フランス生まれのサムライ・アニメーション 『パピヨン』

 フランス生まれの“サムライ”アニメーションです。
 中国あたりとのイメージの混乱が見られますが、それにしてもなかなかどうして……



 【物語】
 春ののどかさを楽しんでいた侍が、3人の忍者に追われる娘の姿を目撃する。
 いざ、助太刀せんと侍が急いで後を追うと、娘はあっさり忍者を返り討ちにしている。
 娘は、お堂に入って、中に奉ってある像の前で祈りを捧げる。
 ふとその像を見ると、それは侍とうりふたつ。
 侍は、瞬時に記憶を取り戻す。自分は討手に殺されたのであり、娘こそは彼の忘れ形見だったのだと。娘が像の前に供えた刀も、侍が腰に差している刀そのものなのであった。
 彼は、立派に育った娘の姿を見守りつつ、そっとお堂を後にする。そして野に出て、蝶の姿に戻るのだった。

 【コメント】
 侍がちょんまげをしてるし、忍者も出てくるので、舞台はやはり日本の中世なのでしょう。しかし、風景は中国っぽいし、効果音もそう。「蝶の夢」という発想も日本のものではありません。娘が、亡き父親を像にして奉っているというのもおかしい……。

 まあ、ケチをつければきりがないのですが、でも、作り手が、“サムライ・ムービー”が大好きで、リスペクトしてることはわかるし、短い間に、アクションを入れ、父娘愛を入れ、ちょっとしたカタルシスがあって、ああ、なるほどというオチもあって、決して悪くありません。ストーリーテラーとしての手際も鮮やかさで見事ですね。暖かなタッチも観ていてとても気持ちがいい。

 公式サイトを見ればわかりますが、監督のアントワーヌ・アンタンはこういうものばかり作っているのではなくて、いろいろと引き出しを持っているようです。もっともそうでなくては、商業作家としてはやっていけませんが。

画像

 ◆作品データ
 2001年/仏/3分31秒
 台詞なし/字幕なし
 アニメーション

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 ◆監督について

 アントワーヌ・アンタン Antoine Antin

 1978年生まれ。
 2Dアニメーションを手がけるフランスのアニメーション作家、アニメーター、イラストレーター。CMやキャラクター・デザイン、webデザインなども手がける。

 1999~2001年 パリのcft Gobelinsで2Dアニメーションを学ぶ。
 1996~1999年 ナンテールのEapld(l’Ecole d’Architecture de Paris La Défense)でDEFA(d’Etudes Fondamentales en Architecture)を学ぶ。
 1999~2001年 サンジェルマン・アン・レーにあるlycée M. RobyでBAC S(?)を学ぶ。

 ・2001年 “Le Papillon”
 ・2003年 “Monsieur Carré”
 ・2004年 “CharlyVush”
 ・2006年 “au Dessus du Vide”

 *公式サイト:http://www.aantin.com/updates/index.php?lang=en
 “Le Papillon”や“Monsieur Carré”、その他、手がけたCM作品等の動画も観ることができます。

 こんなイラストも描いています↓

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