ナショナル・ボード・オブ・レビュー2008 結果発表!

 ナショナル・ボード・オブ・レビューの結果が発表になりました(12月4日)。

 新しい才能を見出すことが目的のゴッサム・アワード、反ゴールデン・グローブ賞的な色合いも持つサテライト・アワード、「少ない制作費でも頑張ってる映画」を表彰するインディペンデント・スピリット・アワード、と紹介してきましたが、今回はわりと知名度の高いナショナル・ボード・オブ・レビュー。製作規模とかインディーズとか、規定上の制約が全くない、はっきりとアカデミー賞の前哨戦と位置づけられる映画賞です。

 といっても、昨年は作品賞と脚本賞、脚色賞、長編アニメーション賞と4部門しかアカデミー賞と重なりませんでしたが、昨年のこの時点では、主演男優賞にも主演女優賞にも助演女優賞にも大本命があることなどまだ誰も知らなかったんですね。

 さて、今年はどうなるでしょうか。

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 ◆作品賞
 ◎"Slumdog Millionaire"(監督:ダニー・ボイル)

画像

 ◆トップ10作品
 ・"Burn After Reading"(監督:ジョエル&イーサン・コーエン)
 ・"Changeling"(監督:クリント・イーストウッド)
 ・『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(監督:デイヴィッド・フィンチャー)
 ・『ダークナイト』(監督:クリストファー・ノーラン)
 ・"Defiance"(監督:エドワード・ズウィック)
 ・"Frost/Nixon"(監督:ロン・ハワード)
 ・"Gran Torino"(監督:クリント・イーストウッド)
 ・"Milk"(監督:ガス・ヴァン・サント)
 ・『ウォーリー』(監督:アンドリュー・スタントン)
 ・"The Wrestler"(監督:ダーレン・アロノフスキー)

 ◆主演男優賞
 ◎クリント・イーストウッド(“Gran Trino”)

 ◆主演女優賞
 ◎アン・ハサウェイ("Rachel Getting Married")

 ◆助演男優賞
 ◎ジョシュ・ブローリン("Milk")

 ◆助演女優賞
 ◎ペネロペ・クルス("Vicky Cristina Barcelona")

 ◆アンサンブル賞
 ◎“Doubt”(監督:ジョン・パトリック・シェインリー)

 ◆新人男優賞(Breakthrough Performance by an Actor)
 ◎Dev Patel( "Slumdog Millionaire")

 ◆新人女優賞(Breakthrough Performance by an Actress)
 ◎ヴィオラ・デイヴィス Viola Davis("Doubt")

 ◆スポットライト賞(Spotlight Award)
 ◎メリッサ・レオ( "Frozen River" )
 ◎リチャード・ジェンキンス( "The Visitor" )

 ◆監督賞
 ◎デイヴィッド・フィンチャー(『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』)

 ◆新人監督賞(Best Directorial Debut)
 ◎コートニー・ハント(“Frozen River”)

 ◆脚本賞
 ◎ニック・シェンク Nick Schenk("Gran Torino")

 ◆脚色賞
 ◎サイモン・ボーフォイ( "Slumdog Millionaire")
 ◎エリック・ロス(『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』)

 ◆ドキュメンタリー賞
 ◎“Man on Wire”(監督:ジェームズ・マーシュ)

 ◆ドキュメンタリー映画 トップ5
 ・『アメリカン・ティーン』(監督:ナネット・バーンスタイン)
 ・“The Betrayal (Nerakhoon)”(監督:エレン・クルス(Ellen Kuras)、Thavisouk Phrasavath)
 ・“Dear Zachary”(監督:カート・クエンヌ(Kurt Kuenne))
 ・『世界の果ての出会い』(監督:ヴェルナー・ヘルツォーク)
 ・“Roman Polanski: Wanted And Desired”(監督:マリア・ゼノヴィッチ(Marina Zenovich))

 ◆インディペンデント映画 トップ作品
 ・“Frozen River”(監督:コートニー・ハント)
 ・“In Bruges”(監督:マーティン・マクドノー(Martin McDonagh))
 ・“In Search of A Midnight Kiss”(監督:アラックス・ホールドリッジ(Alex Holdridge))
 ・“Mr. Foe”(監督:デイヴィッド・マッケンジー)
 ・“Rachel Getting Married”(監督:ジョナサン・デミ)
 ・『スノー・エンジェル』“Snow Angels”(監督:デイヴィッド・ゴードン・グリーン)
 ・“Son of Rambow”(監督:ガース・ジェニングス(Garth Jennings))
 ・“Wendy and Lucy”(監督:Kelly Reichardt)
 ・“Vicky Cristina Barcelona”(監督:ウディ・アレン)
 ・The Visitor”(監督:トマス・マッカーシー)

 ※『スノー・エンジェル』は日本でも既にビデオ化されています。

 ◆長編アニメーション賞
 ◎『ウォーリー』

 ◆外国映画賞
 ◎『モンゴル』(監督:セルゲイ・ボドロフ)(独・カザフスタン・ロシア・モンゴル)

 ◆トップ5外国映画
 ・『そして、私たちは愛に帰る』(監督:ファティ・アキン(独・トルコ))
 ・“Let The Right One In”(監督:Tomas Alfredson(スウェーデン))
 ・“Roman De Gare”(監督:クロード・ルルーシュ(仏))
 ・“A Secret”(監督:クロード・ミレール)(仏)
 ・『バシールとワルツを』(監督:アリ・フォルマン)(イスラエル)

 ◆ブルガリ賞:表現の自由に対して(The BVLGARI Award for NBR Freedom of Expression)
 ◎"Trumbo" (監督:ピーター・アスキン Peter Askin)

 ◆William K. Everson Award for Film History (映画史に関する研究に対して)
 ◎Molly Haskell & Andrew Sarris

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 "Slumdog Millionaire"が作品賞を含む3冠で最多賞、2冠が“Gran Trino”と“Frozen River”、“Doubt”の3作品です。

 う~ん、この結果は……?

 主演男優賞にがっかり(イーストウッドにあげなくてもいいんじゃないか)、外国映画賞にがっかり(映画を観る目を疑う)で、だとしたらこの作品賞もどうなんだろうと思ってしまいます。監督賞もどうなのかなあ。外国映画部門ではカンヌ国際映画祭パルムドール作品“The Class”がトップ5にも入っていないというのも気になります。

 ま、それはともかく、これまでの映画賞の結果と併せ、この結果を見て確実に言えるのは―
 ・"Slumdog Millionaire"は確実に今年の映画賞レースに食い込むことになりそう。
 ・新人監督賞があるならコートニー・ハント。
 ・“Frozen River”は、昨年の『ジュノ/JUNO』のような、今年の映画賞レースの台風の目となりそう。
 ・今年は、"Vicky Cristina Barcelona"と『エレジー』を持つペネロペ・クルスが女優賞の顔となりそう(最多受賞となるかどうかは別の話)。
 ・脚色賞(脚本賞)はサイモン・ボーフォイが最有力。
 ・新人男優賞があるならDev Patelが最有力。
 ・“Man on Wire”は本年度のドキュメンタリー賞の本命に浮上。

 スポットライト賞は、今年新設された賞で、新人賞でもなく、主演賞・助演賞という感じでもなく、それなりのキャリアを持ちながら、これまではあまり目立った活躍をしてこず、しかし今年はいい作品にめぐり逢えた、というような俳優に贈られる賞のようです。

 今年は功労賞がありませんでした。

 外国映画トップ5にフランス映画が2作品も入っていますが、今年は各映画賞の外国映画部門をいくつものフランス映画が賑わわせている(ノミネーション段階で)ともっぱらの評判です(というわりにはここのトップ5に本命の“The Class”が入っていないんですが)。

 次はニューヨークとロサンゼルスの各映画批評家賞です(発表は来週)。それで今年の映画賞レースの趨勢は決定します。

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 *当ブログ記事
 ・ナショナル・ボード・オブ・レビュー2007結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200712/article_11.html
 ・ナショナル・ボード・オブ・レビュー2006結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200612/article_5.html
 ・2008年度映画賞レース スケジュール表!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200811/article_10.html

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