台湾・金馬奨2008 結果発表!

 第45回台湾・金馬奨の結果が発表になりました(12月6日)。

 個人的にはこれまで金馬奨までチェックするということはなかったのですが、今年は既に観ていた作品がいくつかと、観に行ったけれど当日券はないと言われて観られなかった作品が1つと、そのほか気になる作品がいくつかノミネートされていたのうを知っていたので、金馬奨の動向もちょっと気にかけていました。

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 以下が、そのリストになります(◎印が受賞者/受賞作)。

 日本で作品が紹介され、知名度がある人物名は、カタカナ表記で、それほど知名度がないか、知られていない人物は、中文に英語名を併記しました(カタカナ表記を併記したものもあります)。
 作品には、上から見ていって、初出の作品には監督名を添えてあります。
 「部門のタイトル」は中国語表記のものがありますが、それをそのまま表記するのではなく、英語表記の部門タイトルを日本語に直して表記しています(他の映画賞と表記を統一するため)。

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 ◆作品賞
 ・『海角七号』(監督:ウェイ・ダーション)
 ・『Orzボーイズ!』(監督:ヤン・ヤーチェ)
 ・『戦場のレクイエム』(監督:フォン・シャオガン)
 ・“一半是海水、一半是火焰/Ocean Flame”(監督:リウ・フェントウ)
 ◎“投名狀/The Warlords”(監督:ピーター・チャン)

 ◆監督賞
 ・ウェイ・ダーション(『海角七号』)
 ・パン・ホーチョン(『些細なこと』)
 ◎ピーター・チャン(“投名狀/The Warlords”)
 ・シルビア・チャン(“一個好爸爸/Run Papa Run”)

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 ◆主演男優賞
 ◎チャン・ハンユー(『戦場のレクイエム』)
 ・リョ・ファン 廖凡/Liao Fan(“一半是海水、一半是火焰/Ocean Flame”)
 ・ジェット・リー(“投名狀/The Warlords”)
 ・ルイス・クー(“一個好爸爸/Run Papa Run”)

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 ◆主演女優賞
 ◎プルーデンス・ラウ(“我不賣身 我賣子宮/True Women For Sale”)監督:ハーマン・ヤウ)
 ・モニカ・モク 莫小奇/Monica Mok(“一半是海水、一半是火焰/Ocean Flame”)
 ・カリーナ・ラム(『親密』)
 ・サンドリーナ・ピンナ 張榕容/Sandrine Pinna(“渺渺/Miao Miao” 監督:程孝澤/Cheng Hsiao Tse)

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 ◆助演男優賞
 ◎馬如龍/Ma Ju-Lung(『海角七号』)
 ・イーソン・チャン(『些細なこと』)
 ・レオン・ダイ・リーレン(“停車/Parking”)
 ・フー・ジュン(『レッドクリフ PartⅠ』)

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 ◆助演女優賞
 ◎メイ・ファン(『Orzボーイズ!』)
 ・Lai Ming(“Money No Enough 2” 監督:ジェック・ネオ)
 ・吳立琪/Li-Qi Wu(“歧路天堂/Detours to Paradise” 監督:李奇Rich Lee)
 ・ノラ・ミャオ(“一個好爸爸/Run Papa Run”)

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 ◆新人賞
 ・田中千絵(『海角七号』)
 ・林宗仁/ Johnny C.J. LIN(『海角七号』)
 ・パン・チンユー 潘親御/ Pang Chin-Yu(『Orzボーイズ!』)
 ◎姜聖民/ Suming Chiang(“跳格子/Hopscotch”監督:姜秀瓊/Chiang Hsiu Chiung)

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 ◆オリジナル脚本賞
 ・ヤン・ヤーチェ(『Orzボーイズ!』)
 ◎ヘンリー・ツァイ/蔡宗翰、Tom Shu-Yu Lin/林書宇(『九月の風』 監督:トム・リン)
 ・シュウ・ラン 須蘭/ Xu Lan、チュン・ティンナム 秦天南/ Chun Tin Nam、オーブリー・ラム 林愛華/ Aubrey Lam、ホァン・ジャンシン 黃建新/ Huang Jian-Xin、ジョジョ・ホイ 許月珍/ Jojo Hui、ホー・ケイビン 何冀平/ He Ji Ping、クォック・チュンラッ 郭俊立/ Guo Jun Li、ジェームズ・ユエン 阮世生/ James Yuen(“投名狀/The Warlords”)
 ・アイビー・ホー(『親密』)

 ◆脚色賞
 ・パン・ホーチョン(『些細なこと』)
 ◎リュウ・ホン(『戦場のレクイエム』)

 ◆撮影賞
 ・チン・ディンチャン 秦鼎昌/ Chin Ting-Chang(『海角七号』)
 ・陳瑩/Chen Ying-Chan、陳楚強/Chen Chor-Keung(“一半是海水、一半是火焰/Ocean Flame”)
 ・アーサー・ウォン(“投名狀/The Warlords”)
 ◎チェン・シウキョンHKSE(『文雀』 監督:ジョニー・トー)

 ◆編集賞
 ・チェン・シャオトン 陳曉東/Chen Hsiao-Dong(『九月の風』)
 ◎ヤウ・チーワイ 邱志偉/Yau Chi-Wai(“保持通話/ Connected” 監督:ニック・チョン)
 ・李棟全/Wenders Li(“投名狀/The Warlords”)
 ・コン・チーリョン 鄺志良/Kong Chi-Leung(『親密』)

 ◆音響効果賞
 ・ドゥ・ドゥチー 杜篤之/ Tu Duu-Chi(『海角七号』)
 ・ワン・ダンロン 王丹戎/Wang Danrong、金石源/Kim Suk-Won(『戦場のレクイエム』)
 ・Sunit Asvinikul、Nakorn Kositpaisal(“投名狀/The Warlords”)
 ◎Steve Burgess(“謎屍/ Missing” 監督:ツイ・ハーク)

 ◆視覚効果賞
 ・フィル・ジョーンズ Phil Jones(『戦場のレクイエム』)
 ◎吳炫輝/Ng Yuen-Fai、鄒志盛/Chau Chi-Shing、郭惠玲/Tracy Kok(“投名狀/The Warlords”)
 ・クレイグ・ヘイズ Craig Hayes、孤兒院/ The Orphange(『レッドクリフPartⅠ』)
 ・黃宏顯/ Eddy Wong、黃宏達/Victor Wong、羅偉豪/ Ken Law(『ミラクル7号』)

 ◆美術賞
 ・リー・ヤン 李楊/Li Yang、レイモンド・クォック 郭少強/Raymond Kwok(“一半是海水、一半是火焰/Ocean Flame”)
 ・ユー・チュンマン 奚仲文/Yee Chung -Man、イ・ジェンジョウ 易振洲/Yi Zheng-Zhou、ピーター・ウォン 黃炳輝/Pater Wong(“投名狀/The Warlords”)
 ◎趙思豪(“停車/Parking”)
 ・ティン・イップ(『レッドクリフPartⅠ』)

 ◆メイキャップ&コスチューム・デザイン賞
 ・マンリム・チャン 文念中/Man Lim-Chung(『些細なこと』)
 ◎黃育男/Luke Huang、康俊偉/Sai Com(“花吃了那女孩/ Candy Rain” 監督:陳宏一 Chen Hung-I)
 ・ユー・チュンマン 奚仲文/Yee Chung -Man、ジェシー・ダイ 戴美玲/Jessie Dai、リー・ピックワン 利碧君/Lee Pik-Kwan(“投名狀/The Warlords”)
 ・ティン・イップ(『レッドクリフPartⅠ』

 ◆アクション監督賞
 ・朴柱天/Park Ju-Chun(『戦場のレクイエム』)
 ◎ニッキー・リー 李忠志/ Li Chung-Chi(“保持通話/ Connected”)
 ・マー・ユンシク 馬玉成/ Ma Yuk-Sing、黃銘健/ Huang Ming-Jian、チン・シウトン(“江山美人/An Empress And The Warriors” 監督:チン・シウトン)
 ・チン・シウトン(“投名狀/The Warlords”)

 ◆オリジナル作曲賞
 ◎呂聖斐/Fred Lu、駱集益/Lo Chi-Yi(『海角七号』)
 ・チャン・クォンウィン 陳光榮/ Chan Kwong-Wing、ピーター・カム 金培達/PeterKam、Chatchai Pongprapaphan、高世章/Leon Ko(“投名狀/The Warlords”)
 ・何國杰/ Ricky Ho(“12 Lotus/十二蓮花” 監督:ロイストン・タン)
 ・グザヴィエ・ジャモー Xavier Jamaux、Fred Avril(『文雀』)

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 ◆歌曲賞
 ◎“國境之南”(『海角七号』)
 作詞:嚴云農/Matthew Yen  作曲:曾志豪 歌唱:范逸臣 ファン・イーチェン/Van
 ・“周大俠/I Don't Sell Dou Fu”(『カンフー・ダンク!』 監督:チュー・イェンピン)
 作詞:方文山/Vincent Fang Wen Shan  作曲:ジェイ・チョウ、歌唱:ジェイ・チョウ、杜國璋/Tu Kuo-Cgang
 ・“香香/ Pang Pang”(“漂浪青春/ Drifting Flowers” 監督:ゼロ・チョウ 周美玲/Chou MeI-Lin)
 作詞:クリスティン・スー 許景淳/Christine HSU 作曲:クリスティン・スー 許景淳/Christine HSU 歌唱:レナ・ファン 房思瑜/ Serena FANG
 ・“Get together”(“渺渺/Miao Miao”)
 作詞:シンシン・リー 李欣芸Cin Cin Le、程馗/Cheng Kuei 作曲:シンシン・リー 李欣芸/Cin Cin Lee、程馗/Cheng Kuei  歌唱:チョン・チーラム 張智霖/Chilam Cheung

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 ◆短編賞
 ・“曬棉被的好天氣/My Grandma” 監督:蔡宗翰/Tsai Tsung-Han
 ・“兒子/A Son” 監督:鄭文堂/Cheng Wen-tang
 ◎“跳格子/Hopscotch”監督:姜秀瓊/Chiang Hsiu Chiung
 ・“天黑/The end of the tunnel”監督:張榮吉 Chang Rong-ji

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 ◆ドキュメンタリー賞
 ・“愛與狗同行/This Darling Life” 監督:陳安琪/Angelina Chen
 ・“遊藝人生女/Erotic Float Dancers” 監督:林融駿/Tedd Lin
 ◎“Up The Yangtze/沿江而上” 監督:張僑勇/Yung Chang

 ◆アニメーション賞
 該当作なし

 ◆台湾映画賞
 ◎『海角七号』
 ・『九月の風』
 ・“停車/Parking”

 ◆国際批評家連盟賞
 ◎“停車/Parking”

 ◆観客賞
 ◎『海角七号』

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 ◆台湾映画人・オブ・ザ・イヤー
 ◎ウェイ・ダーション(『海角七号』監督)
 ・リー・ロンユー 李龍禹

 ◆生涯功労賞
 ◎常楓/ Chang Feng

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 ◆特別功労賞
 ◎黄仁/ Huang Ren

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 特別賞・功労賞的な3賞を除くと、全部で部門は24あり、そこに31作品がノミネートされています。

 主だった作品の受賞数/ノミネート数は以下の通りです。
 ・『海角七号』5/11 (「台湾映画人・オブ・ア・イヤー」まで含めると6/12)
 ・“投名狀/The Warlords”3/12
 ・『戦場のレクイエム』2/6
 ・“停車/Parking”2/4
 ・“保持通話/ Connected”2/2
 ・“跳格子/Hopscotch”2/2
 ・『Orzボーイズ!』1/4
 ・『九月の風』1/3
 ・『文雀』1/2
 ・“一半是海水、一半是火焰/Ocean Flame”0/5
 ・『レッドクリフ PartⅠ』0/4
 ・『些細なこと』0/4
 ・『親密』0/3
 ・『ミラクル7号』0/1
 ・『カンフー・ダンク!』0/1

 ノミネート作品を製作国別に分けると―
 ・台湾(12):『海角七号』、“漂浪青春/ Drifting Flowers”、『Orzボーイズ!』、“花吃了那女孩/ Candy Rain”、『九月の風』、“歧路天堂/Detours to Paradise”、“停車/Parking”、“曬棉被的好天氣/My Grandma” 、“兒子/A Son”、“跳格子/Hopscotch”、“天黑/The end of the tunnel”、“遊藝人生女/Erotic Float Dancers”
 ・香港(10):『些細なこと』、“我不賣身 我賣子宮/True Women For Sale”、“一半是海水、一半是火焰/Ocean Flame”、“江山美人/An Empress And The Warriors”、『文雀』、“謎屍/ Missing”、『親密』、『ミラクル7号』、“愛與狗同行/This Darling Life”
 ・中国(1):『戦場のレクイエム』
 ・シンガポール(2):“Money No Enough 2”、“12 Lotus”
 ・カナダ(1):“Up The Yangtze/沿江而上”
 ・中国/香港(2):“保持通話/ Connected”、“投名狀/The Warlords”
 ・香港/台湾(2):“渺渺/Miao Miao”
 ・中国・香港・台湾(1):『カンフー・ダンク!』
 ・中国・台湾・日本・アメリカ・韓国(1):『レッドクリフ PartⅠ』

 国別の受賞数は(「台湾映画人・オブ・ア・イヤー」まで含めると)―
 ・台湾:13
 ・香港:5.5
 ・中国:4.5
 ・シンガポール:0
 カナダ:1
 となります。

 ※ノミネート対象作品は、製作国、使用言語、出演キャストの国籍などの規定により選ばれているのだと思いますが、詳しくはわかりません(公式サイトにも記載はありません)。昔は中国映画が入ったり、シンガポール映画が入ったりしてはいなかったはずですが、いつからこういうことになったかについてもよくわかりません。
 カナダ製作になっている“Up The Yangtze/沿江而上”は、長江にできるダムのせいで町を追われることになった家族を追ったドキュメンタリーで、監督は中国人です(使用言語は北京語と英語)。この作品は、今年のインディペンデント・スピリット・アワードのドキュメンタリー部門にもノミネートされるなど国際的にも評価の高い作品として知られています(http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_8.html)。

 部門数的には『海角七号』が最多ノミネートですが、主要部門である作品賞と監督賞は“投名狀/The Warlords”に譲った形になります。(金馬奨では、作品賞と監督賞がかなりの確率で重なるという傾向があります。) アメリカのメディアではこの2作品を「今年の金馬奨の2トップ」と報じています。

 日本人で唯一ノミネートされていた田中千絵さんは、惜しくも受賞を逃しました。

 ノミネート作品のうち、これから日本での公開が決まっているものは『戦場のレクイエム』だけです(2009年初春 シャンテ・シネにて公開)。

 公開中もしくは公開が終了したものは、『ミラクル7号』『カンフー・ダンク!』『レッドクリフPart1』
 第4回アジア海洋映画祭イン幕張で上映されたのが『海角七号』
 第21回東京国際映画祭で上映されたのが『レッドクリフPart1』『戦場のレクイエム』『親密』『些細なこと』『九月の風』
 第9回NHKアジア・フィルム・フェスティバルで上映されたのが『Orzボーイズ!』
 第9回東京フィルメックスで上映されたのが『文雀』
 ということになります。

 映画祭上映が劇場公開につながればいいのですが、なかなかそうもいかず、映画祭で上映しておしまいということも多々あります。

 『海角七号』は、アジア海洋映画祭イン幕張(9月)の公式サイトに当日券があるとあるのを見て、わざわざ幕張まで行ったのに、当日券はないと追い返された映画(上映の7時間も前だったというのに)なので、私も「これは観たかった!」という思いがずっと残っています(仕方がないので、その日、私は『ポニョ』を観て帰りましたが)。日本での劇場公開、もしくは再映の可能性はあるでしょうか。

 “投名狀/The Warlords”は、安心して観られるはずのピーター・チャンの作品だし、しかも評判もいいので、日本でももう観られていい頃ですが、そうなっていないのが、ちょっと気になるところです。何か原因があるのでしょうか。過去25年間で、金馬奨作品賞の受賞作品はほとんど日本でも劇場公開されていますが、2006年の『父子』、1999年の『千年萬語』など、いくつかの作品は劇場未公開に終わっています(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%B0%E6%B9%BE%E9%87%91%E9%A6%AC%E5%A5%A8)。

 なお、上記の映画祭上映作品の中では、『親密』は、日本も製作に噛んでいるので、劇場公開されないとしても、ビデオ・リリースか何かはあるだろうと思われます。

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 *参考サイト
 [金馬奨公式サイト](今後アドレスが変わる可能性があります)
 ・部門別ノミネート&受賞作品/受賞者リスト(英語):http://www.goldenhorse.org.tw/gh_tc/gh/gh-e-5.aspx
 ・作品別ノミネート&受賞作品/受賞者リスト(英語)http://www.goldenhorse.org.tw/gh_tc/gh/gh-e-5-1.aspx
 ・受賞作品/受賞者リスト(中文):http://www.fuu.com.tw/blog/article.asp?ID=GOLDENHORSE&atid=32872
 ・授賞式(中文):http://blog.sina.com.tw/goldenhorse/
 ・(情報が少ないと思われる)10本のノミネート作品についての紹介(中文):http://www.fuu.com.tw/blog/archive.asp?ID=GOLDENHORSE&blogcat=4502
 ・ドキュメンタリー部門(入圍最佳紀錄片介紹)(中文):http://www.fuu.com.tw/blog/archive.asp?ID=GOLDENHORSE&blogcat=4512
 ・短編部門(入圍最佳創作短片介紹)(中文):http://www.fuu.com.tw/blog/archive.asp?ID=GOLDENHORSE&blogcat=4513

 *当ブログ記事
 ・2008年度映画賞レース スケジュール表!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200811/article_10.html

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