地方で映画を観るということ -富山の場合-

 田舎に帰省した時に、新聞の映画欄を見て、「あ~、田舎の映画館て観る映画ないな~」なんてよく思ってしまっていたんですが、よくよく調べてみるとけっこう頑張ってたりするとはいうものの、それでもやはり東京に比べると圧倒的に選択肢が少ないんですね~。
 なんとかならないかなあ、とはずっと思ってきたのですが……。

 実際のところ、考えれば考えるほど、田舎での映画をめぐる状況は絶望的で、気持ちは沈み、あきらめモードになってしまうんですが、田舎の貧しい映画の公開状況をただ嘆くだけでは全く生産的ではないので、ここからは(2008年は)、地方で映画を観るということ、地方で映画を上映するということについて、積極的に考えて、できれば何らかのプランも(行動も?)検討してみたいと思います。

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 私の田舎は富山なのですが、とりあえず、富山の映画館について、現状を調べてみました(全くもってローカルな話ですが、ある種のケーススタデーとしても読めるように書きたいと思います)。

 まずは、シネコン進出以前、1990年に富山県内にあった映画館を調べてみました。
 ・富山東宝大和
 ・富山スカラ座
 ・グランド1、2
 ・富山松竹
 ・富山松竹ウィズシネマ1、2
 ・富山たから劇場
 ・富山東映
 ・富山東映パラス
 ・富山駅前富劇
 ・富山駅前劇場
 ・高岡大和
 ・高岡日劇
 ・高岡ロキシー
 ・高岡第一劇場
 ・高岡ピカデリー1~3
 ・高岡シネマ
 ・高岡東洋劇場
 ・福野中劇

 以上、1990年1月の段階で、富山県内には18館22スクリーンありました。

 以降の動きはこうなります。

 ◆1990年 富山たから劇場閉館

 ◆1991年 高岡大和、高岡日劇、高岡ロキシー、高岡第一劇場、福野中劇閉館

 ◆1992年 グランド1、2、富山駅前富劇、高岡シネマ閉館
 高岡シネマは、高岡ピカデリー4としてリニューアル・オープン

 ◇1993年 ワーナー・マイカル・シネマズ高岡(6スクリーン) オープン

 ◆1995年 高岡東洋劇場閉館

 ◇1996年 富山シアター大都会(5スクリーン) オープン

 ◆1996年 富山東宝大和閉館
 この劇場は、東宝邦画系の劇場で、ここの閉館により県内に東宝の直営館は富山スカラ座のみとなり、東宝邦画系の作品は、これ以降、富山東映2(1990年に富山東映パラスより改称)で上映されることになりました。

 ◇2000年 ファボーレ東宝(10スクリーン) オープン

 ◆◇2001年 東宝直営館であった富山スカラ座が経営の行き詰まりから閉館の危機に直面したのを、新興商事が経営を引き継いで富山ニュースカラ座として再スタート。
 と、まあ、表向きはそういうことになっているようなのですが、東宝としては2000年にファボーレ東宝をオープンし、2002年に高岡TOHOプレックスをオープンすることも決めていたので、古い富山スカラ座は不要になったというのが事実に近いのかもしれません。

 ◆2001年12月14日 富山東映、富山東映2 閉館(1956年4月~) 富山県内に東映系の映画館が消滅!

 ◇2002年9月19日 高岡TOHOプレックス(8スクリーン) オープン

 ◆2003年1月 富山松竹ウィズシネマ1、2 閉館 以後、不定期ながら上映活動は続ける。

 ◆2006年1月15日 高岡ピカデリー1~4 閉館(1980年~)

 ◆2006年9月1日 富山ニュースカラ座 閉館

 ◇2006年9月22日 富山松竹ウィズシネマ1、2の経営者が映画館の上映施設を県に寄付。県は2スクリーンだったのを1スクリーンに改装して、フォルツァ総曲輪としてオープン

 ◆2006年11月7日 富山松竹 休館(事実上閉館) 富山県内に松竹系の映画館が消滅!

 ◆2007年8月25日 富山 駅前劇場 閉館 富山県内に成人映画館が消滅!

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 わずか15年くらい間に、それ以前にあった映画館が全滅し、県内には、松竹系の映画館も、東映系の映画館も、成人映画の専門館も一切なくなってしまいました。現在あるのは、シネコン4つで29スクリーンと、今のところ公的支援を受けつつ運営しているフォルツァ総曲輪1スクリーンのみ。

 厳しいですね。シネコンのおかげでスクリーン数は増えたといっても、やっているのは同じような映画ばかりだし(このことについてもいずれ考察します)、しかも車を使わないと行けないようなところにばかりあって、不便なこと、この上ありません。

 ちなみに、1980年1月の状況を調べてみると――
 富山グランド1、2や高岡ピカデリー1~3はまだできておらず、松竹ウィズシネマは帝国館という名前で営業中だったということはありますが、そのほかの映画館14館14スクリーンはすべて同じ場所に同じ名前で存在していて、富山県の映画館は、1990年以降の10年に(それ以前の10年と比べて)いかに劇的な変化を迎えたかということがよくわかります(1980年1月にはこのほかに高中劇(成人系)、高劇、高岡文化劇場、米島シネマ(成人系)、となみ劇場、石動劇場(成人系)という映画館もありましたが、これらは1990年までに閉館しています)。

 今回は、ただ映画館の名前をずらずら書き出しただけですが、これらの映画館がどんな映画館だったのかということについては、次回の記事に書きたいと思います。

 
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