小泉今日子×本木雅弘×香川照之 「ボクらの時代」3

 ナレーション:今週は先週に引き続き、こちらの3人。小泉さんと本木さんはアイドル時代から25年のつきあい。香川さんと小泉さんは公開中の映画『トウキョウソナタ』で共演。香川さんと本木さんは3年がかりで制作しているドラマで多くの時間を共にしています。3人は42歳、同じ歳。

 本木:NHKのだけど、正岡子規さんの役やってるんだけど、正岡子規さんの言葉の中で、なんだったけな、なんか、悟るということは、いついかなる時でも病気で死ねることだと思っていたが、それは間違いで、いついかなる時でも平気で生きられるということなんだ、みたいな

 香川:平気で生きるって凄いよね

 小泉:この歳になると、それ、わかってくるよね

 香川:特に小泉さん、全然わかってるよね

 本木:本当にそうなの?

 小泉:ええっ? いや、なんか、あたし、本当に死ぬっていうことも、悟るってことは死ぬっていうことの方が近いことだって、ホント思ってずっといたんだけども、ここ1、2年で、生きるじゃない?って思い始めて……。それは、でも、歳とったからで、いいことだなあって思ってる。その、オーバーチェンジしたことが

 タイトル

 本木:その、小泉さんが、40過ぎて、人生折り返し点じゃないって言われて、で、その言葉に、ああ、そっか、折り返し点だと思って、だったら、まあ、来た道だったら、突っ走ってきちゃった分だけ、今度はこう景色を眺めるみたいな感じで折り返して行きたいって、なんかで言ってたけれども

 小泉:そうそう言った。あと、ゼロになりたいって言ったの。

 本木:ゴールがゼロにっていうこと?

 小泉:ゴールがゼロに行きたい

 本木:私は、40過ぎて、まだまだ迷いが深まるばかりで

 香川:若いんだよ、本木さん

 本木:欲深なんだと思う。

 香川:いや、凄いもん。若いと思うもん。オレはもう自分を許す段階に入っちゃってるから

 小泉:あたしも(笑)、アハハハ

 香川:もの凄い、たとえば、お茶なんかパーンとこぼしても、大丈夫大丈夫、許そう、許そうって、なんか許しに入っちゃってて、それって折り返してる感覚なんだけど、本木さん、なんだか厳しいじゃない?

 小泉:厳しいよね。

 香川:この手がいけない、この手がいけない。どんどんたたく感じじゃない?

 本木:まださあ、ゼロっていうか、ね、そのフラットなところは見えてるんだけど、いつもやっぱりどうしてもダメ元、ダメ元、ダメ元って自分を責めて、そこからのリバウンドじゃないと、スタート地点に行けないみたいな、だから、どこかでやっぱり無理が来て、ダメ元スタート設定みたいなので、スタートに届く前にね、自虐、自滅、自己嫌悪っていうの繰り返してるうちに、それに耐え得る体力もなくなってきて

 香川:そうだよ。まず、そこの体力、なくなるとどうなるんだろうね、その、自滅、自己嫌悪となんだっけ

 本木:自虐、自滅、自己嫌悪。

 香川:凄く体力いるじゃない。

 本木:体力もいる。そう。

 小泉:絶対いるね。

 香川:粘り強いもん、ホントに、自分を掘り返してる時の本木さんて。まだなんかこれが足りな、ぼくの人生、これが足りないとかって常に……。会うたんびにね、その『坂の上の雲』の撮影中に、インターバルがあるわけ、2週間とか、1ヶ月とか、会う度に課題を見つけて来られて、こういうの思ったんだけど、この前、オリンピックを見てねって、そういう時事ネタから(入って)、いかに私たちが、あの人たちから比べて繰り返しが利くのに、毎日毎日賭けてないかっていう思いにもの凄くかられてたんだけれどもって(考えて)、また落ち込んじゃったんだって話をね(してくれた)

 小泉:ハハハハハハハ

 本木:意外とわかりやすく、私も影響受けちゃう方で

 小泉:前っからそうなんですよね。ホントにハンサムで、すっごいきれいな顔してるのに、それにも自信を持てないらしいの

 香川:そうなのそうなの。そこを忘れていいんじゃないって思うぐらい

 本木:結局、たぶん、なんか、自分をコントロールできるとか、デザインしたいとか、そんなとこをどこかで思っちゃってるところがあるんだね。それで、だから、で、自分でどうにもならないんで、他人に映ってるのが自分なんだよっていうことを言い聞かせるようなつもりで、要するに、自虐として結婚してしまったみたいな……。それは、家族には凄く失礼かもしれないんだけど

 小泉:ハハハハ。ちゃんとした鏡みたいなのが欲しかったってこと?

 本木:鏡と、まあ、あと足枷っていうか

 小泉:この世に置いといてくれる……。でも、それはさあ、いいんじゃない? 言葉が自虐っていうとドッキリしちゃうけど

 香川:そういうの、でもさ、そうやって、そういう考え方で、よく結婚をしたと思うの、逆に。しないでさ、すっと一生しないで、独りでいますって生き方だったら、ああ、なるほどって思う。よく

 本木:でも、実際的にはもちろん、まあ、結婚することによって、別の、いろんな形の、まあ、人間関係っていうか、家族というものを持って、わかったことはたくさんあるけれども、でもやっぱりきついね。向いてないことをしている

 小泉:でも傍から見ると、なんかとってもいい家族。いい家族っていうか、バランスがいいけどね。

 本木:まあ、でも、相当必死。要は、それと人間関係っていうか、そういうものっていうか、家族っていうか、そういうものについては

 小泉:私は、ま、1回結婚して、離婚したでしょう?

 本木:何がポイント? いいことと悪いことのポイントっていうか

 小泉:私は

 本木:至近距離で人間関係を

 香川:人間関係っていうのは難しいよね。それこそさ、なんていうんだろうね。こういう仕事をしてて、自分にホントに近い人って、じゃあ誰なんだって時に、やっぱり、なんか、こういないかもっていうのが、何かがオレにはあるのね、凄く、なんか、孤独な感じ

 小泉:孤独っていうの、みんな、ぼんやり、こういう仕事してる人はなんか

 香川:それはさ、家族がいるとかいないとかじゃなくて、なんとなくその感じってのがあってさ、好きなんだけど寂しがりやみたいな

 小泉:そうそう、人、大好きなんだけど、大嫌いみたいなとこあるよね。だから、たとえば、映画の現場とかで、家族って擬似的に作られた時に、すっごく安心するの。

 香川:ああ、わかるわかる

 ナレーション:映画『トウキョウソナタ』。この作品で、小泉さんと香川さんは2人の子供を持つ夫婦を演じました。作品の中で家族を経験するために、小泉さんは考えることがあると言います。

 小泉:映画って、1ヶ月なり2ヶ月なりで撮影が必ず終わるじゃない? ここでは頑張れる、あたし、1ヶ月ぐらいなら

 本木:リミットがあるから(微笑)

 小泉:なんか、その、そう。ここでのお母さんの役を演じ切れる、演じ切れるっていうか、そこであたしも楽しく、ちゃんとしていられるって安心感がある

 香川、それ、年齢も関係するよね?

 小泉:ある

 香川:もうちょっと若い、たとえば20代とかだともっと自分の人生をそこに入れようとしたり、なんか、この関係性に、この人とのとか、なんか、ホントめんどくさくなるんだけど、この歳になるとこの擬似関係だけを100%やります、みたいね感じでさ

 小泉:そういう感じ

 香川:それだと安心できる

 CM

 香川:42と言えばね、ホントに、小学校2年が6年を大人と思ってたように、我々が10代の頃20代の頃、もうホントにこの人たちは全部知ってるって思ってた歳じゃない?

 小泉:凄い大人

 香川:それでもさ、こっちからすると、強がらないと、その、虚像みたいの保たしてあげれない、「オレも本心を言おうか、わからないよ」、なんて、口が裂けても言えないっていうか

 本木;たとえば、ま、自分たちがこの世界に出てくるまでの境遇として、ホントに、あの、香川さんはたくさん勉強をして、自力で、そういう、っていうのがあったじゃない? 私たちなんて、ホントに中卒ですから(笑)

 香川:人の話題はいいや(笑)

 本木:それね、どこかで、なんか、コンプレックスとまではいかないけど、何かが欠けてるだろうっていう

 小泉:私は、でも、高校行かな、ちょっとしか行かなくって、仕事始めちゃった時に、これヘタするとコンプレックスになるなと思って勉強始めたの。勉強、大嫌いだったの。学校さぼってばっかりの、ほとんど行かないぐらいの悪ガキな感じだったですけど、その時に初めて勉強しなきゃって思って、ドリル買ったりとか本読んだりとかして、したら楽しいじゃんって思ったのね

 香川:でも、それ言ったら、それがコンプレックスだよね

 小泉:逆に?

 香川:オレが勉強してきたのって、ほかにね、やることをみつけられなかったの。好きでもないんだよ。

 小泉:目の前の

 香川:目の前にあって、これをやってたらどうやら怒られない。怒られるの凄い怖かった。怒られないために何かを隠れ蓑にしていきたいと思っただけなの。だからずっとこうやってやってったんだよ。

 小泉:ふ~ん

 香川:だから、逆に、体を動かしたりとか、こう人と快活にやったりする、クラスの人たちを見てて、もの凄いコンプレックスを持ってたの

 小泉:う~ん

 香川:今、俳優で、俳優って体じゃない? 結局、労働者。頭とか全然関係…、とにかく労働、体力みたいな感じだから、今、そのコンプレックスを埋めさせてもらってる

 本木:ああ…

 ナレーション:「誰だって、昔は女の子だった。おばさんだって、おばあちゃんだって。女の子という骨組みに贅肉少しずつまとって女になっていくのだ。」 この言葉は、小泉今日子さんによるもの。贅肉のような人生をまとって、この先の人生をどのように生きていきたいか。それぞれの未来について語っていただきました。

 香川:おじいちゃんになっていくわけじゃない? 否応なくさ。どんな感じになりたいとか、具体的に思ったりしてる? オレなんか早くおじいちゃんになりたい。

 小泉:あたし、早くおばあちゃんになりたい

 本木:どういうおばあちゃんになりたいの?

 小泉:あたしは、なんか、前は、もうちょっと、なんて言うのかなあ、こう、マッチョで、マッチョっていうのは心がね、マッチョで、なんかこう生きてきたのが全部顔に出てる感じの

 本木:ブリジット・バルドーみたいな?

 小泉:いや、なんか、ジョージア・オキーフの顔みたいな

 本木:すいません、失礼しました(笑)

 小泉:いやいやいや(笑) ていうのが浮かんでたんだけど、最近はなんかね、沢村貞子さんの本を読んでて、80歳まで女優さんやって、80で引退して、海の見える部屋で、最後は文筆系のお仕事で

 本木:ちょっと、なんかこう、自然と枯れていく、じゃないけど

 小泉:で、女としても人生を全うしたっていう、その好きな人と暮らしてっていう。で、最後に、別に何も思い残すことない人生だったわぁみたいな、案外楽しい人生だったわみたいなことを言って死んでいったらしいんです、その恋人も看取った後に。そういうのをぼんやりと

 香川:そういう幸せしか考えないおじいちゃんになりたいの。まだなんか欲があって、欲って、やっぱ、その、なんていうんだろう、そうじゃないもん、一個裏返すと、欲望のうしろにさあ、挫折みたいなのがあってさ、ハアっていう気持ちとさ、フ~ンていう気持ちがあるから、それもなんか両方なくて、全部許して、毎日、ああ幸せだったぁ、もう覚えてないなああんまり……、そんな感じになりたいんだよね

 小泉:覚えてることがないくらい普通に幸せみたいな

 香川:そんな感じで……。もちろん仕事もちゃんとやるんだよ。仕事もちゃんとやって、それこそ、『おくりびと』の山崎(努)さん、あんな感じの、激しい、カメラの前でも激しい、でも、そっから離れたら、ホントに幸せですっていうなんか、そんな風なおじいちゃんに早くなりたいなあって思うんだけど

 小泉:(本木に)山崎さん、どうでした?

 本木:山崎さん、ホントに、あの、ずるい

 小泉:ずるい?

 ナレーション:映画『おくりびと』で、本木雅弘さんの上司を演じたのが山崎努さん。山崎努さんには三者三様の思いがあるようで……。

 小泉:凄いでしょ、台本とか

 香川:真っ黒でしょ

 小泉:真っ黒に

 本木:そう、それに加えて、山崎さん、小泉さんと同じで読書家でしょう? 暇さえあればもう読んでるっていう

 小泉:そうだよね。いや、『俳優ノート』っていう、あの、リア王だっけ?

 香川:リア王

 小泉:やった時の、

 本木:それ、読んでない…

画像

 小泉:あれ、すっごい面白いんだけど、

 本木:(香川に)オビ書いたんでしょ?

 小泉:そうそう。オビっていうか解説か

 香川:書かしてもらった。解説書き

 小泉:それ(『俳優のノート』が)、面白くって、なるほどなるほど、私にはできなさそうだけど

 香川:あれはだからね、男性、俳優の、ホント俳優の、女優の、ではなく、俳優の作り方。理屈で頭で考えて、でも、右脳の方に行くっていう、ののプロセスの、山崎さんがどうやられてるかっていうのがね、凄く克明に書かれてる

 本木:ふ~ん

 小泉:その間に癇癪を起こしてる時もあるわけ

 本木:あ、自分の中で

 小泉:そ、自分でうまくできなくて。こういうのもちゃんと素直に書いてて

 香川:山崎さんはね、『刑務所の中』っていう崔洋一監督の

 小泉:面白かったよね

 香川:1本、がっつり仕事させてもらって、その時にいろいろアドバイスとかもらって、未だに忘れられないのが、また朝なのに申し訳ない話題になってきますが、我々は、その、服役員なわけ、なんかいろんな罪を犯して刑務所の中に入ってる。50人くらいの入浴シーンがあるわけ。

 小泉:ああ、あったね

 香川:全員スッポンポンなわけ。カメラがいろいろなポジションに行くんだけど、山崎さんが途中で、こう姐さんかぶりみたいな、タオルをするの。したら、中に、洋服をちゃんと着た刑務員がいるのよ。そうらしいの。その人が、ピーッってやって、きさま、姐さんかぶり禁止!とか言われて、山崎さん、あ、どうもすいませんなんて言いながら、こう取って、そんなんも怒られんのかなんてナレーションが入るシーンがあるんだけど、またこれ(1つのことに集中していまう)だからさ、監督に、要するに、監督呼んでさ、こうやって立って、これはこうでこうでこうでって、崔さんずっとしゃべってるんだけど、カメラ、この位置(股間の位置)にあって全部

 小泉・本木:(爆笑)

 香川:全部モニターに映ってるわけよ。女性のスタッフとか気遣って全部外に出たのに、モニターとかに…、完全に、でも、山崎さん、全くこれ(1つのことに集中してしまう)だからさ、よし、わかった、行こうなんてやってんだけど、姐さんかぶりどころじゃないわけよ。ちょっとそれはっていうのを約5分にわたってモニタリングされちゃってた

 本木:スーパー無邪気な

 香川:スーパー無邪気。上は、ここはもう般若みたな顔してさ、こうやって説明してんのよ。

 本木:それみんなスッポンポンで固唾を呑んで

 香川:そう固唾を呑んで、50人くらい。もの凄い映画だと思った、その時。その時にやっぱ山崎さんはね、ちょうどその時にボク、「俳優ノート」読んでた時だったから、この人凄い、こっちで考えて、その、出すっていうことの……。(本木に)で、どうよ、どういう老人に?

 本木:どういう老人にって

 香川:楽しみなんだけど。体力がまず、絶対体力がもたなくなるじゃない

 本木:もたなくなるよね~

 香川:絶対、男の人の方が早いわけでしょ、女優さんより、体がもうもたない。

 本木:でも、大体なんとなく、50代になるとどんなに片意地張って、ネガティブにしてても、普通にこう少し何かそぎ落とされてきて、自分の言葉で自分のことを飾らず、語り始めることができるっていう、世間は50代の人見てると思うんだけどね

 小泉:うんうん。あたし、なんか40代…、いつもそうなんだけど、30代の時は、30代って楽しいねって年上のお姉さんに言うと40代もっと楽しいわよって言われて、40代になって、40代やっぱ30代より楽しいねって言うと、50代もっと楽しいわよって必ず言われる。前を歩いてる素敵なお姉さん方がいっぱいいて、導いてくれてるから、ああ、私もそれはやりたいと思って、だから、最近も、20代、たとえば、女優さんとかでも、「(一緒に)お茶飲んで(くれませんか)」、とか言われると、ああ、いいよって話聞いてあげたりとか。じゃ、全然まだだ大丈夫だって思わせてあげようって

 本木:その、じゃあ、思わせてあげるっていうね、人を育てるとか、関係を育てるとか、まあ、言葉では美しいと思うし、できる人凄いと思うけど、全然できないわけ。未だに年下っていうだけで、凄くめんどくさいの、それだけで

 香川:本当?

 小泉:でも、実際に自分のお子さんとかいて

 本木:気を遣ってるもん、凄く

 小泉:ホント? でもちゃんとやっぱりそれはお父さんとしてするべきことをしてるからいいのよ。私なんか独身だからさ。誰かに何かしないと生きてる意味がわかんないみたいなとこあるの

 本木:するべきことをまず演じて、まだ微妙にバレずに済んでるっていうだけで、実際に気遣って凄く疲れてる

 小泉・香川:(笑)

 香川:どこ、気遣ってんの?

 本木:ホントは、「ちぇっ、帰りてえな」なんて思われてるんじゃないかとかね。体裁を作っちゃうから疲れる

 小泉:奥さんとかけっこう年下じゃない? 10歳くらい

 本木:うん

 小泉:それは大丈夫なわけ?

 本木:それも凄い気遣ってる

 小泉・香川:(爆笑)

 本木:気遣ってるけど

 小泉:でも、なんか、ふあ~んとしてるから

 本木:そうそう、離れ過ぎちゃってるのと、逆にこうなんか、もう少しなんか別の意味でエネルギーと欲望がある、自分より年下の人が来ると、ああ、なんか、何もお返しできませんからって言いたくなりそうな……大きくなっちゃって、それだけで疲れちゃってダメ~

 香川:若いんだよ、まだ感覚が、絶対に

 本木:それがすごくまずいと思ってる。よく樹木さんが、別に子供のいるいないはあまり関係ない、どんな形でもいいから、人を育てるっていうようなそういう環境をね1つ、2つ持ってないと人間は成長できないっていうの、すんごくよくわかる。でも、そういう意味では正面切ってそれにチャレンジする気が、本音で言うと、ない!

 小泉:ええーっ!

 本木:だから、それが今すんごい悩み。それ、どう?

 香川:だから、ホントに、子供ができて、実生活でね、たってことで、それが、なんか急にパッと出てきて、オレもそうっだったもん、全く、人のなんか、お役に立てるなんてことは自分にできるはずはありませんみたいなことがずっとあった気持ちはとってもわかるのね。でもそのことで、急に、さっきのあれじゃないけど、オレは40代は凄い好きなわけ。初めて、20代も苦しかった、30代も苦しかった、40代楽だなって思うのは、今、まあ、そういうステージになって、初めてなんか若い奴らに何か言えることがあるんじゃないかっていうことに凄くこう喜びを感じるんだよね、むしろ。で、間違っててもいいと思うの。彼らは意見を欲しがってるんだよね、たぶん。なんか、聞いてもらいたいだけなのかもしれないけど、ただの壁のようなことでもいいと思う。ただ真剣にオレはこうしてきましたよ。で、ボクの場合こうですけど、あなたは……考えるっていうことだけでも随分解決していくことはあると思うの。それだけで40いくつになって、やっとその、相手に対する説得力が、こういう皺とか、わかんないけど、出てきたのかなと思って、ちょっと楽ではある。だから、そこは急に備わった、オレの中では。

 本木:こないだ初めて会ったけど、もの凄いの、香川さんよりも基本がはじけてるというか

 香川:息子でしょ?

 本木:そうそう

 小泉:カンヌに一緒に行ってたの。

 香川:そうですそうです。一緒にごはんも食べさせてもらって、で、またさあ

 小泉:すっごいなんか気に入られちゃってぇ。

 香川:(小声で)きれいな人好きなの

 小泉:きれいな人好きなの? 帰る時とか凄い大泣きとかされて

 香川:だってさ膝の上に勝手に乗ってさ。パッと見たら、小泉さんのスカートで汗拭いて

 小泉:スカートめくって(笑)

 香川:いやいやいや小泉さんのスカートだから

 小泉:スカートで汗拭こうとしてるわけ

 香川:完全にスカートめくって、やあ~とかやってる

 本木:器が違うね。

 香川:どこまでボケてんだかなんだか狙いだかっていうね

 小泉:かわいかったですよ

 本木:愛嬌もあるしさあ

 小泉:ホントに別れがね、一生の別れみたいな感じで、うあわあって言うね、なんか女冥利につきるって感じでしたね。

 香川:きれいな人好きなの。もうホントにもう、はっきりとわかりやすい。はっきりと

 CM

 香川:歳とったんだな、きっとたぶん。折り返したんですよ。

 本木:だからたぶんきっと独りだけ折り返し地点に行ってない(笑)

 香川:だから長生きすんだよ。絶対、長生きだと思う。

 小泉:本木くんとかは、10代20代で死ななかったからきっと長生きするよ

 本木:そう?

 香川:なんか20歳くらいでポーンて感じだもの。そこ通過したから

 小泉:そう。なぜかそこ通過できちゃったから、たぶんずっと長生きするんじゃない

 香川:凄い長生きしたりして。

 本木:いやいや。まだやっぱりどこかで年上の人ばっかり好きで、罵声を浴びせられて

 小泉:怒られて

 本木:そうそう、怒られていたい。

 香川:怒られていたいっていうのがないと

 小泉:下から怒られてみるっていうのは?

 本木:それは新しいね。

 香川:だからもの凄い若い監督とか

 小泉:考えなくていいっすよとか(笑)

 香川:大丈夫っすよ、本木さんて

 小泉:大丈夫っすよ、本木さんてね。

 本木:たぶんきっと素直に

 小泉:聞けるよ、きっと。

 本木:聞けるかなあ

 小泉:慣れるよ。その人、尊敬できるような、若いってだけじゃなくて、自分より、監督として優れたもの持ってたら、たぶん聞けるよ

 香川:女の子の監督とかさ

 小泉:女の子とか男の子とか

 本木:なんか気遣いそうでいや

 香川:一番いいじゃん、じゃあ

 本木:あ、そっか

 香川:一番、このなんか、一番、この、ハア~って思ってるところが

 小泉:思ってるのに

 本木:「甘いね本木さん、甘いですね本木さん」て言われちゃうぐらいの

 小泉:「いいからやって!」(笑)

 香川:ハイ、みたいな(笑)。本木さんは、深酒してベロンベロンになってってみたいなことは全然

 本木:20代の時には

 小泉:若い時には

 本木:あったよ。なんかマヨネーズかぶって帰ってくるとかね

 小泉:もう20年ぐらい飲んでないんじゃない、ベロベロには

 本木:うん、たぶん。でも、同世代ってことは、ある特別な恥ずかしさもあるけど、ホントに真面目な話、ちょっとこうなんか、おたくどうよってところでの

 小泉:でも、その確認はずっとしてきた感じがする

 香川:近い何かはあるわけでしょ。

 本木:厳しさも含めて、安心感ていうか、そういう同志感はあるでしょ

 香川:あるある、とってもある。だから、いま、ここでさ、映画の公開の時期が似てて、共演もこのタイミングで凄くポンポンポンてなって、歴史もあって、凄い不思議に思う

 本木:エネルギーもらったりみたいなことはあるよね。……だから、あなたに会えてよかっていうこと! そう、ていうこと!

 小泉:アハハハ

 3人退場

 ナレーション:あなたに会えてよかった。10年後も20年後も同じ歳の3人がそう言えることを願って。それでは、今日も素晴らしい一日を!

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 モッくんが進行しているようで、結局、この3人だと、モッくんは、いじられ役なんですね。本人もその役を楽しんでいるようではありますが。

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 ※当ブログ記事
 ・小泉今日子×本木雅弘×香川照之「ボクらの時代」1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200809/article_9.html
 ・小泉今日子×本木雅弘×香川照之「ボクらの時代」 2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200809/article_10.html

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この記事へのコメント

まき
2008年10月11日 02:23
ありがとうございます!
こんなに詳細に丁寧に…
見逃してガッカリしてたのでここにたどり着けて幸せです!
umikarahajimaru
2008年10月11日 21:28
まきさま
コメントありがとうございました。
まきさんは、モックン・ファンなんでしょうか、キョンキョン・ファンなんでしょうか?それとも黒沢清のファン?
まあ、そのいずれであってもいいんですが(笑)、当ブログにはいろんな角度から映画にアプローチした記事を書いているので、よかったら他の記事も覗いて見てみてください。

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