良い子は見ないように! “More Sex &Violence” ビル・プリンプトン

 セックスとバイオレンスに関する12のショート・ショート集。
 “Warn:Mature Content”(未成年には相応しくない内容が含まれていますのでご注意を)というメッセージが冒頭に挿入されています。ま、全然大したことはないんですが、一応念のため。

 

 ・preparing for the … (~の準備)
 ・the traffic light (信号)
 ・they say you sneeze your heart stops so what would happen if …(くしゃみは命取りというけど、それはどういうことなのか) * アメリカには“when you sneeze your heart stops”はという言い回しがあるらしく、「風邪は引き始めの注意が肝心」という意味のようです。
 ・Surprise!(サプライズ!)
 ・the truck (トラック)
 ・elvis (エルヴィス)
 ・why we laugh (なぜこんなにおかしいのか?)
 ・the toilet (トイレ)
 ・bad camouflage (間違ったカムフラージュ)
 ・air bags (エアバッグ)
 ・dyslexic sex (失読症的セックス)
 ・the date (デート)

 この作品は、私が、ビル・プリンプトン作品をランダムに観ていった中で、その面白さに目覚めた最初の作品です。と思って、今また見直してみると、けっこうグロテスクだったり、下品だったりもしますね(笑)。

 このアニメは、プリンプトンが男性誌(「プレイボーイ」や「ペントハウス」等)に連載していたマンガのアニメ版なんですが、そう思って、振り返ってみるとオリジナルの4コママンガが想像できたりもします。

 “More Sex & Violence”(1998)は、1997年に発表された“Sex & Violence”の好評を受けて作られた続編です。

 ・もし……だったら的な連想や妄想、誇張、エスカレーション、視点の切り替え、等々によるギャグ群の中にも、プリンプトン流の人間観察眼が少なからず窺えると思います。

 ◆作品データ
 1998年/米/7分
 台詞なし/字幕なし
 アニメーション

画像

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 ◆監督について
 ピル・プリンプトン
 1946年 オレゴン州ポートランド生まれ。3男3女の6人兄弟の1人。父は銀行員。
 14歳の時にディズニーに自分の描いたマンガとアニメーターになりたいという手紙を送ったが、まだ早すぎると断りの返事をもらう。
 1964年 オレゴン市立高校を卒業し、ポートランド州立大学に入学。
 大学では、映画同好会に入り、年鑑の編纂委員も務めた。彼が最初に作ったアニメーションは、年鑑のためのプロモーション作品だという。
 1967-72年 ベトナム戦争への徴兵を逃れるために、国家警備隊に入隊。
 1968年 ニューヨークのビジュアル・アートの学校に入学。専攻はグラフィック・デザイン。
 ニューヨークでは長らくイラストレーターや漫画家として活躍し、“Cineaste”や “Filmmakers Newsletter”、“Film Society Review”といった雑誌のデザインを担当し、「ニューヨーク・タイムズ」や「ヴィレッジ・ヴォイス」「ローリング・ストーン」「ヴォーグ」「ヴァニティ・フェア」にもイラストを提供した。
 1975年に“The Soho Weekly News”紙で、“Plympton”という政治マンガを始め、1981年にはユニバーサル・プレスの配信により12紙以上の新聞に掲載されるようになった。
 アニメーションを作るようになったのは1983年になってからで、Jules Feifferの曲 “Boomtown”のための作品で、プロデューサーからの依頼で制作に取りかかった。
 以後、取り憑かれるようにしてアニメーション作品を制作し、現在にいたるまで世界中の映画祭を席捲している。
 数多くの短編アニメーション作品のほか、中編アニメーションを1本、長編アニメーションを4本、実写作品を3本(うち2本はドキュメンタリー)を制作している。
 1987年の『君の顔』、2004年の『ガード・ドッグ』でアカデミー賞短編アニメーション賞にノミネート、1997年の『スーパー変態ハネムーン 花婿はヘンな人(新郎は変な人)』と2001年の『ミュータント・エイリアン』ではアヌシー国際映画祭グランプリを受賞。2007年にはアニー賞でウィンザー・マッケイ賞(生涯貢献賞)を受賞。そのほか受賞した賞は数知れない。

 ネット上で観られる短編は基本的にはギャグ・コメディーですが、ギャグにはしても、対象を見下すことで笑いを取っているわけではないので、嫌な感じはしません。

 プリンプトンが作り出す笑いには2通りあって、人間の欲望や強迫観念、うかつさ、妄想などを笑うもの(人間観察による)と、連想や誇張、エスカレートなどによって笑わせるもの(自由な発想による)とがあるようです。

 1988年の“Self Portrait”は、川本喜八郎、手塚治虫、ヤン・シュヴァンクマイエルら世界中のアニメ作家が自分(自画像)を題材にして作った競作短編ですが、プリンプトンは、元々、顔(の変容)を題材にした作品の多いアニメ作家のようです。

 テックス・エイヴリーが好きらしく、本人もその影響を認めているらしいのですが、シュヴァンクマイエル作品に通じるものを感じる作品も多々あります。

 ・1985年 “Drawing Lesson #2”
 ・1985年 “Boomtown”
 ・1987年 『君の顔』“Your Face”  *1988年アカデミー賞短編アニメーション賞ノミネート
 ・1987年 “Love in the Fast Lane”
 ・1988年 “Self Portrait”
 ・1988年 “One of Those Days”
 ・1989年 “How to Kiss”
 ・1989年 “25 Ways to Quit Smoking”
 ・1990年 “Tango Schmango”
 ・1990年 “Dig My Do”
 ・1991年 “Push Comes to Shove”
 ・1991年 “The Wiseman”
 ・1991年 “Plymptoons”
 ・1992年 “The Tune”[中編]
 ・1993年 “Draw”
 ・1994年 “Nose Hair”
 ・1994年 “J. Lyle”[長編][実写]
 ・1994年 “Faded Roads”
 ・1995年 『女の攻略法』“How to Make Love to a Woman”
 ・1995年 “Guns on the Clackamas: A Documentary” [長編] [実写]
 ・1996年 “Smell the Flowers”
 ・1996年 “Boney D”
 ・1997年 “Walt Curtis: The Peckerneck Poet”[中編] [実写]
 ・1997年 “Spike and Mike's Festival of Animation Sick & Twisted Volume 4”(V)
 ・1997年 “Sex and Violence”
 ・1997年 “Mondo Plympton” [長編]
 ・1997年 『スーパー変態ハネムーン 花婿はヘンな人(新郎は変な人)』“I Married a Strange Person!” [長編] *1998年 アヌシー国際アニメーションフェスティバル グランプリ受賞、アニー賞長編アニメーション部門ノミネート 日本版DVDリリースあり
 ・1998年 “More Sex and Violence”
 ・1998年 “General Chaos: Uncensored Animation”
 ・1999年 “Surprise Cinema”
 ・1999年 “The Exciting Life of a Tree”
 ・2000年 “Can't Drag Race with Jesus”
 ・2001年 “Eat”
 ・2001年 “12 Tiny Christmas Tales”(V)
 ・2001年 『ミュータント・エイリアン』“Mutant Aliens” [長編] *2002年 アヌシー国際アニメーションフェスティバル グランプリ受賞
 ・2003年 “Parking”
 ・2004年 『ヘア・ハイ』“Hair High”[長編]
 ・2004年 『ガード・ドッグ』“Guard Dog” *2005年アカデミー賞短編アニメーション賞ノミネート DVD『広島国際アニメーション傑作選 vol.1』に収録
 ・2005年 『花と扇風機』“The Fan and the Flower”
 ・2006年 “Guide Dog”
 ・2006年 “Don't Download This Song”(“Straight Outta Lynwood )(V)
 ・2006年 “Don't Download This Song”(“Al TV”) (V)

 *参考サイト

 ・ビル・プリンプトンの公式サイト Bill Plympton On-Line!:http://www.awn.com/plympton/

 ・Acme Fimworks:http://www.acmefilmworks.com/dir_folders/dirPlympton/plympton.html#

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