好きになった! ケイト・ヤン

 『藍色夏恋』とか『夢遊ハワイ』とか、なかなか良質で、胸がキュンとする青春映画の佳作を送り出してくれる台湾映画界ですが、1981年生まれの新鋭レスト・チャンが監督した『花蓮の夏』もそうした台湾青春映画の系譜につらなる佳品でした。

 物語は、男2人女1人の三角関係をベースにしたものですが、男2人が1人の女を取り合うというのではなく、女が好きになった男が実はもう一方の男のことが好きで、それを知りながら女の方はもう一方の男の方に告白されてつきあうことになるというもので、自分の胸のうちを明かすことができないで苦しむ男と、すべてを知っていて罪の意識を感じながらも自分ではどうしようもできない女と、友情が壊れかけていることに気づきながらもそれがなぜかはわからないもう一方の男という、主人公3人それぞれの内面が丁寧に掬いとられている作品でした。

 映画賞を受賞したり、ノミネートされたりというのは、2人の男優の方ですが、私は、すべて知っていて2人の間で揺れる娘ホイジャ(ということは観客と同じ立場に置かれて、観客が感情移入することになる)を演じたケイト・ヤンがいいと思いましたね。透明感があって、ちょっと切なげな表情を見せて……。ベビー・フェイスというか、ちょっとあどけなさの残るルックスもこの役に合っているような気がしました。

 『花蓮の夏』は、作品的には、『突然炎のごとく』が引き合いに出されたりしているようですが、私個人は、2人の男性の間で揺れながらも、運命に身をまかせ、たくましく生きていく『ラヴソング』のマギー・チャン演じる主人公に重ねる部分が多かったかな、と感じたりもしました。ピーター・チャンとケイト・ヤンを通じて、『ラヴソング』と『花蓮の夏』はつながったりもするのですが……。

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 というわけで、今回は、女優ケイト・ヤンについて調べてみました。

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 ケイト・ヤン Kate Yeung(楊淇)
 日本では、ケイト・ヨンと表記されることもある。

 本名:楊美玲

 生年月日:1984年10月26日

 身長:170cm

 体重:54kg

 趣味:水泳、読書(看書)、観劇

 モデルとしてキャリアをスタートさせ、フルーツ・チャンが演出したマザーズ・チョイス(母親的抉擇)のCM出演をきっかけに、女優に転身。現在は、香港と台湾を行き来しつつ活動している。

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 ◆フィルムグラフィー

 ・2002年 “世好B(Mighty Baby)”(香港)(監督:Hing-Ka Chan、パトリック・レオン)
 出演:ラウ・チンワン、ルイス・クー、ロザムンド・クワン、ジジ・リョン、セシリア・チャン
 物語:リーダーのジョニー(ラウ・チンワン)、秘書のサブリナ(ロザムンド・クワン)、デザイナーのリナ(ジジ・リョン)、児童心理の専門家ボウイ(セシリア・チャン)らが集まってベビー用品の開発に当たる。赤ちゃんが怖いウェイン(ルイス・クー)は、赤ちゃんの扱いが非常にうまいボウイに好意を抱いていく…。
 ケイト・ヤンの配役:不明

 ・2002年 “魂魄唔齊(Demi-Haunted)”(香港)(監督:パトリック・レオン)
 出演:イーソン・チャン、ジョイ・ヨン、ニコラス・ツェー
 物語:広東オペラの劇団に怪奇現象が起こる。それを起こしていたのは、60年前に思いを果せずに死んだ男役の女優・雲飛(ジョイ・ヨン)の亡霊で、恋人が見に来るはずだった舞台の途中で転落死していた。駆け出しの役者である初八(イーソン・チャン)は、その亡霊が自分に女形をやって欲しいと願っていることを知る…。
 ケイト・ヤンの配役:不明
 *香港電影金像奨新人賞ノミネート

 ・2002年 [ネット・ドラマ]“沙灘排球梳乎厘”(香港)
 now.com.hkで配信。詳細不詳。

 ・2003年 [テレビ・ドラマ]“寫意空間之我在乎天長地久”
 詳細不詳

 ・2003年 [ネット・ドラマ] “男女字典”(香港)
 now.com.hkで配信。詳細不詳。動画サイトを検索すれば、多くのエピソードを視聴することができます。タイトル・バックなどを観ると「セックス・アンド・ザ・シティ」みたいなものかなという印象を受けました。
 ケイト・ヤンの配役:不明

 ・2003年 [テレビ・ドラマ] “四重奏”(台湾)
 大愛電視製作作品。詳細不詳。
 ケイト・ヤンの配役:不明

 ・2003年 “台北21”(台湾)(監督:アレックス・ヤン)
 ケイト・ヤンの配役:役名は小瑾嫂。詳細不詳。

 ・2004年 『20 30 40の恋』 “20 30 40”(香港・台湾・日)(監督:シルヴィア・チャン) DVD
 出演:シルヴィア・チャン、レネ・リウ、アンジェリカ・リー、レオン・カーファイ
 ケイト・ヤンの配役:20代パートを担当するシャオジエ(アンジェリカ・リー)とコンビを組まされる歌手志望の女の子トン役。
 *香港電影金像奨最優秀助演女優賞、台湾金馬奨最優秀助演女優賞ノミネート
 ☆名だたる先輩俳優をさしおいて、助演女優賞候補に挙がったというので、そういう視点で観てしまうと、「何か違う」と思ってしてしまいます。一緒のシーンが多いアンジェリ・リーがはっきりした顔立ちをしているので、ケイト・ヤンの方はむしろちょっと“ブス“(というか齧歯類系)にも見えてしまうんですね。予備知識なしで観てケイト・ヤンを発見する楽しみはあるかもしれませんが、ケイト・ヤンを目的に観る作品ではないかもしれません。
 *当ブログ関連記事

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 ・2004年 [舞台] “2004香港漫遊”
 香港進念十二面體創作。詳細不詳。

 ・2005年 『the Eye 3』“見鬼10(The Eye 10/ The Eye: Infinity)”(香港・タイ) (監督:オキサイド&ダニー・パン) DVD
 出演:チェン・ボーリン、イザベラ・リョン、クリス・クー
 ケイト・ヤンの配役:仲間5人のうち最も霊感が弱く、霊を呼び出しても自分だけ見ることができなかったので、なんとか別の方法で霊を見たいとねだる娘メイ役で出演。
 ☆単独の主人公を置いた第1作や第2作に比べ、群像劇にしてしまった第3作は、それぞれの登場人物の印象を薄くしています。映画としては、まあまあ面白いにしても、それぞれのキャラは立っておらず(立てておらず)、ケイト・ヤンもそうした主人公グループの1人として、「そういえば出ていたかな」という程度にとどまっています。

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 ・2005年 [ミュージカル]“Butterfly Lovers(梁祝下世傳奇)”(香港)
 出演:デニス・ホー、エンディ・チョウ、ジョイ・リョン
 物語:愛し合っていた2人の魂が、現代の大学生の中に輪廻再生する。2人はそれぞれ過去の記憶を取り戻そうとするが……。
 ケイト・ヤンの配役:不明

 ・2006年 [テレビ・ドラマ]“Marry Me !我們結婚吧 (完)”(台湾)
 リウ・ジアイン、マイク・ハー、Sha Sha、Yang Yi Zhan
 物語:事務所の反対を押し切って電撃結婚を発表したスター雨鳴だったが、新婦に逃げ出されてしまう。雨鳴は、マスコミから逃れるために、ある場所に隠れるが、そこは事情があっていろんなもの逃げてきた人が集まる“避難所”だった……。
 華視&TVBS共同製作作品。全22話。
 ケイト・ヤンの配役:役名は花枝。詳細不詳。

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 ・2005年 [テレビ・ドラマ] “草山春暉”(台湾)
 大愛電視製作作品。全19話。
 ケイト・ヤンの配役:不明

 ・2006年 『花蓮の夏』“盛夏光年(Eternal Summer)”(台湾)(監督:レスト・チェン) 映画祭でのタイトルは「永遠の夏」
 出演:ブライアン・チャン、ジョセフ・チャン
 http://www.karen-natsu.com/index.html

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 ・2007年 “心想事成(It's a Wonderful Life)”(香港)(監督:ロナルド・チェン(鄭中基))
 出演:ロナルド・チェン、ヴィンセント・コック、レオン・カーファイ、テレサ・モウ
 物語:天の神・雷震子(ロナルド・チェン)は、チンピラに絡まれている少年ディンドンを助け、困ったときはいつでも助けると約束する。数年後、どうしようもなく不運に見舞われているディンドン(ヴィンセント・コック)を見つけ、下界に降りてゆく。
 ケイト・ヤンの配役:不明。役名はDing Fong。

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 ・2007年 “魔術男(Magic Boy)”(香港)(監督:アダム・ウォン(黄修平))
 出演:チョイ・ティンヤウ、アンジョー・リョン、
 物語:レゴ(アンジョー・リョン)はモンコクにあるカフェの店員で、カフェの出前先でマジックを披露して、人気者になる。ある日、彼は、中古専門のブランド・ショップで働くウィン(ケイト・ヤン)と出会い、彼女に魅かれるようになる。しかし、彼女が好きなのは、レゴのマジックの師匠で、幼ななじみでもあるヘイ(チョイ・ティンヤウ)だった。

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 ◆広告
 2001年 中國銀行 広告ポスター
 2002年 マザーズ・チョイス(母親的抉擇) テレビCM (フルーツ・チャン演出) 及び広告ポスター

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 2002年 2002 叱吒樂壇扮獎典禮 <<人人英雄一一起舞>> 宣伝ポスター
 2003年 BGW (teenage wear) 広告ポスター
 2003年 スプライト(ginger flavor) テレビCM

 ◆ミュージック・ビデオ
 2003年 ダニエル・チャン “Perfect Love”CDジャケット?&“閉上眼睛”ミュージック・ビデオ

 このほか、台湾のバラエティー番組“麻辣天后宮”にも出演しているようです。

 *参考
 ・楊淇に関するWikipedia:http://zh.wikipedia.org/wiki/%E6%A5%8A%E6%B7%87
 ・yesasia.com:http://us.yesasia.com/jp/Browse/Artist.aspx/section-videos/code-c/version-all/aid-853629/
 ・Flickr: Photos from Sao Esquillon:http://www.flickr.com/photos/esquillon/page6/
 ・『花蓮の夏』のphoto:http://picturethisent.com/pressroom/eternalsummer/
 ・http://activity.starblvd.com/activity/EternalSummer/actor.html
 ・http://lunapark6.com/eternal-summer.html
 ・http://www.rthk.org.hk/rthk/radio2/wearefamily/20070120.html
 ・http://www.dianying.com/ft/person/YangQi2
 ・http://72.14.235.104/search?q=cache:g9RmSCWvCQkJ:free-tv-shows-online.com/tag/%E6%A5%8A%E6%B7%87+%E6%A5%8A%E6%B7%87&hl=ja&ct=clnk&cd=93&gl=jp

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 調べてみたところでは、今のところ、ケイト・ヤンのベストは『花蓮の夏』のようです。

 小さな役、主人公の友だちといった役どころから始めて、今ようやく主役級(ヒロイン)というポジションに近づきつつある、というところでしょうか。

 かわいい顔をしてはいるのですが、個性的な顔立ちとは言えないので、キャラを立てないと、他のキャストとの組み合わせ次第では、彼女の存在は生かされずに、埋没してしまいます。私が観た作品は多くはありませんが、何かそんな印象を持ちました。

 何に出ても、役柄にかかわりなく強烈なインパクトを残すというタイプの俳優もいますが、彼女はそうではないので、バランスのとれたキャスティングやキャラクターの立った脚本、そして俳優の個性を引き出す才能に長けた演出家との出会いが、彼女の今後の運命を決める、と言っていいのではないでしょうか。素質はあるのですから。

 「この娘いいじゃない?」と思って注目しても、期待とは違う方向に進んで、「昔好きだった女優」になってしまう女優が多いので、彼女はそうならないといいなあと思いますね。

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