映画の中の東京、または、『パリ、ジュテーム』東京版の試み

 外国人映画監督が描く、“映画の中の東京”を集めてみました。

 きっかけは、映画『パリ、ジュテーム』のような、東京を舞台にしたオムニバス映画ができるとかできないとかという噂があるからで、だったら、それに参加できる外国人監督にはどんな人がいて、誰ならどこを舞台に“東京”を撮るだろうか、と考えたからです。

 東京を、全部もしくは一部、舞台にした外国映画というのは、けっこうあって、『東京暗黒街・竹の家』(1955)や『007は二度死ぬ』(1967)まで遡らなくても、10本くらいはすぐに思いつけます。

 監督が外国人と言っても、製作は日本の映画映画会社であるというような、『不夜城』のような作品もあるので、ここでは、より広義にとらえ、国際都市・東京を舞台にした物語として、外国人が主人公の日本映画まで含めて、リストアップしてみました。

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 神保町~侯孝賢 『珈琲時光』(2004)

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 歌舞伎町~リー・チーガイ 『不夜城』(1998)

 歌舞伎町2~キム・ロンジット、ジャノ・ウィリアムズ 『新宿ボーイズ』(1996)

 新宿通り~クエンティン・タランティーノ 『キル・ビル vol.1』(2003)

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 新宿~ソフィア・コッポラ 『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)

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 新大久保~花堂順次 『あなたを忘れない』(2006)

 渋谷~アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトウ 『バベル』(2006)

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 渋谷2~ラルフ・マルシャレック 『炎のジプシー・ブラス』(2002)

 秋葉原~ジェラール・クラヴジック 『WASABI』

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 浅草~花堂順次 『あなたを忘れない』(2006)

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 首都高~アンドレイ・タルコフスキー 『惑星ソラリス』(1972)

 首都高2~ ジャスティン・リン 『ワイルド・スピード×3 TOKYO DRIFT』(2006)

 首都高3~ クエンティン・タランティーノ 『キル・ビル vol.1』(2003)

 エリザベス・レナード 『東京メロディ』(1985)
 ヴィム・ヴェンダース 『東京画』(1985)、『都市とモードのビデオノート』(1989)

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 ニコラス・フンベルト、ベルナー・ペンツェル 『ステップ・アクロス・ザ・ボーダー』(1989)
 アレック・ケシシアン 『イン・ベッド・ウィズ・マドンナ』(1991)
 大友克洋 『ワールド・アパートメント・ホラー』(1991)
 柳町光男 『愛について、東京』(1993)
 ジャン=ジャック・ベネックス “OTAKU”(1994)

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 ハル・ハートリー 『フラート』(1995)

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 フリドリク・トール・フリドリクソン 『コールド・フィーバー』(1995)
 塙幸成 『tokyo skin』(1996)
 キム・ロンジット、クレア・ハント 『東京良妻』(1996)
 ニキ・カロ “MEMORY & DESIRE”(1997)
 ジャン=ピエール・リモザン 『TOKYO EYES』(1998)

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 ピーター・グリーナウェイ 『81/2の女たち』(1999)
 ニルス・タヴェルニエ 『エトワール』(2000)
 ドリス・デリエ 『MON-ZEN』(2000)

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 ジングル・マ 『東京攻略』(2000)

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 アラン・コルノー 『畏れ慄いて』(2003)

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 マイケル・C・ジョンソン “The Mountain of Signs”(2003)
 トラヴィス・クローゼ 『アラキメンタリ』(2004)
 清水崇 『THE JUON/呪怨』(2004)

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 トーマス・リーデルシェイマー 『Touch the Sound』(2004)
 ミンク 『イントゥ・ザ・サン』(2005)
 チャン・イーモウ 『単騎、千里を走る。』(2005)

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 アミール・ムハンマド “Tokyo Magic Hour”(2005)
 フランソワ・ロトゲール『パッセンジャー』(2005)

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 以上から、東京のイメージをまとめてみると――
 東京というのは、最新のモードがあり、世界中のミュージシャンやアーティストが続々と公演をしにやってくる世界でも有数の最先端の文化の街で、国際色も豊か。留学生が多いし、日本人の中で働く外国人も多い。ヤクザもいれば、オカマもいるし、風俗産業も盛ん、というような猥雑な一面がありながら、一方では、喧騒の中に禅の心を見出す人もいる。一見、平和な日々の中にも多々事件があり、ヤクザが抗争しているそばでは、暴走族がバトルを繰り返しているし、呪われた家では怨霊が次々と関わる人間を死の世界に誘っている(笑)。

 ま、冗談はさておき、これらの映画で描かれている東京は、東京に住んでる人間が思いつくものとは違っていて、なかなか東京の面白い部分を切り取っている、と言えるのではないでしょうか。
 監督により、作品により、切り取る東京像にも違いがあるというのも興味深いところで、サイバーシティ的な象徴として秋葉原でロケーションする作品があるかと思えば、若者文化の象徴として渋谷を選ぶ作品もある(というか非常に多い)。そういった記号的な街や風景、ランドマーク的な建物を積極的に取り込む作品がある一方で、もっと地に足のついた、東京で暮らす人々の生活を写し取った作品もある……。

 現実問題として、映画『パリ、ジュテーム』に匹敵するような、東京を舞台にしたオムニバス映画ができるかどうかということに関しては、言語の問題があったりするので、やはり難しいんじゃないかと思います(移り変わりが激しく、かりそめの住まいとしてしかとらえられない東京という街への愛着の問題もあるかもしれません)が、『ALWAYS 三丁目の夕日』や『大停電の夜に』、あるいは『tokyo.sora』(あと『東京★ざんすっ』というのもありました)を超えるような作品が作れるんだったら観たいですね。

 上に挙げたような監督を数人集めるだけでも、けっこう大変なんじゃないかと思いますが、これらの中からいろいろと取り出して、頭の中で構成して、再生してみるだけでもちょっと楽しいですよね。

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 ◆その他 映画の中のTOKYO

 ★渋谷

 ・『ロスト・イン・トランスレーション』 駅前

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 ・『畏れ慄いて』 駅前

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 ・『ロスト・イン・トランスレーション』 カラオケ館

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 ・『あなたを忘れない』

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 ★ゲームセンター
 ・『WASABI』

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 ★パチンコ店
 ・『イントゥ・ザ・サン』(*『81/2の女たち』や『Touch the Sound』にもパチンコ店は使われていましたが、画像を見つけることができませんでした)

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 ★ガード下~中目黒(*今はもうなくなってしまいました)
 ・『ロスト・イン・トランスレーション』

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 ★しゃぶしゃぶ屋
 ・『ロスト・イン・トランスレーション』

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 ★桜と和服の女性
 ・『イントゥ・ザ・サン』

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 ★日本語学校
 ・『あなたを忘れない』~赤門会(荒川区)

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 ★パークハイアット東京
 ・『ロスト・イン・トランスレーション』

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 *当ブログ関連記事
 ・オムニバス映画の魅力 『パリ、ジュテーム』など

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この記事へのコメント

2007年04月06日 09:28
umikarahajimaruさん★


TBが入ってなかったようです、くるのが遅れちゃいました、、、
すごーい!こんなに集められて☆
ジャンジャックベネックスがOTAKUなんてとってるんですね、キニナル、、、(笑)
ロストイントランスレーションはがっつりと渋谷が出てましたね。
umikarahajimaru
2007年04月06日 12:50
migさま
すいませ~ん。TB入っていませんでしたか。再送したので、ご確認ください。
“OTAKU”は残念ながら日本ではリリースされていません。ベネックスは人気監督のはずですから、内容に問題ありということでしょうか(笑)。

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