川本喜八郎の肖像 『セルフポートレート』

 川本さんは瀬川瑛子さんが好き、かどうかはともかく、BGMである「命くれない」の歌詞の世界「♪生まれる前から結ばれていた~」というのは、川本さんが好んで描く女性像と相通じるものがあるように思います。作品の内容とBGMは全く関係ない……と思ったのですが、ひょっとすると「生まれる前から結ばれていた」のは川本さんとアニメーションの関係を指すのかもしれません。



 【物語】
 川本喜八郎らしき人物が、粘土をこねて、理想の女性を作りあげる。しかし、粘土の女性の方は川本に対してイヤイヤをして、鬼女に変じる。
 川本は、鬼女を粘土の中に戻そうとするが、逆に粘土の鬼女につぶされにかかる。
 互いのつぶし合いが繰り返される。

 ◆解説
 この作品は、アニメ作家David Ehrlichが、1988年に、5カ国(チェコスロヴァキア、エストニア、日本、アメリカ、ユーゴスラヴィア)のアニメーターに自分をモチーフにして作品を作るよう依頼した短編の1つで、他のアニメーターは――
 イジー・バルタ、サリー・クルックシャンク、ボリヴォイ・ドヴニコヴィチ、David Ehrlich、木下蓮三、パヴェル・コウツキー、Candy Kugel、マッティ・キュット、ニコラ・マイダック、Josko Marusic、手塚治虫、プリート・パルン、ビル・プリンプトン、Maureen Selwood、ヤン・シュヴァンクマイエル、リホ・ウントゥ、ハルディ・ヴォルメル、Dusan Vokoti。

 *当ブログ記事
 ・手塚治虫篇:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200702/article_2.html

画像

 ◆作品データ
 1988年/日本/1分27秒
 日本語歌詞あり/字幕なし
 クレイ・アニメーション

 *この作品は、DVD『川本喜八郎作品集』に収録されています。

 
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川本喜八郎作品集
ジェネオン エンタテインメント
2007-01-25

ユーザレビュー:
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 ◆監督について
 川本喜八郎
 映画監督、人形作家、アニメーター。
 1925年 東京・千駄ヶ谷の雑貨屋に生まれる。
 1937年 建築家を目指して旧制東京府立工芸学校(現・東京都立工芸高校)木材工芸科に入学(5年制)。
 1942年 旧制横浜高等工業学校(現・横浜国立大学)建築科入学
 1944年 学徒動員で満州に渡る。帰国後横浜高等工業学校卒業。
 同年 陸軍入隊。陸軍少尉として国内勤務。
 1946年 軍隊時代の上官に誘われて建築会社に入るが、工芸学校時代の同級生 村木与四郎に勧められて東宝を受験し、合格。東宝では美術助手を務める。
 1950年 東宝退社。フリーの人形美術家になる。
 1952年 イジー・トルンカ作品と出会い、人形アニメーションを一生の仕事にすることに決める。
 1953年 持永只仁氏に人形アニメーションについて教わる。
 1953~62年 人形絵本、TVCMの人形制作やアニメーションなどを担当。
 1963~64年 チェコスロバキアに留学。トルンカ・スタジオで『天使ガブリエルと鵞鳥夫人』の制作に加わる。
 1961年~ NHKの子ども向け番組の人形美術やアニメーションを手がける。
 1968年 人形アニメーション『花折り』を自主制作。
 1975年 国際アニメーションフィルム協会理事。
 1981年 初長編『蓮如とその母』の監督とアニメーション、人形美術を手がける。
 1982年~84年 NHK「人形劇 三国志」の人形美術を担当。同作品は第26回児童文化福祉奨励賞、第17回テレビ大賞特別賞を受賞。
 1985年 国際アニメーションフィルム協会賞受賞。
 1988年 中国・上海美術電影スタジオで『不射之射』を制作。
 同年 アニー賞受賞。紫綬褒章を受賞。
 同年 アニメーション作家の共同プロジェクトである「セルフポートレート」に参加。
 1989年 チェコのトルンカ・スタジオで『いばら姫または眠り姫』を制作。
 1993年~94年 NHK「人形歴史スペクタクル 平家物語」の人形美術を担当。
 1995年 勲四等旭日小綬章受賞。
 1996年 第24回伊藤熹朔特別賞受賞。日本アニメーション協会会長に就任。
 2005年 長年の夢であった『死者の書』を完成させる。同作品でシッチェス・カタロニア映画祭で特別賞を受賞。
 2007年 飯田市に川本喜八郎人形美術館オープン。

 その他、個々の作品で国内外の受賞歴多数あり。

 *バイオグラフォー&フィルモグラフィーの詳細は、『川本喜八郎 アニメーション&パペット・マスター』(角川書店)で読むことができます。

 自主製作、つまり誰かがお金を出してくれるわけではないところから映画作りをスタートさせて(自分でお金を出して、自分の満足できる作品を作るところから始めて)、現在のようなアニメーション作家となり、ファンや同業者、後進のアニメーション作家からも深い尊敬を集めている。

 【フィルモグラフィー】

 ・1968年 『花折り』(14分/16mm)[脚本・演出・人形・アニメーション]
 人形アニメーション。台詞あり。

 ・1970年 『犬儒戯画』(8分/35mm)[脚本・演出・美術・人形・アニメーション]
 人形の動きを1コマずつモノクロで撮影し、それを紙焼きしたものを1枚ずつフィルムで撮影。台詞あり(フランス語、日本語字幕)。

 ・1972年 『鬼』(8分/35mm)[製作・演出・人形・アニメーション]
 人形アニメーション。台詞なし、字幕あり。

 ・1973年 『旅』(12分/35mm)[製作・脚本・演出・アニメーション]
 切り紙アニメーション+実写写真。冒頭と最後に蘇東坡の漢詩が字幕で入る。

 ・1974年 『詩人の生涯』(19分/35mm)[製作・演出・アニメーション]
 切り紙アニメーション。台詞なし、字幕あり。

 ・1976年 『道成寺』(19分/35mm) [脚本・演出・人形・アニメーション]
 人形アニメーション。台詞なし、説明字幕がインサートで入る。

 ・1979年 『火宅』 (19分/35mm) [脚本・演出・人形・アニメーション]
 人形アニメーション。ナレーションあり。

 ・1981年 『蓮如とその母』(93分/35mm)[監督・人形・アニメーション]
 人形アニメーション。台詞あり。

 ・1982~84年 『NHK人形劇 三国志』(各45分、全68話)[人形美術]
 人形劇。

 ・1988年 『不射之射』(25分/35mm)[脚本・演出・人形美術・アニメーション]
 人形アニメーション。ナレーションあり(北京語版・日本語字幕付バージョンと日本語版バージョンあり)。上海スタジオでの製作作品。

 ・1988年 『セルフポートレート』(1分/35mm)[演出・人形美術]
 クレイ・アニメーション。BGMのみ。

 ・1990年 『いばら姫またはねむり姫』(22分/35mm)[脚本・演出・人形美術監督]
 人形アニメーション。ナレーションあり(チェコ語バージョンもあるらしい)。チェコとの共同製作作品。

 ・1991年 『注文の多い料理店』(19分/35mm)[監修]
 セル・アニメーション。

 ・1993~95年 『NHK人形歴史スペクタクル 平家物語』(各20分、全48話)[人形美術]
 人形劇。

 ・1996年 『オムニバス 李白』(?/?)[?]
 CM?

 ・2003年 『連句アニメーション 冬の日』(105分/35mm)[企画・監督・アニメーション]
 人形アニメーション、クレイ・アニメーション、セル・アニメーション等、様々な手法の作品あり。川本自身は人形アニメーション。朗読あり。

 ・2005年 『死者の書』(70分/35mm)[脚本・監督・人形・アニメーション]
 人形アニメーション。台詞あり。

 *関連書籍
 ・『川本喜八郎 アニメーション&パペット・マスター』(角川書店)
 ・「別冊太陽 川本喜八郎 人形―この命あるもの」(平凡社)

 *関連DVD
 ・DVD「川本喜八郎作品集」 3990円(税込)
 ・DVD「人形劇 三国志 全集」
 ・DVD「平家物語 完全版 DVD SPECIAL BOX」
 ・DVD「連句アニメーション 冬の日」 7140円(税込)
 ・DVD「死者の書」 2007年10月24日発売予定 3990円(税込) 予約価格2993円(税込)

 *当ブログ関連記事
 ・映画『死者の書』、または、リスペクト川本喜八郎
 ・川本喜八郎人形美術館に行ってきました! ・
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