コーエン)

 ◆ファミリー映画賞
 15.フェニックス:『ハイスクール・ミュージカル ザ・ムービー』

 ◆新人賞
 15.フェニックス:Dev Patel(“Slumdog Millionaire”)

 ◆新人監督賞
 15.フェニックス:Martin McDonagh(“In Bruges”)
 16.オースティン:Nacho Vigalondo(“Timecrimes”)
 17.トロント:Lance Hammer(“Ballast”)

 ◆ブレイクスルー賞
 16.オースティン:ダニー・マクブライド(“Pineapple Express”、“The Foot Fistway”、『トロピック・サンダー』)

 ◆ヤング・パフォーマンス賞
 15.フェニックス 男性:Ayush Mahesh Khedekar(“Slumdog Millionaire”)、女性:ダコタ・ファニング(“Secret Life of Bees”)

 ◆アンサンブル賞
 14.サンディエゴ:『フロスト×ニクソン』
 15.フェニックス:“Milk”
 18.ヒューストン:“Doubt”

 ◆ドキュメンタリー賞
 11.セントルイス:“Man on Wire”(ジェームズ・マーシュ)
 12.サウス・イースタン:“Man on Wire” 次点:『ヤング@ハート』
 13.サンフランシスコ:“My Winnipeg”(ガイ・マディン)
 14.サンディエゴ:“Man on Wire”
 15.フェニックス:“Man on Wire”
 16.オースティン:“Man on Wire”
 17.トロント:“Man on Wire”
 18.ヒューストン:“Man on Wire”
 19.ダラス:“Man on Wire

 ◆長編アニメーション賞
 11.セントルイス:『ウォーリー』
 12.サウス・イースタン:『ウォーリー』 次点:『カンフー・パンダ』
 13.サンフランシスコ:
 14.サンディエゴ:『ウォーリー』
 15.フェニックス:『ウォーリー』
 16.オースティン:『ウォーリー』
 17.トロント:『ウォーリー』
 18.ヒューストン:『ウォーリー』
 19.ダラス:『ウォーリー』

 ◆外国(語)映画賞
 11.セントルイス:“Slumdog Millionaire”(英・米・インド/ダニー・ボイル)
 12.サウス・イースタン:“Let the Right One In”(スウェーデン/トマス・アルフレッドソン) 次点:“I’ve Loved You So Long”(フィリップ・クローデル)
 13.サンフランシスコ:“Let the Right One In”
 14.サンディエゴ:“Let the Right One In”
 15.フェニックス:“Let the Right One In”
 16.オースティン:“Let the Right One In”
 17.トロント:“Let the Right One In”
 18.ヒューストン:『モンゴル』(モンゴル・独・カザフスタン・ロシアセルゲイ・ボドロフ)
 19.ダラス:“Tell No One”(仏/ギヨーム・カネ)

 ◆その他の賞
 11.セントルイス 革新的/創造的作品(Most Original,Innovative or Creative Film):『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
 14.サンディエゴ Body of Work Award:リチャード・ジェンキンス(“The Visitor”)、“Burn After Reading”、“Step Brothers”、“The Tale of Despereaux”
 Kyle Counts Award:サンディエゴ中央図書館映画プログラム
 15.フェニックス 見落とされがちな作品(Best Overlooked Film):“In Bruges”
 16.オースティン 最優秀オースティン映画(Best Austin Film):“Crawford”
 18.ヒューストン 貢献賞映画館部門(Outstanding Achievement in Cinema):アンドレア・グローバーとオーロラ・ピクチャー・ショー(Andrea Grover and The Aurora Picture Show)
 貢献賞プログラミング部門(Outstanding Achievement in Film Programming):マリアン・ルンツとヒューストン美術館映画部(Marian Luntz and The Museum of Fine Arts Houston’s Film Department)
 19.ダラス ラッセル・スミス賞:“Wendy and Lucy”

 ◆トップ10
 12.サウス・イースタン:
 ①“Milk”、②“Slumdog Millionaire”、③『ウォーリー』、④『ダークナイト』、⑤“The Westler”、⑥『ベンジャミン・バトン』、⑦『愛をよむひと』、⑧“The Visitor”、⑨『フロスト×ニクソン』、⑩『レボリューショナリー・ロード』

 15.フェニックス:
 『ベンジャミン・バトン』、『ダークナイト』、『フロスト×ニクソン』、“In Bruges”、“Milk”、『愛をよむひと』、“Slumdog Millionaire”、“The Visitor”、『ウォーリー』、“The Wrestler”

 16.オースティン:
 ①『ダークナイト』、②“Slumdog Millionaire”、③“Milk”、④“Synecdoche,New York”⑤『ベンジャミン・バトン』、⑥“The Wrestler”、⑦『ウォーリー』、⑧『フロスト×ニクソン』、⑨“Let the Right One In”、⑩『グラン・トリノ』

 17.トロント(カナダ映画トップ10):
 アトム・エゴヤン"Adoration"、Marie-Helene Cousineau & Madeline Piujuq Ivalu "Before Tomorrow"、Benoit Pilon "The Necessities of Life"、Philippe Falardeau "It's Not Me, I Swear"、カリ・スコグラント"Fifty Dead Men Walking"、ディーパ・メータ"Heaven on Earth"、Rodrigue Jean "Lost Song"、レア・プール "Mommy Is at the Hairdresser"、Luc Bourdon "The Memories of Angels"、ブルース・マクドナルド"Pontypool"

 19.ダラス:
 ①“Slumdog Millionaire”、②“Milk”、③『ダークナイト』、④『ベンジャミン・バトン』、⑤“The Wrestler”、⑥“The Visitor”、⑦『フロスト×ニクソン』、⑧“Doubt”、⑨『ウォーリー』、⑩『ハッピー・ゴー・ラッキー』

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 圧倒的に強いのは、主演男優賞のショーン・ペン、助演男優賞のヒース・レジャー、ドキュメンタリー賞の“Man on Wire”、長編アニメーション賞の『ウォーリー』。

 “Slumdog Millionaire”とダニー・ボイルの圧勝と思われた作品賞/監督賞はここにきて混戦状態になっています。

 主演女優賞はアン・ハサウェイがやや強く、助演女優賞は混戦。

 脚本(脚色)では“Slumdog Millionaire”がやや優勢です。

 外国(語)映画賞は、ここにきて、「隣に引っ越してきた少女はヴァンパイアだった」というスウェーデン映画“Let the Right One In”が賞レースの本命になってきていますが、この作品はアカデミー賞外国語映画賞のスウェーデン代表には選ばれておらず、アカデミー賞にノミネートされることはありません(だから逆に映画批評家協会賞で人気なのかな?)。

 というわけで、映画賞レースは佳境に入ってきています。アカデミー賞ノミネート発表まであと5週です!

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 *当ブログ記事
 ・映画賞レーススケジュール表2008:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200811/article_10.html
 ・アカデミー賞候補作品公開スケジュール:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200811/article_8.html
 ・早くも第81回アカデミー賞の結果を予想してみました!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_19.html
 ・日本映画の2008年度映画賞の結果をまとめてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_11.html











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