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zoom RSS 『フーガ』 ジョルジュ・シュヴィツゲベル

<<   作成日時 : 2007/07/10 07:00   >>

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 音楽ではなく、映像によるフーガ。



 「@窓の外にヤシの木の木立が見える部屋で、机に向かっている女性」の姿が絵ハガキの中に取り込まれていき、その絵ハガキを持ってソファに座っている女性が現れ、さらにそれが鏡に映った左右反転した姿であることがわかる。さらにそれが「絵」の中に収まっていき、そのそばで「A絵ハガキを持ってソファに座っている女性」が現れる。

 女性のいるマンションの部屋からカメラが出て行って、外の風景を映し出していく。
 立方体の列が現れ、上下左右に線が伸びて形を変容させていく(「B口型の立体と上下左右に伸びる複数の細長い棒が組み合わさった図形」)。それがゆるやかに回転して――
 「C階段を下りるか上るかしている男性」が外出して外へ。
 建物の並ぶ風景。
 木立の並ぶ風景。
 「Dブランコをする女の子」
 ブランコの背景自体もブランコに合わせて揺れ出して、その風景の入ったフレームだけがするっと消え去って、ブランコに乗った少女ともう1つ別の背景が現れる。もう一度背景が揺れ出して、今度はブランコに乗った少女ごと消え、空の風景を映し出す。
 空には雲が流れ、その雲は魚に変わり、水中で泳ぐ。
 その風景が一瞬にして、「A絵ハガキを持ってソファに座っている女性」の顔に取り込まれていく。
 「B口型の立体と上下左右に伸びる複数の細長い棒が組み合わさった図形」が回転して、立方体の列が現れ――
 「Eスロープを降りていって、水面に映る自分たちの姿を覗き込む男女」
 水面に映る自分たちの姿が動いていき、「Eスロープを降りていって、水面に映る自分たちの姿を覗き込む男女」に戻る。水面に映る自分たちの姿が動いていき、「Eスロープを降りていって、水面に映る自分たちの姿を覗き込む男女」に戻る。
 水面に「Dブランコをする女の子」の姿が映り、ブランコの背景自体がブランコに合わせて揺れ出して、その風景の入ったフレームだけがするっと消え去って、ブランコに乗った少女ともう1つ別の背景が現れる。「Dブランコをする女の子」と「C階段を下りるか上るかしている男性」がオーバーラップ。「C階段を下りるか上るかしている男性」が残る。
 木立のある風景が現れ、「C階段を下りるか上るかしている男性」とオーバーラップする。
 歩いていた男性が木立と重なって消える。
 その風景の中をどんどん進んでいくと「Eスロープを降りていって、水面に映る自分たちの姿を覗き込む男女」が現れる。
 水面に映った倒立世界が流れていき――
 再び「Eスロープを降りていって、水面に映る自分たちの姿を覗き込む男女」が現れるが、今度は水面を覗き込むことなしに、カメラは風景の方を映し出していく。
 ヤシの木立が現れたかと思うと、「@窓の外にヤシの木の木立が見える部屋で、机に向かっている女性」のいる部屋の中へ。
 「@窓の外にヤシの木の木立が見える部屋で、机に向かっている女性」の姿が絵ハガキの中に取り込まれていき、その絵ハガキを持ってソファに座っている女性が現れ、さらにそれが鏡に映った左右反転した姿であることがわかる。さらにそれが「絵」の中に収まっていき、そのそばで「A絵ハガキを持ってソファに座っている女性」が現れる。
 女性のいるマンションの部屋からカメラが出て行って、外の風景を映し出していく。
 その風景は、新聞に掲載されている写真の中に取り込まれていき、「A’ソファに座って新聞を読んでいる女性」の姿が現れる。
 その部屋の窓外の風景。空に流れる雲の風景が水面に変わり、「E’水面に映る自分たちの姿を覗き込む男女」が水面を覗き込んでいる。そのフレームが左に流れて、再び水面から「Eスロープを降りていって、水面に映る自分たちの姿を覗き込む男女」が現れる。
 今度は、水面を覗き込まないまま歩いていき、その上に重なるようにして立方体が現れ、「B口型の立体と上下左右に伸びる複数の細長い棒が組み合わさった図形」に変化する。
 いくつかの木立と流れる雲の風景が現れ、木立の風景と空がオーバーラップし、木立の中を魚が泳ぎだす。その風景の中に「@’&A”テーブルにひじをついて考え事をしている赤い服の女性」が紛れ込み。木立は動き回るたくさんの人に変わる。
 風景が「B口型の立体と上下左右に伸びる複数の細長い棒が組み合わさった図形」にオーバーラップし、「A絵ハガキを持ってソファに座っている女性」から「@’&A”テーブルにひじをついて考え事をしている赤い服の女性」にスライドしていく。
 動き回る人々、「B口型の立体と上下左右に伸びる複数の細長い棒が組み合わさった図形」、魚がオーバーラップし、再び、「A絵ハガキを持ってソファに座っている女性」から「@’&A”テーブルにひじをついて考え事をしている赤い服の女性」にスライドしていく。「B口型の立体と上下左右に伸びる複数の細長い棒が組み合わさった図形」、魚がオーバーラップし、その後で消えた後「@’&A”テーブルにひじをついて考え事をしている赤い服の女性」のみが映し出される。彼女は頬杖をついていた手をはずして、テーブルの上の紙にペンを滑らせ始める。

画像

 【コメント】
 「フーガ」とは、「各声部が同じ旋律を定められた変形を伴って順次奏する」合唱の一形式のことで、本作でも同じイメージが微妙な変化を伴いながら、繰り返し、重なり合うように登場します。上の【物語】では基本イメージを6つ抜き出して番号を振り、それが繰り返されることを提示してみましたが、繰り返されるイメージはもっとたくさんあります。

 映像が次から次へと変化していくので、初見ではついていけないと思うかもしれませんが、この作品の中で行なわれていることは――
 T.絵、鏡、水面などを使って、ある次元から別の次元へと出たり、入ったりする
 U.1つの世界の中をどんどん進んでいく
 V.雲が魚に変わるというようなメタモルフォーズ
 W.オーバーラップ。
 の4つでしょうか。

 「B口型の立体と上下左右に伸びる複数の細長い棒が組み合わさった図形」だけが意味不明ですが、この作品『フーガ』で行なわれていることを象徴しているイメージのようなものでしょうか。

 ◆作品データ
 1998年/スイス/7分4秒
 台詞なし/字幕なし
 アニメーション

 * この作品は、オタワ国際アニメーションフェスティバルでBest Use of Colour Craft Prizesを受賞しているほか、スイス映画賞で最優秀短編賞ノミネート、ザグレブ国際アニメーションフェスティバルでSpecial Recognition受賞など、数多くのノミネート&受賞歴があります。

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 ◆監督について
 ジョルジュ・シュヴィッツゲベル
 スイスを代表するアニメーション作家&グラフィック・デザイナー。キャリアは30年以上ですが、この10年間で特に評価が高まっているようです。
 1944年 スイスのベルン生まれ。1951年にジュネーブに移る。
 1961年 ジュネーブのArt School and College of Decorative Artsに入学(〜1965年)
 1966年 ジュネーブの広告代理店に入社(〜1970年)
 1970年 独立して、Claude Luyet 、Daniel Suter とともにGDS Studio を設立し、テレビ番組のタイトルやポスター、広告イラスト、短編アニメーション等を手がける。
 1983-1984年 中国語を学ぶために1年間、上海の復旦大学で学ぶ。
 1986年 スイスのビュルにあるGruyerien美術館で GDS Studioの展覧会開催。
 1987年 Nürenbergで回顧展開催。
 1992年 ジュネーブで舞台“Children's King”のためのセットを手がける。
 ジュネーブの Building-House のためにフレスコ画を手がける。
 1994年 シュツットガルトで展覧会&回顧展開催。
 1995年 東京と大阪とパリで回顧展開催。
 ジュネーブのギャラリーPapiers Grasで展覧会開催。
 1996年 ジュネーブのJardin BotaniqueとギャラリーPapiers Grasで展覧会開催。

 ・1971年“Patchwork ” *カンヌ国際映画祭 短編部門ノミネート
 ・1974年 『イカロスの飛翔』 “Le Vol d'lcare”
 ・1975年 『遠近法』 “Perspectives”
 ・1977年 『オフサイド』 “Hors-jeu”
 ・1982年 『フランケンシュタインの恍惚』 “Le Ravissement de Frank N. Stein” *ベルリン国際映画祭C.I.D.A.L.C. Award名誉賞受賞
 ・1985年 『78回転』 “78 Tours”
 ・1986年 『ナクーニン』 “Nakounine”
 ・1987年“Academy Leader Variations” *カンヌ国際映画祭審査員賞受賞
 ・1989年 『絵画の主題』 “Le Sujet du tableau”
 ・1992年 『破滅への歩み』(『深遠への旅』) “La Course à l'abîme” *広島国際アニメーションフェスティバル 5分以内の作品部門2位
 ・1995年 『鹿の一年』 L' Année du daim(The Year of the Deer)” *ザグレブ国際アニメーションフェスティバルCategory A - 30 Sec. to 5 Min First Prize受賞
 ・1996年 『ジグザグ』 “Zig Zag”
 ・1998年 『フーガ』 “Fugue” *オタワ国際アニメーションフェスティバルBest Use of Colour Craft Prizes受賞、スイス映画賞最優秀短編賞ノミネート、ザグレブ国際アニメーションフェスティバルSpecial Recognition受賞
 ・2001年 『少女と雲』 “La Jeune fille et les nuages(The Young Girl and the Clouds)” *スイス映画賞短編映画部門受賞、ザグレブ国際アニメーションフェスティバルSpecial Recognition受賞、広島国際アニメーションフェスティバル優秀賞受賞
 ・ 2004年 『影のない男』 “L' Homme sans ombre(The Man with No Shadow)” *カンヌ国際映画祭 短編部門Prix Regards Jeune受賞、ジニー賞短編アニメーション部門ノミネート、スイス映画賞最優秀短編賞ノミネート、ザグレブ国際アニメーションフェスティバル審査員特別賞&Jury Award of the Partner Festival Krok 受賞、広島国際アニメーションフェスティバル国際審査員特別賞受賞
 ・2006年 『技』 “Jeu” *スイス映画賞最優秀短編アニメーション賞ノミネート、広島国際アニメーションフェスティバル国際審査員特別賞受賞

 *1995年にイメージフォーラムの<Magical View!>というプログラムで、イギリスの映像作家トニー・ヒルの6作品とともに、8作品(『イカロスの飛翔』『遠近法』『オフサイド』『フランケンシュタインの恍惚』『78回転』『絵画の主題』『破滅への歩み』『鹿の一年』)が劇場公開されました。

 *第7回ラピュタアニメーションフェスティバル2006で『イカロスの飛翔』『遠近法』『オフサイド』『フランケンシュタインの恍惚』『78回転』『ナクーニン』『絵画の主題』『破滅への歩み』『鹿の一年』『ジグザグ』『フーガ』『少女と雲』『影のない男』『技』という主だった14作品が<ジョルジュ・シュヴィッツゲベル作品集>として上映されました。
 これに先立って、『技』以外の13作品が『ジョルジュ・シュヴィツゲベル作品集』として2005年に日本でもDVDリリースされています。

 *参考サイト:THE GALLARY:http://www.awn.com/gallery/schwizgebel/index.html

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