フルーツ・チャンが手がけたCM 「マザーズ・チョイス ケンカ篇」

 『花蓮の夏』のケイト・ヤンが、モデルから女優になるきっかけになったのが一連の「マザーズ・チョイス」のCMで、演出はフルーツ・チャンが行なっています。

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 その1編が下記の動画で、画質が悪く、しかも広東語なので、ちょっとわかりづらいのですが、31秒の作品なので、まあ、とりあえず、観てみてください。



 【解説】
 マザーズ・チョイスというのは、望まぬ妊娠をしてしまった少女を支援する目的で1987年に小グループからスタートした団体で、現在もそうした独身女性の相談に乗ったり、扶養に問題のある家庭での乳幼児や児童のケアに当たったりしているようです(http://www.motherschoice.com/pages/index.asp?pg=home)

 このCMのキーワードは、どうやらパンヤオ(朋友)=親友のようで、街頭を歩いていて、逃げ腰の青年が口した「パンヤオ」に対し、ケイト・ヤン扮する娘が怒り、彼をぶつが、その瞬間に、彼の姿は彼女に変わってしまう、というものです。

 この後に入るナレーションが、このCMの持つ意味を説明していて、広東語のわからぬ身としては、その意味を想像してみるしかありませんが、なかなか意味深なCMですよね。

 ラストシーンの意味するところは「他人の痛みは自分の痛み」と解釈するしかなさそうですが、そうすると怒っている彼女の方に痛みを知らしめることが目的のCMということになります。そうすると2人は何についてもめていて、そしてなぜ「パンヤオ」という言葉を聞いて彼女は怒ったのでしょう?

 恋人でも何でもない女ともだちが妊娠したのにあれこれ世話を焼くボーイフレンドに彼女が焼きもちを焼いて、「だって親友だろう」と彼が言い、それを聞いて「親友って何よ」と彼女の方が怒った。ということでしょうか。で、こういうことはいつ何時誰の身に起こるかわからないことだし、こういう時には互いに助け合いましょう、そうマザーズ・チョイスは言っていると?

 まあ、正確には、広東語のわかる方に教えてもらうしかありませんが……。

 なお、このCMは、「争執篇」(ケンカ篇)と題されているので、このCMは独立しているわけではなくて、前日譚的CMがあって、話はずっとつながっているのかもしれません。

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 ◆作品データ
 2002年/香港/31秒
 広東語台詞あり/日本語字幕なし
 実写CM

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 ◆監督について

 フルーツ・チャン

 1959年 広東省海南生まれ。
 両親とともに香港に移住した後、1981年から香港フィルムカルチャーセンターで学ぶ。1984年にゴールデンハーヴェストに入社し助監督、製作コーディネーターを務める。
 1985年に“龍的心”でサモ・ハン・キンポーと共同監督し、監督デビュー。
 単独では、1991年の“大閙廣昌隆”で初監督。1994年に独立して『メイド・イン・ホンコン』脚本に取りかかり、親族から資金を集め、1997年に完成させる。『メイド・イン・ホンコン』では、国際的に注目され、スカウトしたサム・リーをスターダムにのし上げた。
 以後、猥雑でエネルギーあふれ、しかしどこか哀愁も漂う香港を、独自の映像センスで切り取って見せて、香港映画界に新風をもたらした。
 『メイド・イン・ホンコン』は<香港返還三部作(九七三部曲)>の第1作となり、続いて第2作『花火降る夏』、第3作『リトル・チュン』を発表。2001年からはさらに<娼婦三部作(妓女三部曲)>を発表した。
 俳優の才能を見出し、開花させることでも定評がある。

 ・1985年 “龍的心(Heart of Dragon)” *サモ・ハン・キンポーと共同監督 [監督・出演]
 ・1989年 “求愛夜驚魂 (In Between Love)” [出演] (監督:易清豐(Yi Ching Fung))
 ・1992年 『無実の罪』 “藍江傳之反飛組風雲、Arrest the Restless” [出演] (監督:ローレンス・アモン(劉國昌Lawrence Ah Mon))
 ・1993年 “大閙廣昌隆”(Finale in Blood)[監督]
 ・1993年 “盲女72小时(Retribution Sight Unseen)” [出演]  (監督:陳榮照(Wing-Chiu Chan))
 ・1995年 “妖街皇后(Bugis Street)”(シンガポール)[脚本] (監督:ヤン・ファン(楊凡))
 ・1996年 『喝采の扉』 “虎度門(Entrance of the P-Side/Stage Door)” [アシスタント・ディレクター] (監督:シュウ・ケイ) ビデオ
 ・1997年 『BE MY BOY』“基佬四十(A Queer Story)”[アシスタント・ディレクター] (監督:シュウ・ケイ) ビデオ
 ・1997年 『メイド・イン・ホンコン』(香港製造、Made in Hong Kong)<香港返還三部作(九七三部曲)>[監督] DVD
 香港電影金像奨監督賞受賞&脚本賞・編集賞ノミネート、台湾金馬奨監督賞&脚本賞受賞、釜山国際映画祭批評家連盟賞受賞
 ・1998年 『花火降る夏』(去年煙花特別多、The Longest Summer)<香港返還三部作(九七三部曲)>[監督・編集] DVD
 香港電影金像奨監督賞&脚本賞ノミネート
 ・1999年 『リトル・チュン』(細路祥、Little Cheung)<香港返還三部作(九七三部曲)>[監督] DVD
 香港電影金像奨脚本賞ノミネート、台湾金馬奨脚本賞受賞、ロカルノ国際映画祭C.I.C.A.E. Award - Special Mention&New Cinema部門銀豹賞受賞
 ・2000年 『ドリアンドリアン』(榴槤飄飄、Durian, Durian)(香港・仏・中)<娼婦三部作(妓女三部曲)>[監督・プロダクションデザイナー] DVD
 ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品、香港電影金像奨脚本賞受賞&監督賞ノミネート、台湾金馬奨脚本賞受賞
 ・2001年 『ハリウッド★ホンコン』(香港有個荷里活、Hollywood Hong-Kong)(香港・仏・英・日)<娼婦三部作(妓女三部曲)>[監督] DVD
 ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品、香港電影金像奨脚本賞&監督賞ノミネート、台湾金馬奨監督賞受賞、脚本賞ノミネート
 ・2002年 『トイレ、どこですか?』(人民公廁、Public Toilet)(韓・香港・日)<娼婦三部作(妓女三部曲)>[監督・製作] DVD
 ベネチア国際映画祭San Marco Prize - Special Mention受賞
 ・2003年 「ブタは体調不良」(小豬不舒服、Small Pig Is Ill)(香港・仏)[監督]
 ジョニー・トー、ツイ・ハーク、チャウ・シンチー、メイベル・チャン、アラン・マックら15人の監督による11編のオムニバス映画『1:99 電影行動』の1編(各15分) DVD
 ・2003年 “豪情(Naked Ambition)”[出演] (監督:チャン・ヒンカイ、ダンテ・ラム)
 ・2004年 「餃子」(『美しい夜、残酷な朝』(三更2 - 餃子、Dumplings - Three... Extremes))(香港・日・韓)[監督・編集] DVD
 台湾金馬奨監督賞ノミネート
 ・2004年 “餃子”(Dumplings) [監督・編集]
 ・2004年 “A-1頭條(A-1 Headline)”[製作] (監督:ゴードン・チャン、Kai Cheung Chung(钟继昌))
 ・2004年 『桃色』 “桃色(Color Blossoms)” [製作]  (監督:ヤン・ファン(楊凡)) DVD
 ・2006年 “西安故事(Xi’an Story)” [監督]
 30分の短編
 ・2006年 『幸福の幻影』 “浮生(Bliss)”(中) [製作] (監督:チョン・チーミン(盛志民、Zhimin Sheng))
 この作品は福岡アジア映画祭2007で上映されました。
 ・2006年 “我要成名(My Name Is Fame)”[出演]  (監督:ローレンス・アモン(劉國昌Lawrence Ah Mon))
 ・2006年 “手機電影短片 《A+B=C》 (1 of 2)”[監督]
 携帯電話をモチーフにした9分の短編。
 ・2007年 “劇王之王(Simply Actors)”[出演] (監督:チャン・ヒンカイ、パトリック・レオン)
 ・2009年 “Don't Look Up”(南ア・日) [監督]
 中田秀夫原案の作品。

 ※特記なしはすべて香港製作の作品

 このほか、アンジー・ホウ(侯湘婷)の“無果花”のミュージック・ビデオ、香港のスーパーマーケット・チェーン Wellcome(惠康)のCM“惠康與你”(Wellcomeとあなた)、乳幼児や児童の福祉、妊娠した独身女性への相談などを行なうマザーズ・チョイスのCMなども手がけています。

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