2006年度の日本の映画賞について結果をまとめてみました!

 キネマ旬報の2006年度ベストテンの結果が発表されたようなので、ここでこれまで発表された2006年度の日本の映画賞の結果をまとめておきたいと思います。

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 ◆作品賞
 報知映画賞:『フラガール』
 日刊スポーツ映画大賞:『フラガール』
 ヨコハマ映画祭:『ゆれる』
 キネマ旬報:『フラガール』
 毎日映画コンクール 日本映画大賞:『ゆれる』
 ブルーリボン賞:『フラガール』
 日本アカデミー賞:『フラガール』

 ◆監督賞
 山路ふみ子賞(映画賞):根岸吉太郎監督(『雪に願うこと』)
 報知映画賞:根岸吉太郎(『雪に願うこと』)
 日刊スポーツ映画大賞:根岸吉太郎(『雪に願うこと』)
 ヨコハマ映画祭:西川美和(『ゆれる』)
 キネマ旬報:根岸吉太郎(『雪に願うこと』)
 毎日映画コンクール:根岸吉太郎(『雪に願うこと』)
 ブルーリボン賞:西川美和(『ゆれる』)
 日本アカデミー賞:李相日(『フラガール』)

 ◆主演男優賞
 報知映画賞:渡辺謙(『明日の記憶』)
 日刊スポーツ映画大賞:渡辺謙(『明日の記憶』)
 ヨコハマ映画祭:香川照之(『ゆれる』)
 キネマ旬報:渡辺謙(『明日の記憶』)
 毎日映画コンクール:佐藤浩市(『雪に願うこと』)
 ブルーリボン賞:渡辺謙(『明日の記憶』)
 日本アカデミー賞:渡辺謙(『明日の記憶』)

 ◆主演女優賞
 山路ふみ子賞(女優賞):蒼井優(『フラガール』『男たちの大和』)
 報知映画賞:中谷美紀(『嫌われ松子の一生』)
 日刊スポーツ映画大賞:松雪泰子(『フラガール』)
 ヨコハマ映画祭:蒼井優(『フラガール』『ハチミツとクローバー』)
 キネマ旬報:中谷美紀(『嫌われ松子の一生』)
 毎日映画コンクール:中谷美紀(『嫌われ松子の一生』)
 ブルーリボン賞:蒼井優(『フラガール』『ハチミツとクローバー』)
 日本アカデミー賞::中谷美紀(『嫌われ松子の一生』)

 ◆助演男優勝
 報知映画賞:香川照之(『ゆれる』)
 日刊スポーツ映画大賞:大沢たかお(『地下鉄(メトロ)に乗って』『7月24日通りのクリスマス』)
 ヨコハマ映画祭:笹野高史(『寝ずの番』『釣りバカ日誌17 あとは能登なれ ハマとなれ!』『アダン』『地下鉄に乗って』)
 キネマ旬報:香川照之(『ゆれる』)、笹野高史(『武士の一分』『寝ずの番』)
 毎日映画コンクール:笹野高史(『武士の一分』『寝ずの番』)
 ブルーリボン賞:香川照之(『ゆれる』『出口のない海』『明日の記憶』『嫌われ松子の一生』)
 日本アカデミー賞:笹野高史(『武士の一分』)

 ◆助演女優賞
 報知映画賞:蒼井優(『フラガール』『ハチミツとクローバー』)
 日刊スポーツ映画大賞:富司 純子(『フラガール』)
 ヨコハマ映画祭:吹石一恵(『雪に願うこと』『手紙』『明日の記憶』)、中村優子(『ストロベリーショートケイクス』)
 キネマ旬報:蒼井優(『フラガール』『ハチミツとクローバー』)
 毎日映画コンクール:蒼井優(『フラガール』『虹の女神』『ハチミツとクローバー』)
 ブルーリボン賞:富司 純子(『フラガール』『犬神家の人々』)
 日本アカデミー賞:蒼井優(『フラガール』)

 ◆新人賞
 山路ふみ子賞(新人女優賞):真木よう子(『ゆれる』)
 報知映画賞:松山ケンイチ(『デスノート』)
 日刊スポーツ映画大賞:蒼井優(『フラガール』『男たちの大和 YAMATO』『ハチミツとクローバー』『虹の女神』)
 ヨコハマ映画祭:松山ケンイチ(『デスノート 前編』『デスノート the Last name』『男たちの大和 YAMATO』『親指さがし』)、吉高由里子(『紀子の食卓』)
 キネマ旬報:塚地武雅(『間宮兄弟』)、壇れい(『武士の一分』)
 毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞:塚地武雅(『間宮兄弟』)、壇れい(『武士の一分』)
 ブルーリボン賞:塚地武雅(『間宮兄弟』)、壇れい(『武士の一分』)
 日本アカデミー賞:須賀健太(『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』)、塚地武雅(『間宮兄弟』)、速水もこみち(『ラフ』)、松山ケンイチ(『男たちの大和 YAMATO』)、蒼井優(『フラガール』)、壇れい(『武士の一分』)、山崎静代(『フラガール』)、YUI(『タイヨウのうた』)

 ◆その他
○山路ふみ子賞
 映画功労賞:藤村志保(『二人日和』『カーテンコール』)
 文化賞:津川雅彦(『寝ずの番』監督及び日本映画界での活動)
 福祉賞:『明日の記憶』製作委員会(読売新聞など)

 ○報知映画賞
 特別賞:『時をかける少女』
 特別賞:黒木和雄(『紙屋悦子の青春』)

 ○日刊スポーツ映画大賞
 石原裕次郎賞:『男たちの大和 YAMATO』(佐藤純弥監督)
 石原裕次郎新人賞:岡田准一(『花よりもなほ』『木更津キャッツアイ ワールドシリーズ』)
 特別賞:今村昌平
 外国映画賞:『ブロークバック・マウンテン』

 ○ヨコハマ映画祭
 脚本賞:西川美和(『ゆれる』)
 撮影賞:石井勲(『ストロベリーショートケイクス』)
 審査員特別賞:『ヨコハマメリー』(中村高寛監督)

 【ベストテン】1位:ゆれる 2位:フラガール 3位:嫌われ松子の一生 4位:雪に願うこと 5位:かもめ食堂 6位:ヨコハマメリー 7位:ストロベリーショートケイクス 8位:やわらかい生活 9位:博士の愛した数式 10位:時をかける少女 次点:紙屋悦子の青春

 ○キネマ旬報
 脚本賞:西川美和(『ゆれる』)
 外国映画監督賞:クリント・イーストウッド(『父親たちの星条旗』)
 文化映画ベスト・ワン:『あの鷹巣町の その後』

 【日本映画ベストテン】1位:フラガール 2位:ゆれる 3位:雪に願うこと 4位:紙屋悦子の青春 5位:武士の一分 6位:嫌われ松子の一生 7位:博士の愛した数式 8位:明日の記憶 9位:かもめ食堂 10位:カミュなんて知らない

 【外国映画ベストテン】1位:父親たちの星条旗 2位:硫黄島からの手紙 3位:グエムル 漢江の怪物 4位:ブロークバック・マウンテン 5位:麦の穂をゆらす風 6位:太陽 7位:カポーティ 8位:グッドナイト&グッドラック 8位:クラッシュ10位:マッチポイント

 ○毎日映画コンクール
 優秀賞:『フラガール』
 脚本賞:加藤正人(『雪に願うこと』)
 撮影賞:川上皓市(『紙屋悦子の青春』)
 美術賞:種田陽平(『THE有頂天ホテル』『フラガール』)
 音楽賞:加古隆(『博士の愛した数式』)
 録音賞:白取貢(『フラガール』『ゆれる』)、小野寺修(『雪に願うこと』)
 技術賞:小池義幸(『嫌われ松子の一生』=編集)
 田中絹代賞:草笛光子(『雪に願うこと』『犬神家の一族』)
 外国映画ベストワン賞:『父親たちの星条旗』
 ドキュメンタリー映画賞:『エドワード・サイード OUT OF PLACE』
 アニメーション映画賞:『時をかける少女』
 大藤信郎賞:『鉄コン筋クリート』
 TSUTAYA映画ファン賞日本映画部門:『デスノート』
 TSUTAYA映画ファン賞外国映画部門:『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』
 特別賞:今村昌平、風間章子

 ○ブルーリボン賞
 外国映画賞:『父親たちの星条旗』
 特別賞:今村昌平

 ○日本アカデミー賞
 音楽賞:ガブリエル・ロベルト、渋谷毅(『嫌われ松子の一生』)
 撮影賞:長沼六男(『武士の一分』)
 照明賞:中須岳士(『武士の一分』)
 美術賞:松宮敏之、近藤成之(『男たちの大和 YAMATO』)
 録音賞:松陰信彦、瀬川徹夫(『男たちの大和 YAMATO』)
 編集賞:小池義幸(『嫌われ松子の一生』)
 アニメーション賞:『時をかける少女』
 外国語作品賞:『父親たちの星条旗』 
 話題賞 俳優部門:塚地武雅
 話題賞 作品部門:『フラガール』
 会長功労賞:故・伊福部昭(音楽)、故・今村昌平(監督)、故・田村高廣(俳優)、故・丹波哲郎(俳優)、故・永山武臣(松竹会長)
 会長特別賞:『LIMIT OF LOVE 海猿』
 岡田茂賞:株式会社ロボット
 協会特別賞:鈴木和幸(映画美術特殊工作)

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 ◆「キネマ旬報」のベストテンについての、予想の結果など

 以前、当ブログで2006年度の映画賞の予想をしていますが(http://umikarahajimaru.at.webry.info/200611/article_8.html)、今年はかなりの的中率でした。

 キネマ旬報のベストテンを基準にして、外国映画では、15本をベストテン候補として挙げ、そのうちの5本を当確、2本を上位当確としていましたが、これが的中! ベストテンのうち、私の予想の中に入っていなかったのは、『硫黄島からの手紙』と『グッドナイト&グッドラック』の2本だけでした。

 日本映画のベストテンでは16本を候補として挙げていましたが、この16本のうち8本がベストテンにランクイン! 当確の5本、上位当確の1本も的中しました。外したのは、『武士の一分』と『博士の愛した数式』の2本でした。

 日本映画の各賞については、監督賞をあえて外したほかは、ほぼ的中! 私はいいと思ったけれど、受賞はないんじゃないかと予想していた助演男優賞=笹野高史と新人賞=塚地武雅が見事受賞になったのでこれは満足ですね。

 しかしながら、今年の外国映画のベストテンに関しては、残念ながら、あまりにも保守的で面白みがありません。複数評者によるベストテンの集計結果だから最大公約数的なものになるのは仕方がないとはいえ、例年以上に保守性が増したベストテンになったように思えます。評者の年齢層が上がったのでしょうか。既に評価の高い作品を再評価してるだけという感じもします。
 イーストウッド作品が1位2位独占ていうのも、だったら、これまでのイーストウッド作品はどうなのさって思ってしまいますし、この2作品に関しては、個々の作品としての価値はともかく、これまでの数多くの戦争映画に比べて、特に突出した作品であるようには思えませんでした。

 そんな中で、イーストウッドを除けば、『グエムル』がトップにくるというのは快挙ですね。『グエムル』は(韓国での成績と比べて)日本では興行的には失敗したという言われ方をしていましたが、次から次へと生み出されてくる韓国映画の中にあって、次はこう来たかっていう驚きもあり、やっぱり面白かったですもんね。

 そのほかに、気になったポイントを挙げておくと―

 ・日本映画では、シネカノン作品が2年連続1位! しかも今年は1位2位独占!

 ・外国映画では、イーストウッドが2年連続1位! しかも今年は1位2位独占!(実は3年連続1位)

 ・銀座シネパトス封切り作品(『太陽』)がキネ旬のベストテンにランクインするのはおそらく初めて。

 ・日本映画では、松竹系が1本、東映系が1本、東宝系が1本(ただし、メインのチェーンでの公開ではなかった『嫌われ松子の一生』)ランクイン。昨年は東宝系が1本、東映系が1本、一昨年は東宝系が2本、松竹系が2本でした。
 そのほかは、インディペンデント系の配給作品ばかりでした(『博士の愛した数式』のみ拡大公開作品で、そのほかは単館系公開作品)。

 ・外国映画のベストテンでは、8本が英語作品。これもちょっと珍しいことで、こういうこともこのベストテンがあまり面白みがないと感じる理由なのかもしれません。

 ・『フラガール』で1位を獲得した李相日監督は、ひょっとすると1位受賞監督としては最年少かもしれません(李相日監督は1974年生まれの32歳で、西川美和監督と同じ年齢)。

 ・2006年度のベストテンが保守的に見える理由が、実はもう1つあって、それは日本映画のベストテンも外国映画のベストテンも、前年に比べて監督の平均年齢が10歳近くも高いことです。2006年度はベテラン度の高い監督作品ばかり選ばれているっていうことですね。
 外国映画の監督が2005年度は48.5歳(2005年末現在)なのに対して、2006年度は57.5歳(2006年末現在)で、日本映画の監督では、2005年度が43.5歳なのに対して、2006年度は52.5歳。2005年度の日本映画の監督には佐藤純彌監督(1932年生まれ)がいるのにも拘らず、若い監督が何人もいるおかげで平均年齢が低くなっています。
 2006年にたまたまベテランの良作が出揃ったのか、2006年の評者がそういうセレクションをしたのかはわかりませんが、2年連続で新作を撮れる監督はそうそういないので、たまたま2006年にベテラン監督の作品が並んだということはあるかもしれません。2005年には山田洋次の新作も、黒木和雄の新作も、根岸吉太郎の新作もなかったわけですから。
 *昨年のベストテン関連記事はこちら(http://umikarahajimaru.at.webry.info/200601/article_12.html)

 ちなみに―
 1930年生まれ:クリント・イーストウッド、黒木和雄(『美しい夏キリシマ』と『硫黄島からの手紙』を見比べても面白そう)
 1944年生まれ:ジョージ・ルーカス、小泉尭史
 1951年生まれ:アレクサンドル・ソクーロフ、ダルデンヌ兄弟
 1959年生まれ:緒方明、中島哲也
 1961年生まれ:ジョージ・クルーニー、ピーター・ジャクソン、塩田明彦(『キング・コング』vs『どろろ』?!)
 1969年生まれ:バフマン・ゴバディ、ポン・ジュノ、イム・チャンサン、豊田利晃
 1972年生まれ:アレハンドロ・アメナバール、内田けんじ、荻上直子
 1974年生まれ:『ウィスキー』の両監督、李相日、西川美和

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